アサルトリリィ -RED THISTLE-   作:ブリガンディ

46 / 51
短くなりましたが続きです。
一旦分岐はここまでです。


第8話A 合流

現れた正体不明のヒュージがどのようなものか分からないが、倒さねばならないことに変わりない。

何をしてくるか分からないが、一撃で倒してしまえば問題ないとも言える。この為、出てくる思考はすぐに倒すか、罠を危惧して様子を見るか、または攻撃して反応を見るだった。

そして、この内最初に攻撃をして反応を見ることに決めたのは夢結だった。相手の脅威度と強さが分かるか、素早く決めて周囲の対応へ集中できればよしと考えたのだ。

 

「……対応しない?」

 

試しに飛び込んでCHARMを右から斜めに振り下ろしてみたのだが、目の前のヒュージは対応する素振りすら見せずに攻撃を受けた。

ダメージ自体は大きくないもののしっかり入っており、時間が経った結果現れた小型ヒュージの一体なのではないかと予想する。

今の一撃だと行けるようにも見えたが、まだ油断を許すかは分からないので、素早く距離を取るが、何もしてこなかった。

 

「変ね……何もしてこないわ」

 

通常のヒュージなら、最低限避ける素振りや防ぐ素振りやら見せるはずなのだが、本当に何もリアクションが無いのはこれが初めてとも言える。

例えばだが、あのヴァイパーでも出現直後の頃はわざと戦闘開始直後の一撃は貰い、そこから普通に戦うと言ったことをやっている。しかしながら、目の前の敵は何もしなかったのだ。

異例の事態で怪しさを感じたものだが、それならそれで早く倒せるならそれでいいと考える。

 

「……!こんな時に……!」

 

しかしながら、他のヒュージが来てしまったので、そちらの対応をせざるを得ない状況になった。

 

「夢結様、大丈夫ですか?」

 

「構わないわ!回りをお願い!」

 

相手が何も変わることがないのなら、そのまま戦っていればその内倒せる。こちらの消耗が増えてなお倒せなかったら、その時は引き継いでもらえばいい。

考えを纏めたところで戦闘を再開し、もう一度同じやり方でCHARMを振って見ると、今度はそれをヒュージが避けて見せた。

 

「……なら!」

 

幸いにも、大きく避けているわけではないので、すぐに左からの水平に振り回せばその斬撃がヒュージに当たる。

そうすればヒュージは反撃して来たので、それは受け流し、今度は右から斜めに振り上げて斬撃を見舞う。

これも命中し、ダメージは与えることができているが、夢結の中で違和感が生まれる。

 

「(このヒュージ、学習しているとでも言うの……?それにしても()()()()わ)」

 

最初の一撃もたまたま反応できなかったように思えないのだ。理由としては二回目のアプローチが大きく、あのヒュージはそれを完全に見切ったように回避していたからだ。

であれば、次は最低二回の近接攻撃は回避される可能性が高く、非常に厄介な相手である。

 

「やはり、一度やった攻撃はもうダメ……!」

 

ブレードモードによる二連撃を避けられたことにより、同じ攻撃は通じないことが分かった夢結は、次に来る反撃は飛びのいて避け、シューティングモードによる射撃で反撃の反撃を行う。

これは予想通り命中し、倒す時もこれをやらなければならないと言うところまで結論を導き出した。

更にこれだけでは終わらず、今度はこちらの防御の方でも影響が出てくる。

 

「くっ……!」

 

回避場所を予測した攻撃を飛ばされたことで、咄嗟にCHARMで受け止めることになった。

攻撃こそ防げているものの、これで反撃の機会を潰されてしまったので、仕切り直しとなる。

 

「えっ……?あのヒュージ……お姉さま、大丈夫ですかっ!?」

 

「梨璃……?終わっているなら……!」

 

そして、そのまま戦闘を続けていたところ、梨璃の声が聞こえたのでそちらへ一度退避する。

 

「あのヒュージ、こちらの攻撃や行動を学習しているわ。自分たちがやった攻撃はもう通じない……」

 

「まさかの特殊個体か……面倒ですね」

 

一人でやっても仕方ないので、ここからは五人で圧倒する方向を選ぶ。

 

「なるほど……これはもう学習済みか」

 

「でも、二人以上の攻撃はまだ学習できていない……!」

 

隼人が行った飛び込んでからのブレードモードによる一撃は避けられるが、回避先に一葉がシューティングモードによる射撃を撃つとそれは当たる。

これも二人で行った攻撃が初めてだからであり、隼人か一葉が一人で同じようなことをやろうとすれば対応されていたのは間違いない。

 

「(ん……?ちょっと待て)」

 

どんどん有効打が減っていくと言うのに気づいて、隼人は再度攻撃するべく進めようとしていた足を止める。

 

「……隼人君?何か気付いたの?」

 

「コレ……あんまり闇雲に攻撃していたら有効打を見つけても通せなくなるんじゃないですか?」

 

「……!さっきからダメージは与えてるけど、有効打にはなってない……」

 

これは面倒なことになってしまった──。気付いた時点で五人は止まって様子を見る。

そして、ここまで頑丈である以上はノインヴェルト戦術が有効になるのではないかと予想された。

 

「特殊弾は確かにあるけど……」

 

「今は五人分しかできませんね……それに」

 

「ええ。このメンバーではぶっつけにも程があるわね……」

 

連携も重視されるノインヴェルト戦術を即席のチームで行うのは不安が大きい。

しかしながら、このまま放置するのも頂けないところではあるので、大分悩ましい状況に追い込まれてしまった。

 

「逃げた……?」

 

どうするかと考えた直後、そのヒュージはいきなり木々の中に紛れながら移動を始めた。

まだ他にも救助すべき場所がある可能性も見込めたので、手分けして追いかけることに決める。

更に、丁度各レギオンメンバーが新宿に到着したようなので、それぞれのメンバーと合流を目指すことも兼ねて、追跡を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

それぞれのレギオンに合流を目指すため、一柳隊三人は固まって、それ以外の二人は単独で行動をしていた。所属レギオンの関係でこうなっている。

 

「あのヒュージはいないですね……」

 

「なら、一柳隊の皆がくるかどうかね」

 

暫くしてこないなら移動することに決めており、自分たちで可能な限り他の場所での対応を行うつもりでいる。

その為、あまり長居することは難しいのだが──。

 

「梨璃ーっ!」

 

「あっ、結梨ちゃんっ!」

 

──早速、結梨がこちらを見つけて駆け寄って来た。もしかしたら他の人もくるかもしれない。

 

「隼人さん。梨璃さんと夢結様も。ご無事でしたわね」

 

「ああ。他の皆も、合流できてよかったよ」

 

よく見てみれば、一柳隊の全員がいることが確認でき、合流はしっかりできていた。

そこからは事情を説明し、新種の特殊ヒュージとその他避難状況等に合わせた対応を目的に移動を開始するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

{ 第  話 }

 

合 流

joining

 

 

まだ続く戦い

──×──

face the situation together

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

「これは……どこかの大学?」

 

「見たところ被害はなさそうじゃな……避難が間に合ったのかの?」

 

移動をする途中、一柳隊は新宿にある大学の一つに辿り着いた。

校舎等が荒らされている様子は見られないので、確かにパッと見は何も問題ないように見える。

 

「ただ、中に逃げ遅れがいる可能性もあるわ……一度、見てみる必要があるわ」

 

この時の問題として、校舎内は非常に狭い為、慣れていない人が確認に混ざって戦闘をした場合却って余計な被害を出してしまいかねない。

その為、行くのは狭い場所での戦闘が可能で、尚且つ少人数で行くことに限定される。

 

「隼人は慣れてるか?」

 

「ええ。俺は問題なく行けます」

 

ヴァイパーが稀に施設内に入り込むこともあったので、その手の場所でも問題なく行ける。

よって、夢結と梅、そして隼人の三人でそちらに向かうことになった。

 

「校舎内が特にやられてる様子は無いな……」

 

中に入るや否、隼人はすぐさま壁沿いに移動を始める。校舎は構造の影響で角から不意の遭遇が多く、真ん中を堂々と歩くのは難しいからだ。

これに関しては三人そろって同じように行動しており、各部屋一つずつ、逃げ遅れや負傷者がいないか確認していく。

 

「運よくヒュージ入らなかったのか、それとも……どっちだ?運が良かったで終わって欲しいゾ」

 

「外でも戦闘が始まった……急ぎましょう」

 

どうやら外にケイブが出現したようで、戦闘音も聞こえ始めた。その為、万が一のことも考えて少し足を速めて行動を続行する。

 

「ぃ……ぃや……!助けて……」

 

「「「……!」」」

 

声が聞こえるや否、即座に物陰から状況確認。逃げ遅れた学生らしき女性が怯えていたので、何かがあると確信する。

それと同時に、隼人と梅の二人は縮地でそちらに移動。夢結も後からそれを追う。

 

「させるか!」

 

大急ぎで移動してみれば今にもヒュージがその女性を襲う直前であり、隼人は咄嗟にCHARMで受け止める。

その間に素早く梅がCHARMで突き刺してそのヒュージを撃破した。幸いにも今見つけたのは奴一体のみであり、一先ずは安全となる。

 

「すみません。大丈夫ですか?」

 

「え、ええ……」

 

そして、女性自身に怪我も見られない。どうやら間に合ったようだ。

なお、その女性の容姿が香織に似ていたことで隼人は一瞬驚いたが、特に声にも出していないので、それを気付かれることはなかった。

 

「後は最上階だけですよね?」

 

「そうだな。けど、この人も逃がしてやらないとな……」

 

「なら、あなたたちどちらかがその人を逃がして、残りの二人で確認を行いましょう」

 

縮地による離脱能力の関係上、夢結が行くことはできない。その結果、梅が女性を逃がし、隼人と夢結で素早く確認を済ませることにした。

 

「問題なさそうね。戻りましょう」

 

一通り確認を終えて、校舎外に出る。

丁度そのタイミングで、最後に残っていた大型のヒュージを雨嘉が一撃で急所を撃ち抜いて撃破し、この大学周辺での戦闘は終了となった。

まだ周囲の状況の確認や新種ヒュージの対応が残っている為、再び移動再開となった。




ラスバレ編のヒュージは数が多い代わりに一体一体が弱いので、どうしても描写が雑になってしまいがちです……(一部例外はあるけど)。アニメ本編は真逆だったのに。

以下、解説入ります。


・大学に取り残された女性
香織が成長したら丁度そんな感じになってただろう容姿の人。
隼人が守ることで、過去の繰り返し等が起こらなかった証明になる。


・新種ヒュージ
最初はクソ雑魚。一個ずつ学んで完全に通用しなくなるチートレベルの成長を見せるヒュージ。
ヴァイパーとは違う意味で単独撃破はもう無理。

特型ヒュージを討った後、隼人の行き先は?(選ばれなかった行き先の場所は原作とほぼ変わらないので、スキップします)

  • 新宿
  • エレンスゲ
  • 神庭女子
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。