アサルトリリィ -RED THISTLE-   作:ブリガンディ

23 / 51
いつかネプシスか、その作中内に登場したキャラを題材にして何か書きたいな……。


第23話 行動

「……!」

 

翌日の朝──何故か妙に嫌な予感を感じた隼人は普段よりも早く目が覚めた。

理由は何となく分かる、昨日話していた結梨の案件であり、万が一に備えての、無意識下での早起きだと言える。

 

「(取り敢えず、梨璃たちの居場所は分かってる。一先ず周りの状況だ……)」

 

──今はどうなってるんだ?急いで身支度を済ませ、部屋から出る。幸いにも、昨日の段階で梨璃から朝一でやる予定を教えてもらっていたので、そちらを目指して行けばいい。

その過程で、まずは近くから見て行こうと考え、足を動かそうとしたところで、珍しくこちらに向かって来ていたであろう夢結と顔を合わせた。

お互いにごきげんよう──と、軽く挨拶したところで、すぐに本題に入る。

 

「わざわざこっちに来たってことは、何かあったんですか?」

 

「ええ。結梨の事でね……事態は一刻を争うわ」

 

内容としては、政府の方から、結梨を()()()()()()()引き渡せと言うもの。

──いや、何でそうなったんだと言われれば、どうやら彼女、G.E.H.E.N.A.とグランギニョルの間で生まれた実験体らしい。

大雑把に言えば、ヒュージの細胞を変異させて作られた人造人間であるらしく、記憶は失われたのではなく、()()()()()()()()()()()()()のだ。

こうやって人では無いと言われてしまえば、ガーデンが彼女を保護する理由が失われてしまい、このまま彼女をガーデンに匿おうものなら、()()()()()()()()()()()()()()、無理矢理ガーデンを潰されかねない。

 

「あいつら……命を何だと思ってるんだ……!」

 

「当然、許される行為とは言えないわ」

 

だが、G.E.H.E.N.A.は人類の生存に大きく貢献しており、その暴走を止められるところは無い。故に、こんな横暴がまかり通ってしまっているのだ。

──何か、方法は無いんですか!?結梨は共に戦う仲間であると同時、守るべき命であることに変わり無い為、隼人は手段があるなら実行しようと問いかける。

 

「土壇場でも構わない。結梨をガーデンから逃がし、私たち一柳隊のメンバーの誰かしか知らない場所へ避難させるわ」

 

ちゃんと方法自体はあり、それだけでも隼人は一安心だった。

 

「私からは、梨璃と私自身しか知らない場所と言える場所がある……あなたは?」

 

「それならご心配無用です。知っているのは俺と楓の二人だけ……更にはそこへ入るには八桁の暗証番号が必須だから、場所が割れたとしても、暗証番号を知らないなら誰も入れません」

 

しかも、暗証番号を知っているのは隼人一人であり、楓を捕まえてもダメ。何なら、避難した二人には施設にいる三人が会話相手や何かになってくれるおまけ付き──と言う、余りにも強力な構えがあった。

元G.E.H.E.N.A.の研究員と言うことで普段なら警戒すべきなのだが、隼人の事例があるし、楓も何も被害を受けなかったし、更には協力関係の証言あるしで問題は無い。

この今回は限りなく絶対に近い安全性は非常に有難く、理想は隼人が先に発見して結梨を逃がす。次点は夢結が発見して逃がすになった。

 

「ただ……隼人君、万が一を考えてあなたが結梨と逃げることだけは本当の最終手段とします。いいわね?」

 

「俺は別に……いや、分かりました。由美さんの技術は、守らないといけないですからね……」

 

「あなた自身のこともよ?それは、あなただけじゃない……あなたの知人の心を守ることにも繋がるから……」

 

「それはもちろんです。死んじゃったら……全て終わりですから」

 

隼人が行ってしまえば、今度は男性でありながら現行リリィとして活動できた理由の調査として、彼を問答無用で連行させられてしまうだろう。それは一柳隊のメンバーは誰も望まない。

更にそこから由美の技術が使われたものである為、彼女を躍起になって探し出すだろうから、尚更ダメである。

 

「それぞれ手分けをして探しましょう。見つけたら……大丈夫な時で構わないから、連絡をくれると助かるわ」

 

「了解です。なら俺は、上の階から探します」

 

やると決まれば早く、早速行動を開始する。梨璃からは今日は何をするのかは幸い聞き出せており、もうそこにいるのも分かっている。故に、隼人は何の躊躇いも無くそちらへ歩き出す。

移動の最中、携帯端末を操作して地図情報を表示するのを忘れない。この場所は梨璃に伝えなければ、まず移動ができないからだ。

そして、運よく誰ともすれ違う事無く、隼人は目的地である屋上に辿り着き、梨璃と結梨しかそこにいないことを確認するや、すぐそちらに歩を進める。

 

「あっ、隼人っ!」

 

「えっ?あっ、ホントだ!ごきげんよう、隼人くん……って、どうしたの?」

 

「梨璃、緊急事態だ……落ち着いて聞いてくれ」

 

先程夢結から聞かせて貰った話を、そのまま梨璃に伝える。

 

「そんなっ!?だ、だって、結梨ちゃんは……!」

 

「ああ。俺もそう思うよ……。ただ、黙って終わる訳じゃない。今から結梨をとある場所へ逃がして、そこでやり過ごしてもらうんだ」

 

隼人は携帯端末で開いていた地図情報の出ている画面を見せ、どこに逃がすかを教える。

 

「そこ、何があるの?」

 

「そこには、俺の右腕をくれたり、ヴァイパーの追跡をしてくれた人たちがいる……別の言い方をすれば、俺の第二の家だ。八桁の暗証番号を知らなければ絶対に入ることができない場所……」

 

──そんな場所に、結梨を逃がす。隼人の話を聞いて、梨璃は結梨を逃がすなら納得はできた。

だが、一つ問題があり、それは由美の素性を知らない梨璃が、彼女を警戒していることにある。その為、一人で行かせる気にならなかった。

それ以外にも、結梨を一人だけ全く分からない場所へ連れて行くのも不安がある──早い話、放っておけないのである。

 

「隼人くん、私が結梨ちゃんと一緒にそこへ行くよ……放っておけないから」

 

「……いいのか?なら、そうしようか。夢結様には俺から謝っとく」

 

この状況では結梨が一人で逃げれるのが理想だが、誰かが付いて行った方が心の支えになるのは確かだ。

それならばと隼人は承諾した後、場所の情報と暗証番号教え、更には自分が緊急手段として渡されていた閃光玉を渡しておく。

 

「じゃあ、行ってくるよ……お姉さまに、よろしくね?」

 

「分かった。結梨のこと、ちょっとの間頼むよ」

 

梨璃がCHARMの刃を隼人に突き付けながら、そう頼む。本来はこんなことしたく無かったので、震え声になっているのは本当にすまないと隼人は思った。

一応こうした理由として、梨璃が隼人を脅して結梨を連れて行ったと言う体裁を取るためである。

本来のリリィであれば、制服のボタンを装った閃光玉や、非常に鋭い針として使用できるリボンと言う気休めのものが存在するものの、隼人の格好は専用のものではなく、市販の服装である為、そんなものはない。

早い話、隼人だけはこうしてしまえば、()()()()()()()()()()()()()()()()()とアピールでき、彼が罪に問われる確率を下げれるのだ。

実際のところは、そんなものあったところで、CHARMを持ったリリィに先手を取られている時点で意味が無いも同然であり、隼人以外であろうと特に変わりはしないだろう。

 

「梨璃……?」

 

「ごめんね。そろそろ行こっか……それじゃあ、後はお願いっ!」

 

結梨を連れた梨璃が、そう言い置きながら飛び去っていくのを見送った。

──こっちは任せてくれ。そう心で呟きながら、次にやるべき行動を思い起こしながら、隼人は行動に出る。

 

「生徒会のメンバーに言うしかない……なら、今どこにいる?」

 

「……如月君?待って、何があったの?」

 

一先ず形式状伝える為に探そうとしたが、まさかの向こうから来てくれる事態になった。

──間一髪間に合ったな……。そう思いながら、隼人は自分から事情を聞いた結果、梨璃が結梨を連れて逃げてしまったと伝える。

自分が逃がしたと言うような言い方はしない。それは話をややこしくして進まないし、こっちの身が危うくなる。気遣ってくれた二人の為にも、絶対にしない。

 

「……そうね。その格好では何も……特に仕込みも無いのでしょう?」

 

「ええ。何も……」

 

──閃光玉でも仕込んでおくようにします。実際、状況によっては必要になってしまう道具である為、閃光玉くらいは常備しようと考えて宣言した。

逃げる先も検討はつけられないと返しておき、向こうから礼を告げられ、そのまま立ち去っていく。

 

「一個……聞くの忘れちゃったな」

 

結梨のことを諦めているのかどうか──。それを聞こうとしていたが、時間の無駄になってしまうと考えて割り切った。

それよりもやらねばならないことがある為、隼人はそちらの行動を始める。

 

「(アリス、お前が俺を助けてくれたように……俺も結梨を助けるよ)」

 

恩人に心の中で呟きながら、隼人はまずは連絡を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

{ 第 23 話 }

 

行 動

behavior

 

 

原点は変わらない

──×──

The saved life is to save someone's life.

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

「では、梨璃さんたちはその施設へ?」

 

「ええ。今、隼人君が状況を確認してくれているわ」

 

梨璃が結梨を連れてガーデンを脱走した後、隼人は夢結へ連絡した後、傍受されないように一柳隊に宛がわれた部屋で由美に連絡を取り始めている。

現在、この部屋にいるのは脱走した梨璃と結梨、家柄の事情で確認を取りに行っている楓の三人を省いた八人で、今は事情確認を最優先としていた。

また、二人が脱走したことによって彼女らを捕まえる為に、現在各地でリリィに出動命令が掛かっている。当然、百合ヶ丘も例外ではないし、何なら探しに行かねばガーデンを潰される恐れがあり、行くしかないが正しい。

 

「わざわざありがとうございます。それで、どうですか?……逃げ出したのは大体……前くらいで、距離的には……」

 

隼人は一柳隊のメンバーに由美の名は割れているし、緊急事態である為と言ってこれを実行している。

梨璃と結梨の安否は、この後の結果次第である。

 

「なるほど……あれは分かりづらいね」

 

「普段はつけてない……よね?」

 

この行動は、隼人が秘匿性の高いイヤホンを所持していることも明かす危険な行動であり、現に一柳隊のメンバーには明かされている。

だが、この際もう隼人はバレても構わないと考えていた。この行動で結梨の命を救えるなら、反省はすれど後悔はしない。

とは言え使用にあたって、夢結が一柳隊のメンバーに口外無用を約束させてから使っているので、今回は例外的にデメリットを無視できる。

これは隼人の百合ヶ丘──特に一柳隊のメンバーに義理を返す為の残留と、彼女らが先払いしたヴァイパー討伐の協力によって出来た信頼関係の現れでもある。

 

「けど、梨璃が出てっちゃって良かったのか?」

 

「良かったと言いたくはないけれど、隼人君が行くよりはまだいいわ。それに、あの場面ではあれが最適でしょう」

 

「命を弄ばれるのは当然じゃが、技術が悪用されたら最悪じゃしの……」

 

結梨の心情まで考慮した場合、梨璃が一緒にいてあげるだけでもかなり違う。故に、これが正解に近いだろう。

 

 

「梨璃さんたち、大丈夫なのかな……?」

 

二水の不安も最もだ。彼女の無事を確認できる手段があるとは言え、隼人の元滞在先に彼女らが辿り着かねば確認ができない。

 

「そうですね……あの二人が来た時は……本当ですか?……はい。俺が送り出した二人と一致します。なら、事が落ち着くまで……ありがとうございます。それじゃあ、俺はレギオンメンバーに伝えます」

 

「どうかしら?」

 

「無事に到着して、保護を受けたみたいです。一先ず、向こうは心配しないで大丈夫です」

 

隼人の報告で、皆が一安心する。これなら梨璃も結梨も、捕まって連れて行かれ──なんて最悪なシナリオは回避できる。

なので後は、結梨の安全が保障出来次第迎えに行く形になる。

 

「しかしまあ、あの研究狂いたちも落ちた……いや、少なくとも五年前からもう落ち切ってるか」

 

──だから由美さんも抜けるんだろ。G.E.H.E.N.A.のバカさ具合に隼人は毒づかずにはいられなかった。

由美とアリスの経緯もあって、隼人は既にあの組織への期待は皆無と言ってもよく、まともな組織に戻ったらずっこける自身がある。

 

「それでもあんまりですよ……だって、結梨ちゃんがヒュージなわけないじゃないですかっ!」

 

二水のこの悲痛な想いは最もである。少なくとも、この一柳隊にいる全員がそうだ。

 

「私はブーステッドリリィだから、ある意味では同じなんだけど……全く、好き放題だね」

 

「ブーステッドリリィって言えば、ある意味俺もそうなんだよな……」

 

ヒュージの技術や細胞等を用いて強化手術を行う為、ブーステッドリリィもある意味では人の姿をしたヒュージと言うこともできる。

違う点があるとするなら、ヒュージの要素を取り入れられているのは、隼人やブーステッドリリィは後天的、結梨の場合は先天的であるところだ。

これに関して腹が立つのはそうだが、いつまでも気にしている場合でもない。無事逃げおおせれたのが分かったなら、これからどうするかである。

 

「大丈夫になったら……みんなで、迎えにいけないかな?」

 

「ですが……隼人君は元々、情報公開を最低限に済ませたかったのでしょう?大丈夫なんですか?」

 

「なるほど……そう来たか。状況が状況だしね」

 

──セキュリティも秘匿もあったものじゃないな……。と思いながら、隼人は再び連絡を試みた。

 

「それはそれとしても、大丈夫なら私たちにできる義理は果たします……故に、提示された条件があった場合は必ず従いましょう」

 

隼人に命を救って貰った恩を返す為に通していた義理を、わざわざ外して貰っているのでこれだけは厳守せねばならない。

それは皆分かっていることで、そこは迷うことなく頷いてくれた。

 

「俺たち以外は絶対来ないようにして欲しいのは言われましたが……取り敢えず、許可はもらえました。後は、タイミングを待ちましょう」

 

「思ったよりすんなりじゃったの?」

 

「事態が事態だからね。由美さんも許可してくれたよ」

 

これで一通り問題は解決し、後は今、結梨を引き渡す必要のない理由を述べる資料を百由が大急ぎで作っているらしく、それの完成と結果が通るか次第だ。

 

「ところで、楓さんは……?」

 

「今回は家元が絡んでますからね……お取り込み中でしょうね」

 

行くにしても、楓が戻って来てからがら望ましい。故に、暫くは連絡や通達があるまでは待機とし、各々いつでも出れる準備だけはして欲しいとなった。

 

「(あいつがやるなんてことはないな……)」

 

──それだけは信じたいな……。隼人は自分の中に、楓へ対する信頼があることに気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさいね。コーヒーしか出せなくて」

 

「い、いえ……ありがとうございます」

 

隼人らが会議を済ませた直後──。施設に辿り着いた梨璃と結梨は速やかに由美たちに招き入れられ、腰を下ろさせて貰っている。

普段はリリィが紅茶を好んでいるケースが多いのは玲を通して知っているので、そこは少し申し訳なく思っているようだ。

自分が出回ると追跡の危険があったアリスも、リリィでない為大きく行動するのが難しい玲も、この施設で待機しており、全員が彼女らと顔を合わせている。

 

「うっ……苦い」

 

「なら、そこの砂糖を使うといいわ。苦さを甘さが薄めてくれるから」

 

──使いすぎは注意よ。そう言って勧められた砂糖を梨璃は一袋使って飲んでみる。今度はまだ大丈夫と思えるレベルに落ち着いた。

逃げ回る緊張感から解放されたのは良かったが、今度は慣れない人、慣れない場所での会話と言う、百合ヶ丘に来たばかりに近い状況になったので、梨璃は「あの時もこんな感じだったなぁ……」と、当時の緊張を思い出す。

結梨は大丈夫かと気になって梨璃はそちらを見てみるが、結梨は全くコーヒーに手を付けず、下を向いて沈んだ表情を見せていた。

 

「結梨ちゃん、大丈夫?」

 

「私……人じゃないのかな……?」

 

結梨は隼人から告げられた話を聞いてから、ずっと思い悩んでいたのだ。

それが当たり前だと思われていたことを、いきなり否定される──。そのショックと言うのは、どうやら想像よりも大きいらしい。

 

「そ、そんなことないよっ!きっと、何かの間違いだよ……」

 

「梨璃……」

 

隼人が自分が捕まるのを良しとしなかったのも、梨璃が自分を庇おうと、手を引いて一緒に逃げたことも、あの二人は自分を人だと思ってくれて、その同じ人を助けたかったのが伝わった。

だがそれでも、こう言うことになってしまったせいで自分が人だ──と、旨を張って言えなくなってしまっている自分がいるのもまた事実である。

 

「なるほど……。自信が持てないのね?」

 

──全く、あの研究狂いたちもバカなことをしてくれたわね……。結梨の様子を見て、由美は確信した。

この状況を鑑みて、伝えることができた由美は、それを伝えることにする。

 

「結梨さん、一つ言っておくわ。自分が人かヒュージかを決めるのは周りでは無い……あなた自身よ」

 

「私、自身……?」

 

周りに「お前はヒュージだ」と言われたとしても、はいそうですかで納得してしまえばそれこそ問答無用で研究材料にされてしまう。が、こっちから「お前は人だ」と言っても、ある意味ではあの研究狂いたちと同じで、存在の強要となってしまう為その言い方はできない。

故に、由美は選択の余地を与える行動に出た。勿論、これだけでは終わらず、他の言葉もある。

 

「例えば、私はブーステッドリリィ。ヒュージの技術等で強化手術を受けたリリィで、ある意味あなたと同じようなもの……でもね、私は自分のことをヒュージだなんて一度も思ったことは無いわ」

 

「アリスさん……?」

 

「私はお義母さまと玲さん……戻って来れば隼人と言う同じ人と過ごして、いざという時は非正規の立場ではあるけれど、ヒュージと戦って人を守る……」

 

──後者はいずれ出来なくなるにしても、前者の生き方はどう見ても人間でしょう?アリスは自信満々に言い切って見せた。

それと同時に、自分の細胞等を基にした右腕を使用している隼人も同じ考えをしていると伝える。理由はヒュージの技術等を使おうと、リリィであるなら結局人だと定義下からである。

 

「そう言うわけだから、私からすればあなたも人と変わらないのよ」

 

「……」

 

アリスが述べたのは参考としての考え方だった。簡単に言えば、「あなたも私もヒュージ由来の技術が体にある。そして、私が人として生きているなら、あなたも人」である。

何となくではあるが、結梨はこう言う考え方が自分に必要なんだろうなと感じた。

 

「ねぇ、結梨ちゃん……思い出して見て?昨日までどうやって生きて来たか……答えはきっと、そこにあるよ」

 

「それと……これからどうしたいかも、考えて見るといいよ。そうすれば、もう迷わないでいいから」

 

「昨日までと、これから……」

 

梨璃と玲から問いかけられ、結梨は自分のことを振り返ってみる。

いつ逃げなければいけないかは分からない──が、逃げるタイミングは隼人しか見ておらず、彼は逃がすのを推奨している以上、暫くは安全だと思える。

 

「分かった。ちょっと、考えてみる」

 

結梨は少しの間、自分がどうしたいか振り返ってみることにした。

 

「うぅ……苦い」

 

その最中、全然口につけていなかったコーヒーを、無糖で飲んだ感想がコレである。

この後砂糖を入れてもう一回飲んで、そこで味に満足するのだった。

 

「(私……私は……)」

 

そして、コーヒーを飲んだり、梨璃やアリスらと会話を経て、結梨は己の中に答えを出した。




2話で終わらせられるだろうか?終わらなかった場合は3話分使うことになります。


以下、解説入ります。


・如月隼人
夢結から聞いた話、梨璃たちにどこで何をする予定か聞いていたことが幸いし、先回り成功。
自分の立ち位置が厳しい為、結梨を連れて離脱は断念。前もってこれが予測でき、退学申請が間に合えば当日に現場へ突撃──結梨を連れてガーデンから逃走ができた。


・白井夢結
隼人に遭遇できたので、捜索の協力を依頼。結果は成功。
もし、あの移動中に遭遇できなかった場合、原作と同じ形になっていた。


・一柳梨璃、一柳結梨
生徒会との問答が起こらずそのまま逃走。隼人の計らいで施設へ逃げ込めた為、硬い場所で寝ないで済む。
始めて飲んだコーヒーは苦かった。
結梨の方は答えを見出したが、果たして……?


・その他一柳隊の皆さん
結梨のことは人だと思っている。
施設へ迎えに行く許可を貰えたのは嬉しい反面、隼人に少し申し訳なく思っている。


・アリス・クラウディウス
結梨に自分の考え方を示した。
これが結梨に対してどうやって影響する……?


・明石由美
生きる上で、自分が何者かの意識は非常に大事だと思っている。
これは隼人もアリスも例外では無いが、自分自身は人として接するつもりだったりする。

今後アニメ版準拠の展開はどのようにしてほしい?

  • 今みたいな感じで大丈夫
  • もうちょい細かめが嬉しい
  • サクサク気味がいい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。