聖遺物の守護者っていうありふれない職業で無敵。 作:気まぐれな富士山
「木刀って言っても、戦闘となると使い様だな!」
「っ、集中しろっ!」
抜き打ち、腕の振り、間合。
感覚を上昇させてる訳じゃないけど、頭の中でイメージした通りに八重樫が動く。
「実戦経験の有無で、ここまで差があるとは·····!フッ!」バシッ!
「っく!」カラン
「剣士の勘ってやつか··········ほれ、一本だ。」
「··········本当に凄いのね、その能力。あんたに一本取られるなんて、中学以来だわ。」
「ホントだよ。あん時お前ピリピリしてたからな〜。」
「まぁね。まだまだ未熟だったから、なんて言ったら変だけど··········」
「ハッ、高校生で『あの頃は未熟』って。お前はもう一人前にでもなったつもりかよ。」
「··········まだまだね。斬りたいモノを斬るっていうのには遠く及ばないか。」
「お前はそのまんまでいい。いきなり変われたら、ソイツは人間じゃねぇからな。」
「確かに。よーく考えたら、シンジも全く変わってないわね。」
「手前もな、雫。」
コツンと拳を合わせる。
俺は俺なりに色々考えて、こいつはこいつで結構考えているのだろう。
だから、これは気を使わなくていいという合図だ。
「あ、そんな凄い技出せるようになったならさ、ステータスプレート見てみれば?」
「あーそういや見てなかったな。」
えーと、ステータス、ステータス··········
『S T A T U S
Name 西田シンジ
Lv 8
天職
筋力 290
体力 300
耐性 250
敏捷 310
魔力 300
魔耐 300
スキル 顕現・召喚・思考連結・思考加速・縮地・記憶強化・記憶超過耐性・転送・病弱・言語理解』
こんな感じか。
この様子なら、中世の英雄までなら楽勝そうだな。
アニメの武器も多分いける。
「凄いわね!レベル8でこれ程なんて··········」
「多分、武器の性能がそのまま俺の性能ってことだ。しかし、耐久だけは人並みって訳か。」
「その刀、折れないの?」
「聖遺物は基本壊れないんだよ。しっかし、この病弱って、どんなスキルなんだ?」
「なんだか弱そうなスキル··········」
「まあ、いっか。一旦、その他のスキル確認と行こう。」
「じゃあ、私は行くわね。」
「訓練か?」
「うん。あんなの見せられて、滾らないハズないからね!それに、強くなって、とっとと帰るんだから。」
「ほんとそれな。じゃあ、頑張れよ。」
雫も頑張ってるな··········
もう少し色々顕現してみるか。
〜オルクス大迷宮攻略 3日前〜
「おいおい、こんな低レベルで攻略出来んのかよ。」
「低レベルって··········どれだけトレーニングしてもそんなに上がらないんだけど。というか、なんで西田くんはなんでもうレベル36なんだよ。成長しすぎじゃない?」
「アニメの武器ガンガン顕現させたからな。流石に可能性の幅があると言っても、主人公の生い立ちとか見てると楽なもんだぜ?」
「そういうものか··········歴史の武器は?」
「ぜぇーんぜんやってない。範囲がやっぱ日本史に留まるな。世界史レベルは神代の記憶まで入ってきて、途方もないからさ。」
「··········凄い、ほんとに凄いよ西田くんは。」
「そーかな?··········そうかもな。」
「今度の迷宮攻略、僕も何かみんなの役に立てればいいんだけど··········全然で。」
「お前はお前のすべき事をすりゃあいい。そうすれば大抵なんとかなるって。」
「···················· 」
南雲ハジメの弱点は、その自己肯定感の低さにある。
確かにステータス的には、お世辞にも強いとは言えない。
しかし、だからといって悲観的になることは無いと、自らの株を押し上げることが出来ないのだ。
「ガンダムの件、考えといてやるよ。」
「ッ!本当に!?」
「おう。オルフェンズでもユニコーンでもGガンダムでも何でもこい。ただ、渡すのはちょいと先になるが··········」
「待つ待つ!絶対待つよ!」
「言ったな?よし、じゃあ今度の大迷宮、必ず生きて帰ってこい。その時に渡してやるよ。」
「ッ!··········うん!」
「フッ、いい返事だ!」
これで、少しでも生きる活力にはなったか。
「じゃあ、僕行くね。また後で!」
「おう。頑張れよ〜。···············」
ガンダムか··········
「特に見てないんだよな··········」
またアイツが帰ってきたら、その場で呼んでやろう。
ガンダムには詳しかったから、軽くちょちょいと出せるだろう。
アイツと、ハジメと一緒にハサウェイごっこでもするんだ。
「楽しみだな··········!」
そんな程度の気持ちだった。
多分どうにかなると。
明日もアイツと笑い合えると。
そんな確証は、どこにも無いのに。
「おー雫!おかえり〜。天之河TUEEEE迷宮攻略どうだった?」
「··········シンジ。」
「なんだよー、お土産の鉱石とか持ってきてくれねぇのかよ?南雲ならこういうとこ徹底するぞ?」
「··········シンジ··········!」
「さーて、俺は愛しの南雲ちゃんを迎えに行ってやるから、ここで待っててな〜。」
「シンジ!」
いきなり叫ばれる。
ビックリするじゃないか。
「おいおい、その様子だと疲れてんじゃねぇか?白崎に癒して貰えよ〜。」
「落ち着いて、聞いて、欲しいのよ。」ガシッ
「ちょ、ちょいお前、」
「今回の、攻略で、1人死者が出たのよ。」
「ッ!?マジかよ··········」
「よく聞いて。死んだのは··········」
「南雲くんよ」
幼馴染みの声が、頭の中を木霊する。
誰かが死ぬ、そんなものはよく見てきた。
武器の記憶を辿る度に誰かが死んでいた。
でもそれは、所詮他人事だったんだ。
「え···············」
「檜山くんが触った鉱石から、突然63階層まで飛ばされて、南雲くんは私達を錬成で守りながら戦っていたの。でも、ベヒモスの攻撃で橋が崩れて、そのまま··········」
唖然、驚愕、呆然。
頭の中を感情が右往左往する。
この気持ちはなんだ。
どういう状況なんだ。
「な、なぁ雫··········」
やっと一言、絞って出たのは。
「なんかの、冗談だよな?」
クソほどダサい、負け犬の捨て台詞だった。
「ハァッ!オラァ!」ブンッ!
間違っていた。
「ウラァ!ドリャア!」ドガッ
世界は甘いと、希望に満ち溢れていると過信していた。
「はぁっ、はぁっ··········」
この理不尽でどうしようもなく汚い世界を信じていた。
「クソっ··········」
だから俺は決めた。
この世界で、無敵の存在になる。
無敵ってのはつまり、敵がいないってことだ。
立ち向かっても勝てない、戦おうと思わない。
そんな存在になってやる。
たとえそれが、世界のイレギュラーだったとしても。
「クソっ·····!クソっ!」
決意とは裏腹に、弱々しい嘆きの声が、迷宮の奥まで響いている。
「シンジ?シンジどこ!?」
「西田なら、部屋にこれが··········」
「光輝の部屋に?」
「封筒に、みんなで読んでくれと書いてある。」
「読んでみてよ。」
『急に消えてすまない。しかし俺はお前らより強いから気にしないでくれ。俺から伝えたいことは1つ。』
「西田が伝えたいこと··········?」
「シンジ···············」
『神、エヒトを信用するな。聖教会を疑え。』
「2つじゃねぇか。」
『後は宜しくやってくれ。白崎。あの時、回復かけてくれてありがとう。八重樫、次会うのを楽しみにしてる。天之河、精々命の重さについて考えろ。そして··········』
「2ページ目だ。」
『南雲を
ザワッ!「南雲が、殺された!?」
「どういう事!?」
「なんでそんな事を··········」
〜オルクス大迷宮 63階層〜
「起爆剤は落とした。後はお前ら次第だぞ··········」
俺の予想は、外れているかもしれない。
しかし俺はどうしても信じられない。
南雲ハジメが死んだなんて。
「南雲··········白崎··········雫···············」
不穏になるな。
プラスに考えろ。
「待て、しかし希望せよ。」
やって見せろよ世界無敵!
なんとでもなるはずだ!
ガンダムだと!?
「鳴らない言葉をもう一度描〜いて〜♪赤色に染まる時間を置き忘れ去れば〜♪悲しい世界はもう二度と見なくて〜♪あれ、歌詞あってるか?」
無敵の俺はもう、妥協も過信もしない。
俺TUEEEE街道を、ぶっ壊す!
邪魔するやつは、人も神も、
「ぶっとばす!」
俺の無敵WAVEが波打つぜ!
待ってろよ、ハジメ!
・待て、しかし希望せよ「巌窟王」
・やって見せろよマフティー「閃光のハサウェイ」
次回からはもっと武器を登場させたい!
いいアニメの武器があったら教えてくだちぃ。
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