少し掘れば石炭や鉄は見つかる。
そう考えていたのが甘かった。
少なくともつるはしが三本壊れる程掘り続けたが、鉄は64個どころか23個しか取れなかった。
そこまでの重労働ではないが、二十分程でこれでは、全員分揃えるだけでかなり時間がかかる。
子供達には葉を刈ってもらい種を集めてもらった。
大妖精には木を集めてもらい、当面の緊急食糧としてリンゴも集めてもらっている。
「まずは畑か…」
食糧難が本当に辛い。
度々が空腹度が減り、その度に食べていては足りないのも当然だ。
しかも全員分…ステーキなど64個あったのが既に20個しかない。
種を植えてしばらくすれば小麦に、3個並べればパンになる。
これさえ出来れば、食糧難は解決出来る。
全員分の鉄装備、一人分が24個、計144個の鉄が必要になる。
剣を鉄にした方が戦闘も楽になる。
採掘など鉄のつるはしでなければ取れない鉱石も多い。
何よりも鉄の道具なら効率が段違いだ。
なので少なくとも装備分の鉄と、追加で20個は獲得したい。
「先生ー!結構集めて来ましたー!」
「こっちもです!」
「おお…!」
ただ遊んでいるルーミアとチルノを除き、他三人は真面目に動いてくれて助かる。
種も木も多く確保出来た。
後は水場の近くを耕すらしい。
「……石でいいか…一応バケツも…」
バケツには鉄を3つ消費する。
石は驚く程集まっているから使い放題だ。
「よし…私はこれから畑を作る。大妖精とリグルはこの松明を…出来れば、均等に地面に並べていってもらえるか?」
「置いたら敵が出ないんですよね?」
「ああ。ただどれだけ明るければいいのかも分からないからな…三マス程開けて置けば丁度良いんじゃないか?」
「分かりました。」
「じゃあ大ちゃんそっちから置いて―」
松明を置く作業は二人に任せ、私は少し離れた川の側を耕した。
家を作ったら、後から畑は移動する。
だからあまり巨大なものは作らない。
それでもしばらくの食糧源ではあるので、30マス程を耕し、種を植えた。
「……」
なぜだかこの世界では温度や疲労は感じない。
しかし味覚や痛覚はそのまま…食糧がパンだけというのは子供からしたらまずいのではないか?
私は問題ない。
そもそも不作の時は食べないことも少なくなかったのだから。
しかしこの子達は当然飽きるだろう。
せめて肉がなければ…野菜も…パンだけでは健康的にも…
「むぅ……」
「先生?」
「……」
「先生!」
「!?ああ…すまない…どうかしたか?大妖精。」
「松明256本置き終わりました。段差とかあったけど…少し整地しながら置いたので敵は大丈夫だと…」
「おお…」
考え事をしていたらそんなに時間が経っていたか。
「お疲れ様。もう特にやることもないから、皆で遊びに行っていいぞ。チルノ達の監視も必要だし…」
「あはは…」
大妖精のおかげで安全確保もある程度は出来た。
食糧もよし、安全な拠点よし、これからは鉄集めが主流になる。
本には洞窟を探せば効率良く鉱石が集められるとある。
ただし敵も多い。
そんな危険を味わうのは私だけでいい。
―――――
「それじゃあ大妖精、留守は任せるぞ。チルノ達が死なないように見張りと…小麦の収穫…大変ですまないが…」
「大丈夫です。ミスティアちゃんとリグルちゃんは手伝ってくれるし…チルノちゃんとルーミアちゃんも、危ないことはしないと思い…ます。」
「不安な間があったな…まあ三人に任せるよ。」
「はい!」
大妖精なら安心出来る。
さて…洞窟探しに出掛けよう。
熱中症には気を付けてね~