アサルトリリィ -RED THISTLE-   作:ブリガンディ

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1話の10が想像より短くなってしまいました……

その為、1話の12部分も少し突っ込みます。11はグラン・エプレのメンバーのみの話で原作そのままになってしまう為、ここは完全スルーします。


第9話 激戦

「この反応……何か変ね」

 

「何かあったの?お義母さま」

 

時を同じくして、施設で新宿にある妙な反応に由美は気づく。

最初は新種ヒュージなのを確信した程度だったが、やたらと動きが良くなっていたのだ。

 

「アリス。最悪、新宿に行ってもらう必要が出てきたわ。まだ分からないけれど、準備だけはしておいてくれる?」

 

「了解。何か分かったら教えて」

 

事態を把握したアリスは部屋に戻って待機する。事が進めばすぐに出撃することになる。

もう一つ確認する事項があるので、今度は通信を入れる。

 

「玲、CHARMの調整はどうかしら?」

 

『バッチリです。いつでも持って行けますよ』

 

──頼もしいわね。もう問題なく出れる事が分かり、一安心する。ならば、後は事がどう動くか確認を怠らないだけだ。

 

「(何も起こらないといいけれど……この新宿でのヒュージの増え具合、あのバカたちの手によるものかしら?)」

 

本来、規模的には行かせる予定だったのだが、疑い先の問題でアリスには現状待機をお願いしている。

自分の状況が状況とは言え、これが毎回付きまとうのはやはり腹立たしい。

 

「(隼人君、結梨ちゃん……無事でいるといいけれど)」

 

そして動向を確認する最中、家族の無事を祈らずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

「外れた……?いや、違う。避けた……?」

 

時は進み、メンバー間で合流が完了し、新種ヒュージと戦闘していたヘルヴォルのメンバーは、そのヒュージにノインヴェルト戦術を敢行したが、外すどころか避けられると言う前代未聞の事態を目の当たりにする。

対象のヒュージが頑丈すぎてノインヴェルト戦術が耐えられてしまったという事例は過去にもあったのだが、今回のようなパターンはない。

故に驚いた顔を見せる事になったのだが、それはともかくとして切り替える。今起きている事態の問題を一葉は素早く分析する。

 

「(こうなってしまった以上、ノインヴェルト戦術を先程とは違う連携で当てなければならなくなった……)」

 

第一の問題はこれで、それをやらない限りこのヒュージは討てない。

故に考えられるのは、このメンバーで違う連携をしてノインヴェルト戦術を当てるのか、他のレギオンメンバーと協力してこの敵を対処することになる。

しかしながら、この二つの対抗策にもそれぞれ問題がある。前者は自分たちが既にノインヴェルト戦術を使ってしまったこと。後者は合流できる保証がないことだ。

ノインヴェルト戦術を使ってしまったことから自分たちのマギ残量が心もとないので、もう一度使うには時間が掛かってしまう。学習してくるヒュージのことも考えるとあまり持久戦はやりたくない。

そして、合流は他のレギオンがここにくる可能性が分からず、こちらもどこへ行けば他のレギオンと合流できるかの検討がつかず選ぶことができない。

 

「(これは困ったな。どうにかして打開したいけど……)」

 

対処手段は思いついたのに、それを満たす条件がどうにも厳しい。

そして、今できることをやるなら何とか耐えて勝つしかない。そう思っていたが、新種ヒュージが突然横殴りされたかのような衝撃を受けて体を傾けさせた。

 

「今のは……?」

 

「一葉さん、ヘルヴォルの皆さんも、大丈夫ですかっ!?」

 

「……一柳隊の皆さん!」

 

梨璃たちが来た方を見てみれば、雨嘉が狙撃を一発当てていたようで、ヒュージがダメージを受けた理由はここにあるようだ。

確かに、あの時最初の戦闘をした五人と、ヘルヴォルのメンバー間では狙撃をする人はいなかった。

 

「あのヒュージのことですが……」

 

合流できたならチャンスはあるので、一葉は今の状況を伝える。

それを把握した一柳隊の選択は、ノインヴェルト戦術を一柳隊が使って討つことだった。

 

「この時の牽制は一柳隊、ヘルヴォルの合同で行います」

 

「では、陣形を組み次第開始しますわよっ!」

 

話が決まると、梨璃から預かっていた特殊弾を装填した楓が宣言する。

素早く陣形を作った後、早速パス回しと牽制が始まる。

この時シビアなのが、牽制の方法を毎回変えなければならないところではあるが、それぞれの個性を活かした全力でやっていくでも意外と何とかなるのが救いである。

 

「恋花様、追撃お願いします!」

 

「いいよ、任せて!」

 

「こいつを受けてみろっ!」

 

例えば、隼人なら至近距離射撃というこれ以上ない隠し玉で対応させずに注意を引き付けることができ、そこから恋花の援護も確実に通せる。

その他多くのメンバーもそれぞれの方法で上手く牽制し、次々とパスを通していくことになる。

 

「梨璃、お願いっ!」

 

「任せて結梨ちゃんっ!一葉さんもっ!」

 

「はい!これで決めましょう!」

 

最後は結梨からのパスを貰った梨璃と、彼女のCHARMに自らのCHARMを重ねた一葉の二人で突撃する。

当然ヒュージは迎撃や回避の体制に入ろうとするのだが、ここには二レギオンによる一斉射撃の妨害が入り、それらを防ぐので手一杯になってしまった。

そうなれば、もうノインヴェルト戦術のフィニッシュショットには成す術がない。後はこのまま直撃を受けるだけになる。

 

「「いっけぇぇぇぇっ!」」

 

《──!?》

 

小さな断末魔らしき声を上げるヒュージだが、それを耳に入れる者はいなかった。

ゼロ距離でフィニッシュショットを受けたヒュージが耐えられるはずもなく、梨璃と一葉が離脱した直後、ヒュージは大打撃を受けて、()()()()()()

 

「終わった……?」

 

「動く様子もありませんね。終わりと見ていいでしょう?」

 

終わったならこれ以上とどまる理由はないので、グラン・エプレのメンバーとも合流できれば最高だと考えて、そちらに移動を始める。

しかし、ここで大きな見落としがあったなど、一同は知る由もなかった。

 

《──……──》

 

《──》

 

そのヒュージは完全に撃破されていたわけではなく、あくまで一時的な機能停止状態になっていただけということに。

そして、そのヒュージには自分と同一の見た目をした個体が存在し、そちらに信号を送って自らを捕食し取り込むことを依頼していたなど、誰が気づけただろうか。

ついぞや誰にも気付かれることないまま、ヒュージたちは目的を達成しようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

{ 第  話 }

 

激 戦

fierce battle

 

 

終わりの見えない戦い

──×──

Is the pitfall a trigger for disaster

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

「これは……いよいよ不味いことになってきたわね。アリス、悪いけれど出撃の必要が出てしまったわ。新宿まで急行をお願い」

 

《了解。すぐに行くわ》

 

隼人らが移動を開始した直後、異変に気付いた由美がアリスに連絡を入れる。

恐らく隼人たちは気づくことができないのも想像に難くない。何せ、こちらで見た限りは撃破判定から活動判定に切り替わったのだから、明らかに異常なヒュージであることだけは断定できたのだ。

その上更に反応が強くなったのだから、ヒュージは更に何かを持っている可能性も十分に考えられる。

 

「整備はバッチリだから、問題なく扱えるよ」

 

「特定した新種ヒュージ以外にも多数のヒュージがいるわ。気を付けて」

 

「ええ。隼人たちと一緒に、生きて終わらせてくるわ」

 

二人に見送られたアリスはバイクに乗って新宿へ急行する。

 

「(身の回りに気を付ける必要はあるけれど、それを気にする余裕はないかもしれないわね……)」

 

面倒なことを考えてしまうが、それでもやることは変わらないと思っているアリスは思考を切り上げ、バイクを加速させた。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

更に時は進んで、日が沈んだころ。一柳隊とヘルヴォルはヒュージの撃破と逃げ遅れの救助を続行しながら新宿内を動き回っていた。

 

「司令部からです。どうやらヒュージが合流して数が増えてしまっている場所があるみたいです」

 

「グラン・エプレのメンバーも、もしかしたらそっちにいるかもね……」

 

あれから、グラン・エプレのメンバーとは合流ができていない。その為、彼女らが戦っている場所がそこである可能性は十分に考えられた。

 

「(そう言えば、高嶺様はマギの受容量が減ってるんだよな……?)」

 

──このまま戦い続けて大丈夫なのか?一つの懸念点はそこで、もう戦線離脱した方がいいかも知れないのに継続して戦わざるを得ない状況になっている──なんて事になっているかもしれない。

そうなると彼女が力尽きた段階で戦線が瓦解し、そのまま押し込まれてしまう危険も出てくる。そうならないでくれるのが理想だが、無理も言えない。

 

「その増えてきた方に移動した方がいいかも知れませんね。強行突破も考慮して」

 

ルナティックトランサーを発動した藍や、ミリアムのフェイズトランセンデンスによる一撃によって、ヒュージを纏めてなぎ倒す手段は多数相手ではかなり有効な選択肢になる。

故に、そこに到着次第、突破口を開いて周囲のヒュージを撃破。そこにいる逃げ遅れや消耗したリリィがいれば救助もする形になるだろう。

そう決まれば早く、早速その現場へ移動を始めるのだった。

暫く移動していくと、聞き覚えのある声が聞えた。

 

「高嶺ちゃんっ!しっかりして……!高嶺ちゃん!?」

 

「叶星様?なんかヤバそうだな……」

 

「猶予はなさそうですわね……藍さん、ミリアムさんは突入を。隼人さんは周囲のヒュージ撃破を確認次第、高嶺様の救助を!」

 

明らかに取り乱した声を聞き、先程の強行突破突破手段を実行するに至った。

ルナティックトランサー状態の藍が空中から急降下と、大上段に構えたCHARMを全力で振り下ろすことを重ね掛けして、高嶺に近づいていたヒュージを一撃で全滅させる。

その後、少し離れていた場所にいるヒュージをフェイズトランセンデンスを使ったミリアムの射撃による掃射で纏めて倒す。

 

「高嶺様、しっかり!」

 

「ミリアム、大丈夫?」

 

「すまんの。結梨……ちょっと頼むわ」

 

フェイズトランセンデンスを使った後はマギの大量消費で倒れてしまう為、ミリアムも結梨に連れられて退避することになる。

その後、藍を戦闘に安全圏が確保できるまで進撃し、大丈夫になり次第即座に三レギオンで集結する。

 

「高嶺ちゃん、大丈夫……?」

 

「どうにかね……ただ、暫く……動けそうにないわ……」

 

「(受容量が低いと、こうなっちゃうのか……)」

 

脈等に問題は見られないが、力は入らないようで、暫く休ませなければならないのは明白だった。

また、他のメンバーもかなり消耗している様子が見えており、グラン・エプレのメンバーは少しの間回復に専念して貰い、戦闘は避けて貰った方がいいだろう。

 

「この近くに、待機が可能な場所があるみたいですが……」

 

──このヒュージを突破していくしかなさそうですね。行き先には多くのヒュージがいて、更にはノインヴェルト戦術で消耗してしまったマギの量から闇雲に戦うのは少し危険にも思える。

ではどうするべきか。そこに焦点が向くことになる。

 

「あ、あのっ!一ついいですか?」

 

悩んでいるところに二水の提案がやってきた。




このペースで行くともう少しで終わりになりそうです。

以下、解説入ります。


・グラン・エプレの皆さん
1話11辺りで結構ヤバイ状況になってて、12に来て高嶺がダウンは原作まま。


・新種ヒュージ
まさかの共食いで学習共有とかいうチート能力持ち。
完璧?な仮死状態になれるのも控えめに言って反則。


・如月隼人、一柳結梨
それぞれ縮地で味方の救援。
結梨は最後のパスを梨璃へ、隼人は恋花と牽制が原作から追加。


・施設の三人
状況が状況なので、アリスが緊急出撃。
どの辺りで、誰と合流する?

特型ヒュージを討った後、隼人の行き先は?(選ばれなかった行き先の場所は原作とほぼ変わらないので、スキップします)

  • 新宿
  • エレンスゲ
  • 神庭女子
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