「トレーナさん、あなたを推しにすることは今後一切ありません」
アグネスデジタルの引退の日、盛大なパーティーやライブが行われた後に2人で思い出のトレーナールームへ来た。
大量に置かれたウマ娘のグッズ、同士として歩んだ軌跡、初のG1制覇の時のライブの写真。
そこで思い出話をして何気なく
「俺ってデジたんの推しになれたかな?」
そう聞いただけだった。
聞かなければ良かったと後悔した。
何気ない一言が今までの関係を全て壊すとはこのことかと。
自分はデジタルにそれなりに気に入られているという漠然とした感覚があった。
「一体……なんで……?」
現実を受け入れられない俺はそう聞いてしまった。
この一言さえ言わなければ今後も今までの関係が続く可能性はあった。しかしもう戻らない、もう戻れない。
「……理由をお話します」
デジタルはそう言い全てを語り始めた。
デジタルが入学して間もない頃、トレセン学園では彼女の話題で持ち切りだった。
ものすごい才能のウマ娘いる
最初のうちはトレーナーが彼女に群がり我こそはと勧誘をしていた。
しかしデジタルが芝もダートも走りたい旨を伝えると皆難しそうな顔をして去っていった。
やがて彼女を勧誘するものは1人、2人と減っていって最後にはほとんど居なくなった。
芝もダートも走れるならどちらかに絞った方がより良い結果を残せるのに何故そうしない
それが去っていったトレーナー達の考えだった。
また勧誘を続けているトレーナーも説得すれば考えが変わるだろうというものだった。
ただ1人を除いては。
「やぁ、アグネスデジタルさん。初めまして」
「え、あぁ初めまして」
「いきなりで悪いけど俺は君をスカウトしたい。どうかトレーナーにしてくれないだろうか」
「トレーナーにすることは別に構いません。但しひとつ条件があります」
「条件……?」
どうせこの人も理由を聞いたら去っていくに違いない。そう思っていた。
「あたしは芝もダートもどちらも走りたいです。なのでどちらでも走らせてください」
「え……?」
ほれみたことか。
キョトンとした顔でトレーナーはデジタルを見る。
どうせ次の言葉は「君ならどちらかに絞ればもっと勝てるのに」だとか「そんなのもったいない」だとかに決まっている。
そう思っていた、しかし違った。
「それだけでいいの?」
「え?」
「いや、それだけかと思って驚いてしまって」
「そ、そうですか」
トレーナーの返答に逆にデジタルが驚いた。
自分でもおかしい事を言っている自覚はある、しかしこのトレーナーは受け入れた。
「それだけでいいなら約束する。俺は君を好きなレースに出させるよ」
「……本当ですね?」
「もちろん、なんなら芝もダートもG1制覇しちゃおう」
ああ、この人は余程の天才か余程のバカかのどちらかだ、そう思った。
しかし受け入れてくれるならどうでもいい、レースに出るためにはトレーナーが居ないとダメなのだ。
「わかりました、その言葉信じますからね?」
「もちろん、絶対君を名バにしてみせるよ」
そう言い、デジタルの方へ手を差し伸べる。
デジタルはその手に自分の手を持っていき、握手を交わした。
「これからよろしく」
「こちらこそよろしくです!」
トレーナーと契約を結び、しばらくして本格的なトレーニングが始まった。
幸いなことにこのトレーナーは余程の天才だったようでデジタルの持つ才能をぐんぐん伸ばした。
そしてメイクデビューの時が来た。
「デジタル、今日は君のデビュー戦だ。緊張しているかもしれないが君なら勝てると俺は信じている、頑張れよ!」
「はい! 頑張ってきます!」
結果としてはもちろん1着だった。
「おめでとう! よく頑張ったな!」
「トレーナーさんの指導のおかげです!」
「いやいや、俺は何もしてないよ」
そうは言うがトレーナーの指導は素晴らしかった。
デジタルの体調やその日の天候などの状況を把握し、それをトレーニングに繋げていた。
「この後はウィニングライブだな。君が主役なんだからみんなに凄さを見せつけよう」
「もちろんです! あと見に来ますよね?」
この時にはすっかりデジタルとトレーナーは打ち解け、最前列とはいかないもののちゃんと見てくれるはずだと思っていた。
「あー……まあ見に行くけど後ろの方でかなぁ……」
しかしトレーナーの回答は違った。
「……なにかあるんですか?」
「いや、君のことを応援しているファンに申し訳なくてね」
「あ、そういう事ですか」
「そうそう」
謙虚な人だ、そう思った。
確かにファンは担当トレーナーが前の方にいたら場所を譲ってしまう。
少なくともあたしはそうしてしまう。
と、デジタルが考えた。
「ちゃんと見てるから安心して、これでも視力はいいんだ」
「わかりました。じゃあ行ってきます!」
そうしてライブ服に着替えライブ会場に向かう。
会場について暫くするとライブが始まった。
メイクデビューのライブということもあり、人数は少なめだったが盛り上がってない訳では無い。
ちらりと後ろの方を見るとちゃんとトレーナーがいた。
すると目が会い、ことらに向けて軽く手を振ってくれた。
嬉しかった、ただ嬉しかった。
このトレーナーと出会えてなければあたしはいつまでも燻っていただろう。
しかし出会えた、そして勝利した。
しばらくしてウイニングライブが終わる。
観客の拍手を背に控え室へと戻る。
「き、緊張しました〜……」
控え室へ戻った瞬間椅子に座りだらけきる。
「ライブってこんなに疲れるんですねぇ……」
いつもは見ている側だったが初めてする側に立った時、大変さがわかった。
「これはますます推す理由が増えましたねぇ〜」
1人でそんなことを思っていると突然ドアがノックされた。
「デジタル、入ってもいいか?」
「あ、トレーナーさんですか。どうぞ〜」
「それでは失礼す……る……」
「……?」
トレーナーが部屋に入ってきた瞬間にめをそらす。
「あの、どうかしたんですか?」
「いや、まぁなんというか……その、刺激が少々強いというか……」
「刺激? ……っ!」
やっと自分の状態に気づく。
汗でベトベトの体、乱れきった髪、極めつけにははだけた衣装。
おそらくだが汗の匂いもしているだろう。
「ウマ娘としてこれが普通なのかもしれないが俺はそういった常識には疎くて……」
「しゅ、しゅいましぇん! 今着替えてきますので少々お待ちをー!」
そう言ってデジタルは奥の方へ着替えなどを持って走っていった。
「先程はお見苦しいものをお見せしてしまってすいません……」
「いや、予想出来なかった俺も悪いしそこまで気にする必要はないよ。というか謝らないといけないのは俺の方だ、すまなかった」
深々と頭を下げ、謝罪するトレーナー、しかしどう考えても不用心だったデジタルが悪い。
「いや、不用心だったあたしも悪いですし……この件はさっぱり忘れることでどうでしょうか?」
「……そうしよう」
一件落着かに思えたが数日間はお互い顔を見てまともに話せなかった。
デジタルがメイクデビューで勝利してしばらく経ったある日の事だった。
トレーニングも学園も休みだったがふとトレーナーの様子が気になって学園に来ていた。
「さて、トレーナーさんは今日は学園にいるって言ってましたし何をしているのか少し調べてみましょうか」
てくてくと学園内を歩いていく。
いつもは少し歩けばウマ娘に出会ったが今日は休日なので誰にも会わない。
「なかなかに新鮮ですねぇ〜いつもはウマ娘ちゃん達の邪魔にならないようにひっそりとしていますから廊下の真ん中を歩くなんて初めてじゃないでしょうか?」
そんなことを考えているとトレーナールームの前へと着いた。
「さてさて、一体何をしているんでしょうか! もしかするといかがわしいものを見ていたり……なーんてそんなことある訳……」
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「ひょえ!?」
デジタルが扉をノックしようとした瞬間に部屋の中からトレーナーの叫び声が聞こえてきた。
慌てて扉を開けて中に入るとパソコンの前でヘッドホンをしたトレーナーが舞い上がっていた。
「デジたんファンサイトの人数1000人突破キターーーーーーー! メイクデビュー前から作ってはいたけどもデビューしてからの伸び率がいいぞぉ! ん? なになに……『デジたんが最推しです!』だとぉぉぉぉぉぉ!? わかってるじゃあねぇかよぉ! そう! デジたんが1番なのだ! もちろんほかのウマ娘も可愛いがデジたんは特別! そう、別格なのだよ諸君! 可愛い上に気配りもできる! 最オブ高!」
「あ、あの〜……」
何かあったのかと思えばただトレーナーが限界オタクと化していただけだった。
「ひょぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!? で、デジたん!? ななな、なじぇここにぃ!? ……っは! んんっ! デジタル、どうした?」
「いや、キリッとした顔で言われても全部見てましたからね? というかトレーナーさんもこっち側だったんですね……」
「こっち側? 一体なんのことだ」
「いや、誤魔化してもパソコンの画面でバレバレですよ……」
デジタルがパソコンを指さす。
そこには大量のウマ娘のライブ画像などがあった。
その中でもデジタルが群を抜いて多い。
「むむっ! ウイルスかもしれない! 大変だ!」
「いや苦しいですってそれ……」
というかウマ娘 ライブってフォルダがバッチリ画面に写っている。
なんなら驚いた勢いでヘッドホンが外れ、ライブの音楽であろうものが大音量で流れている。
「いやいやいや俺はオタクなどではない! 決してアイドルウマ娘の情報は必ずチェックだとか同人誌の執筆だとか担当ウマ娘のファンサイト設立などはしていない!」
「ほぼ自白ですってそれ……」
「いやしかし俺は───」
「ぬるぽ」
「ガッ! あ……」
「…………」
ジトーっとした目でトレーナーを見つめるデジタル。
「いや、これはその……」
「トレーナーさん、『こちら側』ですよね?」
「はい、その通りです……」
驚いた、堅物というかそんなのには興味ない人だと思っていたのにここまで重度のウマ娘オタクだったとは。
「いやまあ、あたしもそうなんで何も言わないですしむしろ同士が増えたので喜ばしいんですけど……」
「ならなんの問題もない───」
「けど流石にファンサイト作ったのは引きました」
「ぐはぁっ!」
何かに殴られたように後ろに吹き飛ぶトレーナー、そしてダンボールの山に突っ込み、山が崩れた。
「ちょっと! 大丈夫ですかトレーナーさん!」
「やめろデジタル! 近づくな!」
「近づくなって……あぁ、そういう事ですか……」
崩れたダンボール箱の中には大量のウマ娘グッズが入っていた。
しかしデジタルは動じない、なぜなら自分もこうだからである。
「とりあえず引っ張り出しますよー」
「うわぁ〜」
ズルズルとデジタルに引きずり出されるトレーナー。
「それにしても意外でしたねぇ〜」
「何が?」
「トレーナーさんがウマ娘オタクだったってことです」
「いや俺は……! 全くもってその通りです、はい」
反論しようとしたがデジタルがダンボール箱を指さすので反論の余地がなくなり、トレーナーは素直に認めた。
「でもなんでライブの時後ろで見てたんですか? 最前列に来たかったと思うんですけど……」
「あー……それはだなぁ……」
頭を掻きながらバツが悪そうにしぶしぶといった感じでトレーナーは答える。
「俺が誰よりも騒ぐ確信があったから……」
「あーやっぱり……」
わかりきったことだった。
何故ならデジタルだってそうするからだ。
「まあなんにせよトレーナーさんのことが知れて良かったです。あまり自分のことを喋らないので少し気になってたんですよね」
「いやぁ面目ない。引かれると思って隠してたんだ」
「これくらいじゃ引きませんよ。私も同類ですし。ところで……」
「ま、まだなにかあるのか?」
「ウオスカって最高だと思いません?」
「それを語るなら一日じゃ足りないな」
この日からより一層トレーナーとの距離が近づき、暇さえあればウマ娘の話をするようになったのであった。
また月日が流れこの日は初のG1戦。
「今日はG1だが気負いすることは無い、今日までの全てをぶつけてくるように」
「はい! デジたん頑張ります!」
「よし! 行ってこい!」
レース前にトレーナーに激励の言葉をもらった。
確信はしていなかったが勝てると思っていた。
トレーナーの指導も、自身の調子も万全だったし何より負けたくなかった。
しかしそう上手くはいかなかった。
終盤にスパートをかけようとした時、異変が起こった。
周りから放たれるプレッシャーがG2以下のそれとは全く異なったのだ。
デジタルは一瞬思考がフリーズした、次はどちらの足を出せばいいのかと考えてしまうほどに混乱していた。
何とか持ち直し全力で追いすがるも結果は6着と掲示板外だった。
悔しかった。なぜ悔しいのか分からないがとにかく悔しかった。
しかしそんな顔をトレーナーには見せたくない。
第一のファンに悲しんでいる姿など見せてはいけない。
これはウマ娘オタクとして、そしてアグネスデジタルとしての考えだ。
そう思い必死に笑顔を作り、トレーナーに会いに行く。
「残念、だったな……」
「いやぁ〜負けちゃいましたね〜でも次がありますしウマ娘ちゃん達の本気で走る姿を見れたんであたし的には大勝利です!」
悔しいのが、悲しいのがトレーナーにバレないよう必死に言い訳を並べる。
「…………」
「トレーナーさん?」
そんなデジタルをトレーナーは悲しそうな目で見つめる。
やめてください、そんな目で見ないでください。あなただけには心配をかけたくないんです。
そう念じるがトレーナーには届かない。
「デジタル……」
「なんでしょうか?」
「悔しいなら悔しいと言ってもいいんだよ。俺はそんなことで君を推すのをやめたりはしない」
「っ……!」
ああ、そうだった。この人はこういうセリフを平気で言うような人だったのだ。
もうダメだ、そんなこと言われたら我慢できなくなる。
「うぅ、ぐすっ……悔しいです……! 勝ちたかったです……! けど、けどぉ……!」
「そうだな、悔しいな」
「うぅ、うぅぅぅぅぅ……」
トレーナーの胸に顔を埋め、涙を流す。トレーナーは背中をさすり、頭を優しく撫でてくれた。
「……落ち着いた?」
「ぐすっ……はい、ありがとうございます」
どれくらいの時間泣いていたのだろうか、泣いている間ずっとトレーナーは抱きしめていてくれた。
「よし、じゃあ今日の負けは涙と一緒に流したいうわけで次のレースに勝てるよう対策を練ろう!」
「はい! でもその前に……」
「お、もしかして……」
「ライブのアーカイブ見ませんか?」
「もちろんだとも!」
すっかりいつもの調子に戻った2人は今回のレースの映像とライブ映像を穴があくまで視聴した。
「アグネスデジタル速い! 差し切って今ゴールイン! 初のG1制覇です!」
この日、デジタルはG1で勝った。
危なげな場面がないこともなかったが前回の反省を活かし、勝利を手に掴んだ。
「トレーナーさん! 勝ちましたよ!」
「やったなデジたん!」
G1で負けた日以来、トレーナーはデジタルのことをデジたんと愛称で呼ぶようになっていた。
「ちなみにわかってるだろうけどこの後は……」
「ライブですよね!」
「その通り! ファンクラブのみんなで観に行くから頑張ってね!」
「もちろんです!」
トレーナーがそう言った通り、ライブ会場ではデジタル推しの集団が前列で応援してくれていた。
「〜♪」
『デジたーん! うぉぉぉぉぉぉ!』
デジタル歌っていると所々で声援が入る。
中でもトレーナーの声が1番大きいので界隈ではあのウマ娘にしてあのトレーナーありと言われるまでであった。
それからは色々あった。
レースに勝ったり負けたりした。
一緒にライブなどを見に行ったりした。
映画館や水族館などに一緒に遊びに行ったりもした。
もはやずっと一緒なのが当たり前だった。
しかし何事にも終わりはやってくる。
「デジたん、今日は現役最後のレースだね」
「そうですね〜なんか長いようで一瞬ような気もします」
「ははっ、確かにそうだなぁ。……俺らずっと一緒にいたけどこれからは一緒に居れないんだよなぁ」
「……そうですね」
「ま、何はともあれ最後のレース頑張ってきて! 勝てると信じてるよ!」
「はい! 行ってきます!」
気合いは十分、これで負けるなどありえない。
ゆっくりとレース場へ歩を進めていく。
(勝っても負けてもこれで最後、なら絶対に勝利をトレーナーさんへ……!)
そう意気ごみ、レースが始まった。
「アグネスデジタル速い、速い! ぐんぐん後続を突き放してゴールイン! 勝ったのはアグネスデジタル! 引退レースでも実力を発揮しました!」
結果は大差で1着だった。
「デジたん……! やった、やったな……!」
「トレーナーさん、顔が大変なことになってますよ……」
「そういうデジたんだって涙ですごいことになってるじゃないか……!」
最後のレースで勝ったことで感極まりすぎて涙が止まらない2人。
「おっと、もうこんな時間か! 早くしないとライブと引退パーティーがあるんだった!」
「あ、そうですね……」
数年間一緒にいたとしても後数時間で別れの時がやってくる。
(あたし、まだ離れたくないです……まだ、いいえ。ずっと一緒にトレーナーさんと居たいです……あ、そうか……あたしトレーナーさんのことが……)
「この時、やっと自分の気持ちに気づいたんです。そうして今に至ります」
「えっと……それってやっぱり俺のことが推しってこと……?」
「はぁ〜……ほんっとにニブチンですねぇ……今どき鈍感系なんか流行りませんよ……」
かく言うデジタルも気づくのにだいぶ時間がかかったがそれは棚に上げている。
「ええとつまり……?」
「じゃあ説明しますからね! 1回しか言いませんからしっかり聞いてくださいよ!」
「よし! ドンと来い!」
1度深呼吸をしてデジタルは話し始める。
「いいですか、推しというのはですね。何をしていても見守ることが前提なんです。どこかに出かけたりだとか誰かと遊んだりだとか、他にも恋人が出来たらその恋を応援したりとかです。あくまで不干渉で応援するのが基本ですし干渉するなんて以ての外です。つまりですね、推しに対する大好きはlike very muchなんですよ。そういった点でトレーナーさんはあたしの推しになることは今後一切ありません」
「そっか、わかった。今までありが───」
「わかってません!」
トレーナーが別れを告げようとしようとした瞬間、デジタルが叫んで割って入った。
「先程も言ったようにトレーナーさんが推しになることは絶対ありません。なので言います」
「…………」
トレーナー生唾を飲み込み、デジタルの言葉に集中する。
「あたしは、デジたんは……トレーナーさんが大好きです!」
「……へ?」
トレーナーが間抜けな声をあげるがそんなことお構い無しにデジタルは続ける。
「見守るなんて嫌です! ずっと一緒がいいですし好きな人が出来たら応援なんてしたくありません! あたし以外を好きになったトレーナーさんなんて見たくありません! 推しとしてじゃなくトレーナーさんが大好きなんです!」
一世一代の告白をするデジタルに対しトレーナーはいうと
「えっと、あの、あれ?」
「これでも分からないなら流石に怒りますよ……!」
「はっ! いやいやいや全部わかったよ!」
「なら返事してくださいよ……」
「へ、返事……?」
「はい、告白への返事です」
「あの、えーっと……」
「…………」
「よ、よろしくお願いします……」
しばしの沈黙が流れる
「よ、よかったぁ〜」
「デジたん!?」
安堵の声と共に体から力が抜けてデジタルがその場に座り込む。
「こんなに緊張したのは初めてG1に出走した時以来ですよ……」
「奇遇だな、俺もだよ」
「あ、やっぱりですか。……じゃあこの後何がしたいかも分かりますよね?」
「もちろん!」
普通ならデートの予定などを考えるのだろう。だがあいにくと、このカップルは普通じゃない。
「「緊張も解けたしウマ娘の推しのカップリングの話をする!」」
この2人、どこまでもお似合いである。
ぶっちゃけ最後のシーンがやりたかっただけ
感想や評価をくれると今後の励みになります。
また書いて欲しいキャラなどがいたらあげてもらえれば書く可能性が高くなります。