聖遺物の守護者っていうありふれない職業で無敵。 作:気まぐれな富士山
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「····················」
独り言も減ってきた。
もう喋る気力もない。
八つ当たりをするようなモンスターもいない。
「はぁ··········DT···············」
なんて虚しいことを呟いているんだ。
「あーあ。なんかボスとか出てこないかな··········っと。」
気づけばなんだか広いところ。
中心にはヤマタノオロチみたいな魔物が死んでいる。
「··········それっぽいボスが目の前で死んでやがる。虫が集らねぇとは、この迷宮にはハエもいないのか?」
歩いて横を抜けようとした、次の瞬間。
「っと!」
「キシャァァ!!」
「やっぱり生きてるか。クソっ、前に倒した奴、ちゃんと始末しとけよ··········!」
「キシャァァァ!」
「うるせぇ!俺は今、失恋でムシャクシャしてんだよ!」
アンデッドと化した迷宮ボスを相手に使える武器··········
こいつをあの世に送り返す、神聖···············
「神聖武器か!」
「グギシャァッ!!」
バックステップと軽ロリを使いこなし、
「こいつを前々から準備しといてよかったぜ!」
難易度は鬼!失敗すれば死ぬ!
しかし、入手すれば神の一撃を喰らわせられるとっておきの聖槍!
城で召喚スキルの練習をした際に手にした最強武器!
「聖槍、抜錨!!」
「キシャシャシャ!?」
一撃で何もかも一切合切切り捨てる!
「消し飛べ!
「キシャァァァァ!!??」
ドゴーン!
「出オチ乙···············っと。」
ツイッターのクソリプのような悪口を吐くが、俺は悪くない。
ちょっぴりスッキリしたから、それなりに元気が出た。
「この先だな。お宝、眠ってますよーに··········」
「あぁぁ··········染みるわァ···············」
約3ヶ月ぶりの風呂!
体に染み渡る!
「なんか知らんが整頓されてるし、掃除も行き届いてる!この迷宮最高かよ!」
食事は、古き良き日本食··········
「っくぅぅ!出汁が身に染みる!」
後は、お宝だけど··········
「なんも残ってねーじゃねーか!前に攻略したやつ許さん!」
アーティファクトどころか、金貨銀貨等の宝物まで消えている。
「クッソ··········外出たら無一文じゃねぇか··········」
もし、外に出た時に攻略者がいたら1発殴ってやる。
「··········ここで南雲が死んだなんて、信じられないなぁ···············」
というか勇者御一行は攻略済みの迷宮を探索してるのか?
「··········なんか変だな。」
可能性は2つ。
・元からこういう迷宮だった。
・俺達がこっちに飛ばされるまでに既に攻略されていた。
「··········3つ目·····?ハッ!」
・南雲ハジメが攻略した。
・または俺達が来てからそれ以外の誰かが攻略した。
「3つ目の確率が高くなったぞ··········」
アイツなら生きている··········とは言い切れない。
しかし、人間は飢餓状態になると、
たとえそれが、魔物だったとしても。
「ッ··········そういうことか··········!」
これで全ての辻褄が合う。
「南雲は何らかの現象によって落下から生還。そして奈落の魔物達を食し、レベルを大きく上げて、この迷宮を脱出した。理由は不明だが··········」
兎も角、これで南雲ハジメが生きている確率が格段に上がった訳だ。
「よし··········よし、よしッ!!」
生きる活力が見えてきた!
「さぁーて、頑張っちゃうぞぉ!!」
「よし、行くか!」
色々と顕現して、召喚して、準備はバッチリだ!
「待ってろよー!ハジメー!!」
転移の術式が発動すると同時に俺の体が外に出される。
「うっひょーっ!ひっさびさの太陽!気持ちィィ!!」
やはり日光は人間をハイにさせる。
太陽って素晴らしい。
「あ、ビー!出てきていいぞ!」
召喚式から出てきたのは、黄色くてカッケー俺のダチ。
「よぉバンブルビー!元気か?」
『!!!!』(声にならない声)
「そうかそうか!嬉しいか!ハッハーッ!」
トランスフォーマー、オートボットのバンブルビー。
正義の戦士で、どこか憎めないやつ。
武器として召喚したが、俺とこいつはダチだ。
感情も持ってるし。
「よし、ビー!ひとっ走り付き合えよ!」
『!!!』(早く行くぞ!)
荒野を走る、という訳でもなく、すぐ近くに里らしきものがあったので、立ち寄ることにした。
なんと快く受け入れてくれて、族長まで出てきてくれた。
「ようこそ··········ハウリア族の郷へ··········」
「お、おう··········ハウリア族ってこんなムキムキだったか?」
「で、ご要件は·····?」
強面のおっさん達が多いが、世界ってこんな感じなんだろうか。
「南雲ハジメって知ってるか?俺のダ」
「知っていますとも!!!」
うるっせ。
「ボスは我々に狩りを教え、この世で生きる術を教えてくださいました!今もこうして、ボスのお眼鏡にかなうよう、鍛錬を欠かさないのですよ!!フハハハハ!!」
ぼ、ボスゥ?
「なあ、それ本当に間違いないか?俺の知ってる南雲ハジメは髪が黒で、地味な感じで··········女になんて特にモテなかったヤツだぞ?」
「むぅ、それはボスとは違いますな··········ボスは白髪の鬼でして、ドンナーという武器を使いこなしておりました。」
ドンナーって、どんな〜?
なんて言ってる場合じゃない。
「··········ソイツが南雲ハジメだとして。なんか目的とか言ってたか?」
「ボスはただ、『故郷に帰る』とだけ··········」
「あー、そういう感じか··········」
人間は、危機的状態に陥ると帰省本能が働き、家に帰りたくなるものだ。
それが原動力になっているのだろう。
「どこに行ったんだ?そんな目的なんて··········」
「ボスは、4つの大迷宮を全て攻略すると言っておりました。今は、ライセン大迷宮に。」
「OK、もういいぞ。じゃあ、俺もう行くから。」
「お待ちください··········この里に来て、戦いたくない者がいるとでも··········?」
ザワ··········ザワ··········
「ボスはただ、強者たれと教えました··········手合わせ願いましょうか?」
「いいけどよ··········」
こういう輩は脅した方が楽だ。
「死ぬぜ?」
「ッ!!?」
バンブルビーをトランスフォームさせたのもあるが、直死の魔眼を発動させたのもある。
式さんの刀と同調しといてよかった。
「冗談抜きで、だ。俺はもう行く。南雲が戻ってきたなら、西田シンジがお前を探していると伝えてくれ。」
「は、はい··········」
しっかし、ライセン大迷宮か··········
「遠いな··········」
攻略するのも面倒だ。
近くの町にでも寄って、アイツを待つとしよう。
「どうなっちまったんだ?南雲ハジメ··········」
・バンブルビー「トランスフォーマー」
今回登場したのは映画版のバンブルビー。アマプラで全作見放題です。2022/1/26現在。
・直死の魔眼「空の境界」
FGOやってる人は大体わかる。空の境界の主人公、両儀式の持つ魔眼。月姫の主人公も持ってる。内容はググッてくれ。