オラリオ防衛軍   作:RTスパークリング

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とりあえず芋虫戦。

地球防衛軍5でもダンゴムシ出てきたけど気持ち悪かったなぁ・・・


出会い

「逃げろぉぉぉぉぉ!!」

 

ダンジョン内を8つの影が駆けてゆく。

そのうちの1人、ロキファミリア団長のフィン・ディムナは今この状況の打開策を出せずにいた。

後ろには数え切れないほどの芋虫型のモンスター。それに加えこのモンスターは何もかもを溶かす溶解液を吐くのである。

そのせいで自前の武器は最初に攻撃を仕掛けたときに溶かされてしまっていた。

 

フィン(このまま逃げるにしても逃げきれない可能性が高い・・・だからといって戦うにも1体につき武器1本じゃとてもじゃないが戦えない・・・)

 

フィン「ガレス!ラウルの具合は?」

 

ガレス「悪くなる一方じゃ!早く治療してやらんとこりゃあいかんぞ!」

 

アイズ「フィン、あの芋虫倒せる?」

 

フィン「いや、厳しいかな。だが・・・魔法なら別だ。あの群れを殲滅できるほどの強力な魔法を撃ち込めたら・・・」

 

フィンのその言葉を聞き、7人の視点が1人のエルフの少女に注がれる。

 

レフィーヤ「え・・・・・・えっ・・・・・・」

 

ティオネ「団長ッ!前からも敵が!」

 

フィン「全員、右手の横道に飛び込め!」

 

急に曲がったこともあり芋虫の数体は正面から来た芋虫と衝突する。

これで多少は時間を稼げた。

 

ベート「おい!見ろよ!あいつら事故ってやがる!」

 

後ろを振り向きながらベートが笑う。

 

ティオナ「そんなの見てないで走りなよーー!」

 

ベート「わーってるよバカ女!」

 

ティオナ「誰がバカ女よ!」

 

フィン「ティオネ、みんなに武器を渡せ。この先のルームは行き止まりだ・・・そこで待ち構える。それと多分・・・来るんじゃないかな」

 

ティオネ「団長?」

 

フィンはそう言いつつ苦笑いする。

そう逃げている途中から止まらないのだ・・・親指の疼きが・・・

 

 

 

 SIDE ストーム

 

崩落に巻き込まれてからストームは行き止まりにキャンプを設営していた。

 

ストーム「本部!本部!こちらストーム!・・・だれか応答せよ!」

 

これで何回目だろうか。何度無線機で通信を試みても帰ってくのは雑音のみであった。

 

ストーム「クソッ・・・」

 

落胆・・・このまま救助が来なかったら・・・さっきからそんなことを考えてしまう。

それを助長させるようにまた地震がストームを襲う。

 

運転席に戻り地震が収まるまでおとなしく待つしかなかった。

 

そんな時に急にレーダーが反応する。

青点が8つ、赤点が数えきれないほど。

しかも青点はこちらに向かってくる。

 

ストーム「こんな時にまで敵襲かよ!」

 

運転席から飛び出し、戦闘準備をする。

そうしてうっすらとこちらに向かって走ってくる姿が見えてきた。

その姿にストームは驚愕する。

 

ストーム「おいおい!ありゃどう見ても民間人じゃねぇか!」

 

レーダーの青点を見て救援かと思い少しは晴れた気分もまた曇ってきてしまう。

レーダーのことを恨みながら戦闘に備える事しかできなかった。

 

 

 

 SIDE ロキファミリア

 

ベート「おいフィン、俺にはあそこに人がいるように見えるんだが俺の気のせいか?」

 

フィン「いや、僕にも見える。・・・総員警戒!」

 

他のファミリアが遠征に行くなんて話聞いていない。そもそもロキファミリアしかいないはずなのだ。今いるこの深層には。

ロキファミリアの面々は配られた武器を構えながら走っていく。

 

?「こっちだ!」

 

それは警戒している人物からの呼びかけであった。

そのまま走り抜けると奥に何やら銀色の箱があることに気が付いた。

 

?「君たちは民間人・・・だよな・・・?」

 

これが僕たちロキファミリアとストームとの出会いだった。

 

-----------

 

ストーム「大丈夫か?けが人は・・・・・・いるな・・・」

 

走ってきた面々と見渡すと1人担がれながら腕から血を流している少年がいた。

 

ストーム「こっちだ。治療しよう」

 

そう言い民間人をAPCに案内する。

が、背中に冷たいものが突き付けられた。

 

ストーム「何のつもりだ?」

 

?「団長!?」

 

団長と呼ばれた少年は表情を変えることなく淡々と告げる。

 

?「申し訳ないが君をそう易々と信用できない」

 

少年の言葉を聞き、後ろの民間人も武器を構える。

ストームはゆっくりと振り向き、

 

ストーム「俺は地球防衛機構軍特殊遊撃のストームだ」

 

?「地球防衛機構軍?」

 

少年が少し考え込んでしまう。

しかしストームには一本道が見えているわけで・・・

 

ストーム「あー・・・悪いんだが。これをどけてくれないか?このままじゃ戦えないんだが・・・」

 

ストームが顎で一本道の方を指す。

少年が振り向くとそこには大量の芋虫が競い合うようにこちらに這ってきていた。

 

?「・・・ッ!!戦闘準備!!」

 

少年が叫ぶ。

 

ストーム「いや、その必要はない」

 

そう言い、ターレット起動ボタンを押す。

すると一本道の至る所からターレットが顔を出し獲物が来るのを今か今かと待ち、スピンアップを開始していた。

 

芋虫が射程距離内に入ってくるとターレットで蜂の巣。抜けてくるものはストームがアサルトライフルで撃ち殺す。

戦いが作業と化していく。その光景にロキファミリア一同は見入ってしまっていた。

 

そう見入ってしまっていたのである。普段なら気づけていたモンスターが壁から生れ落ちる音さえも分からないほど。

 

ストームが殲滅作業中、真横から何かが突っ込んでくる。

芋虫に集中していたため気づけなかった。

 

ストーム「がッ!!」

 

脇腹に突っ込むサイのような何か。

 

ストーム「新種か!?こんな時に!」

 

ショットガンに持ち替え、撃ち殺す。

体制を整え、周りを見渡すと壁から大量のサイに似た何かが生まれてくる。

 

ストーム「なんだ・・・これ・・・」

 

1つの穴から大量に出てくるのは見たことがあるが、壁一面からなんて見たことがない。

サイだけではない、芋虫も続々と一本道から這い出てくる。

 

民間人を守るのが兵士の役目。

それを思い出し民間人に目を向ける。

すると剣を持った金髪の女性とさっき剣を突き立ててきた少年が敵軍に向かって突撃していった。

女性は爆音ともとれる暴風を身にまとい、少年は敵の間を縫うように倒していく。

 

少し離れたところに橙髪の少女が棒を地面に突き立てていた。

すると地面が突然発光し始める。天井には芋虫が酸を吐こうとしていた。

少女を守るように陣取っている灰色の男とガタイの大きい男がいるが気づいていない。

 

ストーム「クソッ!!」

 

急いで撃ち殺すが酸は吐かれてしまった。

周りは敵だらけ。突き飛ばすわけにはいかない。

急いで酸と少女の間に入る。そのせいで背中から酸を浴びてしまう。

アーマーは酸をはじいてくれるが首元には酸がかかってしまった。

 

少女「え!?」

 

少女が驚き見上げるとストームと目が合う。

 

ストーム「グウゥッ・・・いってぇ・・・あー、なにかよくわからんがあいつらを一網打尽にできるのか?」

 

少女「えっ・・・あっ、はい!・・・・・・おそらく・・・」

 

ストーム「そうか!じゃよろしく!」

 

ストームはそう言い残すとAPCの上に乗り少女に近づく敵を殺し始める。

 

ストーム「よし!いいぞお嬢さん!やってくれ!」

 

少女「はい!」

 

【誇り高き戦士よ 森の射手隊よ】

 

少女が語り始める。すると一層地面の魔法陣が輝きを増していく。

 

少女「撃ちます!」

 

少女が叫ぶ。

 

【ヒュゼレイド・ファラーリカ】!!!!

 

少女の頭上に赤い球が出現し、そこから無数の光の矢が射出される。

敵を追尾し、味方を避け進む光の矢。

煙が晴れるとそこには塵しか残されていなかった。

 

ストーム「すげぇ・・・また開発班がなんかやったのか?」

 

APCから降りると少年が話しかけてくる。

 

少年「さっきはありがとう。少し君を警戒しすぎてしまっていたかもしれない」

 

少年はそう言うと右手を差し出し、

 

フィン「僕はロキファミリア団長。フィン・ディムナだ」

 

ストーム「さっきも名乗ったがストームだ。よろしく」

 

自己紹介をしながら握手を交わす。すると後ろから話しかけられる。

 

少女「あの~・・・」

 

ストーム「ん?」

 

少女「さっきは助けていただいてありがとうございました!」

 

お手本のようなお辞儀をしながらお礼を口にする少女

 

ストーム「ああ、民間人を守るのが兵士の仕事だからな。お嬢さん名前は?」

 

レフィーヤ「はい!レフィーヤ・ウィリディスです!」

 

ストーム「じゃレフィーヤだな!俺はストームだ。よろしく」

 

レフィーヤ「はい!よろしくお願いします!・・・じゃなかった!怪我!思いっきり溶解液浴びてましたよね!?」

 

レフィーヤは急に顔を真っ青にしながら慌てだしバックから液体が入った瓶を取り出す。

 

ストーム「いや、大丈夫だ。こんなの慣れてる」

 

レフィーヤ「で、でも・・・」

 

レフィーヤは瓶とストームを交互に見つめて困った顔をしてしまう。

 

フィン「ストーム、彼女に治療をさせてやってくれないかな。助けてもらったのにお礼なしなんて気まずいだろう?」

 

ストーム「まぁ、それなら・・・」

 

そう言い、レフィーヤの前にアーマーを脱ぎ首元を差し出す。

レフィーヤが患部に液体をかけていく。

かけおわるとタオルでそっとぬぐい、

 

レフィーヤ「終わりました!もう大丈夫です!」

 

首元を触るとさっき酸をかけられたことがなかったように元通りになっていた。

 

ストーム「どういうことだ?」

 

レフィーヤ「?ポーションですよ?」

 

ストーム「ポーション?」

 

ポーションなんて聞いたことがない。回復ならリバーサーのナノマシンで回復するのが普通だった。そのためポーションなんて聞いたことがない。

ストームが混乱しているとフィンが話しかけてくる。

 

フィン「ちょっといいかいストーム。君と僕たちじゃ何か知識に違いがあるようだ。少し話しをしないか?」

 

そう持ち掛けてくるフィンに同意しAPCに案内する。

 

フィン「これは君のものなのかい?」

 

そう問いかけてくるフィンにうなずき答える。

 

ストーム「ああ、これは俺専用のAPCだ」

 

フィン「えーぴーしー?」

 

後部ハッチを開け、フィンを中に案内する。

 

?「ちょっと待ちなさいよ。団長になにかするつもりじゃないでしょうね」

 

声が聞こえると同時に肩に指が食い込む。

 

ストーム「この女性は?」

 

痛みに顔をゆがませながらフィンに問いかける。

 

フィン「彼女はティオネ・ヒュリナ。・・・ティオネ、大丈夫だ」

 

彼女の方に振り向くと後ろに数人立っているのが見えた。

 

ストーム「せっかくだ。自己紹介をしよう。乗ってくれ」

 

そう言うとフィンを先頭にぞろぞろとAPCに乗り込んでくる。

 

自己紹介を済ませ、本題に入る。

ストームは崩落に巻き込まれる前に取り掛かっていた任務や世界のことを話す。

しかしフィンはその話に浮かない顔をしていた。

 

ストーム「つまり君たちは民間人ではなく冒険者だと?」

 

フィン「ああ、地球防衛軍やプライマーなんて聞いたことがない。・・・つまり・・・」

 

ストーム「ここは違う世界だってのか・・・?」

 

沈黙・・・を破ったのはティオネに姉妹のティオナだった。

 

ティオナ「ねぇねぇ!じゃここにあるものは全部異世界の物ってこと!?」

 

ティオナが目を輝かせながら問いかけてくる。

 

ストーム「今の話が本当の事と仮定するとそうなるな」

 

いや、と大型の男が切り出す。

 

ガレス「ほぼ確定じゃろ。今わしらが乗っているこれもすべて見たことのないものじゃ」

 

ガレスが車内を見渡しながら話す。

 

アイズ「・・・・・・」ゴソゴソ・・・

 

アイズ「・・・大剣?」

 

ストーム「ん?ああ、それは衝撃波で敵を切る剣だな。たぶん素じゃ持てないと思うぞ」

 

アイズ「衝撃波・・・!・・・あとで、貸してほしい」

 

目を輝かせながら頼み込んでくる。

 

ストーム「おう」

 

この様子を見ると確定か・・・そう思った瞬間、レーダーが反応する。

赤点多数、また何かがこちらに向かってきていた。

急いで運転席に戻り移動準備をする。

 

フィン「どうしたんだ!?ストーム!」

 

ストーム「敵だ。さっきと同じ方向、大量にだ」

 

フィンが驚いたように話しかける。

 

フィン「わかるのか!?・・・いや、待てよ・・・?」

 

フィンが少し考え込むが我に返り、戦闘準備と叫ぶ。

 

ストーム「いや、その必要はない。突破する」

 

フィンが驚きこちらを見てくるがストームと目が合い何かを確信する。

 

フィン「なにか策が?」

 

ストーム「策なんてない。単純に突破するだけだ」

 

フィン「いけるのかい?」

 

ストーム「ああ、必ず突破する。その代わりといっては何だが地上まで案内してくれると嬉しい。フィン達とさよならしたらこのAPCが俺の墓石になっちまいそうだからな」

 

フィン「それくらいならお安い御用さ。・・・で、僕たちは何をすればいい?」

 

剣を手にかけ判断を待つフィン。

後ろに座るロキファミリア一同は戦闘準備を完了しこちらを見つめていた。

 

ストーム「それじゃみんなシートベルトをつけてくれ」

 

失礼、といいながらレフィーヤにシートベルトをつける。

レフィーヤがわっ!と驚いたような声を出すが我慢してもらうしかない。

 

ストーム「フィンは俺の隣に来てくれ。案内がほしい」

 

助手席のドアを開けフィンを呼ぶ。

俺の隣といった瞬間に1つ視線が刺さったのは気のせいだと思いたい。

 

ストーム「おい、ベート!ちゃんときつく締めてくれよ!揺れで怪我しましたなんて笑い話にもなんねぇ!」

 

ベート「チッ・・・おう・・・」

 

ストーム(俺なんかやったかな・・・)

 

皆がシートベルトを付けたのを確認しエンジンをかける。

エンジンの始動音と揺れに一同がざわつく。

 

フィン「まさかこのまま移動するのかい!?」

 

さすがのフィンも驚きだったようだ。

 

ストーム「もちろん!フィンは道案内を頼む!」

 

APCが進んて行く。

 

ティオナ「すごいすごい!動いてる!馬車より速いんじゃない!?」

 

ガレス「これはたまげたのう・・・」

 

一本道を抜け左に曲がると芋虫が大量に這いずってきていた。

 

フィン「どうするんだい!?」

 

ストーム「もちろん突っ込む!かなり揺れるぞ!」

 

APCについているターレットを起動し速度を上げていく。

ターレットの射程に入ると芋虫が穴だらけになって灰になっていく。酸がAPCについてもお構いなし。多少なら耐えられる。

銃声とエンジン音が洞窟内に爆音となって響き渡る。

それを聞きつけモンスターが寄ってくるがそんなの関係ない。射程に入った瞬間ターレットでハチの巣である。

 

ガレス「こりゃあたまげた・・・」

 

言葉を出せたのはガレスだけであった。ほかの者は絶句、圧倒的であった。さっきまで自分たちが苦労し倒していたモンスターがこんなにも簡単に倒されていく。

自分たちは座っているだけ。それなのに次々と死んでいく。ある程度走っていると芋虫どころかモンスターすらいなくなっていた。

こんなの冒険じゃない。作業だ。

 

ストーム「フィン突破完了だ・・・・・・フィン?」

 

フィンは何やら親指を口に当て考え込んでいた。

 

フィン「すまない、ストーム。少し手伝ってくれ」

 

ティオネ「団長?」

 

フィン「皆聞いてくれ。僕たちはこの道からここまで来た。それなのに道中芋虫に会わなかった。だけど今ので確信したよ。この道は50階層つまり・・・本体キャンプ地に続くルートだ」

 

ティオネ「!!・・・まさか・・・」

 

ガレス「キャンプが襲われとるかもしれんってことか・・・まずいぞ!」

 

ストームは何も言わずアクセルを踏み込む。

 

フィン「ありがとう、ストーム」

 

ストーム「人々を守るのが兵士の役目だからな。あと、ありがとうはまだ早いんじゃないか?」

 

フィン「そうだね。頼む!」

 

ストーム「了解!」

 

ダンジョンには不釣り合いな騒音を出しながら暗闇を1台のAPCが走っていく。

次なる戦場に向けて走っていく。

 

地球防衛軍に休みはない。己の身が滅びるまで嵐のように戦い続けるそれが・・・俺だ。




次回はキャンプ防衛線予定
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