リーリエロスでカントー行ったよ 作:バケットモンスター、縮めてバケモン
ついたぜタマムシシティ! ここは……えーと……えーとなんだっけ!
なにが名物なんだろう! 多分ショッピング! デパートが有名なんだと思う! たぶん! 知らんけど!(完全無欠)
「リーリエ、ショッピングが終わったらゲームセンターって寄ってみてもいい?」
「ゲームセンター、ですか?」
「ポリゴンってモンを見てみたくてね」
「わかりました。……というか、そちらから行きましょうか?」
「いや、多分膨大な時間がかかるから良いよ」
「……? はい」
リーリエは不思議そうにゲームセンターを振り返る。俺の前に位置取っているため、リーリエの髪が揺れてふわっと香りが漂う。
マジでこの位置は選択ミスだったかもしれない。思考がとろける。
さっきまで不機嫌そうにケンタロスに乗っていた少女は今は既に俺の隣を歩いている。もうまじかんむりょうってかんじ。かしこ。
「ところで、デパートに来たのはいいけど服はどこに売ってるんだろう」
「あそこに地図がありますよ。どうやら3フロアのようです」
目良。
「じゃあ、エレベーターで向かおうか」
「はい!」
程なくしてやってきたエレベーターに二人で乗り込み、リーリエが三階のボタンを押す。
おっとやばいぞ、今になって理解したがエレベーターというのは密室だ。今までリーリエと密室に二人きりになったことはなかったからその存在を直に感じて心臓の跳ねがやばいぞ3階でございます。
「…………」
「……? つきましたよ?」
「うん。エレベーターって速くて良いよね」
もう少し安全運転でもよかったのにな。
「ほわ……! 今まとめて買うと30%OFFらしいです! クロウさん、行きましょう!」
「えっ、あっ、ちょっ、リーリエ!?」
ぐいと引かれた手。
ふにふにのおててが俺の手首を掴み、マネキンの森へと誘う。
リーリエは手直にあったブレスレットを手に取ると、自らの手に下げて俺に見せた。
「どうですか?」
俺、リーリエとマジモンのデートしてるのかもしれねぇ。
これは全国のリーリエファンに足向けて寝られねぇ。これから立って寝ます。無理です嘘言いましたごめんなさい。
とはいえリーリエに花の装飾のついたブレスレットは本当に似合っている。そもそもとしてリーリエの白ベースの服に美しい金色の髪が合うと言うのに、そこに桃色の花柄のブレスレットが装着されてしまったらそれはもうフルアーマーリーリエにすぎない。場に出ただけでバトルに勝利すること間違い無しである。
「とても良いと思うよ」
「……それだけですか? じゃあ、こちらは?」
「時計? ここなんでも売ってるな……」
ブレスレットを外し、今度は時計をつけたリーリエ。
革バンドのシャープな時計はリーリエの美しさのステータスを上げる最高のアイテムかもしれない。それ一つが腕にあるだけで今までの天真爛漫なリーリエから一転、真面目さを兼ね備えた才女の様にも見えるし、最高の素材。いや、最高の主役と言ったところか。
「いいんじゃない?」
「……むー」
「え? どうした?」
「なんでもないです」
なんだなんだなんなんだ。
俺、またリーリエを怒らせているのか?
やばいぞ。さっきも謎の理由でリーリエの好感度が下がったばかりだ。どうにかしてポイントを稼がなければ俺は死ぬ。
「りっ、リーリエ、それ気に入ったなら買ってあげるよ? ほら、博士がくれたお金もあるし」
「気持ちは嬉しいのですが、そうではありません!」
「えぇ〜…………。じゃあどうすれば……」
「では、クロウさんが選んでください!」
「え?」
「クロウさんが、私に似合うと思うものを選んでください。それで、釣り合いをとることに致します!」
まじで? 俺女性経験ないからそういうのわかんないよ?
「え? んぇ? えーと……」
「アクセサリーでも、服でも! ふふ、クロウさんは何を選んでくださるのでしょうか!」
「は、腹黒い……!」
リーリエといえば、いつもの清楚なお嬢様スタイルがよく似合う。
プレゼントといえば、やはりその辺の清楚系アイテムに思考が偏ってしまうな。
「ロックスタイル……?」
「ロック、ですか?」
「うん。あのダメージジーンズとか、革ジャンとか。普段リーリエが着ない様なものとかどうかなって」
「試着してきます!」
「あッ、ちょ!?」
行ってしまわれた!
まだそれにするって決まってないのに!
仕方なくリーリエの入った試着室の前に座り、イーブイをもふる。
「ぇぼ?」
「イーブイ……俺、女の子の気持ちわかんねぇよ……」
「えぼいぼぶぶ」
「お待たせしました。どうですか?」
試着室のカーテンが開かれると、そこには俺の指定した服を着たリーリエが立っていた。
ちょっとまて、想像以上ににイイ。俺が選んだ服をリーリエが着てくれるの、
服装としては、赤いシャツの上に黒の革ジャンを羽織り、ワイルドさをアピール。赤いシャツはリーリエの工夫か、アクセントとして見やすくちょうどいい。
ダメージジーンズはリーリエの白い肌が裂かれた部分から見えて……ッ。
はッ!? 意識が飛んでた!!
これはダメです! 目に毒です! リーリエファンが見たら卒倒しちゃうよこれ! だめだめだめ!
あーえっち! えっちすぎますダメですエッチコンロ点火ボッだよエチチチチのとこいらないくらい魅力に溢れてるよなんだこいつは今世に現れたスーパースターかよこんちくしょうこいつが有れば踊らない夜を知らない生活ができそうだな!
「いいと思うけどダメージジーンズはやめておこうか」
「そうですか……一旦、元の服装に着替えますね」
締められるカーテン。
っていうか今チラッと見えたのってリーリエが脱いだ服だよな。そりゃそうだ、試着してんだから着ていた服は脱ぐよな。
……このカーテンの向こうでリーリエがばきぃ。
「お客様!?」
「すみません邪な自分が許せなくて。それよりも、ちょっとあのマネキンの服って試着できますか?」
「え? 可能ですが……お客様が?」
「んなわけあるか今カーテンの向こうにいる天使様が試着するんじゃい」
「あ、申し訳ありません……! 今持ってきます!」
なんだあの店員は。馬鹿なのか?
今の今までリーリエが超エリートスーパースターな雰囲気を出して試着室のカーテンを開けたというのにそれを一度も見ていなかったなんて万死に値する。
いや、神々しすぎて直視できなかったか。なら仕方ない。
「リーリエ、今店員さんに服を持ってきてもらってるから少しまってて」
「あっ、はい!」
「お待たせしました、こちらになります」
「どうも。リーリエ、これを着てもらえる? ……って、どうやって渡そう」
「カーテンの隙間から……!」
俺は今日死ぬ(確信)
なるべく見ないように服を差し出すと、小さな腕が服を受け取りカーテンの中へ戻っていく。
もしかしてリーリエ、カーテンの向こうで肩が見えるような格好でばきぃ。
「お客様!?」
「邪な自分が許せないんだ」
「は、はぁ……。これお戻ししますね」
続いて開けられたカーテンの向こうからやってきたのは、リーリエ春の装いversion。
がんばリーリエの時のものとはまた違う、前が開かないタイプのパーカーと裾の広い水色のロングスカート。
春にはもちろん、秋にも使えるファッション。さすがはマネキンか。
とは言えマネキンはただののっぺら人形。完璧被写体である美しさカンストのリーリエに敵うはずもなく、見事着こなして見せたリーリエは腕をまくるかまくらないかで季節を表現できるオールラウンダーになってしまった。
テーマとしてはやはり清楚が主体なのか、リーリエは髪を結び直して三つ編みにし肩から下げ、動きやすさをアピール。
全体的にふんわりとした印象になった。これは至福。
「うん、いいねそれも」
「むむむ……なんとなく反応が薄い気がします……」
「そう?」
うーむ、どうしたら良いだろうか。
やはりリーリエは自らがんばリーリエスタイルを選んでいるため、元気な印象を与える服が欲しいのかな。
清楚な服や綺麗なドレスはアニメや本編で着てたしな。
「俺はどんなリーリエも好きだけどな」
「…………───ッ!?」
「え? 待って俺今なんて言った?」
「しっ、知りません! 私、着疲れしてしまいました! 少し休憩になさいませんか!?」
「えっあっおう……おう……???」
爆速で着替えて俺の手を引き、店を出ていくリーリエ。
俺なんかやべえこと口走っちゃったか……???
あかんぞ、あかんこれ。全くもって好感度稼げてない!
「あっ、あそこにクレープあるよクレープ。食べない?」
はた。
「クレープですか? ……良いですね、食べましょうか」
「リーリエってお菓子とかは上品なものしか食べてなさそうなイメージあるよな」
「そうですか? ……と言っても、実際そうかもしれませんね。こういうものを同年代の方と食べるの、憧れていたんです」
「マラサダとか寿司とか?」
「お、お寿司ですか? それはなんとも……。ですがマラサダはそうかもしれません。いつかみんなで食べられると思っていたら、いつの間にか余裕が無くなっていて……結局叶わずじまいでしたから」
それはもしかして、SM本編のことを言っているのだろうか。
たしかに、リーリエと主人公が一緒に何かを食べている描写はなかった気がする。
「じゃあ、俺とそれ叶えよう」
「え……?」
「クレープもマラサダも、さっきみたいにブティックを見ることも。君の願いは俺が叶える。君が望むならどこにだって駆けつけるし、君が望むなら世界だって救ってみせる」
「…………」
「君の騎士になるよ」
「クロウさん……ちょっとキザっぽくて変です」
!?!?!?!?
ばっちりキマッたと思ったのに!?
「でも誠意は伝わりました。ありがとうございます、騎士さん」
おっとやべえぞその眼差し。
騎士が姫に殺されることがあって良いのだろうか。まあいいか。大義であったぞ俺。ほな死ぬわ。
「く、クロウさん? なにか白いものが飛び出てるような気が……」
「はっ!? いやちょっとね、気絶しかけてただけだから大丈夫」
「だ、大丈夫ではありませんよ!?」
「それよりも……はい、リーリエ、これを」
あんまりにもリーリエが早いから、これしか買う余裕が無かったんだよな。
サプライズ、と言っては少しセンスがないかもだが……。
「帽子、ですか?」
白いベレー帽。
セールのところに売っていた、季節外れの秋冬モノ。
「リーリエはいつも唾の広いあの帽子をかぶってるけど、こういうのを被ってみてもいいんじゃないかって」
結局は、がんばリーリエからイメージが引っ張られてきている。
活発なあの服装はポニーテールで帽子を外しているために、頭周りに何かできないかと考えていた。
「……ありがとうございます。季節的にこれを被るのはもう少し後になりそうですけどね」
「うぐっ。それは……すまん……」
「いえ、構いません。クロウさんが私のために何かを考えてくれていたのが嬉しいのですから」
そう言ってもらえると助かる。リーリエはなんて気遣いのできる女なのだろうか。
はにかむ彼女の尊さに、自分が情けなくなる。
それほどまでに、彼女の存在は眩しいのだ。
クレープを食べ終えたリーリエはそっとカバンにベレー帽をしまい、席を立って振り向いた。
「今度はどこへ行きましょうか? ゲームセンターに行きたいとおっしゃられてましたよね」
「あ、ああ……うん。興味があってね」
「
そっか。
SMはそういう施設無いんだもんな。
ルザミーネが厳しかったらしいから、家庭用ゲーム機とかそう言ったものにも触れてこなかっただろうし。
「じゃあ、行こうか?」
「はい!」
この時、俺は思ってもいなかった。
「あいつがイーブイ使いの……」
「隣の金髪の女は弱そうだ。狙うならそっちからじゃないか?」
「雪辱を晴らすべきだ」
リーリエを狙う、悪党がこの街に潜んでいるということを。
「「「なんか勘違いされてる気がする」」」
出ません