ガンダムビルドブレイカーズforWAR   作:Wandarel

51 / 51
皆さんお待ちかねぇ!
作者のワンダレルです。
さて前回!突如として湯の森に現れたのはイチカ、レイカの祖父、セルゲイ・スミルノフとその一家!
アルマのうっかりの伝達ミスはあったものの、湯の森高校に戦力強化としてのノウハウを教えるべく来訪した模様です!
果たしてこの経験はどうなる事か!
それでは!!
ガンプラファイト!レディー!ゴー!


第五十話「荒熊の来訪・後編」

湯の森高校。

湯の森市が誇るガンプラバトル含めたガンプラ関連の強豪校の一つ。

その中のガンプラ部に所属し、部長を務めているのが

かのデンノ・イチカである。

 

イチカ「というわけで紹介するね!私とレイカ姉のおじいちゃんとおばあちゃんと伯父さん!!」

 

ツルギ・ヒビキ

「「端折りすぎだよ!!(ですよ!!)」」

 

エタ「全く、突然話がありますなんて言い出したから何事かと思ったら……。」

 

アキト「いきなり人物名抜きで紹介されてもね……。」

 

セルゲイ「こらこらイチカ、お友達が困ってるだろう。挨拶が遅れたね。私はセルゲイ・スミルノフだ。今日はよろしく頼むよ。」

 

コマ「ん?セルゲイ??」

 

ルヤ「どっかで聞いたことあるような……。」

 

各々が首を傾げた時、カナデが突然あっと言った。

 

カナデ「ま、まさかあのロシア代表の通称セルゲイ大佐、「ロシアの荒熊」では!!?」

 

ガンプラ部一同「「「「え?」」」」

 

そのやり取りにセルゲイが盛大に笑った。

 

セルゲイ「はっはっはっ!!その名前ももう廃れてるものだと思っていたが、未だに有名だとはな!」

 

アキト「待って待って待って!?あのセルゲイさんがイチカとレイカのおじいちゃん!!?」

 

レイカ「そうよぉ〜?」

 

セイラ「え、では隣のご淑女は?」

 

ホリー「あら、ご丁寧にどうも。私はホリー・スミルノフ。夫のセルゲイと一緒に戦ったこともあるけど今は現役引退してマネージャーを務めてるわ。」

 

エタ「うっわ、衝撃の事実なんですけど。」

 

無論、ガンプラ部の皆に話していないので知ってるはずがない。

そして、その流れで自然とある人物に視線が動く。

 

アンドレイ「流れ的にそうなるか。俺はアンドレイ・スミルノフ。親父ほどの実力がないから「小熊」呼ばわりされているが、よろしくなガンプラ部の皆。」

 

コハル「いやいやいや、小熊なんてとんでもないって。普通に強い人ですって。」

 

ツルギ「ん?待ってください、なにか重要なこと忘れてないですか?」

 

ツルギのその発言にガンプラ部がキョロキョロする。

 

イチカ「あ、そーだ言うの忘れてたんだけど」

 

レイカ「私たちねー」

 

イチカ&レイカ「「クォーターなんだよねー。」」

 

ガンプラ部一同「「「「えええええぇッ!!?」」」」

 

突然の告白、当然この反応になるわけである。

 

イチカ「お母さんがロシアと日本のハーフで」

 

レイカ「お父さんが純日本人なの〜。」

 

ヒビキ「そりゃ二人がめちゃくちゃな強さなのも納得だよ。」

 

エタ「ロシアの荒熊、そして伝説の超兵の血筋が入ってるならそりゃ強いですね。」

 

ツルギ「……でも私達もそれなりに成績残してますし、二人にも勝ててますよね?」

 

アキト「俺たちだって頑張ってるからな。」

 

イチカ「まぁそこはみんなも強い証拠だね!」

 

レイカ「今まではちょーっと手加減してたけどー、今回からは私も本気(マジ)で行かせてもらうわ〜♪」

 

アキト「ひぇっ……よろしくお願いします。」

 

コマ・ルヤ「「望むところだァ!!」」

 

カナデ「……ふふ、ようやくらしくなりましたねレイカ。」

 

コハル「ふん、次は私が勝ちますからね。」

 

セルゲイ「おっほん、盛り上がっているところ申し訳ないが少しいいかな?」

 

セルゲイのその声にガンプラ部は一斉に元の位置に戻り座り静かになる。

 

アンドレイ「……すごく綺麗に戻ったな。」

 

ホリー「感心してる場合じゃないわ。続けてちょうだいあなた。」

 

セルゲイ「あぁ、そうさせてもらおう。」

(これが湯の森高校ガンプラ部か……流石と言ったところか。)

 

セルゲイ「今回、我々がここに来たのは他でもない君達の戦力の強化だ。一昨日より君達の戦闘データ、リプレイを見ていたが断言しよう。」

 

何を言われるか分からない状況、出てくる言葉は批判かそれとも罵倒か?

セルゲイが息を吸って話し始めた。

 

セルゲイ「君たちは今のままでも十分に強い!」

 

その言葉にガンプラ部の皆はキョトンとした。

が、セルゲイの話は続く。

 

セルゲイ「十分な育成機関、育成の基礎としては世界に通じるやもしれん。実際に孫のレイカが不幸な事はあれど、その一歩手前まで登りつめたのだからな。しかし、世界に至るにはレイカを含め、君達にはまだまだ荒削りなところは多い。」

 

セルゲイはあのレイカですらまだ荒削りと言い切った。

その言葉の重さはガンプラ部の面々に伝わっている。

 

セルゲイ「本来なら全員と組手をして教えたいところだが、ガンプラが破損してるなどの理由で戦えない者もいると聞いた。」

 

ヒビキ「うぐ……。」

 

イチカ「うぅ……。」

 

そう、今イチカとヒビキには互いにメインとなるガンプラが破損しており、修理及び新規製造を進めてる最中なのだ。

 

セルゲイ「よって、マネージャーのホリー、そしてアシスタントとして息子のアンドレイを連れてきた。ホリーのガンプラ製作能力は高く、アンドレイもまた策謀においてのコツを教えられる。我々三人は君達の強さを底上げする為にここに来た。」

 

そしてセルゲイが高らかに宣言した。

 

セルゲイ「ここからは私達は鬼となり強烈に指導していく!そのつもりでいるように!」

 

ガンプラ部一同「「「「はい!!!」」」」

 

……と、言った矢先セルゲイが豪快に笑った。

 

セルゲイ「はっはっはっ、冗談だ。流石に軍隊じゃあるまいしそこまで堅苦しくするつもりも無い!ガンプラバトルもガンプラ製作も楽しむことからだ!諸君にはそこを忘れないでもらいたい。では、行こうか!えーっと……この場合なんというのだろうか?」

 

このノリにみんなの緊張がほぐれた。

 

イチカ「おじいちゃん、こういう時はこういうの。」

 

とイチカはセルゲイに耳打ちをした。

 

セルゲイ「なるほど、専用の掛け声もあるのか!いいじゃないか!!」

 

そしてセルゲイ、ホリー、アンドレイの三人を含め皆が拳を差し出す。

 

セルゲイ「それでは諸君!特別授業の開始だ!

湯の森ガンプラ部!!レディー!!」

 

一同「「「「「「ゴーッ!!」」」」」」

 


そして早速始まったのは実戦形式の戦闘技術の確認、及び応用だった。

代表としてセイラ、アキト、コハルの三人が出ることになった。

 

コマ「まーたお留守番かよぉ!」

 

ルヤ「俺たちも戦いてぇのに。」

 

ホリー「まぁまぁ落ち着きなさい。二人には特別講習があるからね。」

 

アンドレイ「では、講習を始める。今回の3V3の教官のアンドレイだ。知っての通り今から親父、母さん、そして俺の三人と君達代表とで戦ってもらう。ただ、教えるとはいえ手加減するつもりは基本ないのでそこは間違えないように。俺は厳しくいくつもりだ。」

 

コハル「むしろそうしてくれた方がいいです。」

 

アキト「是非、俺たちに出来ることが伸ばせるのならば!!」

 

セイラ「最近改造したばかりですが、やらせてもらいましょうか。」

 

アンドレイ「では早速実践に移ろう。各々、デバイスは準備できてるかな?」

 

ガンプラ部代表「「「もちろん。」」」

 

アンドレイ「よろしい、では始めるぞ!」

 

アナウンス「Gunpla Battle, Lady Fight!!」

 

コハル「ユキハナ・コハル、サーペントフォクシード、出る。」

 

セイラ「ナス・セイラ、ジャンククアンタ、目標に飛翔する。」

 

アキト「ナルセ・アキト、ザクタンクJ、行きます!」

 

セルゲイ「セルゲイ・スミルノフ、GNティエレン、出るぞ!」

 

ホリー「ホリー・スミルノフ、ティエレンべアツー、行くわ!」

 

アンドレイ「アンドレイ・スミルノフ、アヘッドtypeIV、出る!」

 

マシンに選ばれたステージは南米の森林地帯だった。

 

アンドレイ「森林地帯か……となると……。」

 

アキト「きっと僕の事を警戒してくると思う。そこを逆張りしてみよう。」

 

コハル「OK、じゃあ私とアキトは陸上、セイラは空中から攻めて。」

 

セイラ「了解、皆気をつけて。」

 

そうしてガンプラ部は分散した。


セイラ「……予想通りね。」

 

遠くからのカメラで視認し、GNティエレンとアヘッドtypeIVが空中で移動しているのが見えた。

が、それは向こうも同じだ。

 

セルゲイ「やはりこちらから来るか。」

 

アンドレイ「フォクシードは空中を浮遊できるはずだがいない……つまり」

 

セイラ「ティエレン同士、戦います。」

 

手始めにセイラはGNティエレンに襲いかかった。

GNカーボンブレイドと特殊カーボンブレイドがぶつかり、火花が溢れる。

 

アンドレイ「そこだ!」

 

無論、その隙を逃さないアンドレイ。

GNビームマシンガンを撃ったが、それはGNフィールドの起動で防がれる。

 

セルゲイ「私と同じ太陽炉持ちのティエレンか!」

 

セイラ「ご明察です。」

 

しかし、セルゲイはこの状況で空いた手で拳を振るい、ジャンククアンタを怯ませる。

 

セイラ「くっ…。」

 

セルゲイ「近接においてあらゆるものは武器となる。今、この高校で教師を務めているシロー君もかつて組んでいたノリスと相対した時に腕をちぎりながらも私にダメージを与えてきた。」

 


一方それを聞いていた外野

 

イチカ「え!?おじいちゃんノリスさんと組んでたの!?」

 

エタ「ノリスさんって確か市長の秘書さんですよね?」

 

ヒビキ「それに今シロー先生の名前も……。」

 

カナデ「ええい、湯の森め、バケモノしかいないのか!」

 

コマ「おめーもその一人だよ。」

 


場面は戻り、バトルでは激しい攻防が繰り広げられていた。

 

アンドレイ「なるほど、確かに強いな。」

 

戦況を見据え、2対1の対応をセイラは得意としている為今こうしてセルゲイ、アンドレイの双方を相手にしていた。

基本的にセルゲイを攻撃し、アンドレイに対しては向かってくれば迎撃、及び回避を心がけている。

 

セイラ(この集中力を継続させる。私の得意分野を。)

 

だが……。その意図は既に二人に見透かされていた。

 

セルゲイ「確かにその集中力は見事だ。しかし!!」

 

突然2機が踵を返し一点へと向かった。

その先にいるのは……

 

コハル「!!?」

 

地上で森林に隠れ、潜伏していたコハルのサーペントフォクシードであった。

 

セイラ「な……!」

 

当初の作戦はセイラの操るジャンククアンタで2機を牽制。

そしてその隙をコハルのサーペントフォクシードで後ろからかすめ取る。

文字通り、キツネに化かされる作戦を取ろうとしていた。

 

コハル「チッ……気づくの早すぎでしょ。」

 

ある程度想定してことだからこそ、コハルは即座に迎撃に入る。

 

セイラ(少し早いがプラン通りやるしかない。)

「Synchro-TRANS-AM、飛翔せよ0クアンタ。」

 

セイラのジャンククアンタもパージし追撃を始める。

 

セルゲイ「む?ティエレンではなかったか……。」

 

それを見たセルゲイが少し嘆く。

しかし、そこにサーペントフォクシードが襲いかかる。

 

コハル「もらった。」

 

大型のビームサーベルが襲い来る直前にアンドレイが横槍を入れ、致命傷は避けた。

 

アンドレイ「父さん、しっかりしろ。相手は現役でもあり成長を続ける学生なんだぞ。」

 

セルゲイ「ふっ、お前にそれを言われるようになるとはな。」

 

セイラ「あの状態から避けるか。」

 

コハル「うーん、めんどーだな。」

 

そこから出来る限り擬似タイマンに持ち込む形で各自で支援する戦法をコハル、セイラが取った。

制空権は互いに五分(ごぶ)

よってここで求められるのはタイマンによる攻防だ。

GNカーボンブレイドとGNソードVがぶつかり合い、もう片方ではGNランスとビームサーベルが激突していた。

 

コハル「セイラ!」

 

その掛け声にセイラが飛翔し、その後ろからコハルが大口径ビームライフルをGNティエレンに撃ち込む。

 

セルゲイ「ぐっ……やるな!だが!」

 

アンドレイ「もらった!!」

 

そのコハルに向かってGNビームマシンガンを撃ち込む……はずだった。

アンドレイは咄嗟にどこからともなく現れた砲撃に対してGNフィールドを張り、大ダメージを避けた。

 

アンドレイ「ぐ……しまった!」

 

アキトの駆るザクタンクJだ。

まさにここまでが三人が思い描いたシナリオ。

べアツーをともかくとし、主力である二機を三機で叩けるように既に仕掛けていたのだ。

森の中で潜伏し、こちらに向かってくるのを。

 

アキト「今だ!二人共!」

 

ザクタンクJの砲撃で牽制されたGNティエレンとアヘッドtypeIVが0クアンタとフォクシードによって地面へと叩きつけられる。

 

アンドレイ「……流石は湯の森と言ったところだな本当に。」

 

セルゲイ「厄介だな。人型2、戦車が1。状況は圧倒的に不利だな。」

 

アキト「攻撃を緩めずに続けてくれ!」

 

アキトのザクタンクJが猛進しながら援護射撃を繰り広げる。

 

セイラ「そこっ!!」

 

GNソードVライフルモードで距離を詰めながら攻撃を続ける0クアンタ。

フォクシードもまたそれに続く。

フォクシードの着地点付近の足元は池による水場、故に浮きながらの攻めを繰り広げる。

グポォン……

その時、赤い目が光った。

それと同時に、池から飛び出たなにかにフォクシードが掴まれ、水に引きずり込まれた。

 

アキト「!!?」

 

全くの想定外。それは……

 

コハル「マジか……。」

 

今まで水の中に身を潜めていたティエレンべアツーだった。

武装のベアッガイのような装備をしたかわいらしいティエレンが腕部のビーム砲と共にクローの連撃でフォクシードの耐久値を一気にゼロにした。

 

アキト「コハルさん!!」

 

コハル「くっそ、やられた!」

 

だが、セイラとアキトの陣形は乱れない。

 

セイラ「やるしかありません、全力で……!」

 

ニ対三その状況でも闘志は揺るがない。

一気に加速し、アヘッドtypeIVへと向かう。

それと同時、アキトもまたアヘッドtypeIVへと向かう。

作戦は一点突破。リスクはあれど、判断としては最適だった。

しかし……

セルゲイ「悪くはない撹乱、そして作戦だったがあと少しだったな。」

 

GNティエレンとティエレンべアツーがザクタンクJ、0クアンタの二機をブレイクしていた。

距離にしてギリギリ可能なはずだったが……。

 

セイラ「TRANS-AM……。」

 

セルゲイのGNティエレンがTRANS-AMをし、べアツーを掴んで距離を詰め、トドメを後ろから刺していた。

 

アンドレイ「……ふぅ、演習はここまでだな。」

 

シュミレーターが機能を止め、リザルト画面を出した。

圧倒的な戦術に全員が息をのみ、ただ呆然としていた。

 

アンドレイ「これが世界に通ずる戦い方のひとつだ。」

 

圧巻、この一言に尽きる。

今までの戦いが嘘だったかのように。

それでもなお、アンドレイは続けた。

 

アンドレイ「俺達が君達に出来ることはアドバイスだけだ。やり方や実践は全て君達が戦いやビルドの中で手に入れなくてはならない。その事を忘れないでくれ。」

 

圧倒的で大きな背中。

これがロシアの荒熊と呼ばれる所以。

そして、それに追従するアンドレイとホリーの凄み。

普通なら圧でしり込みしてしまうだろう。

だが、湯の森ガンプラ部の目は燃えたぎっていた。

熱血でもなく、武闘派でもない。

だがしかし、それでもガンプラを楽しむ事を忘れない。

だからこそ彼らはとても強い。

 

アンドレイ(……いい目をしてるな。昔のマリーやヨシモリ、それにアルマにそっくりだ。それに、彼らやあの男にも。)

 

かつて湯の森を震撼させたアルマ、アマリ、ヨシモリの3人による3on3の学生王者チームチームフェレシュテ

そして湯の森2on2王者チームZEXALアグニカ

湯の森が誇る1vs1最高戦力の1人、クロス・シュウジを。

アンドレイは思い出していた。

いずれも、この湯の森ガンプラ部に所以のある人間ばかりだ。

そしてこの運命の中に自分達も混ざるのだろう。

 

アンドレイ「君たちの強さは誇りを持ってくれ。いつかきっと世界に届くさ。」

 

ガンプラ部一同「「はい!」」

 

真面目で誠実、それでありながらガンプラや戦法ははちゃめちゃだが破綻していない。

それこそが湯の森ガンプラ部なのだろう。


ホリー「じゃあここからは2on2の訓練ね。今回は私とセルゲイが出るわ。」

 

カナデ「こちらからは誰を出しましょうか?」

 

2on2自体はあんまり経験がないが、湯の森ガンプラ部は相談を始める。

 

カナデ「イチカとレイカならどうでしょうか?」

アキト「流石に安牌すぎますよ。そしてそれ貴方の願望でしょう。」

 

カナデ「チッ。」

 

ここで2人が手を挙げた。

 

コマ・ルヤ「「俺がやる。って被せんな!」」

 

息を飲むほどのピッタリ具合だ。

 

ツルギ「ならお2人に行ってもらいましょう。きっと強くなれます!」

 

ツルギが期待の眼差しで二人を見つめる。

 

コマ「お、おう……。」

 

ルヤ「任せとけ……?」

 

あまりの真っ直ぐさに2人が少し申し訳なさそうにしてるのを見てイチカが笑った。

 

イチカ「よーし、じゃあ行っておいでコマルヤコンビ!」

 

ルヤ「おう、任せとけ!」

 

コマ「部長からの命令だ。無下にゃ出来ねぇな。」

 

そしてコマ、ルヤの2人がバトルベースに歩み寄る

鬼気迫る表情、しかしそれはセルゲイ、ホリーに向けられたものではない。

 

コマ「足引っ張ったら引っぱたくからな?」

 

ルヤ「上等だ。お前も邪魔したらぶん殴るぞ?」

 

セルゲイはそんな喧嘩を見て笑った。

 

セルゲイ「懐かしいな、ホリーと切磋琢磨して互いに研鑽してた時代を思い出す。」

 

ホリー「ほんとねぇ……あのころは若かったから。」

 

微笑ましくも、その目は真剣だ。

 

セルゲイ「今回は2on2での戦術指南だ。戦闘終了後に各自の気になる点を質問するなどの時間も考慮し、5分決着とする。」

 

ルヤ「5分ありゃ十分だな。」

 

コマ「まるで問題ねぇ。」

 

3on3の戦闘を見てもなお、二人の自信と挑戦への熱意が止まらない。

 

ヒビキ「すごいな、あの自信……僕も見習わないと。」

 

ツルギ「なんというか、あの二人を見てるとつい安心するというか……。」

 

コハル「命知らずは見る専に限るよねー。」

 

コマ・ルヤ「「聞こえてんぞ!!」」

 

コハル「おぉ怖い怖い。」

 

アンドレイ「それでは演習開始!」

 

『Gunpla Battle,READY FIGHT!』

 

コマ「プロトデュエルドールY、行くぞ!」

 

ルヤ「アレルレクス、破壊するぜ!」

 

ガンダムバルバトスアレルレクス、そしてプロトデュエルドールYが同時に出撃する。

ステージは遮蔽物がほとんどない平地だった。

 

ルヤ「いいねぇ、隠れる場所もここならロクにねぇだろ。」

 

コマ「油断すんなよ?」

 

一騎討ちならぬ二騎討ちだ。

さっそく、べアツーとGNティエレンが近接武装を構える。

そして、コマとルヤは一気に駆け抜けた。

対象は……べアツーから。

 

セルゲイ「ダブルロックか!ホリー!」

 

ホリー「えぇ!」

 

デュエルドールのべアツーへの攻撃先にGNティエレンが出てくる。が、それを華麗に避けた。

 

セルゲイ「なんだと?!」

 

コマ「へへっ、このまま一気にやる!」

 

プロトマクアフィティルを抜き、アレルレクスも大型メイスを振りかぶり攻撃する……が。

 

ホリー「ふんっ!!」

 

咄嗟の宙返りを行い、その攻撃は互いに入る。

 

コマ「いってぇ!!!なにしやがるルヤ!!」

 

ルヤ「お前こそ何してんだよ!」

 

いつもの口喧嘩が始まった。


イチカ「あーあ、いつもの始まっちゃったよ。」

 

セイラ「いつもの小競り合いなんですけど相手的にも大丈夫なんですかあれ?」


ホリー「目の前で喧嘩してるわね…。」

 

セルゲイ「……本来なら好機なんだろうな。」

 

動きにくい理由がひとつある。

小競り合いで互いに攻撃しあってるが、的確にこちらにも攻撃をしてきている。

相手を巻き込みながら喧嘩をするというかなり器用な事をしているのだ。

 

セルゲイ「だが、それもまた見切れる。」

 

GNティエレン、ティエレンべアツーが同時に走る。

 

ルヤ・コマ「「邪魔すんじゃねぇ!!」」

 

どうやら近づいてくる二人に気づき、吠えた。

そして、コマの剣戟とルヤのテイルブレードが飛ぶ。

しかし、べアツー、GNティエレンは同時に回避した後ワイヤーを射出し、二人を拘束した。

 

セルゲイ「ホリー!」

 

ホリー「えぇ!わかってる!」

 

時間が無いと判断したのだろう、GNティエレン、べアツーの連続攻撃でコマとルヤの機体を一括で撃破した。

 

『BattleEnd』


ルヤ「チクショー負けたァ!!」

 

コマ「あん時ルヤがしっかり当ててりゃよぉ。」

 

ルヤ「なんだァテメェ人のせいにすんじゃねぇよ!」

 

コマ「んだとぉ!!」

 

戦いが終わったあとも小競り合いが始まった。

 

セイラ「すみません、この人達いつもこうなんです。」

 

セルゲイ「……おっほん、ちょっといいかなコマくん、ルヤくん。いくつか聞きたいことがあってだね。」

 

セルゲイの問いかけに二人はすぐ喧嘩を収めた。

 

セルゲイ「二つ聞きたい。まずコマくん、あの時避けるのは困難なタイミングだった攻撃を避けれたのは何故かな?」

 

コマ「んー、師匠の攻撃よりかは見切りやすかったから?」

 

セルゲイ「ではルヤくん、喧嘩しながらでも私達の攻撃をいなせたのは?」

 

ルヤ「ん?視野を広く持ったからっす。師匠からどんな時もチェックシックスを心がけるように言われてるから。」

 

その全てが師匠からの受け売りなどがメインだった。

そして彼らはそれを成し遂げれる。

 

ホリー「すごいわね最近の子は。」

 

まさしく天才肌だ。それがこの2人を強くしている。

 

アンドレイ「是非ともその師匠達にあってみたいものだな。」

 

コマ・ルヤ「「いやー無理だな、師匠GBNしかやってないらしいから。っておい被せんな!!このバカ!!」」

 

セルゲイ(喧嘩は絶えないが、それでも十分な強さと連携かならば……。)

 

セルゲイがホリーに目配せをする。

 

ホリー「あなたたち二人は2on2がいちばん向いているみたいね。ただし、連携ができるように仲良くなったらの話だけど。」

 

コマとルヤは露骨に嫌そうな顔をした。

 

イチカ「あ、すっごい嫌そう。」

 

レイカ「でも実際にコマルヤの二人同時相手って私でも結構厳しいかも。今はまだ大丈夫だけどね〜?」

 

エタ「確かにそうですね。私もかなり苦戦しました。勝手に自滅してましたけど。」

 

コハル「自滅乙w」

 

コマルヤ「「(っ`ω´c)ギリィ」」

 

アキト「まぁまぁ、これでみんなの課題点も見つかりました。これでもっと強くなれますよ!」

 

その言葉をきっかけにビルドのカスタムや戦術指南などを始め、時間は過ぎていった。

 

イチカ「んー、これ付けるのありかも。どうエタっち?」

 

エタ「いいですねいっちゃん。私はこれにしようかと。」

 

イチカ「うわ、すご。」

 

レイカ「分身はこうやってやるのよ〜?」

 

アキト「いやいやいや無理がありますって!」

 

カナデ「流石ですレイカ!」

 

セイラ「……私もできるかな?」

 

コハル「やらなくてよし。」

 

ヒビキ「……あ、そうだ。これを組み込めばきっと……!」

コマ「おっしゃあ!!俺の勝ちだァ!」

 

ルヤ「くっそぉコマに負けた!もう1回!!」

 

ホリー「そういえば1V1の訓練してないけどいいの?」

 

ガンプラ部一同「「そこの戦女神と戦女神の師匠でおなかいっぱいです。」」

 

ホリー「あ、はい。」

 

そうこうしてるうちにチャイムが鳴った。

 

イチカ「うわ、もうこんな時間!?」

 

楽しくてつい時間を見てなかったがもう夕方だった。

 

ホリー「今日のこと、しっかり活かせるように頑張りましょ!」

 

アンドレイ「あまりこういうことには慣れてないが君たちの力になれたのなら幸いだ。」

 

セルゲイ「それでは特別授業はここまで!私たちも楽しめた、ありがとう。」

 

ガンプラ部一同「「ありがとうございました!」」

 

ガンプラ部の面々がそれぞれの帰路につき、帰っていく。

 

イチカ「おじいちゃんにおばあちゃん、叔父さんも今日はありがとうね!」

 

レイカ「ふふ、私も楽しめたわ。今度帰ってきた時はしっかり戦ってもらいたいなぁ。」

 

セルゲイ「はっはっはっ、こうも言われたら戦いたくなってきたな!」

 

アンドレイ「親父、今日で帰るんだ。あんまり長居は出来ないぞ。」

 

ホリー「そうねぇ、出来ても2、3回かなぁ。」

 

思い出でもあり、そして強くなるきっかけともなったこの特別授業。

皆のそれぞれの思いは交錯し、響いていく。


その日の夜

イチカはふと物思いにふけっていた。

大切な人のこと、自分が知っているあの時の過去の事を。

繋がりはあったが、今はどうしてるか分からない不思議な子。

 

イチカ「あの子、今頃何してんだろうな。」




イチカ「ねぇねぇ、一緒に遊ぼうよ!」
???「……いいよ。」
イチカ「ほら、これ!」
???「……なにこれ?」
イチカ「楽しいでしょ?」
???「楽しい……うん、とっても。」
次回 ガンダムビルドブレイカーズforWAR
第五十一話「ひと夏のガンプラ」
それでは次回も!ガンプラファイト!
レディー!ゴー!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。