私を助けた人間の横には、黄色い二本足の獣が構えていた。
彼らは倒れた敵と私達の間に割って入るように立っている。
「!まだ動くよ!」
「アグモン!全力だよ!」
「うん!『ファイヤータワー』!」
奴の真下から炎の柱が巻き起こる。
その炎は敵を確実に捕らえ、焼きつくさんと燃え滾る。
炎が晴れた頃には、倒れた奴の姿があった。
「やっと倒れた…?」
「!ニトリ下がって!」
「!あぅ…」
再び起き上がった敵は、最後の反撃と言わんばかりに、尻尾を振るう。
その攻撃は空振りに終わるが、逃げる隙を作るには十分だった。
紫の隙間のような物を開いたそれは、すぐさま飛び込み逃げ出した。
「何だったんだろう…」
「タイガー何かあるよ?」
「?何これ?」
「データの塊かな?」
奴の消えた場所には、黒くて四角い物体が転がっていた。
三人にも分からないようで、とりあえず回収することにした。
ジジモンなら分かるかもしれないからだ。
それをタイガと呼ばれた少年が拾った時、正面にある柱のようなもの…『メモリアルステラ』が動き始めた。
能力が戻ったように光り始めたのだ。
「これが原因なんだ…」
「?タイガのデジヴァイス、メール来てるよ?」
「本当だ。」
「…それがデジヴァイス?」
「え?君持ってないの?」
「うん。」
「……手に入れる方法なんてあるのかな?」
「とりあえずメール見てみようよ。」
めーるとやらを開いた彼は、内容を読んで首を傾げた。
覗き込んでみると、確かに意味の分からない文言が連なっているだけ。
「何かなこれ?」
「ジジモンに聞けば分かるかも!」
「あ、待ってプロットモン…」
そう言って走り始めた。
しかしその速度はそう保たれなかった。
急にふらついて倒れたのだ。
「プロットモン!?」
「!ケガしてるよタイガ!」
「えーと…絆創膏は…」
彼はデジヴァイスを操作して何かを探す。
すると巨大な絆創膏が手元に現れた。
「え!?何で!?」
「ほらプロットモン。」
その絆創膏はプロットモンの体に張るでもなく、触れた直後に消え去った。
そういえばこの世界はデジタルの世界…もし彼らも…私さえデータの集合体だとしたら…
「絆創膏のデータを取り込んだの?」
「うん。僕も最初は驚いたけど、食べ物とか薬とか、全部データで出来てて、デジモンは触れれば取り込めるんだ。」
「ふーん…それ人間は大丈夫?」
「詳しくは分からないけど、戦うのがアグモン達だからね…ケガとかは少ないだろうし、この世界に来てから空腹感もないしね。」
「確かに…」
しかしデータの塊である以上、保管方法がなければ持ち歩けない。
デジヴァイスにこんな機能があるとは…ジジモンがデジヴァイスを持った人と行動するよう言うのも頷ける。
「ん…」
「プロットモン!」
「いや~思ったより疲れてた~」
「プロットモン元気になって良かったー」
「うん。これでジジモンのとこに戻れるね。」
何故か彼のデジヴァイスに地図が入っており、それを辿ってはじまりの街に帰った。
そういえば人間は他にも二人いたのでは?