大妖精と仮拠点に戻り数時間…外が明るくなってきた。
朝が来たようだ。
もっともジャングル内はそこまで明るくはならないが。
幸い仮拠点付近には敵はいなかった。
代わりにおかしなものが飛んでいたが…
「あれは…」
「鳥…ですね…」
私達以外が角ついたこの世界にしては鳥だと分かるだけましだが、種類までは分かりそうにない。
まあ多少角ついていても、動物は癒されるものだ。
「………あ!ありました!」
「本にあったのか?」
「この世界だと鳥は鶏か、オウムしかいないらしいです。鶏の説明に少しありました。」
「オウムか…人の言葉を真似るらしいが…」
なつかせれば何かに役立つかもしれない。
そうでなくても子供は好きだろう。
この世界の動物の寿命や世話の仕方などは詳しく知らないが、牛や羊の世話が可能なら問題ないだろう。
「しかしどうなつかせるか…牛や羊は小麦だったな?」
「はい。この本だとオウムの詳しいことはないですね…鶏は種でなつくみたいですよ。」
「種か…試してみるか。」
草などそこら中にある。
いくらか壊し、種を入手した。
食べればそれが餌なのだろう。
「……!」
「食べましたね…!」
「このままあげたら……」
「先生?」
「…牛や羊と同じなら…こいつも餌に着いてくるはずだ…」
「……まさか…」
「この世界でのペットの基準は分からないが…もしかしたらなつかないのかもしれない。」
「着いてこないなら…オウムはここ限定の生き物にしか…役立ちそうだったけど…」
「飼えない以上は仕方ない。探索を続け…」
「待って下さい!」
珍しい大妖精の叫び。
それは危険を知らせる警笛のよう。
それが何か、分かるのに時間はいらなかった。
「!ゾンビの声か!」
「しかも近いです!」
もはや真下…あるいは真横に…
そこで私が声の方に顔を向けると、その声はゾンビのものであり、ゾンビのものではなかった。
オウムの声真似…ゾンビの声は、このオウムから出ていた。
「まさか…こいつが…?」
「声真似…もしかして私達の言葉じゃなくて、この世界固有の生物の、単調な声を真似るんじゃないですか?」
「ゾンビの真似をするとは…たとえそれだけでも恐ろしいな…飼わなくて正解だったか…」
「そうですね…本当の敵襲が分からなくなる所でした…」
「ん?」
そう結論付けて移動しようとした時、オウム以外のゾンビの声がした。
間違いなく地中から。
「これは…」
ニマスだけ掘ったら、すぐに小さい空洞が現れた。
しかもゾンビのおまけ付きだ。
奥には骨もいる。
そして後ろのオウムはと言うと…
「骨の歩く音…?」
「ふむ…もしや近くの敵の声を真似るのか?」
「!それなら連れて帰りましょう!」
「拠点の安全には役立つな…!問題はどうすれば連れて行けるか…」
「うーん…」
苦し紛れに本を捲る。
鶏のところ以外に何か情報がないか。
そういえば狼のページがあったはず…
「!大妖精、種を集めよう。」
「はい?もっと餌やりを…?」
「これを見ろ。狼は骨をやるとなついて付いてくるらしい。該当動物にオウムの名前もある。」
「猫もいるみたいですね…」
「オウムのように何か出来るかもしれないな…猫の餌といえば…魚か?」
「集めてみますか?」
「…いや…今日はオウムを仲間にして仮拠点に戻ろう。私達は蘇るが、オウムは分からない。危険を持ち歩く必要はないさ。」
「じゃあ種集めてきます。」
「ああ。私は木でも集めてよう。オウムは見ておく。」
その後大妖精の持ってきた種を十程やったら、餌を食べなくなった。
それからは私に付いてくるようになった。
可能なら全員分連れて帰りたいが、そう簡単に見つかるはずもなく、私達は仮拠点に帰宅した。
この程度の探索では、洋館を見つけることは出来なかった。
寒暖差アレルギーは脳を止めるよ…鼻水止まんねぇ…暑いの苦手…