東方異世界生活記 弍   作:ジシェ

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2狩り

突然現れた人間の子供は、見慣れない筒を持っている。

その先端から打ち出されたものは、油断していた化け物の頭部を撃ち抜く。

傷の一つも付かなかったが。

 

「やっぱり硬いなー…」

 

どちらも私に気付いていない。

茅の外というものだ。

ふざけるな。

 

「……!」

「!?うぉ…!」

 

私はその人間に飛びかかった。

持っている筒もろとも破壊する勢いで。

その攻撃は、弾く程度に留められた。

 

「…いきなり何するんだよ!てか何でこんなとこに…」

「邪魔をするな。」

「え……て、後ろ!」

 

怒りによって周りが見えていない?

そんな状態は三流のやることだ。

 

「あんたは少し…待ってろ!」

 

後ろから飛びかかる化け物を、頭を殴って叩き伏せる。

動きが単調なのは獣の性か。

とても頭を狙い易い。

しかしお前の番は後だ。

まずは…この邪魔者を排除する。

 

「ちょちょっと待ってくれ!」

「待たない。」

「あいつ行っちゃうって…」

「は?」

 

ふと化け物を見ると、いざ飛び立つ瞬間だった。

 

「……殺す。」

「俺!?」

 

いざ殴る直前、緑の煙幕が立ち上った。

 

「!?」

 

晴れる頃には、人間の姿はなかった。

 

(逃げられた…?)

 

まあいいだろう。

元々標的は他なのだ。

そちらを追うことにしよう。

当然、あの人間も次見つけたら殺す。

 

―――――

 

少し登った場所に洞窟があった。

あの化け物が通るにも十分な大きさがある。

もしかしたらこの中にいるかもしれない。

徐々に奥に進んで行く。

道は三つ。

一つは光が射し込む坂の上。

恐らくは山頂に出る。

残り二つは洞窟の奥のようだ。

山頂にいたことは知っている。

なのでとりあえず山頂に向かい、いなければ山を下る。

その前に洞窟を通るとしよう。

 

―――――

 

最初に通った道を全て通ったが、奴の姿は見つからなかった。

私は洞窟まで戻り、洞窟の奥へ向かった。

 

『――!』

「はぁ…雑魚が多いわね…」

 

逆に考えれば、奴の餌も多いということ。

もしかしたら、奥で食事をしているかもしれない。

 

「……」

 

だとしたら相当嘗めてる。

あの人間も、まだ狙っているとしたら来るかもしれない。

少し急ぐことにした。

いなければもう山にはいないだろう。

それなら仕方がないので、人間の村にでも向かうとしよう。

いれば狩る。

確実に…もう絶対に逃がさない。

 

―――――

 

「……」

 

洞窟の奥に、その巨体は転がっていた。

食事中どころか睡眠中だった。

どこまでも嘗めくさっている。

まあ…容赦はしない。

 

「…ふっ!」

「――!?」

 

頭部に傘を振り下ろす。

二度三度と振り下ろす。

この傘で、しかも私の腕力を耐えるこの体は確かに硬い。

しかしどれだけ硬い装甲も、永遠には耐えられない。

走り出そうとする化け物は、頭部への殴打で止まる。

壊れるまで何度でも。

何度でも何度でも何度でも。

私の腕は止まらない。

咆哮をしようと尻尾で叩き付けられようと、私の傘が止まることはない。

尻尾を突き刺し手を突き刺し、頭を殴り腹を蹴る。

数分後には、化け物はピクリとも動かなくなっていた。

 

「…ふふふ…」

 

これ程に愉しい相手がいる世界なら…もっと愉しめそうだ。

血みどろの手をした妖怪は、満面の笑顔で笑う。

 




いやー…なんかサイコパスみたいだわー…幽香ファン様ごめんなさい!
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