吉報?いいえ悲報。   作:愚聴の民

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作者は直ぐに失踪するので……。
待って頂いた方々、(居ないかもしれませんが)すみませんでしたm(*_ _)m


夢から見た夢

 

「自己矛盾型特異点だったか……ヤバ。」

 

 

現在、夢野久作は困惑していた。

 

 

目の前に聳え立つのは何処か窮屈な病棟。背には鬱蒼と茂る木、木、木。

 

 

何故こんなことになったのか。頭を冷やそうと今まで自分の身に起こったことを振り返るのであった。

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

例の事件は、警察の事情聴取だけで収束した。

 

流石にソレはどうなのかとは思ったが、被害が云々、法律が云々と言いくるめられた。前世で培った交渉力で応戦しようとするも、管理人に咎められてしまい不容易に口を出せなくなってしまった。……どうやら精神年齢に引っ張られているらしい。

 

足下に取り憑いていた少女も何時の間にか眠ってしまい、説得材料無し。立つ瀬無しで立ち往生。そうこうしている間に警察官も立ち去ってしまった。何しに来たんだアイツら。

 

却説(さて)

 

今回の事で解った事だが、どうやらここは擂鉢(すりばち)街近郊の孤児院で、ポートマフィアが仕切る一区画でもあるらしい。

 

そして、今日のような事が以前にも合ったらしく──警察もあの対応って事だ。納得はいく。

 

……この孤児院に居るのも何か悪いような事をしているような感じがするなぁ……否、実際に不本意だけど事件起こしちゃってるけど。

 

…………で、だ。俺…………否、僕?私?まぁ、ボクで良いか。原作とは違い「女」になっている訳だが、ポートマフィアに遭遇しないようにするのは諦めた方が良いかもしれない。

 

まぁ、少なからず勧誘を受けることは間違いないだろうな。え?自意識過剰だって?否々、マジで。

 

…………ホントに。ここだけの話だが、此の孤児院、何かがおかしい。警察がこの頻度で来ているにも関わらず管理人はどこか距離を取っている様子が見られるのも一因。……初めは後ろめたい事があるのかと予想していたが………一週間に二、三回の頻度で管理人は何処かに連絡している。その事実だけで「あれ?なんかバレてね?」とか勘付いてしまう…勘違いかもしれないが。

警察でも、ましてや友人と話しているようなモノでは無く、事務的な、淡々とした口調で報告を行っている現場を何回か盗聴……否、目撃した覚えがある。

子供達の就寝する時間を見計らっての行動だったが、妙にその辺りが手慣れてたんだよな……怪しい。

この前なんか、「異能力が……」とか口走ってたよな……

多分、バレてる。否、確実に。

 

はぁ……胃が痛い。

 

その問題も大切だが、この身が変質してから二ヶ月弱。異能についての収穫は無い。と、いうか。使いどころがないのだ。

しかも例の事件以降、あの少女を初めとした幼子達がボクを慕うわ慕う。これじゃあ異能の実験をするにも出来ないし、やったはやったであの子達が調子に乗って何かを()()()()かもしれない。

夜中にやろうにも管理人が……つまり、今のところ思いつく策も無いのである。

 

だが、吉報が一つ。以前、管理人に「孤児院を出たい」という旨を伝えたのだが、その返事が来たのだ。

曰く、「それは駄目だ。だが、特別に、一日だけ外出許可を出そう。」との事。嗚呼、ちゃんと「擂鉢街の方向へは行くな」と念を押された。……

 

 

ってな訳で。

 

 

今日は擂鉢街に来ております!!

 

残念だったな!約束は破る為に(ry

 

正確には並び立つ納屋の一室を盗…借りているだけなのだが。まぁ、襲われなけりゃ問題無いでしょ。

 

一つ二つ問題は発生するかもしれないし、先に自衛のための異能を確認しておきたい。

 

 

(そもそも)『ドグラ・マグラ』とは、夢野久作(実名/杉山泰道)が手掛けた小説の一つであり、日本探偵小説三大奇書に数えられている傑作である。

 

ボク自身も読んだことがあるのだが、筆舌に尽くし難い内容……どう生きればそんな文が思い付くのか、ただ只管(ひたすら)に文に狂っていたとでも言うべきか困惑せずには居られない内容だった。

 

ふむ、そして其れがボクの中にある訳だ。……ふむ。

 

ハハ。死んだなこりゃ。

 

原作の久作が制御すら出来ないのにムリだよムリ。いっそこのまま狂ってしまおうか。

 

でもなぁ、原作が悲惨すぎんだよなぁ…

 

時間軸的に数年もしないうちに十五歳編。ボクは大凡(おおよそ)五歳程度で……待てよ。異能の制御次第では例の争いに参加しなければならないのか?

 

脳裏に浮かぶのは、ヨコハマを覆い尽くす程の巨体。

 

待て、落ち着け。竜頭抗争もヤバいが魔獣ギーヴルもヤバい!安全策も無いし、あぁぁ。どうしよう。どうするのが正解だ?

 

 

…取り乱した。まぁ、やるだけやってみよう。失敗すれば死んでしまうかもしれないが、やらなければ死ぬ光景しか見えない。

 

しかも、少しは成功する希望もある。原作と違って異能が変化しているのは身をもって体感したからね。よし、保険は十分に掛けたからな!

 

 

今から実験する内容は、自分が自分を傷付けると異能は発動するか否か。

 

 

こうなりゃとことんやってしまおうじゃないか。

 

 

剃刀を二の腕に当て、覚悟を決めた。

 

 

 

 

 





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