ガンダムビルドブレイカーズforWAR 作:Wandarel
作者のワンダレルです。
さて前回、有音ヒビキが失った物を再び取り戻すべく彼は前へと歩み始めました。
しかし、その裏では戦女神が、そして意外な彼女が大きく背負い込み、大きく後退しています。
湯の森ガンプラ部の行く末は……誰にも分かりません。
それでは!!ガンプラファイト!
レディーゴー!!
注:「この話を見る前に、ガンダムビルドブレイカーズExtraSky第三話を読む事を推奨します。」
ゲリラバトルから四日後、ガンプラ部は未曾有の危機に陥っていた。
イチカ「……というわけなの。勝手だけどレイカ姉は今は戦えない。」
セイラ「そう……。となると、困りましたね。」
レイカのスランプによる離脱。そして、今この場にはいるが……
ヒビキ「僕もガンプラバトルはしばらく出来そうにない。レイカさんの事に関しては僕も気になるけど、その空いた穴を埋める為にも僕は新しいガンプラを完成させたいんだ。」
ヒビキの強い決意にみんなは賛同した。
一人を除いて。
コハル「……馬鹿馬鹿しい。」
イチカ「コハルっち…。」
コハル「どうしたいかは何となくは分かる。でも、ここで引いてばかりで意味があるの?」
カナデ「……コハルさん、それはレイカへの侮蔑ですか?もしそうだとしたら私は容赦しませんよ。」
コハル「悪いけどいつまでも子供でいられないのよ。私達には私達なりの道がある。それで足止めを食らうわけにはいかない。」
コハルの言い分は間違っていない。
現にガンプラ部への悪評が飛び出るようになっているのだ。
アキト「だけどまだなにか方法は……。」
コハル「悠長な事は言ってられないわ、今に分かるから。」
そしてガンプラ部の部室の部屋が開く。
ツルギ、コマ、ルヤの三人が遅れてきた。
ツルギ「ご、ごめんなさい遅れました!」
あの真面目なツルギが遅れてきたのだ。それにツルギの頬にぶたれたような跡がある。
イチカ「つ、ツルギちゃん!?どうしたのそれ?!」
コマ「手短に説明する…。」
珍しくコマとルヤが怒っていた。
~数十分前~
ツルギ「さて、授業も終わりましたし早く行きましょう!」
マリオン『ツルギ……本当に大丈夫かしら?』
ツルギ「えぇ、もちろんです!」
レイカが学校から帰る後ろ姿を見つつ、急ぎながらツルギはガンプラ部へと準備をしていた時、不意に聞こえてきたのだ。
「本当によかったわねこれで。」
「ざまぁみろって感じよ。」
レイカが負けてから最近はずっとそういう陰口を聞いている。
ツルギも己の正義感から許したくはなかったが、あまり大事にするわけにも行かず、見過ごしていた……が。
「もう二度とガンプラバトルなんかしなければいいのに。」
「それなwそうすりゃ俺達も学校でガンプラバトル出来るからな!」
そう言ってゲラゲラ笑うグループがいた。
すると、そのうちの一人がいきなり平手打ちをされ尻もちをついた。
「な、なにすんのよ!!」
言ってはいけないことを言った人にツルギは容赦しない。
ツルギ「見過ごせません……貴方達が言ったその言葉、取り消してください!」
「なんで取り消さなくちゃなんないのよ!だったらガンプラバトルでアタシに勝てたら取り消してやるよ!」
ツルギ「望むところです…マリオン、ごめんなさい。やれる?」
マリオン『はぁ…もう慣れっこよツルギ。』
ツルギ「五人連続で相手をしてあげます。かかってらっしゃい!」
戦績は四勝一敗。最後に負けはしたが、それでも連勝していた。
ツルギ「さぁ、取り消してもらいますよ!」
「へっ、誰が取り消すものですか!アタシに勝ててもアタシらには勝ててないんだから!」
ツルギ「な!?」
そう、コイツらは約束を守る気などなかったのだ。
ツルギ「卑怯な事を!」
と言うと同時にツルギの頬に平手打ちが炸裂する。
「偉そうなこと言ってんじゃないわよ!あんな化け物のせいでガンプラバトルが出来ないんだから仕方ないでしょうが!ガンプラ部なんてさっさと廃部になれはいいのよ!」
そう言ってもう一回ツルギの頬をぶとうとした時だった。
女の手は誰かに止められた。
ルヤ「そこまでにしとけ。」
コマ「テメェら俺達の仲間に何してんの?」
それは怒りに身を震わせるコマとルヤだった。
「ひっ……は、離しなさいよ!」
コマに掴まれた手を女は引き剥がす。
ルヤ「だったらもう二度と近づくな。」
コマ「悪口を言っても見てるからな?」
二人が強く警告をすると、嫌味を言いながら五人グループは去っていった。
「ふん、そういう態度が気に入らないのよガンプラ部!」
ツルギ「なんて酷いことを……。」
ツルギ「ということがあったんです。」
イチカ「……そう。」
その話を聞いたイチカのその手は震えていた。
アキト「どうしてそんなことを平気で言えるんだ……。」
ヒビキ「……僕達が一体何をしたって言うんだよ。」
ミタマ「………。」
エタ「ちょっとそいつら半殺しにしてきますね。」
セイラ「落ち着いてください、そんな事する必要はありません。」
今、キノがガンプラ部に来れないのもこういう側面があるのを見越してなのかもしれない。
コハル「こういうことよ。私も今日石投げられたけど返り討ちにしてやった。」
コハルの言う通り、今のガンプラ部へのヘイトは凄まじい。
最強たるレイカが居ないことをいい事に好き勝手に言ってくるのだ。
顧問となったシロー先生もその事を注意したり、先生達に注意喚起しているが収まる様子は今の所厳しい。
コハル「アイツらを黙らせるにはガンプラバトルが必要。なら、私はソイツらを潰す為に強くなる。皆もこれ以上言わせたくないならそんくらいした方がいいんじゃない?」
そう言うとコハルは立ち上がり、帰る準備をした。
ツルギ「こ、コハルさんどちらに!?」
コハル「帰る。帰って自主練とフォクシードの強化プランを練るわ。悪いけど今のガンプラ部じゃ何も出来そうにないから。」
と言って去っていった。
ヒビキ「僕も同じだ。今はレイカさん無しでも戦えるようにしなきゃいけない。今は相当悔しいけど、必ず見返してみせる。」
ヒビキも家へと帰って行った。
セイラ「……困りましたね。」
この状況、考えうる限り最悪に等しい。
イチカ「どうしたら……」
考えを頭に巡らせるが、やはり思いつかない。
とはいえ、何もせずに帰る訳にも行かない。
イチカ「皆、やれるだけの事をやろう!私たちにも出来ないことはないはずだよ!!」
イチカの激励に一応反応はあった。
そして作業中、ミタマがイチカに声をかけた。
ミタマ「ねぇイチカちゃん。レイカさんとカケルが戦った動画って持ってるかな?」
イチカ「ん?見る?」
スマホを差し出し、ミタマに渡す。
そしてその一部始終を見たミタマが一言つぶやく。
ミタマ「なに……これ……。」
その顔はありえないものを見たような顔だった。
そして、これがある事のきっかけになるとは思わなかった。
翌日の放課後
イチカ「頼もー!!イチカが来たぜぇ!!って私がトップだけど!ナハハハ!」
イチカがガンプラ部の部室に一番乗りでついた。
そして、机の上にある紙。
それは、退部届だった。
イチカ「ふえっ!?レ、レイカ姉!!?」
その退部届がレイカのものだと思ったイチカは急いで中身を見る。
だが、退部届を出していたのは……ミタマだった。
イチカ「え……ミタマ……っち?どうして……?」
その内容をイチカは読み始めた。
ミタマ「この度のレイカさんのスランプについて、私から申し上げたいことがあります。まず、私が皆さんにカケルの事を言わなかったことで、レイカさんを傷つけ、追い詰めたことを謝罪します。その責任を取る形で退部という手段を選ばせていただきました。皆さんに迷惑をかけて本当にごめんなさい。ガンプラ部はとても楽しく、明るい場所だったのにそれを壊してしまった事を深く謝罪します。」
イチカ「そ……そんな……。」
無自覚だったが故に、イチカはショックだった。
ミタマの気持ちも分からずに自分勝手に振り回していた事をイチカは後悔した。
この事を皆に伝えた時に皆はどことなくそんな気がしていたという顔をしていた。
分からなかったのはイチカだけだったのだ。
イチカ「……みんな、ごめん。」
ツルギ「いいんです、いつか帰ってきてくれるかもしれませんから。」
アキト「……。」
セイラ「やはり、ここは各々で強化プランを練りましょう。少なくとも今の状況でチームプレイなんて天地がひっくり返っても出来ないでしょうから。」
カナデ「悔しいですけど、同意見です……。」
コマ「……ちっ。」
ルヤ「……クソッタレ……。」
各々が沈んでいた時だった。
アキト「よし、決めた……」
この状況下でアキトは小声で何かを言った。
湯の森ガンプラ部、存続の危機である。
この時の彼らは知らないが、三つの邪悪な忍び寄る影が迫ってきていた。
バーで酒を嗜む若々しい女性、ソウゲツ・トモコがいた。
そしてトモコは隣にいるトモコ似の女に酒を注いでいた。
トモコ「任務ご苦労さま。」
「とんでもない、そう言う労いの言葉があるだけでも私は嬉しいですよ、姉さん。」
彼女もまたトモコの名を持っているが、正確にはナルミという名前である。
ナルミ「しかし、いいのですか姉さん?こんな事してたら…。」
トモコ「いいのよナルミ。貴方はよくやってくれたわ。」
ナルミは人を使っての暗殺の指示を遂行しているが、トモコからの直接の依頼は珍しかった。
トモコ(手駒は大きく削った。ここからどう巻き返すつもりかしら、アルマ?)
???「ふっふっふっ……今こそワシの願いが叶う時が来るのだ……!」
???「フハハハハ!必ずこなしてみせる。それがワシの悲願じゃぞ……!」
イチカ「………え?」
次回、ガンダムビルドブレイカーズforWAR
第三十九話「次こそは」
次回も!ガンプラファイト!
レディー!ゴー!