転生TSサキュバスは独占欲が強い   作:葛城

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第九話: その産声は誰にとっての祝福か

 

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………しばしの間、私たちは何も話さなかった。

 

 

 それは、彼女の語った過去(前世)のせいである。

 

 けれども、気まずいわけではない。

 

 ただ、私は……彼女の事を、羨ましいと思った。

 

 

 ……何となく、彼女は彼女なりに満足の行く人生を送れたのだろうということが、窺い知れたから。

 

 

 

 ──対して、私はどうだろうか? 

 

 

 

 過去を、前世を、静かに思い返しながら……私は、彼女とは別の理由で苦笑を零さざるを得なかった。

 

 

 ──考えるまでもないことだ。

 

 

 過去にそのような者がいなかったから、私はこうなった。だが、それを悲しむ必要も、悔やむ必要も無い。

 

 これから、私は作ってゆくのだ。愛しき彼らの『愛』を、得る為に。彼らの『愛』を掠め取る『敵』から、彼らを守る為に。

 

 

 ……だが、どうしたものか。

 

 

 そこまで考えた辺りで、私は何時ものように思考の行き止まりに来てしまった。そう、何時も、そこから先が分からない。

 

 現状のまま進んでも、結局は現状からほとんど進めないのだ。

 

 多少なり私の立ち位置が変わり、掌から零れ落ちる『愛』が少しばかり増減を繰り返すだけだ。

 

 

 もっと……こう、劇的な何かが必要なのだ。

 

 

 それは、今じゃなくていい。何百年掛かっても、仕方がない。

 

 だが、いずれは……耐え忍べば、何時かは……そんな何かが必要なのだ。

 

 

 ……まあ、その肝心な何かが分かれば、誰も苦労は「──そうそう、私が声を掛けた理由は、貴方が何処かあの人に似ていたからです」──と? 

 

 

 坩堝に入り掛けていた私の思考を引っ張り上げたのは、彼女であった。

 

 見れば、彼女はだらりとその場に寝転がった状態で、こちらを見上げて……そういえばこの人、ずっと裸だ。

 

 

「何と言いますか、性根が何処か似ているんですよね、貴方とあの人は」

「……ちなみに、何処が?」

 

 

 少しばかり考えてみたが、全く想像がつかない。なので、率直に尋ねてみれば、「そんな様になっても、まだ善性を捨てきれない点ですね」彼女はズバッとそう言ってのけた。

 

 

「でもまあ、あの人は成ってしまった原因を自らの手で下したからこそ、踏み止まれた。対して貴女は、その原因となる相手が存在しないから、踏み止まるも何も無い」

「…………」

「『拗らせた』」

「──っ!」

「その一言で貴女の全てを片付けるのは簡単です。貴女の努力が足りなかったと、貴女に責任があると、貴女の落ち度をこちらに押し付けるなと、それで終わらせるのは実に簡単です」

「……それ、は」

「だが、皆様がそれで片付けてしまうからこそ、貴方と夢魔は適合し、そんな様になってしまった。貴女自身に責任が有ると断言すればするほど、貴女はより頑なにその在り様を強固なモノにしてゆく」

「…………」

「貴女の最後の情けである、その『善性』の皮を被った未練が、何時まで続くのか……それは私にも分かりません。ですが、このまま行けば必ず……その時が、最後となるでしょうね」

 

 

 何が、とは、彼女は言わなかった。

 

 私も、その事を尋ねようとはしなかった。

 

 

「──で、どうします? 物凄く痛くて苦しくて、10回やれば9回は死ぬぐらいにはのた打ち回るけど……耐えきれますか?」

 

 

 何故なら……その問い掛けを成された時点で、既に彼女は私の望みを理解していて、私もまた彼女がソレを成せることを理解していたからで。

 

 

「……良いんですか? 結果次第では、とんでもないことになるやもしれませんよ」

「男と女、彼らと彼女らが互いに手を取り合っている間は、何の問題にもなりませんよ。所詮、その程度の話ですからね」

 

 

 ──言い換えれば両方が、あるいは片方が増長したり胡坐をかいたりしたら……その限りではありませんけども。

 

 

 そう、誰に言うでもなくあらぬ方向へと呟いた彼女は……無言のままに身体を起こし、私の額に指先を当てると。

 

 

「    」

 

 

 ポツリ、と何かを呟いたかと思ったら。

 

 

 ──ずぶり、と。

 

 

 彼女の指先が、私の頭の中へと突き刺さった。

 

 痛みは無く、何とも言い表し難い違和感に目を瞬く私を他所に、彼女はにんまりと気味の悪い笑みを浮かべた。

 

 

「最後に聞いておきますか。貴女は、貴女の愛する者たちの何になりたいのですか?」

「──全て、です」

 

 

 問い掛けに、私はほとんど考えずに答えていた。

 

 けれども、それは紛れもなく私の本心であり、私が私として成ったその時から求め続けているモノであった。

 

 

「私は、愛しき彼らの、愛しき者になりたいのです。そして、彼らの親であり、兄妹であり、友達であり、強敵であり、子供であり……彼らの全ての唯一になりたいのです」

「……なるほど。そこまで突き抜けてしまっているのなら、もう何も言いません」

 

 

 そう、彼女が告げた、その直後。

 

 

「──恋の戦争には如何なる無法も正当化される。せいぜい、未来の人々が仲良くやっていけるようにと祈っておきましょうかね」

 

 

 その言葉を最後に、びりりと痺れが脳天を走って──あっ──。

 

 

 

 

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………。

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………。

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………。

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………温かい、日の光。長い、夢を見ていた気がする。

 

 

 そう、私が自覚したのは、全身の骨と筋肉が無理やり剥がされ、それを適当に糊付けされていくかのような……強烈な不快感と、激痛の最中であった。

 

 

 そうだ、激痛だ。

 

 

 痛みには強い(どうも、サキュバス特有らしい)私ですら、指一本動かすことすら出来なくなるほどの、凄まじい痛みであった。

 

 

 ……あまりの痛みに、それが痛みであることすら一瞬ばかり分からなくなる。

 

 

 だが、気を逸らすなと言わんばかりに放たれる激痛が気付けとなって、すぐに無理やり分からされてしまう。

 

 どうやら、気絶することすら、今後は難しそうだ。

 

 

(……内臓が破れたとか、そういうわけではなさそうだな)

 

 

 下腹部が……濡れている。

 

 臭いからして、軋みに耐え切れずに起きた出血が膣と肛門から……他は、反射的に噴き出した分泌液と考えるのが妥当だろう。

 

 幸いな事に……という言い方も変だが、軽傷だ。加えて、大便等は漏れていないようだ。

 

 まあ、サキュバスは排泄物に関する部分は自由自在。衛生的に考えれば有るだけ害にしかならないから、作られないように体内を調整していて助かったというわけか。

 

 

 ……さて、と。

 

 

 ひとまず、今すぐの死の危険はないことは分かった。

 

 それで、視界の大半は……土で遮られている。どうやら、私はうつ伏せになっているようだ。

 

 頬に当たる土の臭いと冷たさと……唇に付着した、ざらざらとした苦味。不快感しか覚えないが、今の私にはどうすることも出来なさそうだ。

 

 

(……ああ、そうか。そういえば、そうだったな)

 

 

 あまりの苦しみに、どうして私がこんな状態になっているのかを少しばかり忘れる。

 

 けれども、痛みと引き換えにして己の中に刻まれていくモノを感じ取った私は……堪らず、笑みを零した。

 

 

「──こふっ」

 

 

 途端……こみ上げてきた熱を堪えきれず、吐いた。

 

 ごぽっ、と、鮮血が飛び散って土に塗れるのを見やった私は……そのまま、何も出来ずにぼんやりとソレを見つめる。

 

 

 本当に、全く動けない。指先一つ、動かせない。

 

 まるで、神経の一つ一つに針を刺されているかのようだ。

 

 

 信号が通るたびに走る激痛に耐えて動かそうとしても、途中で回路が断線しているかのように言う事を聞いてくれない。

 

 それならばいっそのこと、痛みも消えてくれたら良いのだが……そう、上手い話はないようだ……と、そういえば。

 

 

(彼女の気配がしないな……なれ合うつもりはないということか?)

 

 

 顔を上げることが出来ないから、気配でしか探れないが……少なくとも、私の周囲……いや、この屋敷の周辺にもいないようだ。

 

 

 今は……何時なのだろうか。

 

 

 身体に降り注ぐ暖かさと、明るさから、今が日の光が出ている時間であるということは分かるが……それだけだ。

 

 私が何処で寝て、どうなってこの体勢になって、どれ程の時間が経ったのかが全く分からない。唯一それを知っているであろう彼女の気配も、ここにはない。

 

 

 ……これ以上は助けるつもりも見守るつもりも無い、という事なのだろう。

 

 

 おそらく、そこが彼女の線引きなのだと思う。

 

 死ぬなら死ぬし、死なないなら死なない。それ以上でも以下でもない、彼女の内心に触れたような気が……っ! 

 

 

 めきめき……と。あるいは、びりびり……と。

 

 

 体内で、骨と筋肉が擦れあう。あるいは、細胞が解けて千切れていくようにして軋むのを感じ取った私は……軽く、顔をしかめる。

 

 ……表情一つまともに動かせないのに、表情が動くという事は……ご想像の通り、物凄く痛い。痛すぎて、視界が点滅するぐらいに。

 

 

 とはいえ、我慢する他あるまい。

 

 

 既に魔法が施された後だし、止める術も持っていない。そもそもこれは、強引に『魔法』を得る為の、代償だ。

 

 彼女がそうであったように、この世界では『魔法』は異物。

 

 自分で持てる程度の物を軽く動かしたりする程度ならまだしも、私が習得しようとしている『魔法』は……『世界の許容範囲』を超えている。

 

 

 ……例えるなら、『現実(リアル)』に『幻想(ファンタジー)』を持ち込み、『幻想』を『現実』に変えるようなものだ。

 

 

 世界が変われば法則が変わる。

 

 その世界で存在する以上は、その世界の法則に縛られる。

 

 転生の度に、自覚も無く思い知らされてきた事。

 

 おそらく、それは彼女にもどうすることが出来ないものなのだろう。

 

 何せ──彼女もまた、『魔法』を得る為に、あのような異形の姿になっていたのだから。

 

 法則に逆らうには、相応の代償を支払わなければならないということなのだ。

 

 

(……そう考えれば、苦痛で済むぐらいは、まだ優しい代償なのだろう)

 

 

 とはいえ、二度と味わいたくはない苦痛ではあるけれども。

 

 まあ、本来であれば不可能な事を成せるようにするわけだ。

 

 愛しき彼らの為にも、私が目指す先に行くためにも、これぐらいは耐えねばならぬというわけ──っ!? 

 

 

 その瞬間──視界が暗転した。文字通り、いきなり夜になったかと思うぐらいに、いきな──あっ。

 

 

 突然の事に面食らっていた私だが、直後に悟る。これは、アレだ。潮の満ち引きのように、おそらくは最大級の激痛が来る……前触れだ。

 

 その証拠に、先ほどまであった身体の痛みが一気に消えた。だが、回復したわけでも完治したわけでもなければ、代償を支払い終えたわけでもない。

 

 

 ……じわじわ、と。

 

 

 感覚の、はるか彼方から。目を凝らしても薄らと見えるか見えないかの、遠い彼方から。とんでもないソレが、地響きを立てて近づいてくるのを……私は感じ取った。

 

 

(──っ)

 

 

 悲鳴すら、上げられなかった。何故なら、逃げられないから。どう耐えれば良いのか、どうすれば良いのか分からなかった私は、せめてもの抵抗と言わんばかりに歯を食いしばり、身体を丸めた。

 

 

 ……来る。

 

 

 …………来るぞ、もうすぐ来る。

 

 

 来る、来る、来る、来るぞ、来るぞ、来る来る来る──あっ。

 

 

 

 ──来た。

 

 

 

 そう思った瞬間──食いしばった奥歯が、ばきりと砕けた音がした。と、同時に、抑え込もうとした激痛に──身体が、文字通り裂けた。

 

 

 

 

「           」

 

 

 

 

 酷い  音が   骨  肉 血が 

 

 

 

 血が  骨  酷い  肉  割れ 

 

 

 

 いた  痛い   痛い   痛い

 

 

 

 痛い  いた  痛い 痛い 痛い

 

 

 

 

 ……。

 

 

 ……。

 

 

 …………そのまま、どれぐらいの間のた打ち回っていたのだろうか。それは、当の私には全く分からなかった。

 

 

 とりあえず……今が昼間で、私はお日様の下で天日干しになっていて。

 

 そして、幾ばくかの肌寒さから、今が秋口であるということと。

 

 正確な日数は不明だが、相当な月日が経っているということだけは、何となく分かった。

 

 何せ、ふっと目が覚めた私が目にしたのは、ぼうぼうに生え捲った雑草と、それはもう何処ぞの廃屋かと思うぐらいにぼろぼろになっていた、我が屋敷であったから。

 

 

 ……なにこれ、あの世? 

 

 

 思わず心の中で呟いた私は、気付けば痛みが消えている手足で踏ん張って、身を起こす。

 

 途端、ばりばり、と身体中の至る所で抵抗を覚え……何気なく見下ろした私は、思わず目を瞬かせた。

 

 

 何故ならば……己の真下に、私の身体が有ったからだ。

 

 

 だがそれは、ただの身体ではない。まるで、抜け殻のように全身の皮だけがそこにある。

 

 その背中は大きく引き裂かれ、今しがた私が出てきた辺りに、まだ生暖かい粘液でべちゃべちゃしていた。

 

 

 ……まるで、脱皮したかのような……無言のままに、脱げ殻をひっくり返す。

 

 

 そこには、多少なり皺でよれよれになっているが……確かに、私の全身が有った。ぽかりと空洞になった眼孔と口の穴を見やった私は……そのまま、抜け殻から足を抜いた。

 

 

 途端、抜け殻が……どじゅう、と音を立てていきなり蒸発し始めた。

 

 

 あまりに突然のことで「──うわぁ!?」飛び退く私を他所に、瞬く間に前が見えなくなるほどの煙が立ち上ったかと思えば……すぐに、跡形もなくなってしまった。

 

 

 ……中身の私がいなくなったことで、『完全な異物』である抜け殻がこの世界から排除されたのだろう。

 

 

 調べる術はもうないが、可能性としてはコレが高い。

 

 そう結論を出した私は、さて……と気持ちを切り替えると。

 

 

「……うわぁ」

 

 

 そうして……改めて辺りを見回した私は……思っていたよりも色々な意味で酷い有様となっている惨状に、頭を掻いた。

 

 

 

 ──まず、屋敷の方。

 

 

 

 そっちは純粋に、月日による建物の劣化が目立っている。

 

 しかし、よくよく目を凝らしてみれば……まるで熊でも暴れ回ったかのように、内装もボロボロになっている。

 

 砕けた机に、びりびりに破かれた襖。二つに断たれた畳に、天井にまで飛び散った鮮血に、あちこちにこびり付いて変色した痕の……見れば見るほど、酷い。

 

 覚えはないが……苦痛を紛らわす為に暴れ回ったようだ。

 

 パッと見た限りなので分からないが、たぶん、奥の方もボロボロだろう。辛うじて確認出来る痕が、家の奥へと続いているのが見えて……思わず、私はため息を零した。

 

 

(魔法を覚えて、最初にすることが自宅の修繕とは……な)

 

 

 何とも締まらない話だが、新しい家を作るにしろ、買うにしろ、それまでの拠点は必要だ。

 

 ひとまずは……そう判断した私は、ぱちん、と指を鳴らした。それは、感覚的には既に身に付いている『魔法』を発動させる、スイッチであった。

 

 

 ──変化は、すぐに起こった。

 

 

 私の中で蠢いていた『力』が瞬時に『魔法』へと注ぎ込まれ──直後、バキバキと屋敷全体が軋み、脈動するかのようにゆらゆらと揺れ始めた。

 

 少しばかりの間を置いて……砕かれ、切り裂かれ、破かれ、雨風にさらされてボロボロになった屋敷が……息を吹き返すかのように、新品同然の姿に戻ってゆく。

 

 散らばっていた破片が集まり、艶やかな机に。

 

 破かれていた襖からはカビが消えて戻り、鮮やかな風景画が。

 

 芯が折れてくの字になっていた畳はまっすぐに、青々となって。

 

 屋敷のいたるところに飛び散っていた様々な痕も、蒸気のように立ち昇って消えて。

 

 そのまま、5分も経つ頃には……すっかり、荒れ果てる前の姿に戻っていた。特に、驚くことはない。何故なら、私はもうそれを知っているから……と。

 

 

 ──くらり、と。視界が揺れて、思わずその場にたたらを踏む。

 

 

 地震……いや、違う、立ちくらみだ。

 

 私の身体が、この魔法を行使するには些か脆すぎるせいだろう。習得出来たはいいが、本来ならば、私ではどう足掻いても力不足なのだから。

 

 何故なら──彼女より与えられた『魔法』とは、ずばり『望む事すべてが叶う』という、反則級の『魔法』だからだ。

 

 

(……下手に無駄遣いせずに『力』を溜めておいて良かった。で無ければ、家の修繕も出来なかった)

 

 

 もちろん、品物が大きい分、支払い額も増大する。例えるならこれは、限度額が無制限のクレジットカードみたいなものだ。

 

 本来ならば私の身では扱えない魔法を、このカードを使って扱うことが出来るようにはなったが……当然、使う魔法に応じて『力』は消耗する。

 

 

 しかも、私の場合は通常とは違い、割高な手数料も支払う必要がある。

 

 

 普通の人間が使えば、即座にミイラ化する。そうならなくとも、十数日は昏倒するほどの……おかげで、『力』の消耗具合が半端ではない。

 

 さすがに命の危機という程ではないが、これまでのようにちまちま3日間も時を開けては……回復までに相当な月日が掛かってしまうだろう。

 

 

 ……つまり、魔法を習得したからといって、そう何でもかんでも出来るようになったというわけではない、というわけだ。

 

 

 けれども、私の心は晴れやかだった。

 

 何故なら、もう私には手段があるからだ。

 

 今すぐは無理でも、時間を掛ければ成すことが出来るようになっている……その違いは、天と地ほどの距離があるのだ

 

 

 ……さて、と。とりあえずは、だ。

 

 

 何時までも悦に浸っている暇はない。私の時間は長くとも、愛しき彼らの時間は短いのだ。

 

 さっさと中へと入り、化粧台へと向かう。そこには、同じく魔法で復元した手鏡があって……それを手にした私は、己の身体の状態を目視で確認する。

 

 

「……姿形は変化無し。不自然なところも無い、か」

 

 

 翼も出して、一つ一つ。しっかり隅々まで確認し終えた後。

 

 次いで、手入れが成されず荒れ放題の外を見やった私は、裸のまま向かい……太陽の光に、総身を晒すと。

 

 

「……さあ、これからだ。これで、やりたかった事を始めることが出来るぞ……!」

 

 

 今後の事を思い……思わず、私は笑みを浮かべ、股を濡らしてしまうのであった。

 

 

 

 




最大の弱点を克服した主人公

これは生存競争だから、一切の慈悲は無いのである
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