引退ウマ娘のセカンドキャリア   作:空洞丸

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※残酷なシーンがあります。ご閲読のさいはご注意ください。


中編②:この子に救いはないのですか

 放棄されたパピーミルでの救出作業からしばらくして、治療を終えて比較的軽症だった動物はメイショウドトウのシェルターに移送された。

 劣悪な環境下から救い出された犬猫たちは、飢餓と不衛生から開放された安心感からくつろいだ様子をみせている。

 ただ、死と隣合わせの扱いを受けていたからか、他者に対する警戒感や恐怖心があらわになっているものもいた。

 

 救出作業に従事した新人スタッフが世話をしているスコティッシュ・フォールドもそのうちの一頭だった。保護された種々の猫たちが猫舎に設置されたキャットタワーによじ登ったり猫用の遊び道具にじゃれついて和気藹々としているなか、部屋のすみで足を投げ出したままじっと動かないでいる。

 

「ドトウさん、ご相談があるんですが……」

 

 事務仕事をしていたメイショウドトウは新人から相談を持ちかけられた。例のスコティッシュがほとんど動かず、餌もあまり食べようとしないという。

 

「ここに来たばかりですからね。まだ馴染めてなくても不思議じゃありません。長い目でみていきましょう。餌は別のものを試してみるのもいいかもしれません」

 

 彼女はキーボードを動かす手を止め、新人スタッフに正対した。

 

「うーん、やっぱりそれしかないですかね。あまりにもみんなと交わろうとしないもんだから、他の子の前に持っていこうかなと思ったんですけど、抱きかかえたときにものすごい金切り声をあげられたんですよ。私、嫌われちゃったのかなぁ」

 

 肩を落とす新人の慨嘆に気になるところがあったのか、彼女は耳を立てて思案顔で問い返した。

 

「抱きかかえたときに、抵抗されたんですか?」

 

「ええ、こう、『フギャー!』って感じで。ずっと部屋のすみで足を投げ出して、俺に近寄るなオーラ放ってるんです。……ってドトウさん!? どうしたんですか!?」

 

 新人の返答を聞いたとたん、彼女は血相を変えてその場を飛び出した。新人があわてて後をついていく。くだんのスコティッシュが収容されている猫舎に彼女はいた。

 

「新人さん、あなたのいっていたスコちゃんはこの子ですね?」

 

「そうです。どうしたんですか、いったい」

 

 彼女は秀眉に険を浮かべながら、膝を折って、尻居しているスコティッシュの身体に触れた。

 その瞬間、火を吹いたような悲鳴が猫舎に響きわたった。種名通りの折れ耳(fold)が、やめてくれと(こうべ)を垂れている。

 続けて彼女はスコティッシュの関節を触診する。なおもスコティッシュの尖り声は続いている。

 

「ド、ドトウさん、嫌がってるんじゃないですか? それ以上はやめたほうが『新人さん』」

 

 新人の諫言をさえぎって彼女は立ち上がり、すげない表情で、努めて冷静に桜唇を震わせた。

 

「いいですか、落ち着いて聞いてください。この子は、安楽死させます」

 

 

 猫たちがせわしなく動き回っている猫舎の一角で、メイショウドトウと新人スタッフのいるスペースだけが、周りから隔絶されたかのような沈黙に支配された。口火を切ったのは新人スタッフだった。

 

「ドトウさん、いま、安楽死っておっしゃったんですか。私の聞き間違い、ですよね?」

 

「いいえ、お聞きの通りです。この子は安楽死させます」

 

 彼女がにべもなく答える。反論を許さない非情さを漂わせている。

 予想だにしない言葉を聞かされた新人は、理由も聞く余裕もあらばこそ、彼女に食ってかかった。

 

「なんで! せっかく助けたんですよ! それなのに安楽死って! おかしいじゃないですか!!」

 

「この子はもう助からないからです。関節のいたるところにコブができていました。これは生まれつきの病気によるものです。そして一度発症すると治す手段はありません。この子の種名、お分かりですね」

 

「スコティッシュ・フォールド、ですよね」

 

 スタッフが確認するように答えた。彼女は目を伏せて床上のスコティッシュに視線を向け、新人の答えを肯定した。

 

「その通りです。それも『折れ耳』と呼ばれている、本来ならば繁殖させるべきでない禁忌の種類です」

 

 スコティッシュ・フォールドは現在ペットショップで売られている猫の品種では上位の人気を誇る。

 わけても『折れ耳』と呼ばれているタイプは垂れた耳が愛嬌たっぷりに映り、セレブリティの愛好家の存在や動物番組、ウマチューブなどでの露出からメディア受けも良好だ。

 

 ところがこの折れ耳は軟骨の遺伝的な形成不全(骨軟骨異形成症)が原因であるとわかっている。軟骨の形成異常は耳にとどまらず全身の関節に及び、骨格の異常や骨瘤の形成、関節痛を引き起こす。

 人間が地べたに腰を下ろすかのように足を投げ出して座る、いわゆる「スコ座り」をする理由はいくつかの理由が考えられている。毛づくろいのため、周囲に気を許しているため。そして、関節の痛みにより手足で立てないためである。

 

 骨軟骨異形成症は顕性遺伝*1であるため、折れ耳同士を交配させると75%以上、良心的な店で販売されている折れ耳と立ち耳の子でも50%以上は発症する。

 

 メンデルの法則で考えてみる。折れ耳になる遺伝子をF(顕性)、立ち耳になる遺伝子をf(潜性)とそれぞれ仮定すると、折れ耳Ffどうしの交配で受け継ぐ可能性のある遺伝子型はFF、Ff、fF、ffであるため、発現確率は75%、折れ耳Ffと立ち耳ffの交配の場合、Ff、Ff、ff、ffであるから50%というわけだ。

 ただし、実際の折れ耳の発現確率はこれより高くなる。FFとFf、あるいはFFとff。つまり親と子、親と孫などの交配パターンも存在するからだ。

 これは悪質なブリーダーが高値のつく形質の発現を狙い、繁殖動物の健康を一顧だにせず近親交配をおこなう事例があることを意味する。

 

 このように深刻な遺伝性疾患が発症するおそれが高いため、英国の大手血統登録機関のひとつである育猫管理評議会(GCCF)(Governing Council of the Cat Fancy)はスコティッシュ・フォールドの血統登録を禁止しており*2英国獣医師会(BVA)(British Veterinary Association)もまた、動物の健康と福祉の観点からスコティッシュの繁殖はおこなうべきではないとの立場をとっている。

 日本においても近年の環境省令で「遺伝性疾患等の問題を生じさせるおそれのある組合せによって繁殖をさせないこと」と定められている。

 したがって、環境省令を厳密に解釈すればスコティッシュ・フォールドそのものの交配をすべきではないということになる。

 

 スコティッシュに限らずパグやチワワが水頭症にかかりやすいのをはじめ、品種によって罹患しやすい遺伝性疾患があり、真っ当なブリーダーであれば遺伝病の発現確率が極力小さくなるよう正しい知識と細心の注意を払って交配をおこなう。

 しかし悪徳な繁殖屋のもとに繋がれていたこのスコティッシュが、そのような気配りを受けたとは期待するべくもなかった。

 

「素人のブリーダーが間違った交配を続けた結果です。ひどい関節炎。寝ても覚めても激痛が走っているはずです。餌もほとんど食べられないほどに……」

 

 一度発生すると成長と加齢にともない痛みと症状は悪化し続ける。根治する手段はなく、その苦痛は生涯にわたって続く。

 

「ドトウさん、なにか方法はないんですか? 痛みを軽減する薬とか……」

 

 新人が眉を曇らせて尋ねるが、彼女は力なくかぶりを振った。

 

「鎮痛剤を投与する方法はありますが一時しのぎでしかありません。それに、スコティッシュは心臓病や腎臓病にもかかりやすい傾向があります。劣悪な環境にいたこの子は腎機能も低下しているはずです。その状態で鎮痛剤を投与したら、腎臓への血流が減って腎不全になってもおかしくありません。腎臓病は関節炎も悪化させます」

 

 痛みを抑えるために強力な鎮痛剤が投与され、腎機能が悪化し、さらに関節炎が進行して痛む。その先は無間地獄だ。

 

「仮に腎臓が大丈夫だったとしても長期間の鎮痛剤の投与は骨を脆くしますし、次第に効き目も悪くなります。いずれ全身の骨が折れ、いっそうの激痛に襲われるでしょう。そうなる前に楽にしてあげなければなりません」

 

「そんな……そんなのって……」

 

 新人スタッフがなおも方法がないか頭を巡らすが言葉が続かなかった。追い打ちをかけるように彼女が冷厳と口を開く。

 

「それだけではありません。病気の猫さんは譲渡会には出せませんからシェルターで一生面倒をみることになります。頻繁に獣医さんにかかるでしょうし、自力で動けないから介護も必要になります。この子につきっきりとなるとそのぶん、ほかの子たちのお世話がおろそかになってしまいます。新しい子の受け入れもいまより制限せざるを得ません。

 個人で飼っているならまだしも、この子のために健康で譲渡可能なほかの子たちを犠牲にするわけにはいかないのです」

 

 希少動物の保存・研究を目的とする動物園でさえ繁殖方法が確立された動物については飼育スペースの問題がついて回る。遺伝子プールの維持と飼育管理の関係上、人側のリソースを上回る個体は余剰とみなされ繁殖は抑制される。生まれ来る命が選別される。

 ひるがえって保護動物を死の災厄から救うはずのシェルターも、そのどれもが定員つきだ。人員の不足、予算の不足、時間の不足が常について回る。

 そしてなにより、すべてを救うには、苦海に沈んだ動物の数が多すぎた。死にゆく命すらも選別される。

 

 それでもすべてを救おうとした先に待つのは、アニマルホーダー化からの多頭飼育崩壊だ。不殺(no kill)をうたう動物保護団体に際限なく動物が収容された結果、世話人が足りず、ただ生かすだけ生かして散歩もシャワーもできないまま不衛生と病気が蔓延し、飼育崩壊を起こした団体を彼女は幾度となく見聞きしてきた。

 

 しかし経験の浅いスタッフには、彼女が見込みのない命を切り捨てる冷血漢に感ぜられ、矢も楯もたまらず激昂した。

 

「命を天秤にかけるっていうんですか! 病気でも健康でも同じ命じゃないですか! 命をいるいらないで選別するなんて動物を金儲けの道具としてしか考えてない悪徳業者となにが違うっていうんですか!!」

 

 目の前の事態を受け入れたくないスタッフの抗弁に、彼女は自分に言い聞かせるように、あくまでも冷静に反論した。

 

「生かすだけが愛情じゃないんです。治る見込みのない死にいたる病に冒された子を生かし続け、際限のない痛みにさいなまれる苦痛と恐怖を味わわせるのは、それこそ繁殖屋以上のむごい仕打ちです。

 この子は痛みによって餌も水もろくに口にできず、十分に動けず、いつまで痛みが続くかわからない恐怖に怯え続けるんです。そしてこの子自身は苦痛から逃れるすべを持っていません。だから、私たちが一刻も早く開放してあげなければいけないんです」

 

「なら! この子は……この子はいったいなんのために生まれてきたんですか……! この子に、救いはないんですか……」

 

 新人は顔をくしゃくしゃにして藁にもすがるように彼女の肩をつかんだ。彼女は耳と柳眉を垂らし、やるせない表情で、淡々と事実を告げた。

 

「このスコちゃんは、お金儲けのために生まされ、飼い主の愛情を受けることもなく、狭いケージに閉じ込められ、満足に動けず、遊びの楽しさを知ることも、狩猟者としての本能を満たすこともなく、遺伝病のために際限のない痛みを受け続け、引き取りのあてもない。不幸な命なんです。

 そんな子に私たちが手向けてあげられる救いは、せめて安らかに眠らせてあげること、そして、忘れないであげることだけです」

 

「そんな……そんなぁ……!!」

 

 スタッフは膝から崩れ落ち、呆然とした表情で嗚咽した。命をつなぐためのはずの活動で、死こそが救いになるという皮肉、なにもしてやれない自身の無力さに打ちひしがれている。

 

 その姿に、彼女はかつての自分をみているかのような複雑な表情を浮かべ、そしてすぐにやるべきことを思い出し、懇意にしている動物病院に連絡を入れた。猫たちは不思議そうに彼女らをみつめていた。

 

 

  ◇

 

 

 連絡を入れた動物病院にたどり着いて受付を済ませ、名前を呼ばれて診察室に入った。

 あらためてスコティッシュ・フォールドの症状を説明し、獣医師も状態を確認すると、すぐに安楽死処置の準備に動いた。

 

 近隣の動物病院で安楽死処置を引き受けるところはここくらいだという。

 

「日本の獣医師は安楽死をやりたがらない傾向にあるんです。お国柄、死を忌避する感覚があるのか、動物が好きで獣医になったのに安楽死に手を貸したくないのか、それとも『あそこの動物病院は患畜を死なせるところだ』と噂を立てられるのを恐れているのかはわかりませんが」

 

 機器の準備を終えた動物看護師がペットの安楽死に対する病院の対応について説明する。

 

「セカンドオピニオンで訪れた病院で引き受けてくれればいいのですが、日ごろの付き合いのない一見(いちげん)の飼い主さんからの安楽死希望をおいそれと引き受ける先生は稀です。愛護センターに連れて行けと厄介払いする獣医までいます。でもいまどきはセンターだってなかなか引き取ってはくれません。堂々めぐりのぶんだけペットの苦しむ時間は長引きます」

 

 この動物看護師は、院長とメイショウドトウの仕事に対する姿勢を尊敬しているという。

 

「先生もドトウさんもすごいと思いますよ。断ったって誰も非難しないのに。おふたりとも、本心では安楽死なんてさせたくないはずです。安楽死なんて聞こえよくいっても要するに殺処分ですからね。

 でも終末期医療は動物にも必要ですし、ドトウさんとは長い付き合いで、動物に対する気持ちも、ときにはタフな決断を迫られるしんどさも理解しているからこそ先生も引き受けているんだと思います。

 こういう、誰もやりたがらない仕事の責任を引き受けてくれる人がいるからこそ、世の中は回ってるんでしょうね」

 

 処置室に医師が入室し、いよいよ処置が始まった。彼女も同席し、スコティッシュの最期を見届ける。

 

 安楽死処置はまず患畜に麻酔導入をおこない、そののち致死量の麻酔薬を投与する。

 麻酔導入にあたってはプロポフォールなどを静脈注射するが、今回は関節炎の痛みが激しく、触れるだけで猫が抵抗するので保定*3ができない。

 そこで気化器を使ったイソフルランの吸入麻酔により昏睡状態にさせ、そののち致死量のペントバルビタールを静脈注射する。すると速やかに中枢神経に作用し、呼吸機能が抑制され、心臓が停止し、息を引き取る。

 

 死にいたるにあたって苦痛がともなわないといわれているため、近年では動物愛護センターでの殺処分もペントバルビタールを使った方法に切り替える自治体も出てきている。

 

「ただ、ペントバルビタールが最近EUから禁輸措置を受けて入手できなくなってるんだよね。うちは在庫が尽きたらセコバルビタールっていう代替品を用意するつもりだけど、動物病院よりも殺処分件数が多い割に行政予算に縛られてる愛護センターはどうするんだろうね」

 

 処置を終えた獣医師が謹厳な面持ちで語った。

 

「噂じゃどっかの愛護センターでペントバルビタールが尽きたってんで、筋弛緩剤の単独投与で殺処分したって昔の同僚から聞いたけど、これはきみ、とんでもないことだよ」

 

 筋弛緩剤は運動神経に作用し、全身の筋肉の運動が抑制される。それは呼吸筋にも作用し、人工呼吸器を使わなければ呼吸困難となり絶息する。

 麻酔薬と異なり、血液脳関門を通過せず脳には作用しないため、筋弛緩剤の単独投与の場合、身体は動かないが昏睡状態には至らず、意識は維持されたままになる。

 

「つまり、呼吸が止まって苦しい感覚はあるのに指一本動かせない、声も出せない。これがどれだけ恐ろしいかわかるかい。窒息の苦しさと助けを呼べない恐怖が一度に襲いかかってくるんだ。

 不勉強な愛護活動家は注射による致死処分はすべて安楽死だと思ってるようだけど、やり方を間違えるとガス殺よりもずっと苦しいんだ。筋弛緩剤で安楽死させるときも絶対に麻酔薬と併用しなきゃいけない」

 

 

 処置の済んだスコティッシュはこわばりが解け、しどけなく手足を弛緩させ、昼寝でもするかのように目を閉じていた。獣医師の処置が適切だった証左だ。

 もう永久に目を醒ますことはない。人の手のぬくもりを知る機会もない。剣山に立つような絶痛絶苦にさいなまれることも。その場にいた関係者全員が手を合わせた。

 

 遺体は動物専門の葬儀会社で荼毘に付され、共同墓地に埋葬される。廃棄物ではなく、尊厳ある命として扱われる。

 

「もう痛くありませんからね……。ゆっくり休んでください……」

 

 物言わぬ(むくろ)となったスコティッシュのために、彼女は静かに瞑目した。

 

 

 病院のロビーに戻ると彼女は椅子にもたれかかり、膝を抱えてつぶやいた。

 

「新人さんには酷なことをいいましたが、こういう事態が起こるたび、自分の判断は適切だったのか、もっとできることはあったんじゃないかと、いつもくよくよしてしまいます。

 人の都合で絶たれる命を減らしたくてこの活動をはじめたはずなのに、いつの間にか私自身が加担していて……」

 

 そうして心の露を絞り出すかのように、奈落に届きそうな、精も根も尽き果てたような深甚なため息をこぼした。

 

「私、なにをしているんでしょうね。命って、なんなんでしょうね。繁殖屋のもとで果てるのも、私のもとで逝くのも、命の計数としてはどちらも等しくひとつです。

 散っていった命に、かけた情けの多寡が意味をもたらすのか。ただの自己満足にすぎないんじゃないか。そんな益体のない考えが頭のなかで膨らんでいくんです」

 

 いってみればメイショウドトウの活動は、ペット業界の負の側面の尻拭いをさせられているといっても過言ではない。

 しかし彼女は押し付けられる面倒を嘆くでもなく、不誠実な飼い主に憤るでもなく、ただただ気の毒な動物と自分の力不足に心を痛めている。

 

 だれも彼女を責めることはできない。だれかがやらねばならない。彼女によって救われた命の数は計り知れない。

 それでも、身罷(みまか)った命が心に落としてくる影を、彼女は無視できなかった。

 

「夢に出てくることがあるんです。亡くなった子たちが。たくさんのワンちゃん猫さんが私のほうをじっとみつめてくるんです。もう大丈夫だからと私を安心させようとしているのか、それともどうして死なせたのかと恨んでいるのか。

 たくさんの子と接してきましたけど、夢に出てきたあの子たちの表情が私になにを伝えようしているのか、それはいまだにわからないままです」

 

*1
かつて優性・劣性と呼ばれていた遺伝学用語は、近年の生物学のテキストでは顕性・潜性と改められており、ここでもその表記に従った。

*2
GCCF以外の登録機関では認めているところもある。

*3
治療のさいに動物を動かないよう押さえておくこと。

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