「ようこそ!『はじまりの街』へ!」
プロットモンに案内されて着いた先は、どう見ても人の手が加えられた建物群。
少なくともプロットモンや平原にいた奴らで作れる規模でも形でもない。
「ここに人間がいるの?」
「この道真っ直ぐ行くと見えるタワーにたくさん!」
「あれか…」
あそこから元の世界には多分戻れない。
しかし幻想郷の外の世界にはたどり着けるかもしれない。
つまり紫…もしくは以前聞いた…宇佐見(?)だかに出会えれば、経由して幻想郷に戻れる。
でも…
(繋がりはあるみたいだけど…イレギュラーが世界間を移動出来るとも思えない。)
「プロットモン。あそこから人間の世界には戻れるの?」
「うーんとね…普通は戻れるけど…今は受付もいないし…うーん…」
「もしかして…今あそこ機能してない?」
「うん。でもちゃんとやっててもにとりが戻れるとも思えないの。だってにとり、生身みたいだもん。」
「生身?」
「人間ってね。何だか薄いっていうか…肉がないっていうか…とにかく肉体がないの。」
「肉体がない…?」
つまり人間は霊体のような姿で存在している?
それはつまり…精神だけで移動している?
だとしたら、私が帰る方法はこの街にはないだろう。
「とりあえずジジモンのところに行こう!」
「ジジモン?」
「この街の村長さん!デジタルワールドについてのほとんどのことを知ってる物知りおじさん!」
「……デジタル…ワールド?」
「あれ?言ってないか。この世界はデジタルワールドって言って、全部がデジタルで出来てる世界なの。」
「……」
デジタル…電子的な生物や生成物。
つまりここは、実験の失敗で別の世界に来たのではなく、むしろ私の製作途中の機械に入り込んだのだろう。
そこから派生している別の世界の電子空間に来たとしたら、単純に別世界の別世界…二重移動となる。
紫なら突っ切って来れるだろうが、見つけるのには相当時間がかかるだろう。
ここが私の機械の中ならよかったが、デジモンなど私は作っていない。
せめて電子世界から現実世界へ戻れなければ、最悪見つからない可能性も…
そうとなればじっともしていられない。
ジジモンとやらに会いに行こう。
―――――
「ジジモン…」
「看板でっかいよね。」
ジジモンと書かれた看板がでかでかと張られた一軒家。
ここがジジモンの家らしい。
「ジジモーン!」
「何じゃプロットモンか。平原に行ったのでは……人間!?」
「あ、初めまして…」
「何故じゃ!何故人間がこうもデジタルワールドに来る!お主含めてもう四人目じゃぞ!?」
「え?人間が他にも来てるの?」
「お主が平原に行ってからものの数分での。」
「それって…!」
「何を考えているか手に取るように分かるぞい。元の世界に帰りたいのであろう?」
どうやらこの世界に迷い込んだ人間全員がジジモンの家に来たらしい。
そして全員が元の世界に帰りたいと…つまり誰も帰還法は分からない。
とはいえそれなら私も協力出来る。
目的は同じなのだから。
「全く…最近のこの世界はどうなっておるんじゃ…」
「最近?何かあったの?」
「うん。最近この街からデジモンもいなくなるし、各地の『メモリアルステラ』も機能停止してるみたい。」
「この世界の異変は、留まることを知らんのじゃ。その上人間が来るというのは、なんとも不可解じゃな。」
「…ジジモン。私も何か協力出来る?」
「なぬ?」
「僕も僕も!」
「お主ら…しかしよいのか?儂らとしては喜ばしい限りだが、お主が帰るのが遅くなるやもしれんぞ?帰る方法も分からぬのじゃ。無理に協力せんでも…」
「むしろ異変が起きているならそのせいで来たのかもしれないし、解決すれば帰れるかも。」
「可能性はあるやもな。あい分かった。では可能な限り儂もサポートしよう。」
「じゃあこれからにとりと僕はパートナーだね!」
「パートナー…うん…よろしく!」
プロットモンが一緒にいるのは心強い。
幻想郷でも異変解決は大抵の問題解決にもなっていた。
目指すは異変解決。
にとり個人的にかなり友好的なのが多いと思う。だから今回は異変解決に協力して頂きましょうかね。