アサルトリリィ -RED THISTLE-   作:ブリガンディ

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お久しぶりです。
活動報告でも書きましたが、デスクトップPCを変えたので、ようやく投稿を再開します。

アンケートで最も表の多かった『朋友のブルーストライク』編をやっていきますが、アニメ本編とは違う章になるので、今回から章分けしていきます。
ちょっとした変更点があるので、その辺ご留意お願いします。

以下、変更点です。

・時期が夏ではなく、アニメ最終話から少しした後。
・上記の変更に伴い結梨がこの話に混ざる。


朋友のブルーストライク -もう一人の復讐者-
第1話 疑問


「ねぇ、隼人……」

 

「?どうした?」

 

梨璃と夢結が戻ってきてから凡そ一ヶ月が経とうとしている日の夜──。楓に以来され、レポート用紙十枚分に書き込んだヘリテージスでの実戦所感を提出し、明日の予定も決まった以上、そろそろ部屋に戻って晩を取ろうとしていた隼人は行く道の途中で雨嘉を顔を合わせた。

今日は隼人がヘリテージス(専用武器)を用いた状態での初の哨戒任務をこなした日だが、急遽決まった明日の遠征の前日でもある。

当の雨嘉は何かを気にしている様子らしく、話せる人を探していたようだ。食事を取りながら聞くことくらいなら何ら苦もないので、隼人は雨嘉に同席を促しながら、それに乗ることにした。

 

「気にしていることがあるって言ってたけど、何が気になるの?」

 

「実は、神琳のことで……」

 

聞く限りだと、今回の遠征の話に対してすぐに乗ったこと、哨戒任務前に行った百由の実験後に何か気にしていた等、神琳が普段からすると()()()()()と見れる行動や様子が多かったようだ。

──何か、あったのかな……?この疑問に対して隼人は間違いなくあっただろうなと答える。

 

「前にさ……ヴァイパーを撃破した後、祝勝会やったのは覚えてる?」

 

「覚えてるよ。隼人が、あんなに楽しそうにしてたから……」

 

梨璃の誕生日の時も、楽しんでいないわけではなかった。祝勝会の時がヴァイパーを討った後で別格だったのだ。

とは言えいきなりその話題を出されても理由を推し量れるわけではないので、雨嘉は隼人にその話を出した理由を聞いてみる。

 

「実はさ、準備をしていた時に神琳から聞かれたんだよ。『復讐が終わった今の心境とかはどうだ?』って……」

 

「復讐……?え……?ちょっと待って。それじゃあ、神琳があんなに気にしているのって……」

 

隼人が出した言葉(ワード)は無視できるものではなかった。それではまるで神琳も復讐者だと言いたげだったからだ。

雨嘉も察して確認を取れば、隼人は首を縦に振り、肯定を返す。

 

「まだ確定したってわけじゃないけど……神琳が即答をしたのは復讐したいヒュージがいるかもしれないからか、或いは……」

 

──そのヒュージが実際にいるからなんじゃないか?自分が復讐者だったこと、ヒュージに大切なものを奪われて憎悪を抱くものなどどこにいてもおかしくないと言う考えから、隼人はこの結論を出した。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

{ 第  話 }

 

疑 問

qoubt

 

 

そうなるまでの経緯

──×──

stil don't know why it's off.

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

時は今日の朝まで遡る──隼人はこの早朝、訓練場の一つでCHARMを素振りをしていた。

楓からこのヘリテージスをもらって以来、隼人は復讐者ではなく、リリィとしての自分を基盤とした戦いを組み込もうと暇があればこのように一人ででも鍛錬する時間を増やしている。

戦い方自体が特に変わるわけではないが、気持ちを新たにした姿勢は歓迎され、隼人の意識が入学当日と比べ大きく変わっていたのが再確認された。

 

「……ふぅ」

 

十分に体を動かし、問題ないと確認した隼人は自らの気持ちを落ち着かせ、この訓練を終了する。

あと数回の出撃任務次第だが、ほぼ完成とみていいだろう。そう評価を下し、クールダウンを開始する。

 

「お疲れ様ですわ。隼人さん」

 

──こちらをどうぞ。の言葉と同時に渡されたスポーツドリンクを、礼の言葉と一緒に受け取って口に含む。

隼人が訓練にのめり込むようになったのを見て、楓もそれに合わせるかのように、訓練が終わった時に合流できるようにしていた。

無理にやらなくてもいいのにと思ったりもしたが、楓はやりたくてやっていると主張しているので、それ以上言うことはしなかった。

 

「(俺としては嬉しいし、別にいいか)」

 

相手の気持ちは分かっているし、そう言うのが伝えられると言うのはやはり嬉しい。

故に隼人は、素直にそう言うのを受け取ることを選んだ。そうすれば相手も安心したり喜んだりで一石二鳥な面もある。

 

「今日の哨戒任務が終わったら、一つやって欲しい事があるのですが……よろしくて?」

 

「やって欲しい事って言うと……どんな?」

 

「ヘリテージスで哨戒任務を行った時の所感……まあ、自分が使ってどう思ったかを書きまとめて、それを出してほしいと思っていますの」

 

「なるほど……」

 

実際、作ったはいいものの、実戦で本人の思うように戦えない性能では話にならないので、その場合は緊急整備が始まる可能性もある。

故に、それが問題ないかどうか、使用した隼人本人に確かめて貰い、結果を教えてほしいというのが楓の要望になる。

 

「よし、分かった。じゃあレポート用紙複数枚に書きまとめるよ」

 

「ありがとうございます。でしたら、終わり次第渡して頂けますこと?早めであればあるほど、対応も早くできますわ」

 

対応も早くできる──すなわち自分の生存が掛かっている以上、隼人は手を抜くことはない。

自他問わぬ命の執着の強さはまだ残っているが、今は手を貸してくれる人と協力してことに当たると言う判断を下しており、大分柔軟になっている。

 

「そうか……もう時間だったな」

 

「ええ。そろそろ行きましょうか」

 

話している間に時間になったので一柳隊で哨戒任務に向かうことになった。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ隼人、アレ……やる?」

 

「やる?って言われてもな……数次第としか言えないかな。ただ、心の準備だけはしておいて」

 

「うん。分かった」

 

そうして哨戒任務での移動中、結梨に問われた隼人は未確定を返答した。

ここで言うアレと言うのは、結梨のレアスキルが判明したので、それを考慮した連携戦術である。

結梨は検査の結果、縮地とフェイズトランセンデンスの二つを使えるデュアルスキラーだったようで、この内縮地に目を付けたのが事の発端になる。

汎用性と機動力に富んだ縮地を使えるのが隼人と梅、そして結梨の三人で一チームとして行動する三人一組(スリーマンセル)による高機動連携である。

 

「基本パターンは分かってる思うけど、バッチリサポートしてやるから、思いっきりやっていいゾ」

 

基本的な陣形としては元々接近戦が得意な隼人と目の前に集中したほうが強いタイプかつ、フェイズトランセンデンスで最悪の場合強行突破が見込みやすい結梨が二人で前を張り、梅が一歩後ろを追随しながらフォローするという形になる。

少しでも早く対処を始めた方がいい場合等に、この三人が機動力で先行する為のものであり、三人で行動できるならばということで万が一の時の戦術として採用されるに至った。

その場合、縮地を使えない残りのメンバーは後を追う形になるのだが、その残ったメンバーも八人と十分な人数が確保できており、三人が先行した時を前提に、残った八人はフォローがしやすいように密集よりの陣形で戦う訓練もしている。

──と、このように準備自体はしているのだが、実際に使うかどうかはまだ分からないのが現状である。

 

「梅様、実行する時はお二人のこと、よろしくお願いしますわ」

 

「おう……ってそうか。隼人は危ない組か」

 

「まあ、結梨を助けた時のことを考えれば当然だね」

 

それを聞いた隼人は「緊急時以外もうやらないって」と返すが、一柳隊のメンバーには「緊急時はやるんだ……」という感想を抱かれた。

とは言え、これでも相当落ち着いた方であるのは事実で、楓がぷんすか怒ったりする様子はない。

 

「(まあ、これでもいいのかもしれないわね……)」

 

任務としては少し気が抜けているかもしれないが、ずっと気を張り詰めているのもそれは苦なので、夢結からとやかく言うことはなかった。

この一柳隊で行う空気は少し緩めになるのだろう。話す内容が脱線していないし、まあ問題はない。

 

「(そう言えば神琳、さっきは何で気にしたのかな……?)」

 

その一方で、今朝行っていた実験の終わり際に神琳が気にしていた理由が雨嘉は気になっていた。

隼人が鍛錬をやっているのと同じ時間に雨嘉は百由に頼まれ、CHARMに取り付けるオプションの稼働実験に付き合っていた。

何でも射撃能力に秀でたリリィが欲しかったのが理由で、彼女が抜擢されたのである。神琳は本来呼ばれてはいなかったが、モノが気になって同席した。

そこから哨戒任務に参加しているのだが、移動する前に何かを気にしていたのだけが今は分かっている──と言う状況である。

 

「……?雨嘉さん。わたくしの顔に何かついていたりしますか?」

 

「えっ……?ううん、ちょっと気になって……」

 

「あっ……!ヒュージが正面から出てきましたっ!」

 

目線を送っていたら気づいた神琳が雨嘉に問うも、答える前に数体のヒュージが出てきてしまい、話は中断されてしまう。

何度か出てきたので、その度に戦闘が始まり、それらを撃破していくことになる。

 

「鍛錬で振り回してたからそこら辺程度わかってたけど、余裕が増えてる速さだな……」

 

一度ヒュージの出現が無くなり、落ち着いたところで隼人は自分宛てに作られたCHARMの性能を改めて実感する。

普段通りに接近戦を仕掛けたり、自らの近くを結梨と一緒に近接戦闘でこなした直後、早撃ちで一体撃破したりとやってみたのだが、体感できる程にタイムラグが減っているのだ。

それはもし、ブリューナクでは間に合わない場面に遭遇しても、ヘリテージスならば間に合う可能性があるのだ。これは非常に大きい。何故なら、隼人のみならず、共に行動する味方の生存率向上に繋がるからだ。

 

「(これで終わったか……やっぱり、大人数は楽でいいな。全てを背負わなくていい)」

 

そして戦闘も終わり、隼人は改めて集団行動の強さを実感する。ヴァイパーを討たなかった場合、こんな思考は出てこなかっただろう。

元々一体多での市街戦が多かった身である隼人は、尚更実感できるものであり、ある程度目の前に意識を優先できるようになるのが大きい。

 

「(みんなも特に目立った負傷無し。上出来だな。もうそろそろ道のりも終わるし、これで……)」

 

──お勤め完了だな。と結論付けようとしたが、緊急事態が起きる。

それは二水が最終確認を行う為に鷹の目を発動しようとした直前の出来事で、神琳の背後からヒュージが一体迫ってきていたのが見えたからだ。

 

「(マズい……!けど、今から行けば間に合う!)」

 

とは言え、間に合わない距離ではない。故に隼人は助けにいこうという思考が出てきた。

ヘリテージスに持ち替えた恩恵もあり、以前ならば最初から受け止める前提で行くことになっていたが、今回からはそのまま倒すことも可能だろうと考えられる。

 

「……!」

 

──なら行くだろう!と、行動に移すよりも早く神琳が気づいて動きだし、攻撃する直前のヒュージにCHARMで体当たりして割り込み、そのままブレードフォームで切り裂いて事を収束させた。実際、場所も雨嘉と最も近かったし、自分たちが気づいていない可能性や状況を見て硬直する可能性まで考えると、もう行くしかなかっただろう。

幸いにもヒュージは強くなかったようで、傷口から体液を垂れ流しながら崩れ落ちるようにその生命活動を終える。

 

「神琳……大丈夫?」

 

「はい。何ともありません」

 

これにより一先ずの自体は収束し、その後は何事もなくガーデンに帰還して哨戒任務は終了となった。

 

「(最後の一体倒す時……ちょっとだけ荒れてたように見えたのは何でだ?)」

 

──まあ、非常事態だったからだな。と、隼人は疑問に対して結論を出して一先ずその思考を隅に追いやった。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

「今、百由様が整備しておるから、完了次第消耗率と整備性の評価をこっちに送ってくれるようじゃ」

 

「助かるよ。よし……要点としてはこんなもんか」

 

CHARMを預けて一柳隊に宛がわれている部屋に戻った後、隼人は取り敢えず何を書くかの要点まとめだけ済ませた。

楓からは電子書籍が可能ならそれでもいいとガーデンへ戻ってから告げられたが、生憎隼人はキータイピングなんぞ碌にやったことがないので、今回は手書きで行くことに決める。

とは言え、実際に書くのはここで必要な連絡事項等があるなら、それらを聞いてからになるのだが。

 

「今回の様子だと、戦う分には問題なさそうですわね?」

 

「ああ。やっぱり、反応速度の強化は大きかったな……おかげで少し余裕ができてた」

 

元々それを狙いで作られたCHARMである為、肝心なそこをしっかりと体感で来てもらえるのは安心できる要素だった。

やはり、新型CHARMの恩恵は確かにあり、今後も隼人の助けになる可能性は高いだろう。

 

「……」

 

「結梨ちゃん、どうしたの?」

 

「戦ってた時の隼人、いつもより優しい感じがしたの」

 

「……優しい?」

 

結梨の言いたいことは、梨璃もなんとなくではあるが分かる気がした。実際、隼人は他者を意識した行動が明らかに増えていたのだ。それを『優しい』というのなら、間違いではないだろう。

 

「そう言えば隼人さん、いつもと比べて周りに気を配った戦い方をしていましたね……そんなに反応速度の影響があるんですか?」

 

「あると言えばあるけど、心構えの方が大きいのかな……俺はもう復讐者じゃないし」

 

「……?ああっ、そう言うことですね!」

 

早い話が『復讐者(単独行動)』ではなく、『リリィ(集団行動)』が基本になるため、そのあたりを改めたのだ。近接戦闘時の回避行動手段や、CHARMの振るい方などは変わらないものの、味方への意識は増えている。

そんなこともあり、隼人は今回のような行動が多くなっていたのだ。今までのことを考えれば、良い変化と捉えられるだろう。

それから少し梨璃と夢結が呼ばれて席を外したで話が落ち着いたのと、整備した時の結果を百由から教えてもらえたので、隼人は早速十枚分にびっしりと書き込んでそれを楓に提出する。

 

「これで大丈夫だろ。何か不備とかあったら教えてくれ」

 

「確認させていただきますわ。……とは言え、一枚目の段階でこれだけしっかり書けているなら、大丈夫そうにも思えますが……」

 

もう既に由美たちから教わったのだろう。文法等が非常にらしい書き方になっていた。

実際、隼人はその辺の練習は由美と玲の書き込んだ資料を読ませてもらったりした時に見て学んでおり、それをそのままやっている。

 

「なるほど……それでこんなに」

 

「いい勉強させてもらったよ。本当に、色々と」

 

あっちの方面は枯れていたものの、あれはアリスの価値観のずれが原因なので、最早事故だろう。

楓がチェックをするべく集中し始めたので、隼人は少しの何もせずに暇を楽しもうかと思った──。

 

「必要だったのは分かるけど……あそこまでやらなくても、よかったんじゃ……」

 

「いいえ。あの場はあれが最善でした」

 

「(さっきのやつか……)」

 

さっきまで用紙を書き上げるのに集中していたので全く気付かなかったが、先ほどまでお茶を楽しんでいたはずの神琳と雨嘉が今日の哨戒任務に関しての話し合いをしていた。

確かに最後の一体に関しては引き付けだけ出来れば、後は誰かが撃破に向かう──というか、既に気づいていた隼人は自分が行けばいいかだろと思っていたが、これに関しては結果論にしか過ぎない。

しかも神琳はレアスキルの都合上、マギを多量に消費する都合上防御結界が弱くなりがちなので、それによる負傷する危険度も高いので、尚更危険性の高い一手ではあった。

今までは誰も負傷なかったしいいやで済ませていた隼人だったが、もしかしたら今後それらを考える必要があるのかもしれないと思い始めた。

そこから神琳が自分が万が一いなくなってしまった場合の想定をした話を切り出し、それを嫌がった雨嘉が不安にいなくならないかと問いかけたりが起きたが、ともあれお互いの反省や納得で話は終わった。

 

「そう言えば神琳、お兄さんがいたんだね。私、知らなかった……」

 

「──っ」

 

一瞬詰まらせてしまった神琳は気を取り直して答えるが、時々何かを考えこんでしまっているのか、普段の彼女と比べて珍しく会話がすぐに途切れてしまう面が見られた。

嫌な内容だったのだろうか?と、隼人も疑問に思った矢先、隼人は不意に、祝勝会の時に神琳に問われたことを思い出す。

 

「(……何で、今なんだ?)」

 

その理由は分からない。何かあるのかも分からない。ただ、神琳を少しの間気に掛けた方がいいのかもしれない──と、隼人は結論付ける。

 

「よかった。みんなまだここにいたのね」

 

そして、夢結と梨璃の二人が戻ってきて、呼ばれていた内容を教えてもらうことになる。

早い話が遠征で、百合ヶ丘への救援要請があったので、出発は明日、目的地は九州であった。

九州は既にヒュージネストが掃討されている為、比較的平和になってきている為、今回の遠征は非常に珍しい事例となる。

東シナ海から大量にヒュージが来てしまった為、今回はこうして救援要請が届いた形になる。

 

「……」

 

「……?」

 

「あ、あの……みんな、ニュース、見ているわよね……?」

 

結構な人数が無反応や疑問符的な反応を示していたので、今度は夢結が困惑することになる。

──鍛錬からの哨戒任務だったから、普通に見てなかった……。事情が重なって見逃した身である隼人は少し申し訳なく思った。

 

「新佐世保港のことですよね。現地のリリィと防衛軍の方で対応できたと聞きましたが……」

 

神琳が知った時の情報より後で、どうやら規模が大きくなって続いてしまっているらしい。

そして、九州にいるリリィは他の中国地方奪還に向かっている者が多く人手が足りなくなってしまったのだ。

 

「(神琳……何か気になっているのか?)」

 

今日の哨戒任務もある為、まだ承諾はしていないらしく、一度こちらで承諾の成否の確認を取る話が出たのだが、神琳が何かを気にしている様子が見えた。

少しすると神琳が承諾の旨を示し、助けを求められているなら断る理由はないと言う理由も答える。

無理強いできないことも付け足していたが、結局は全員が満場一致行く意思を示し、明日は遠征にいくことが決まる。

 

「それじゃあ明日、一柳隊は九州に出発ですっ!」

 

最後に、決定代わりとも言える梨璃の宣言の下、この話はまとまった。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

こうして、明日の遠征の話も終わり、今に至る。この時雨嘉は妙に不安を覚えたので、こうして誰かに話したかったようだ。

ただし、この予想を建てられたからと言って、確定しているわけではない。聞こうとしても、隼人のように堂々と話しているわけではない以上、隠しても意味がない状況にならない限り隠し通されてしまうだろう。

そして、もしこの予想が当たりなのだとすれば、いざその復讐対象のヒュージと遭遇した時、神琳がどう動くか分からない事が考えられた。

過剰に指揮を執って無理くりヒュージを討とうとするのか、それとも単独特攻をするのか。或いは別か──。全てはその時にならねば判断できないのが良くないことだ。隼人の場合は訓練だと単独特攻であったが──。。

 

「俺も意識はしておくよ。分担になった場合、俺は自分の場所が終わり次第神琳の方に飛ばしてもらうように頼むから」

 

「ありがとう、隼人……」

 

縮地が使える隼人ならその機動力で合流も苦ではない。一緒の担当になった人には申し訳ないがそうさせてもらう。自分が手伝って貰った身である以上、その恩は返すつもりだ。

一柳隊のメンバーには負荷がかかってしまうかもしれないが、迷ってはいられない。

 

「でも……隼人にとってのヴァイパーを見つけたら、神琳は止まらない、か……」

 

「無理に止めるのは叶わないから、そうなっちゃったら、死なせないように援護するしかないだろうね……」

 

苦しいことを言っているかもしれないが、本当にそうしかないのだから仕方ない。無理やり止めて戦線を離れる事ができるのは、恐らく隼人だけだ。

 

「(ともかく当日だ。気を付けておかないと……)」

 

隼人は明日、己がやるべきことを決めた。




話数分で1話ずつやるなら、上手いこと尺のバランスをとる必要がありそうですね。


長話はさておき、解説行きます。


・縮地持ち三人での高機動戦術
レアスキル事情を確認した隼人が、「縮地三人いるならいけるんじゃないか?」と発想して楓に打診したのが始まり。三人体制であること、梅と言うちゃんと抑えられる人がいることから承認を受けた。
今回はまだ実行なし。


・如月隼人
今回がヘリテージスを使った初実戦。戦績は良好。
報告的なものを書くのは施設での生活によって学んで身につけた。
神琳に関しては訳アリだと踏んで留意している。


・王雨嘉
神琳の様子が心配で、話せそうだった隼人に声を掛けた。
気持ちだけでも少し安心できた。


・郭神琳
最後のヒュージに対して引き付けどころか、速攻撃破を選んだ。
今回は何かと訳アリな様子。


次の部分が1話分で埋まるかどうか……ダメそうなら二話分に分割します。

読みたいイベントシナリオはどれ?

  • ノーブルリリィレポート
  • アーセナルジェラシー
  • 朋友のブルーストライク
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