放課後、青髪の女子生徒と成瀬澪の言い合いはさらに激化したが、生徒会長が現れ、鶴の一声で野次馬の生徒たちは散り散りに元に戻っていった。
千子恵はこの状況の主犯格として生徒会長に怒られた。
特に何も悪いことしてないことに反論しようとするが、言葉で生徒会長に勝てる自信がなく、ただ黙って説教を浴び、昼ごはんを食べ損なった。
授業も終わり、部活も休みな千子恵はただ教室の机で寝ていたが、何かの視線に気づき廊下側を見て驚いた。
「………なんで、先輩達が………」
そこにいたのは一年〜三年生の男子生徒たちが千子恵を強く睨みつけていた。外に出たら殺されると察知した千子恵は静かに机に座っていた。
「よおっ!!恵っ!!」
元気に挨拶したのは着崩した学生服に赤いシャツを着た茶髪の少年だった。その顔を見た瞬間安堵した千子恵。
「イッセー………実は先輩達に何故か命を狙われているんだよ」
「はっ?」
イッセーと呼ばれた少年は何を言っているんだこいつはという表情で千子恵を見つめていた。
自分だって何を言っているのかわからない千子恵、だがこの状況を打破するには目の前にいる幼馴染兵藤一誠の力が必須と覚悟した。
「というより………なんで全男子生徒がここに集まっているんだよ?」
「俺もわからん………」
「よお、お二人さん」
どうすればこの状況を解決できるのかを二人は考える中、元浜とスポーツ刈りの少年だった。その目には怒りが込められていた、二人に怒られる理由が見つからないことに疑問を持つ千子恵。
「どうしたんだよ、元浜に松田……」
「うるせぇ!!裏切り者がぁぁ!!俺だって……俺だってなぁっ!!美女と一つ屋根の下で暮らしたいんだよっ!!」
スポーツ刈りの少年、松田は涙を流しながら叫んだ、嫉妬と怒りが込められた言葉に千子恵と兵藤一誠はドン引きであった。
「裏切り者って………まさか、昼休みのアレのことか………まさか、あそこにいる先輩方はっ!?」
答えにたどり着き、また廊下に集まっている男子生徒を見て、千子恵は受験とか部活があるのに何しているんだよと心の中で突っ込んだ。
「イッセー、お前だって悔しくないのか、俺たちは桜の木の下で誓い合っただろう、彼女を黙って付き合うようなことはしないってっ!!」
「いや、まあ………澪ちゃんだろう、あの子、結構男苦手だから、恵の気持ちもわかるけどなぁ」
兵藤一誠の言葉に松田と元浜は現実を受け止められず固まった。
「ちょっと待て………もしかしてお前はこいつと澪姫が一つ屋根の下で暮らしているの知っていたのか」
「まあ、知っているけど、俺と恵は幼馴染だし………………なぁ」
兵藤一誠の言葉に千子恵は頷いたが、松田と元浜は小さく震え、涙を流していた。
「ところで……澪姫って何?」
「ちくしょう………イッセーと恵みに裏切られたっ!!こうなったらヤケだっ!!いいかっ!!三年には二大お姉様であり姫島朱乃先輩、リアス・グレモリー先輩がいてなぁっ!!そして一年には三人の新入生が現れ、我々親衛隊はその三人を姫と呼んでいるっ!!成瀬澪ちゃん、お前に抱きついた野中柚希ちゃん、姫島先輩と同じく神社で巫女している万里谷祐理ちゃんだっ!!」
松田の熱弁の解説に千子恵は感心していた。
「イッセーは知っていたのか?」
「ああ、おっぱいあるところに俺がいないわけないだろう……」
成瀬澪と姫という言葉に想像できない千子恵、しかし二人と廊下にいる先輩方を見てはすぐに納得した。
「それをお前は………お前って奴はっ!!なんでお前だけそんなにモテるんだっ!!なんでなんだっ!?
なーんでだろーね、と学生服の襟首掴まれてがくがく揺らされて視線を逸らして言っている時だった。教室の扉が開きそこに現れたのは事の発端である成瀬澪が現れた。
廊下ではなんで、こんなところにとヒソヒソと話す男子生徒と、成瀬澪の美しさに松田と元浜は固まっていた。
「あの、イッセーさん………恵、借りていいかしら?」
「おう、良いぜ、ここは俺がなんとかしておくよ」
二人の会話を聞いた千子恵はなぜ、俺の了承は得ないんだと、成瀬澪に疑問を持ちたくなるが、成瀬澪は手を掴み、教室の外まで連れて行った。
ー○●○ー
帰宅途中終止無言だった為にどこかギクシャクしていたが、無事自宅に着いた二人、急足で帰って為にも少し汗を流したのか成瀬澪はシャワーを浴び、千子恵はソファーで呆然と寝転がっていた。
「もう、恵さん、お行儀悪いですよ!!」
「うん?…ああ……」
成瀬万理亜に注意された千子恵はよっこらせと言いながら寝転がるのをやめた。
「どうしたの、万理亜ちゃん……もしかしてもうご飯できた?」
「あ、いえ、そうではないのですが………すみません、お醤油を切らせてしまいお醤油買ってきてくれませんか?」
「了解、すぐに戻ってくるよ」
近くの商店街なら5分もしないうちに戻ってくることができるだろうと判断した千子恵は成瀬万理亜からお金を受け取り外へと出て行ったのであった。
夕暮れ時でもあるために、スーパーの中は多くの人たちで賑わっていた。調味料を買い揃えた千子恵はレジへと向かう。
「……まったく、ミッテルト……私がじゃんけんで負けたからと言って上司にポテトチップスを買わせるなんて……」
お菓子コーナーで学生服を着た黒髪の女性がぶつぶつと文句を言っていた。その隣に置いているのはじゃがいも、にんじん、デミグラスソース、牛肉が入っているカゴが置かれていた。
「それに高々人間如きが作った食料にアザゼル様から頂いた予算から使うことなんてできるはずがないわ」
女性は文句を言いながらも、ポテトチップス、海苔塩、コンソメ、塩味季節限定よ味を二袋ずつカゴの中に入れていく。
変に絡まれないだろうかと心配になりながら千子恵は女性の後ろをゆっくりと歩く。
「ちょっと待ちなさいよ、人間……」
突然女性に話しかけられた千子恵は驚き肩をビクッと震わせた。
「えーと………もしかして、俺ですか?」
「ほかに誰がいるというのよ………あなた、私にこのポテトチップスを奢りなさい」
女性の突然の言葉に千子恵は理解できなかった。この女性は今自分にポテトチップスを奢るように催促しているのであった。
「ねえ、人間、聞いている………私にポテトチップス奢りなさいよ」
あ、これやべーやつだと本能的に察した千子恵発泡酒どうやってこの状況を打破する考えた。
「いやぁ、奢ってと急に言われても……俺、今お金ないし………すいません」
千子恵は丁重にお断りの言葉を出したが、女性はさらに不機嫌になり、ジッと睨みつけていたが、突然驚きの表情を見せた。
「……貴方、名前は?」
「え?俺ですか………千子恵っていいます」
千子恵の名前を聞いて女性。優しく微笑んだ。
「そう、恵っていうのね…………
女性はそれだけを言い残し、別のレジの方に向かって行った。
「あの人…………何がしたかったんだ?」
疑問に思う中千子恵も、レジを済ませてスーパーを出た時だった。
「うわっ!!」
「おっと……」
スーパーを出た時、突然の人影に千子恵は反応できずせぶつかり、地面に倒れてしまった。人影もぶつかった反動でカランと何かが落ちた
「いてて………すみません、こっちの不注意で……」
「いえいえ、こちらこそ……ふふ」
千子恵の目の前に倒れたのは穏やかな表情で千子恵を見下ろし、手を差し出した。差し出された手を掴み、立ち上がった。
「本当にすみません………うん?」
その時、千子恵は足元に落ちている物体に気づき、それを拾った。
「枝に絡み付いたナイフ?」
真っ黒な刀身に枝が絡み付いた奇妙な物に首を傾げた
その時だった、男が突然千子恵の右腕を掴んだ。
「ふふ、フフフ。すいません……すいませんねぇ……それだけは触られて欲しくないのですよ
男の切れ目の間から見えるその瞳は狂気を孕んでおり、まるでそのナイフを愛しているかのように笑顔がさらに良くなっていき、男は千子恵の手を強く掴んだ。
掴まれた瞬間、千子恵は男の奇妙な行動に恐怖が集まり背中に汗を伝っていくのを感じた。
……いま、目の前にいる人は本当に俺と同じ人間なのかと違和感を感じながらも、手に持つナイフを男に渡した。
ナイフを受け取った男はポケットに手を突っ込むハンカチを取り出し、ホコリや砂を拭き、大事に包んだ。
「すみません、おとなげなく興奮してしまい……お礼にいいことを教えましょう」
男は指を上に刺し、千子恵は上を見上げた、そこにあったのは先ほどよりもはっきり見えるようになった月である。
「次の金曜日………きっと
「………」
男は軽くお辞儀して、その場を立ち去り、千子恵は感情の振り幅に追いつけず、ただ黙って男を見送った。
男が完全に見えなくなったことを確認した千子恵はゆっくりとため息を吐いた。
「なんだったんだよ……ッ!」
千子恵は男に掴まれた右腕が突然痛みが襲いかかった、確認すれば右腕の男に掴まれた部分が紫色に充血し、痣ができていた。
「あんな細腕で…………人って見かけに、いや、あれを人と言っていいのかわからないし……あれ?」
千子恵の視界に何かが見えた、見覚えある形……それは。
「なんでこんな街中に花弁が………」
改めて周りを見るがそれらしき木々は見当たらず、今起きたことを忘れるように早足で自宅へと帰宅した。その時、千子恵の後についてきている人物がいることを彼は知らない。
ー○●○ー
帰宅した千子恵は変なことに巻き込まれ続け、この先更なる異変に巻き込まれないか不安になり深いため息を吐きながら、靴を脱ぎリビングへ向かった。
「万理亜ちゃん、調味料買ってきたよ」
「ありがとうございます、お風呂先に入っちゃってください」
「うん、そうする」
下着にタオルを持ち出し、お風呂場へと向かった。
一週間分の疲れが襲いかかり、一刻も早く疲れを落としたい千子恵はお風呂の扉を開き、中へと足を踏み入れ、
「えっ……」
千子恵は視界の先にいる人物たちを見て固まった。
「ん……恵も風呂に入る?」
そこにいたのはオーフィスと成瀬澪だった、オーフィスに付いている洗髪料の泡をシャワーで流そうしていたのか、大事な場所は泡で隠れていた、しかし泡はゆっくりと落ちていき、風呂場は洗髪料の香りが広がり、成瀬澪は突然のことに困惑していたが次第に状況を理解したかのように顔に熱が溜まっていくのを感じていた。オーフィスは特に気にせずシャワーを浴びていた。
───今、私は目の前にいて固まっている男の顔面を石鹸を投げつければいいのかしら。
「ちょっ!待って!!俺は!!万理亜ちゃんにお風呂入っていいってまさかまだお風呂に入っているとは思わなくて、これ決して好意ではなくてっ!!でも……」
グッと成瀬澪に向けて親指を立て、
「俺、……なんか大丈夫な気がしてきた!」
「全く言い訳ないでしょう、この馬鹿ぁぁぁぁ!!」
叫びと同時に身体の硬直が解けた成瀬澪は、足元にあった石鹸を人体の急所の一つである千子恵のコメカミにオーバースローで投げつけた。
「───!」
こめかみにクリーンヒットした千子恵は平衡感覚を失い、視界が真っ暗になっていき、一連の出来事にオーフィスは成瀬澪に視線を向け、成瀬澪は一息ついた。
「本っ当に恵は
目尻に溜まった涙を拭い去り、眉を立て、浴室の扉を強く閉めた。
………俺の昔って何……
そう言おうとしたが声に出すことができず、そのまま意識をなくした。
ー○●○ー
その次の日の朝、千子恵のこめかみは石鹸の一撃によって少し腫れており、成瀬澪はとても不機嫌であった。
「大丈夫ですか?恵さん……ごめんなさい、私がしっかり浴室を見ていなかったばかりに……」
自身のミスに成瀬万理亜は落ち込んでいた、
しかし原因を辿れば風呂場の着替えなどをしっかりと確認していなかった、自身がわるい。
「いや、本当にアレは100%俺が悪いから万理亜ちゃんは気にしないで………澪ちゃんもごめん」
「………私もいくらあの状況だからって、その…ご、ごめ」
──ピンポーン
成瀬澪が何かを伝えようとした時、玄関のチャイムが鳴り出した。
───どうしてこんな時に。
そう成瀬万理亜が心の中で思い、千子恵は立ち上がった。
「誰だろう……こんな朝に………まさか!?」
千子恵の頭に腐れ縁である三人組の顔を思い出す、いやまさか家に凸ってまで……きたら殴って速攻で扉を閉めよう
そう決意を固め、ゆっくりと扉を開けた時、千子恵は扉の目の前にいた人物を見て驚いた。
「………おはよう」
そこにいたのは成瀬澪と喧嘩した女子生徒である。
「な、なんで君が……というか、どうやってここを?」
「昨日、あなたを商店街で見かけてそのまま尾行………あなたを追いかけて家の所在地を把握した」
女子生徒はさも平然にいうがそれはストーカーというやつなのでは?と疑問に思うがそれは深く考えないことにした千子恵である。
「えっと………それで何か用?」
「今から向かわないとあなたは一限目にある数学の小テストの勉強が間に合わない」
それを聞き千子恵は玄関に置いていた時計を見れば8時を過ぎていた。
「本当だっ!!……やっべぇ、今日一限目から数学の小テストってなんで一年生の君が二年生の範囲知っているの!?」
あまりのことに少し恐怖を覚え、
「ねえ、恵……早くしないと遅刻するわよ……なんであんたがここにいるのよ……」
成瀬澪が戻ってこない千子恵を心配して玄関まで来たが、直ぐに千子恵の目の前にいる女子生徒に気づき不機嫌になった。
……あれ?これは既視感があるぞ………
以前の成瀬澪と一つ屋根の下で暮らしていることが全生徒にバレだことを思い出した。
「あなたには関係ない………私はこの人と一緒に登校する……それだけ」
女子生徒は千子恵の左腕に抱きついた、その時女子生徒の胸が千子恵の腕を包み込んだ。
平常心……平常心を保つんだ、でなければ俺に明日はない、そうだ澪ちゃんの胸よりは小さいって俺は何を考えているんだよっ!?
千子恵は目を瞑り、腕を包み込む胸の柔らかさを別のことを考えてかき消そうとするが視覚を封じたことでより胸の感触が伝わり、考えが纏まらずにいた。
「な、それはダメよっ!!」
その状況を許せない成瀬澪は右腕を掴み自身の胸元へと引き寄せ、両腕に柔らかな胸の感触が稲妻のように迸った。
俺………今日死ぬかもしれないなぁ、せめてもう少し四不相くんのモフモフを堪能しておくべきだった。
千子恵のその表情は晴れやかで、最後には家族のペットを触らないことを後悔していたが、不思議と幸福感が満ちてるくることに違和感を感じていた。
「恵は私と一緒にいくのよっ!!見ず知らずのあなたといくはずがないのよっ!!」
「野中柚希……これで問題ないはずよ」
さらっと自身の名前を紹介した野中柚希、しかしそれで成瀬澪は納得するはずもなく、
「問題しかないわよ、いくわよ恵っ!!」
成瀬澪が右腕を引っ張り、家に戻そうとし、
「だめ、このままだと数学の小テストはまた赤点をとる……」
野中柚希は左腕を引っ張り外へ出そうとする。
何故だろう………野中柚希さんは正しいことを言っているはずなのに心が痛い。
さらっと口に出されたこと言葉に千子恵の心が傷つき、次第に両腕が悲鳴を上げていることに気づく。
「待って待って!!二人とも落ち着いてっ!!イタタ!!このままだと俺の腕が取れちゃうっ!!冗談抜きにっ!!」
千子恵の悲鳴を聞いた二人は両腕を離した。
俺の両腕………あるな。
千子恵は両腕の安否確認をして、一息入れた。
「あの……とりあえず全員落ち着こう……このままだと本当に遅刻するし赤点を取っちゃう、柚希さんもちょっと待って……」
「わかった……」
野中柚希は小さく頷き、千子恵達は家の中に急いで戻り成瀬万理亜が用意した弁当を受け取る。
「あらら、何か外で揉めていましたが、どうかしましたか?」
成瀬万理亜が心配した表情で千子恵に尋ねた。
「えーと、まあ色々あったんだよ……色々と」
実は今日起きた出来事は夢であり、今自分は部屋でぐっすりと寝ているかもしれないと現実逃避している千子恵。
「色々と……ですか、すみませんちょっと耳を貸してくれますか?」
「うん?……いいけど」
突然のことに疑問に思いながらも千子恵は屈み、成瀬万理亜に耳を近づけた。
「ぶっちゃけ、どちらの胸の方が好きなのですか?」
「───!!」
成瀬万理亜から落とされた爆弾に千子恵の心臓の鼓動が速くなり、水を求める魚のように口をパクパクしている。
成瀬万理亜は小悪魔のようにニヤニヤと笑い、千子恵を見つめた。
「私的には澪ちゃんのように暴力的な胸もいいですが、あの女子生徒も中々の胸をお持ちで……一見、澪ちゃんと比べれば若干見劣りするかと思いきや脱いだらきっとすごいですし、服からもわかるお尻も綺麗で整った安産型………くっ、まさかあのような逸材がいるとは」
成瀬万理亜の目尻に涙が溜まり、親指を噛み本気で悔しそうな表情で外を見つめたが千子恵は一ミリしか理解できなかった。
「どうなんですか?二人のことはどう思っているんですか?」
成瀬万理亜は千子恵に真実を問いただそう詰め寄る。その時千子恵はふとオーフィスを見つめた。
オーフィスはバクの四不相にご飯を与えており、それを見て千子恵はひらめいた
「こう……動物的な可愛さ……そう、澪ちゃんはどこか猫っぽいし、柚希さんは犬みたいだなぁって」
成瀬万理亜はなるほどと小さく声に出し深く頷いた。
これで納得してくれたと千子恵はホッと小さく息を出して落ち着いたのが束の間。
「恵さんは二人をペットのように可愛がり、調教したいということですね、中々良い趣味をお持ちで……でも、それはそれでありですね」
成瀬万理亜はグッと親指を立てて、満足げな表情で千子恵を見つめた。
「なんなら、もしその時が有れば私に言ってください、澪ちゃんの性感帯はですね……」
「あら?私が何かしら!」
成瀬万理亜はうしろから聞こえた声にヒッと小さな悲鳴声を上げ、錆びたブリキの人形のようにゆっくりと振り向いた、そこにいたのは成瀬澪だったが眉がピクピクと動いており爆発寸前だった。
「め、恵さん助けてくださいっ!!このままだと澪ちゃんに私の頭が柘榴のように飛び散ってしまいますっ!!」
成瀬万理亜は恵に助けを求めるが、これ以上の行動は日に油だと悟った千子恵は静かに両手を合わして、
「南………無」
「それは本当にやばいですってっ!!澪ちゃん、これはですね」
少しでも生存率を上げるために成瀬万理亜は身振り手振りで成瀬澪を説得しようとしたが、
「もうすぐ学校も始まるし………帰ってからゆっくりと話しましょうね」
「あ、そういえば今日アルバイトあるんだった……晩飯もそこで食べるわ」
「……はい、いってらっしゃいませ……」
成瀬万理亜から笑顔は消え、静かに成瀬澪と千子恵を見送った。
後編に続きます(To Be Continued)