───どこにでもいる高校生。
───春が終わり、桜の花びらは地面に落ち、木々の枝に緑の葉が集まっていく。
───その景色に魅了され、高校生は立ち止まり、上を見上げていた。
───それがダメだった、その行動がいけなかった。
───今ここに、少年の運命の歯車は瓦解した。
────それは。
突如、空から飛来したミシシッピアカミミガメが高校生の後頭部に落ち、頭蓋骨が割れたからである
「そうは……ならないだろう」
────なっとるやろがい。
ー○●○ー
っていた、その青年を見下ろす金髪の男と男とも女とも見える黄緑の長髪の人間が1人。
「……たわけが、鍛治しか出来ぬ貴様が死ぬ必要もなかろう」
「……出来れば最後は褒めて……欲しかったなぁ」
自身の命が消えようと、ふたりに対する軽口を止めない青年。雨が強くなり、轟々と唸る風の音。
白髪の青年の視界が徐々に闇に閉ざされていく。
「なあ、
「……よかろう、これを臣下である貴様の褒美とする」
青年はケラケラと笑い、首飾りとしてつけていた石板を外してギルガメッシュ王と呼ばれた男に手渡した。
「これをあの子に……今も、帰り待っているんですよ」
ギルガメッシュ王は青年の手から石板の首飾りを受け取った。
「………蛇を住まわせると、貴様も物好きな雑種だ」
その言葉を聞いた青年はまた笑いだした。
「まさか釣りで女の子を釣るなんて思っていませんでしたよ」
ギルガメッシュ王もクツクツと笑う中、黄緑の長髪の人物が青年に近づいた。その顔はどことなく悲しそうな表情していた。
「君は………死ぬのが怖くないのかい?」
その表情を見た青年はなんて言えばいいのか分からず悩んだ。
「うーん、そりゃ死ぬのは怖いし、今だって神々の呪いが体の中に蓄積して蛆虫が蠢いているように気持ち悪いし今も吐きそう……けど」
青年はゆっくりと手をあげて、黄緑の長髪に手を乗せた。
「エルキドゥ、俺は
「君は……本当に馬鹿だよ」
エルキドゥの言葉を聞き、青年は間違いなく大きな罪を犯してしまったが、だが胸の中にあったのは後悔よりも誇らしい気持ちが芽生えていた。
ー○●○ー
そうして、男の意識は覚醒した。人生の終わりを体験して、周りを見ていた。
「……あの記憶が確かなら、死んでるし……もしかしてここが死後の世界なのかな?」
大地があり、地面には剣、矛などの武具や装飾品が落ちており、地平線の彼方の先まで錆びついた武具などのゴミの山が埋め尽くされていた。
──呆れたものだ。
男の頭の中に声が聞こえ、周りを見るがそこにはだれもいなかった。ふと空を見上げればそこには一つの小さな明かりがあった。
「声は聞こえど姿は見えない………もしかして、神さま的なやつ?」
───なんでもいい、人類は私のことを神とも呼べば魔王と呼ぶ。
「そんなすごい人?が俺みたいなやつに何を求めるんだ?言っておくけど頼み事に限度はあるから?値段以上のことはしないから」
───それで結構、無駄な手間が省けて助かる。
暗黒の空間が変わり、青い空が広がるが無数の隕石が滝のように地面に落ちていく。幾度も生命が生まれ、災害によって命が消える光景をみる男。
───生物は貴様が住んでいた時代までに様々な災害によって何度も滅びた。神による誅罰、大洪水、
───だがそれは
空から聞こえる声は機械的に淡々と話すのを見た男はどこか違和感を感じでいた。
───だが人類は違う……人類は様々災害を乗り越え、その道を歩き続ける。
───故に知りたいと願う。
「知りたい?」
男はその声を聞き首を傾げた、全能である神が人類の何を知りたいのか疑問に持っていた。
───私に多くの祈りと呪いが届く、祈りは愛となり、愛が希望を生み、希望は光となって奇跡を起こし、世界を救う。
───だが愛とはなんだ?希望とはなんだ?分からん、具体的な数を言え。単位を答えろ。
声の主は唸り続ける、その声の煩悶により大地が震え焔を吹き出し、炎の竜巻となって大地を抉った。
───具体的な数を言え、世界を救うのにどれだけの愛が必要なのだ、どれだけの希望や祈りが必要なのだ?
───どれだけの英雄が必要なのだ。祈りが? 涙が?笑顔が?果てに呪いが?曖昧すぎて話にならない、そう答えたが
「それと俺が何の関係があるんだ?」
「仕方ないからこちらで決めた、祈りや希望に形がないなら形にすればいいと」
声の主の言葉に青年は理解できなかった。言葉である祈りや希望をどうやって形にするんだと。
───人類の祈りや希望は星の内海にある祭壇があり、
───それがお前の罪にもなり、使命にもなる。その一つをお前はメソポタミアで見つけた。
小さな星の光が青年の手に落ちた。
───それは◼️◼️のエッセンス、私が求めた祈りであり希望でありそして愛である。
───それを鍛えよ、そして集めよ。
───それを集めるのが貴様の使命であり、来るべき滅びから備えよ。
「何を言いたいのか、俺にはよくわからない」
理解できず、視線を下ろし、その手に集まる光を見て、どこか懐かしむ青年。
その時、青年の足が光の粒子となって消えていく。
───私と会えるのはこれが最初で最後だ、私の使命を放棄又は忘れるようなことが有れば天罰が起こることを覚えていくといい。
「いやちょっとまって!!話が───!!」
天の声に質問しようしたのと同時に青年の口も粒子となって消え、意識も消えた。
ー○●○ー
「───っ! はぁっ……はぁっ」
少年千子恵が眠っていたが、息苦しく、心臓の鼓動が早く、呼吸が荒くなっていた。何も見えないことが少年の不安を昂り、心臓の鼓動を早くしていく。
「───っ!!」
意識を覚醒し、目を開けた千子恵。
季節はすでに春半ばでもあるために、日差しはとても明るい。ゆっくりと利き手である右手をみる。
「うわっ………寝汗がびっしょっり……うん?」
千子恵の腹の苦しさは消えず、うまく息が出来ないことに疑問に思い、お腹あたりに視線を下ろした。
「やっと起きたわね」
春で暖かくなり、羽布団をしまい黄色のタオルケットを出して眠っていた千子恵の腰あたりを太ももで挟む赤髪のツインテールの少女が悪戯の表情を浮かべながら、千子恵に声を掛けた。
「何してるの?」
「澪が朝ごはんになっても起きない寝坊助さんを起こしにきたのよ……」
千子恵は体を起こそうにも、もう少しこの少女の太ももの柔らかさを堪能したいという邪な気持ちが勝ったのと、太ももが視覚的にも眩しく顔だけを横に向けて、勉強机に置いてあるデジタル時計を見た。
デジタル時計はすでに8時を過ぎており、今すぐに起きて朝ごはんを食べなければ朝から走らなければいけない。
「どう?こうしたら男の子は喜ぶって……サービスなんだから」
少女は上下に動き、キャミソールタイプのブラトップからもわかり、いつ千切れてもおかしくない豊かな膨らみを持つ胸が一緒に揺れる。
「それはもう、このタオルケットからも伝わる柔らかい太ももで僕の腰を万力のように強く絞めないでぇぇぇぇぇ!!」
「そういうところなのよっ!!変態っ!!」
「やめっ!!やめて!!まじで死ぬっ!!いろんなところがまじでやばいっ!!」
強く腰あたりを太ももで締め付けるためにさらに感触伝わってきているが、それ以上に痛みが強く、千子恵は天国と地獄の両方を味わっている。
「百回死になさいっ!!」
少女はそのようなことお構いなしに、太ももに力を込めて、千子恵の悲鳴が空へと木霊していく。
ー○●○ー
少女……成瀬澪は落ち着いたのか太ももに込めた力を弱めた、すでに虫の息である千子恵はぐったりと倒れていた。
「まさか朝から天国と地獄の両方を見るなんて……」
「あ、アンタが悪いんだから……」
千子恵は、元は成瀬澪が自分の腰の上に乗ったのが要因なのではと言おうとしたが、またあの天国のような地獄を味わいたくないとぐっと堪えた。
「あの、そろそろ……まじで学校を遅刻するから」
「……そうね……ねえ」
成瀬澪は立ちあがろうとした時、千子恵の腰あたりを触った。その時、千子恵の腰あたりが盛り上がっているのだ。
「硬いのと柔らかいもの………あんた、まさか……」
その正体を知った成瀬澪は千子恵を強く睨みつけた。その瞳は何を言っても地獄であることを察知した千子恵はどうやって生理現象のことを説明し、彼女を納得させるかを考えていた。
「きょ、今日はいい天気だなぁ………朝ごはん、なんだろう、楽しみだなぁ」
「ねえ、もしかしてどうやって言い逃れしようか考えていない」
成瀬澪はジロリと千子恵を睨みつけられ、話題を逸らすことが出来ず大量の冷や汗を流した。
「あれ?でも………何かが呼吸しているような?………もしかしてっ!!」
成瀬澪は何かを思い出したのか千子恵が使っていたタオルケットを掴み、引っ剥がした。
タオルケットはそのまま扉へと飛んでいき、千子恵も視線を下ろして驚いた。そこにいたのは古びた首飾りを付けた
わずかな隙間に、猫のように眠るその子を見た二人は驚いた。
「お、オーフィスちゃん!?」
「な、なんでここに………」
オーフィスという名前に反応した少女は目を開けてゆっくり身体起こし、瞳を小さな手で擦る。
「ン………恵、澪おはよう」
「うん、おはよう………なんで、俺の腰あたりで、何かを抱き枕にして眠ってたの?」
千子恵の質問にオーフィスは深く考え込む、千子恵はオーフィスが着ているのが自身の白シャツであることに疑問であるが、それを聞けば容赦なく成瀬澪の右拳が自身の顔面にめり込むのが目に見えていた。
「それより、オーフィスちゃん………何持っているの?」
「ン ……恵の机の3番の吐き出しに別のラベルが貼ってあったの見つけた、抱き枕にちょうどいい硬さ」
優しくプラスチックのケースを抱き込むオーフィスを見て、一筋の汗が千子恵の顔から落ち、ゆっくりと成瀬澪の方へと顔を向けた。その表情は笑顔であったが、目の奥は笑っていなかった。
「ねえ、オーフィスちゃん……それ、貸してもらえるかな?」
「ン……いい」
成瀬澪はオーフィスからプラスチックのケースを受け取り、千子恵の方へと顔を向けた。
「ねえ、恵………これは何かしら?」
「さ、さぁ……俺は知らないかな?」
成瀬澪から漏れ出す気迫に押し潰されそうになった千子恵は視線を逸らした。
「ふーん、それじゃあ、どうして未成年の恵がこんないかがわしいゲームを持っているのかしら?」
「本当にすみませんっ!!それ初回限定版でどうしても欲しくてっ!!うわっ!!」
「きゃっ!!」
千子恵は謝ろうと立ち上がるが、成瀬澪とオーフィスが腰のあたりにずっと座れたのが原因か足が痺れ、上手く立ち上がることが出来ずベットから倒れてしまった。
オーフィスは避け、ベットの上で座っており、成瀬澪は体勢を崩し千子恵と倒れてしまった。
その体勢はまるで千子恵が成瀬澪を押し倒す形であった。二人の吐息も交わり、心臓の鼓動音が聞こえるほどに近かった。
長い沈黙、オーフィスはただ黙って二人の様子を見ていた。
「こ………」
「こ………?」
成瀬澪が小さく出した声に、千子恵は首を傾げ同じ言葉を繰り返した。
「こぉの変態ぃぃぃぃっ!!」
「ごはぁぁぁああ!!」
成瀬澪の振り上げた膝が、千子恵の鳩尾へと叩き込まれた。
成瀬澪は千子恵が一瞬浮いた隙に脱出し、オーフィスの手を引っ張り、部屋の扉の方へと向かった。
床に転がり、苦痛を漏らす千子恵を見下ろしていた。
「こ、今度、オーフィスちゃんの前で変なもの見せたら百回は殺すからねっ!!行くわよ、オーフィスちゃん!!」
「ン……恵、下で待ってる」
オーフィスは千子恵に小さく手を振り、二人は出て行った。扉が勢いよく閉められた。
また静寂が訪れ、そこにあったのは床で蹲る千子恵だけが残される。
「ふ、不幸だ……」
呻くようにして発せられた呟きが、それに誰も聞く者はいなかった。
そんな中、ベットの上にて嘲笑うかのようにプラスチックのケースに描かれた赤髪の少女が千子恵を嘲笑うように見ていた。
ロリッ子、ぶかぶかTシャツ見るの好き好き侍と申す。