化け物を狩った私は、かかった血を流すために水場を探した。
確か山を降りた辺りに川を見た覚えがある。
…あの人間がいた場所だ。
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何かに使えると思い、化け物の死体も一緒に運んだ。
化け物の死体ごと川まで向かい、服を脱いで水に浸かる。
服も洗わなければ跡になる。
乾いた後で人里へ向かうとしよう。
「………」
浅瀬に入ったはずなのに魚が多い。
それも大小合わず色合いも違う。
邪魔もいいところだ。
中には金色の魚もいくらか、巨大な魚も少なくない。
道中の花や実、生物、その全てが幻想郷とはかなり違う。
「異世界ね…」
―――――
水浴びを終え、乾いた服を着る。
服が乾くまでは剥いだ化け物の皮を纏っていた。
多少解体をしたことで、化け物について分かったことがいくつかある。
例えば皮、並みの妖怪の皮膚や…金属類よりも硬い上、纏った限りでは薄皮一枚がその程度。
牙や爪、尻尾の硬さは胴体の比ではない。
しかしその分重く、普通の生物があの速度で動ける重さのはずがなかった。
「これを運び続けるのは…難しいわね…」
紫の話では近いところに里はあるらしいが、これを運ぶとなると時間がかかる。
ならば…
「貴方も手伝いなさい。」
数分前から人間の気配がしていた。
確実にあの人間だろう。
一人で難しいなら手伝わせればいい。
とは言え役に立つとは思っていないが。
「ば…ばれてたのか…」
「人里まで運ぶのを手伝いなさい。」
「…ちなみに断ったら…」
「……」
「無言の圧力が…!?」
断ったら当然命はない。
そもそも邪魔をされたことを水に流すわけがないだろう。
「邪魔をしたことは許す。代わりに運べ。」
「はい…」
中々に素直だ。
馬車馬の如く働いてもらうとしよう。
―――――
「――ん、よし。これで全部だな…」
「便利な猫がいたものね。」
「人間より数多いからなー。アイルーならこういう人手の必要な作業を安心して任せられるんだ。」
狩人の組合のようなものから依頼を受け、こいつはここにあの化け物を狩りに来たらしい。
依頼達成で連絡すれば、その組合から回収に来て、確認が取れ次第報酬が支払われる。
化け物は解体され、素材は狩人に渡される。
「だから俺達ハンターは、狩りに専念出来るんだ。まあアイルーも一緒に狩りをしてくれるし、頼ってばかりもいられないけど…」
「……あの持って行かれた素材、後で帰ってくるのかしら?」
「基本は。でも手間賃で鱗何枚かとか…後駄目な部位はギルドに没収される。ハンターには必要ないしな。」
「…そう。それより早く人里に案内しなさい。」
化け物の情報を得るにしろ、植物についてを調べるにしろ、拠点は必要だ。
それに紫の話では、この世界特有の道具も数多くあるようだ。
それなら早めに人里には向かっておきたい。
そして化け物を狩るために情報を得るなら、組合に登録するのが一番手っ取り早いと紫に聞いた。
少なくとも『ギルド』なる場所への登録と、多少の金銭の獲得。
まずはそれを進めよう。
―――――
「待たせて悪いな、行こう。」
こいつが荷物をまとめるまで待っていたが、武器がやたらと大きい。
化け物に効くかどうかは別として。
馬車(?)に乗り人里へ向かうが、存在感がやたらと大きい。
その分車内は広いから邪魔ということはないが。
「それで?どの程度で着くのかしら?」
「んー…よく分からんけど…ここはどの狩場よりも近いからな…一時間もあれば着くんじゃないか?」
「そう。ならその間に色々と聞こうかしら…まさかあの程度で、許されたとは思っていないでしょうね?」
「……はい…」
何気にオリキャラって『異世活』ではこのハンター含めて全二人しかいないですね~…これからオトモも出るから計三人(?)か。