1話を読んでくれる方は分かると思いますが駄作なんでご注意下さいませ。
10分程して博霊神社に到着した。これまでの道には無かった人工の石畳でできた地面、それに階段。やはり人の住んでいる形跡が見られると安心するな。
階段を上っていき、神社の中へと入る。
「とりあえず傷の手当てでもしてあげるわ。」
「………あれ。」
自分の腕を見た俺は戦慄した。何故ならつい10分程前まであった傷が完全に治癒していたからだ。傷があった場所をさすってみるも、全く痛くも何ともない。
「どういうことなんだ…。」
「あぁ、たぶん能力が発揮されたのかもしれないわね。」
「能力?」
「えぇ、ここに来ると何かの能力が使えるようになることがあるのよ。因みに私の能力は、空を飛ぶ程度の能力よ。」
「つまり俺にもその○○程度の能力が備わっているというんですか?」
「唯斗は細胞を操る程度の能力ってのが備わってるみたいね。」
「なるほど…しかし何故に能力なんて……。それにここはどこだ?」
「ここは幻想郷という世界で唯斗が元々住んでいた世界とは全くの別のものよ。通常の人間が幻想郷に来ることは例外を除いてほぼ無いわ。」
「ふむ、その例外とは?」
「そうね、例えば通常の世界で生活をしているのに能力が使えたり、何か強大な力を持っている人なんかは幻想郷に来る可能性が有るわね。」
「どちらも当てはまりそうに無いんだがな…」
「それなら、残る答えは…。」
「なんなんだ?」
「たまたま偶然ここに辿り着いたもしくは、何者かによって選ばれた…と考えるのが妥当ね」
「選ばれた…?」
「そう、たまに通常の世界の人間をこっちに連れてくる妖怪が居るのよ。」
「へぇー、そんな奴が居るの…って、妖怪!?ここそんなの居るのっ!?」
「えぇ、居るわよ。私が撃退したアイツも恐らく妖怪のはずよ?」
「えぇ…何しれっと妖怪退治してんすか……」
「あら、博霊の巫女の本職は妖怪退治よ?」
「まじかよ、この世界もうこえぇよ。元の世界に戻る方法とか無いんですかねぇ…」
「有るっちゃ、有るけど……。生命力を維持しつつ、五体満足で帰れる確率は皆無ね。今から試してみる?」
爽やかな笑顔で霊夢が言った。
「あ、大丈夫です。この世界を満喫しますんで。」
ていうかこの人こえぇよ、妖怪なんかより絶対おっかないよ。あんなに爽やかな笑顔で恐ろしい事言ってきたよ…。
「そう、せっかく新しく作った結界の実験ができると思ったのに。」
こえぇぇぇぇぇ!!絶対この人既に何人か殺ってるだろ!目付きからして絶対やってるわ!
「あら霊夢、新人をそんなに怖がらしたら駄目じゃないの。」
何も無い場所から声が聞こえてくる。
「あぁ紫、来てたのね。冗談に決まってるじゃない。」
何も無かった場所に黒い空間が現れ中から一人の女性が現れた。
「ハロ~♪」
「はいはい、スキマ妖怪は帰った帰った。」
「え、妖怪?まじで?」
見た目はごく普通の人間だ。特異なのは下半身が黒い空間の中に入っていて見てないこと……。
「あ~言い忘れてたわね。幻想郷には人と同じような見た目をした妖怪が居るのよ。」
「そうよ~。私はスキマ妖怪の八雲紫よ、よろしくね♪」
「どうも、よろしくっす。」
「ところで唯斗はこれから幻想郷でどうやって暮らすの?」
「あぁ、全くもってあてがなくて困ってる。
」
「じゃあ、この神社に居候すればいいじゃない。」
「それだっ!」
「はぁ?ふざけんじゃないわよ!却下却下。」
間髪入れずに霊夢が却下してきた。名案だと思ったんだがな…。
「だいたい私は巫女の仕事で忙しいのよ?」
「あら、仕事なんてほとんど無いくせに。毎日修行もせずにグ~タラしてるだけでなくて?」
「そ、そんなことないわよ。それに私は修行なんてしなくても大丈夫なの!」
「霊夢ってそんなに強いのか?」
「えぇ、幾度となく異変解決してきたからそれなりの実力はあるわ。まぁまだまだ私の実力には追い付かないけどね~。」
「言ってくれるじゃない!封印するわよ!」
「やれるもんならやってみなさ~い♪」
「このスキマBBAが…!」
「まぁそんなに元気なら唯斗に能力の使い方その他もろもろを教えてあげなさい。あと霊夢、BBAは止めなさい。」
「くっ、はめられたわね…」
「まぁ自業自得ね。」
「えっと、じゃあ俺はここに居て良いのか?」
「居ても良いけどちゃんと働いて貰うからね。さもなくば追い出すか封印するわよ。」
「こ、心得た。」
なんだろう、今とっても物騒な言葉が聞こえた気がする。空耳だと信じたい。
それにしてもあの八雲紫…話からするに霊夢よりも強いのか。
「危うくここに来た本題を忘れるとこだったわ。」
「まだ何かあるの?さっさと帰りなさいよ。」
「…近頃謎の死を遂げる妖怪が増えているわ。死体には目立った外傷もなく死因も不明。今永遠亭の医者達に調査を依頼してるのだけど、かなり難航してるのよね……。」
「で、その謎の死は異変なの?」
「現段階では何とも言えないわね…。ともかく、いつ何が起きても良いように準備をしておくことね。」
「分かったわ、その日に備えてたっぷりと休んでおくわっ!」
親指を立てて満面の笑みで言い放つ。霊夢…それでいいのか…?
「それと唯斗、もうすぐ貴方と親しい人物もコッチに来るわ。」
「親しい…人物?」
「えぇ、貴方も一人じゃ寂しいでしょ?」
先ほど霊夢の言っていた言葉が頭をよぎる。
ー「たまたま偶然ここに辿り着いたもしくは、何者かによって選ばれた…と考えるのが妥当ね」ー
「…もしかして俺がここに来たのはアンタが、俺を選んだからなのか?」
「その事については今は教える事はできないわ。その時が来たら教えてあげるわ。」
「やけに曖昧な返答だな。」
「トップシークレットなのよ、貴方の情報は。」
質問をしてみるも明確な返答は返ってこない。理由を教えないか、八雲紫…裏で何か企んでいるのか?俺を利用するためにこの世界に連れてきたのか…?
「チッ、まぁ良いさ。その時とやらを気長に待ってますよ。」
「じゃあ伝える事は伝えたから帰るわね。」
そう言うと紫は黒い空間の中に潜り込んでいった。間もなくしてその空間も消えた。
八雲紫…要注意人物といったところか。もはや人じゃないのだがな。
「えっと、そんなに気を悪くしないでよ。紫は確かに裏で何やってるか分からないような面も有るけどいい妖怪よ?」
霊夢が苦笑いをしながら紫のフォローをしている。いい妖怪…ねぇ……。
「霊夢、八雲紫について詳しく教えてくれないか」
「えぇ、別に構わないわよ。まず紫の能力は境界を操る程度の能力よ。さっきみたいにスキマと呼ばれる空間を使って何処にでも現れるわ。それに幻想郷最古の妖怪の一人にして、最強の妖怪と呼ばれているわ。」
「最強の妖怪…か」
「あと紫は幻想郷を守るために展開されている結界の管理もしているわ。」
「なるほど、ありがとう。」
事実上紫が幻想郷のトップなのだろう。そしてそういう奴等は大抵何かしらの野心を抱いている事が多い…。最も妖怪に当てはまるかは分からんのだがな。ともかく今は紫の事を詮索しても無駄だろう。この幻想郷の事すらほとんど分かっていないのだから。
それと親しい人物か悪友のアイツ…くらいしか居ないんだよな親しい人って…。何だか面倒な事になりそうだな。
「唯斗、どうしたの?」
色々と考え込んでいる俺に霊夢が声をかける。
「あぁすまんな、少し考え事を…」
「それなら良いけど。あと明日幻想郷の事を紹介してあげるわ。」
「それは有難い。ここで暮らす事になったからには位置情報も把握しておいた方が良いからな。」
なんだかんだでもう外は暗かった。思ったより長い間話してたみたいだな。
それから霊夢が作ってくれた夕食を食べ、適当に談笑した後に寝た。色々と予測できない事態の連続だったため体が疲れていたのか、思いのほかすぐに寝ることができた。
因みに更新は不定期です、でも頻度はそんなに高くないと思われますw