クラフト1
「――それじゃ、初期装備として一式揃えといたから。一人一つずつね。」
「つるはしに斧、剣と…シャベル。…これは?」
「ステーキ。」
「……何故ステーキを…」
「この世界では満腹度ってのがあるのよ。貴女達の空腹感に合わせて元のゲームとは少し違うけど…」
「あの子達はすぐに食べてしまうぞ?」
「収穫も難しくないし、自分達で育てなさいな。そこにルールブックもあるんだから。」
「るー…る?」
「『説明書』。基本は普段と変わりないわよ。ただ色々ゲームっぽいだけ。…ログアウトの出来ないバーチャルゲームで無人島生活よ。」
「……何を言ったんだ?」
「『考えるより慣れろ』よ。その本読みながら頑張りなさい。」
「あ、紫……はぁ…行ってしまった…」
まだ聞きたいことはあったのだが…
―――――
私は上白沢 慧音。
紫の思い付きで異世界で暮らすという話し、それに私はあまり乗り気ではなかった。
しかし生徒の妖精、妖怪の子供達は、幻想郷の『外』というものに興味津々だった。
つまり私は、保護者というわけだ。
なので来たはいいものの…周り全てがやたら角張った平原。
村も無ければ人の気配もない無人島ときた。
動物らしきものはいるのだが…あれは一体…
「近づいても大丈夫だろうか…?」
『もぉ~』
「……牛なのか。」
生物すらも四角い。
前途多難な始まりだ。
―――――
「そろそろ『チルノ』達が着く頃か…」
保護者として来た以上、安全の確保は最優先。
なのでまず説明書通り、持っていたつるはしで洞穴を作った。
不思議なことに、壁はおろか、天井が崩れることもなく、つるはしで何度か叩けば四角く掘れる。
インベントリなる物の中に、取り出すことが出来る『物』として回収される。
一つの四角が一つの物として。
最初に支給されたつるはしなどもここにあった。
取り出すのも押すだけで済むので、元の世界より便利かもしれない。
視界にいくつもの表示があり、押すことで開くことが出来るので、ある程度は分かりやすい。
緑の線が一本、肉の形のものが十個、その右に二個のボタン。
視界に常に表示されている。
その片方を押すと、インベントリが開けるのだ。
もう一つはレシピなるものらしいのだが、これはまだ分からない。
しかしとりあえず分かっておくべきことは大体平気そうだ。
あとはチルノ達に同じことが出来るのか。
この世界に来る面子は、チルノ、大妖精、ミスティア、ルーミア、リグル、私の計六人。
同じ説明をしても、ルーミアとチルノには理解出来そうにない。
来るまでに考えておかなければ…
―――――
しかし時は早いもの。
考える間もなく皆来てしまう。
果たして無事に理解してくれるのだろうか…
「わーー!」
「広いのだー!」
「何だか普段と違う気が…」
「チルノちゃん走ったら危ないよー…」
「…虫がいない…」
「………」
世界を渡って早々、妖精達を野放しにしてはいけないことを理解した。
これから早速授業の開始だ…
原作一話で出すのも『隠す気ないだろ?』とか言われそうなんで…分からない人には分からない程度で一話は区切っておきます。短くてすまんの…次回からは…逆に区切り分からなくて長くなるかも…