引退ウマ娘のセカンドキャリア   作:空洞丸

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参考文献一覧

●サンケイスポーツ

『Gallop臨時増刊 週刊100名馬 Vol.74 サイレンススズカ』2001年 産業経済新聞社

●渡辺敬一郎

『星になった名馬たち 関係者が語る隠された真実25』2000年 オークラ社

●Number Web

『サイレンススズカはなぜ天皇賞・秋で骨折し“安楽死”したのか? 「殺さないで」ファンの声で手術をしたテンポイントは42日後に…』2021年10月31日配信

『武豊に聞く。ディープインパクトはサイレンススズカを差せるのか。』2020年6月27日配信

●週刊現代(国会図書館デジタルコレクション)

『天才ジョッキー武豊--この馬にきいた特別版--サイレンススズカと僕の「魔の一瞬」』1998年11月21日号 講談社

●都地政治

『サイレンススズカ 無垢なる疾走』1999年 ザ・マサダ

 史実のサイレンススズカ号について調査するさいに参考にさせていただきました。

 

 惜しい馬を亡くした。その言葉では済まないほどいろいろな人の夢を乗せていたことが数々の資料からうかがえます。現代でもジャックドールやパンサラッサのような強い逃げ馬がおりますが、25年以上も前にテンからしまいまで他馬を寄せ付けない圧倒的強さの逃げ馬がいたことが驚異的です。1998年11月1日、大ケヤキのあたりからあと1分だけ、たたそれだけ何事もなく時間が過ぎていてくれたら、日本競馬界の血統もずいぶん様変わりしていたのかもしれません。

 サイレンススズカはわれわれに競馬の不思議さを教えてくれました。どんなに調子が良くても絶対はないこと、そして、ほかより早く走る、ただそれだけで人はお馬さんに心を寄せてしまうこと。ただ走っているだけなのに、どうしてあんなに応援したくなるのでしょうね。健気に感じられるのでしょうね。ずっと憧れていたかった。

 

 

●長田渚左

『復活の力 絶望を栄光にかえたアスリート』2010年 新潮社

 前編のスズカ登場シーンでコツコツと壁を叩いている動作は、本書に収録されているプロゴルファーの青木功さんのエピソードから援用させていただきました。天才っぽい動作でスズカに合いそうだなと思ったので。

 

 

●宮本輝

『優駿(上)』1986年 新潮社

『優駿(下)』1986年 新潮社

 一頭のサラブレッドをめぐる馬主、牧場主、騎手、調教師などさまざまな立場の人物の流転するドラマを描いた吉川英治文学賞受賞の長編小説。

 40年近く前の競馬を題材にしているせいか、騎手同士の関係性が思ったよりも対抗心むき出しだったのが印象的でした。

 本書に出てくる牧場の風景を拙作の舞台設定の参考にさせていただきました。

 

 

●Youtube AMANE ART ROOM【油絵画家 山本周】

『【写実絵画】いよいよ100号の油絵の制作スタート!下描きのデッサンを大公開します。 30日後に完成させる画家 #4 【ドキュメンタリー】【VLOG】』2022年3月30日投稿

 プロの画家として活躍している山本周さんの制作記録です。前編の絵画制作シーンの参考にさせていただきました。

 本当は彩色とかも含めて描写したかったのですが僕自身に絵心も知識もないのでごくごく一部しか作中に反映できなかったが悔やまれます。

 

 

世界堂

 新宿を本店とする大型の画材屋さんです。100号キャンバスのサイズ感を確かめるために実地調査に参りました。入口をくぐった瞬間から漂ってくる鉛筆を削ったときのようなにおいが印象的でしたね。フロアの梁に売り物の絵画が展示されていて、このお店自体が美術館のようでした。

 なお画材だけではなくプラモデルの製作に有用な道具もたくさん販売されており、一緒に行った友人のテンションが上がってました。画材屋というよりマニア向けの専門店という感じ。

 

 

●Youtube 0822mitsu

『沈黙の日曜日 サイレンススズカ 天皇賞・秋』2013年12月12日投稿

 本作を執筆するにあたり何度も見返しました。そのたびに胸が詰まりました。

 

 

●編:医療情報科学研究所

『病気がみえる Vol.11 運動器・整形外科』2017年 メディックメディア

●総編集:伊藤正男、井村裕夫、高久史麿

『医学大辞典 第2版』2003年 医学書院

●むさしの森法律事務所

『交通事故Q&A パイロン骨折(ピロン骨折あるいは脛骨天蓋骨折)とは何ですか。後遺障害(後遺症)となりますか。』最終アクセス:2023年7月20日

●画像診断まとめ

『脛骨天蓋骨折(pilon骨折)とは?果部骨折との違い、Ruedi分類』公開日:2022年3月25日 更新日:2022年3月26日

●編集:土屋 弘行、紺野愼一、田中康仁、田中栄、岩崎倫政、松田秀一

『今日の整形外科治療指針 第8版』2021年 医学書院

●河野大、尾上英俊、中村厚彦、廣田高志、大里恭平、柴田光史

『Pilon骨折に対してIlizarov創外固定器を用いた二期的手術の治療経験』整形外科と災害外科65巻1号 2016年 西日本整形・災害外科学会

●片田昌志、宿輪宏明、村上雅哉、藤井大、福田文雄

『脛骨天蓋骨折の治療成績 ―術後の関節面整復状態は治療成績に影響するのか―』第49回日本理学療法学術大会 抄録集 2014年 公益社団法人 日本理学療法士協会

●根岸兼也、一瀬裕介

『Pilon 骨折を含む多発骨折術後に内側足底神経麻痺が生じた症例への理学療法介入』理学療法とちぎ Vol10 No.1 2021年 一般社団法人 栃木県理学療法士会

 脛骨天蓋骨折を調べるにあたって参考にさせていただきました。

 

 史実のサイレンススズカ号が負った左前脚の手根骨粉砕骨折を、アニメ1期では足首のケガとして表現していました。僕もアニメの例にならって足首に関係するケガとして捉え、自作のプロットにかなう症状はあるかと医学書を紐解いたところ、いくつかの候補から脛骨天蓋骨折を選びました。

 

 アニメ版ではケガを負うも奇跡的に復活し、アプリ版ではそもそもケガが起こらなかった展開を描いています。では、ケガが発生し命は助かるも競走能力を失ったらどうなるのでしょう。この疑問が本作の着想の原点です。走れなくなっても続く、続いてしまう人生で、それでもきっと彼女だけの道があるはずだということを描きたかったのです。書き手のエゴですね。

 

 

●著:川島敏生、監修:栗山節郎

『ぜんぶわかる 動作・運動別 筋肉・関節のしくみ事典』2012年 成美堂出版

●櫻井亮輔

『図解入門 よくわかる 足部・足関節の動きとしくみ』2018年 秀和システム

 主に靭帯損傷(捻挫も含む)をメインに取り扱っている資料です。脛骨天蓋骨折は骨のみならず靭帯や腱などの軟部組織の負傷もともなうことが多いので、軟部組織の治療も含めた描写をしたかったのですが、ほとんど省略してしまいました。

 あまり長々と描写すると読みづらくなることと、医学的情報が複雑すぎて正確な治療経過を描くのが難しいと感じたゆえの判断です。筆力不足をお許しください。

 

 

●魚住廣信

『新 スポーツ外傷・障害とリハビリテーション第2版』2013年 ナップ

 リハビリの理論的な知識は本書がわかりやすかったです。

 

 

●ひにログ

『カテゴリー:足首骨折入院』最終アクセス:2023年7月20日

●休日モード

『カテゴリー:骨折』最終アクセス:2023年7月20日

 足首の骨折の入院中の生活について上記ブログを参考にさせていただきました。

 

 患部の痛みや移動の難しさ、治療期間の長さもそうなんですが、とくに入院初期は排泄も難渋するようで、五体無事であることのありがたさを実感する体験談でした。

 

 

●桃田賢斗

『自分を変える力』2021年 竹書房

●京谷和幸

『車いすバスケで夢を駆けろ 元Jリーガー京谷和幸の挑戦』2011年 金の星社

●元永知宏

『どん底 一流投手が地獄のリハビリで見たもの』2018年 河出書房新社

●望月重良

『もう一回蹴りたかった』2008年 ぴあ

●編:増田俊也

『肉体の鎮魂歌』2015年 新潮社

 スポーツ選手のケガの手術や治療、リハビリ時の心理的なゆらぎについて参考にさせていただきました。

 

 スポーツ選手は自分の全盛期がイメージとしてこびりついているので、ケガした後の出力可能限界と自分のイメージをすり合わせるのに苦労し苦悩するようです。

 

 

●原作:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 作画:小梅けいと 監修:速水螺旋人

『戦争は女の顔をしていない4』2023年 KADOKAWA

 第二次世界大戦に従軍したロシアの元女性兵士の証言を集めた本が原作の漫画。

 中編で悪夢に襲われるシーンは、本書の斥候を担当していた元女性兵士の話からインスパイアしています。アレクシエーヴィチ作品が好きすぎて入れてしまいました。

 

 兵士にしろスポーツ選手にしろ、一般社会から乖離した世界で活動しているのは共通しているので、引退して一般社会に戻って適応しようとするのはわれわれが思っているより苦難があるのでは、と思います。

 

 

●ながうしクリニック

(リンク先、非SSL注意)『転換性障害』最終アクセス:2023年7月20日

●MSDマニュアル家庭版

『変換症(機能性神経症状症)』最終アクセス:2023年7月20日

 転換性障害について調べるさいに参考にさせていただきました。

 

 

●角田哲哉

『病気の子どもの心の世界 描画・箱庭・物語づくりから見えてくるもの』2018年 創元社

 長年臨床医として特別支援学校で子どもたちと接してきた作者の知見と具体的な治療ケースが掲載されており、風景構成法の部分を中心に大いに参考にさせていただきました。

 

 現役引退したスポーツ選手が美術の世界に入っていく展開をどのように組み立てるか見当がつかなかったので試しにChatGPTくんにアイデア出しを手伝ってもらったところ、美術療法というワードを提案してくれました。それをキーワードに探してみつかったのが本書です。本書がなければ拙作は完成していなかったでしょう。転換性障害についても本書ではじめて知りました。

 

 

●井上輝夫、横江文憲、熊瀬川紀

『ユトリロと古きよきパリ』1985年 新潮社

●開高健

『開高健のパリ』2019年 集英社

●結城昌子

『夢ならさめないで』1996年 小学館

 精神治療の一環としてデッサンを習うというくだりは、1910年代に印象的な白の使い方で有名になった画家モーリス・ユトリロのエピソードがモデルになっています。

 

 ユトリロという人物はなかなかハチャメチャな人生を送っていまして、中学生のころから飲酒癖があってたびたび周囲とトラブルを起こして精神病院にぶちこまれたりしています。学校に馴染めず、また母親の女流画家シュザンヌ・ヴァラドンが奔放な人物でほとんど息子に構わなかったという気の毒な背景があり、情緒不安定で角の立ちまくりなユトリロ青年に医師はなにか興味をもたせようとして母親を通じて絵を習わせたのがユトリロの画業の出発点となりました。

 そのほか、親友が母親の再婚相手になったりしたかと思えば金持ちの後家さんに見初められて経済的に満たされたせいか画業晩年は絵の評価がイマイチといった、文学でいえば無頼派もびっくりな生涯を歩んでいます。

 

 

●齋藤亜矢

『ヒトはなぜ絵を描くのか 芸術認知科学への正体』2014年 岩波書店

 ヒトが絵を書く理由や意味を、サルに絵を描かせたときの違いなどから考察する興味深い本です。

 絵を描く行為や行動を認知科学の視点から記述する内容が、どん底から再び現実と接しようとする過程をいい感じに描写できるようにしてくれました。

 

 

●工藤弘二

『図説 セザンヌ「サント=ヴィクトワール山」の世界』2022年 創元社

 自宅近くの山を好んでスケッチしたというくだりは、近代絵画の父として知られるポール・セザンヌがサント・ヴィクトワール山をモチーフにした作品を数多く残しているのがモデルになっています。

 

 拙作でサイレンススズカを画家として出そうと思ったのも、アプリ版のスズカの固有スキル演出の背景映像からセザンヌを連想したからです。よくよくみるとそんなに似てませんね。

 

 

●中島健太

(リンク先、非SSL注意)『完売画家』2021年 CCCメディアハウス

●福井安紀

『職業は専業画家』2021年 誠文堂新光社

 画家はどのようにして発表の場を手に入れ、生計を立てているのかという疑問を解消するさいに参考にさせていただきました。これらの本によって終盤の脚本展開が固まりました。

 

 前者の本によれば、日本国内で絵で食べていく場合は、権威ある公募展で賞をとる→画廊・画商とのつながりをつくる→百貨店で販売するというのが黄金ルートのようです。迷ったらとりあえずデッサンだとも書いてありました。

 後者の本では定期的に個展を開催して自分のファンを作ろうみたいなことが書いてありました。画廊の立地も大事だよとも。

 絵描きは食えないとの定説が美大の教授にすら浸透しているらしく、それを覆すために綴られた本ではあるのですが、結局のところ自分で手を動かしてしかるべきところに作品を発表し続けてと間断なく動き回るほかないんだなあと感じました。

 

 

一枚の繪 2023年6・7月号 一枚の繪株式会社

 中編の最後に描いた絵は、本雑誌に掲載されている岩田邦彦氏の作品「遺跡探訪の旅」をベースに、空の色合いをユトリロ作「ドゥイユの教会」にしたものをイメージしました。

 

 

●山脇恵子

『よくわかる色彩心理』2005年 ナツメ社

 色から受ける印象を言語化するさいに参考にさせていただきました。

 

 

●原田マハ

『ジヴェルニーの食卓』2013年 集英社

●砥上裕將

『線は、僕を描く』2019年 講談社

●山口つばさ

『ブルーピリオド』2017年~月刊アフタヌーン誌上にて連載中。既刊14巻 講談社

 絵描きを主人公とした作品の先例として、描き手の心理や作品の描写の仕方を参考にさせていただきました。

 

 とくにブルーピリオドの、絵を描くことを通して自分自身が伝わるという八虎くんや世田介くんのエピソードがすごく好きなんですよね。僕も文章書いてて読み手に意図がちゃんと伝わっているのがわかるとこの上なく嬉しくなります。作者の山口つばさ先生自身が芸大出身で、描かれる情報のひとつひとつが造形深く、キャラクターもひとりひとり個性が立ってて美術に詳しくなくても楽しく読めるんですよね。ブルーピリオドはいいぞ。アニメもいいぞ。ということでみなさんブルーピリオドを買いましょう。買え(威圧)。

 

 

●サンケイスポーツ

『Gallop臨時増刊 週刊100名馬 Vol.35 ライスシャワー』2001年 産業経済新聞社

●Sports Graphic Number PLUS November 2021

『<競馬ノンフィクション選集> 名馬堂々。』2021年 文藝春秋社

 史実のライスシャワー号を調査するにあたって参考にさせていただきました。

 

 上記資料によれば、ライスシャワーが単独で実力を評価されたのは2度目の天皇賞(春)制覇のころにようやくであったらしく(そしてその次走があの宝塚記念です)、それまでは主役の対抗勢力としての見方が強かったというのが気の毒です。的場均騎手(現調教師)も「なにかを阻止するためにレースをするわけじゃない」と慨嘆していたそうで。

 現代だったら個々のファンの存在がもっとはっきり可視化していたはずで、ライスに対する見方も違ったものになっていたのではないかと思います。

 

 後半でスズカをレース場に連れて行く展開を作るにあたり、どうしても導き手になる存在が必要になったのでライスに白羽の矢を立てました。

 史実でも世代が違うしウマ娘世界でもほとんど絡みはありませんが、ウマ娘世界での交友関係は謎に広いところがあるのでスズカとライスを組ませても問題なかろうと判断しました。

 

 

●Youtube JRA公式チャンネル

『2022年 天皇賞(秋)(GⅠ) イクイノックス JRA公式』2022年10月30日配信

 後編でスズカとライスが観戦したレースの元ネタはこれです。いまだに何度も見返してしまいます。

 

 当時テレビでリアルタイム観戦していて、最終直線に入った時点ではもうパンサラッサが押し切って勝つんじゃないかと胸を躍らせていました。ものすごい末脚で差し切ったイクイノックスも2位に残ったパンサラッサもどちらも立派で、このレースには主役が2頭いたといって間違いないでしょう。このレースをみて両馬に脳を焼かれた人も多いのでは?

 

 

●公益財団法人 馬事文化財団

『サラブレッドとその美術』2014年

 2014年に神奈川県横浜市中区根岸台にある馬の博物館で開催されていた企画展の小冊子です。

 

 後編のラストシーンを書くにあたり、画家の描いた競馬場の絵をいくつか参考にしました。本書に掲載されているジャン=エミル・ラブルールの作品「競馬」、また、エドガー・ドガの全集に残されているいくつかの競馬の絵などに目を通しました。

 

 

●毎日放送、TBS

『芸術都市パリの100年展 ルノワール、ゼザンヌ、ユトリロの生きた街 1830-1930年』2008年

 2008年に東京都美術館、ひろしま美術館、京都市美術館にて開催された企画展示の図録です。

 

 本書は僕の好きな19世紀のフランス絵画を数多く収録しており、その時代の絵の雰囲気を小説に反映させられないかと思ったのですが、絵から伝わる感触を文章だけで描写するのは難しく、結局資料を個人的に楽しむだけで終わってしまいました。残念。

 

 後編の最後の最後に描写した絵は、本書に収録されているアルマン・ギヨマンの「パリ近郊の眺め」をベースに想像しています。

 

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