digital1
「ふっふっふ…」
「随分ご機嫌ね。」
「そりゃそうだよ!紫の能力を解析出来る機会なんてそえないからね!使えるようになればどれ程楽しいか…うへへ…」
「あんまり変なことに使わないでね?にとり。」
「大丈夫大丈夫~紫程変なことには使わないって~」
科学者特有の独特な雰囲気。
自覚出来る程度にはハイになっていたと思う。
止まれなかったのが全ての原因だろう。
解析が終わって機器の製作中、見事に失敗した。
おかげで場所も、世界も、訳の分からない場所に、境界を伝って飛ばされてしまった。
「ここどこー!?」
飛ばされたことより製作途中で投げ飛ばされたことの方がよっぽど辛い。
おそらく紫の境界を下手に扱ったために、予想の付かない世界への境界が開かれてしまったのだろう。
しかも紫のいない場所でやったために救助も期待出来ない。
偶然見つけてくれるか覗き見してたかを期待する他ないだろう。
とにかく生き延びるために人のいる場所を探すのが先決だ。
「…せめて工具が欲しかったなー…」
私は唯一持っていたスパナを抱えて散策に出た。
―――――
どういうわけか空も飛べない。
どころか体にかなりの違和感がある。
歩く疲労がないし、飛ばされる前に何徹かしたはずなのに、眠気の一つもない。
しかも…
「……あれ妖怪?」
白黒の模様の角の生えた小さい獣。
紫色の手足の短い羽の生えた鳥…?
警戒心は当然ある。
とはいえ科学者として、未知のものに興味を示すのは当然だろう。
そんな私が、背後を警戒しているはずもなく…
『――!』
「ヒュイ!?」
不意に襲われる。
能力も使えなければ道具もなく、身体能力に自信もない。
いわば絶体絶命の状況だ。
(まずい…!)
その時だった。
蝙蝠の超音波程ではないが、超高音の鳴き声が辺りに響き渡った。
辺り全ての未知の生物達は、その音の効果なのか金縛りあったかのような止まり方をした。
まあその範囲に私もいたので私も同じだが。
『こっち!』
「誰!?」
『早くー!』
金縛りが緩和された直後手を引かれる感覚があり、声に従い移動する。
他の生物も動き始めたが、体の大きさの差は大きいだろう。
追い付かれることなく逃げ切れた。
―――――
「はぁ…はぁ…」
「ここまで来れば安全だよ。」
「はぁ…ありがとう…」
声のする方を見ても何もいない。
「こっち~」
「?」
下を見ると、耳のたれた子犬のような生物。
どうやらこの子に助けられたようだ。
「……君もあいつらと同じ生物なの?」
「うん。僕『プロットモン』。デジモンだよ~」
「デジモン…?」
「ねぇねぇ、君どうやってタワーから出て来たの?」
「タワー?」
「うん。人間が集まるとこ~」
「あー…えっと…ちょっとした事故でね…?」
どうやら人間はいるものの、場所は一ヶ所だけらしい。
つまりこの世界は、この『デジモン』という生物が主に活動する世界ということだ。
それからプロットモンに様々なことを聞いた。
ここはどこなのか。
どうやって助けてくれたのか。
解剖していいか(駄目でした)
本当に様々な情報を得られた。
気付けば…というよりも、一時間も経たない内に日が暮れてきた。
その頃には、デジモン達が集まる街に着いていた。
デジモンではあります。しかしどの作品かはまだ教えません。しかし…特に意味はありません。