ハイスクールD×D 十二星座の使徒 作:ミニチュアコンセント
『リアス様の『
朱乃さんが負けた?
あの女王が朱乃さんより強いとは思えないが……。
イッセー達が朱乃さんのリタイアに驚きを隠せなく呆然としてしまう。
そんなイッセー達に俺は声をかける。
『お前ら、呆然としてる場合じゃねぇだろ! 朱乃さんはやられちまったが、まだ「
俺の言葉に全員がハッ!と意識を取り戻す。
「ああ! そうだ! まだ部長が残ってる! 戦いは終わったわけじゃねぇ!」
「うん、そうだね! 朱乃さんのことは残念だけど、部長のために!」
「絶対勝ちます」
すると、新校舎の方から爆発音が聞こえる。
実はこれも作戦のうちだ。
俺とイッセー、木場がライザーの眷属を引き付けてた時に、リアス部長とアーシアは新校舎に潜入して奇襲を仕掛けた。
今まさにリアス部長とライザーが戦っている状態だが、俺達がライザーの眷属と戦っている時にも爆発音が聞こえている。
このまま続けたらリアス部長が不利だ。
いくらアーシアの回復があるとは言え失った魔力までは回復出来な────ッ!
俺は気配を感じイッセー達に叫ぶ!
『お前ら! 避けろ!』
俺の叫び声にイッセー達はとっさにその場から避け、俺も後ろへ避ける。
ドオォォォォォォォォン!
俺やイッセー達がいた場所が爆発した。
そして爆発した場所から少し離れた空中には、爆発させた張本人がいた。
「タイミングも殺気もバッチリだと思ったのだけど」
『そんなすぐに殺気は抑えれるわけねぇだろ』
「てめぇっ! ライザーの『
イッセーの言うとおりそこには唐揚げ野郎の女王がいた。
────ただ、朱乃さんと戦ってた割には傷がそんなに見られない。
……何でだ?
仮にお前が強かったとしてもそれなりに疲弊するはずだ。
回復魔法とか使える雰囲気でもなさそうだが……。
ま、俺の次の相手はこいつだな。
『イッセー、木場、小猫。お前らはリアス部長の援護に行け!』
「けど!」
イッセーが何か言いたげだが、俺は遮るようにして言う。
『無駄に犠牲を出すつもりか? 唐揚げ野郎の『
俺の言うことに納得したイッセーと木場と小猫は頷き、新校舎の方へと向かった。
「ハルト! 負けんじゃねぇぞ!」
俺を誰だと思ってんだ。
負ける気はしねぇよ。
そのままイッセー達は新校舎の方へと向かい、俺は唐揚げ野郎の女王と対峙する。
「あの子達ではライザー様には勝てないわよ」
『んなもんやってみねぇと分かんねぇだろうが。そんなことよりもあんたに一つ聞きたい事がある』
「何かしら?」
『朱乃さん────こっちの「
俺の疑問に、唐揚げ野郎の女王は懐からあるものを取り出す。
─────小瓶?
懐から取り出したのは装飾が入った小瓶だった。
だが、中身は空っぽだ……。
あの中に何が入ってたんだ?
すると、唐揚げ野郎の女王が自慢気に語る。
「これはフェニックスの涙。いかなる傷を癒やす事ができるフェニックス家の秘宝よ。『雷の巫女』は私の想像以上に強かったわ。だから私はこれを使い傷を治し、『雷の巫女』を倒したのよ。今はもう無いのだけど」
要は回復アイテムね。
いかなる傷を癒やすことができる……か。
アクエリアスの能力に似てるな。
決定的な違いはフェニックスの涙とやらは一度使ったら即終わりか。
『だが、その涙とやらは使える個数に制限があるんじゃないか?』
「確かに貴方の言うとおり個数に制限があるわ。だから貴方にはここでリタイアしてもらう!」
なんか誰かが言ってたような……。
ま、いいか。
唐揚げ野郎の女王は杖を俺の方に向けて爆破してくる。
俺はそれを避けるが、次々と爆破してくる。
俺は完全に避けの一手になる。
このまま相手の魔力切れを狙うのもいいかもしれないが、あの涙は何個までの制限があるのか分からないし、もしかしたらこいつが別の涙を持ってるかもしれない。
……ここは攻撃に出たほうがいいな。
だったらペガサスでは不利だ。
俺は爆破を避け続けながらポケットからスイッチを出し、変身を解除する。
そして手に小型の魔法陣を展開させ、もう一つのゾディアーツスイッチを出す。
そしてスイッチを押し、今度は祭壇座が輝き体の中に入りアルター・ゾディアーツへと変身する。
手には、杖・アラディアを持っている。
「別の姿になったところで無駄よ!」
『さぁ? それはどうかな?』
俺は唐揚げ野郎の女王と同様に宙へと浮き、無数の火炎弾を作り、唐揚げ野郎の女王に放つ。
相手はそれを避け、俺に爆撃を放つが避ける。
それの繰り返しで、火炎弾と爆撃の打ち合い合戦になった。
あまり長く続ける訳にはいかないな。
俺は再び無数の火炎弾を作り放つ。
唐揚げ野郎の女王は再び避けようとするが、俺は念動力を発動させ、火炎弾をやつの腹と背中に前後から挟み込むようにして当てる。
攻撃が止まった瞬間を見逃さず、急接近しアラディアで地面へと叩きつける。
バキッ!
「ぐあっ!」
『終わりにしてやる』
そう言い俺の頭上に特大の火炎弾を作り放とうとするが、横合いから突如炎が迫り、それを間一髪で避ける。
炎が飛んできた所に目線をやると、そこには俺の方に手を向けている唐揚げ野郎の妹───レイヴェル・フェニックスがいた。
あいつ戦わないんじゃなかったのかよ。
俺のそんな疑問を他所にレイヴェル・フェニックスは唐揚げ野郎の女王の元へ行く。
「ユーベルーナ、しっかりなさい」
「申し訳ありません、レイヴェル様」
そう言いながら懐からフェニックスの涙とやらの小瓶を取り出し、蓋を開け唐揚げ野郎の女王に飲ませる。
すると、唐揚げ野郎の女王の傷が綺麗サッパリ消えた。
……なるほど、小瓶に入った涙をあおることで受けた傷は全て回復するというわけか。
やっぱりアクエリアスの能力と似てるな。
「まさかあなたをここまで追い詰めるなんて……。あの殿方只者じゃありませんわね」
「はい、あの『雷の巫女』よりも格段に強いです。しかも、魔力にまだ余裕があり、姿も自在に変えることができるみたいです。正直私でも勝てるかどうか……」
十二使徒じゃないだけでもありがたく思えや。
あんたの爆発は中々な
爆発の威力も質もジェミニの方が上だ。
すると、レイヴェル・フェニックスが突然笑みを浮かべ言ってくる。
「けど、あの殿方がいくら強くても『
すると、突然激しい爆発音と共に、
『リアス様の『
リタイアを告げるアナウンスが流れた。
───ッ!
木場と小猫がやられたか……。
「こちらはフェニックス、不死鳥。リアス様には申し訳ありませんがこのゲームは我々の勝ちですわ!」
『あんたらの勝ちって言うなら、お前は俺に攻撃する必要はなかったろ。何で攻撃した? そもそもお前、戦闘に参加しないんじゃなかったのか?』
「えぇ、本来なら私は戦闘に参加するつもりはありませんわ。けど、貴方とユーベルーナの戦いを見てユーベルーナがほぼ負けている状態を見たら、私の悪魔としての本能が働いたのです。『あれは危険だ』と。それと、いくらルールで『
要は俺という存在が危険ということか……。
『なら、お前は俺と戦うというのか?』
「えぇ、あなたがユーベルーナを倒したら、必ずお兄様の所へ行くでしょうからそれを阻止するためですわ」
そう言うと炎の翼を出し、唐揚げ野郎の女王と共に宙へ飛び上がり俺と相対する。
二人同時に相手するということか。
先に仕掛けて来たのは唐揚げ野郎の女王だ。
俺のいる位置を爆破させるが、俺はそれを避けると同時に今度は唐揚げ野郎の妹が炎を放ってくるがアラディアで横薙ぎして炎をかき消す。
中々の熱量だ。
流石、不死鳥フェニックスと言われるだけはある。
んじゃ、今度はこっちの番だな。
俺の周囲に無数の火炎弾を作り出し、念動力も混ぜ攻撃する。
火炎弾は唐揚げ野郎の女王とその妹に縦横無尽な動きで向かって行く。
各々防御魔法陣でガードしたり、炎で迎撃したりするが火炎弾の一つが唐揚げ野郎の妹の腕に当たる。
すると、突然腕から炎が発生し腕を包んでいく!
炎が治まると怪我を負っていた腕が何事もなかったかのような無傷な状態になった!
これがフェニックスの再生能力か……。
不死身と言われるわけだ。
フェニックス特有の再生能力に、あらゆる傷を癒やすフェニックスの涙。
……確かにこれは骨が折れる戦いだ。
けど、俺の狙いはあくまで唐揚げ野郎の女王だけ。
わざわざ唐揚げ野郎の妹を倒す必要はないし、魔力の省エネにもなる。
「どうですか? これがフェニックスの再生能力ですわ」
『本っ当見事なもんだよ』
俺は素直に褒める。
見事以外の言葉が出なかった。
そのまま唐揚げ野郎の妹は言う。
「だったら───」
『だからと言って、諦める理由にはならない……な!』
俺は再び周囲に無数の火炎弾を作り、唐揚げ野郎の女王狙いで火炎弾を放つ。
唐揚げ野郎の妹には足止めする程度の火炎弾を放つが、双方ガードしたり打ち消したりして再び俺に炎や爆破で攻撃してくる。
俺はそれを避け、お返しと言わんばかりの火炎弾を放つ。
そして、そのまま再び打ち合い合戦が始まった。
少ししてから唐揚げ野郎の女王に変化が訪れる。
「はぁ、はぁ……」
明らかに息切れをしており、傷も段々と増えてきた。
フェニックスの涙は失った体力や魔力までは回復できないのか?
朱乃さんや俺と連続で戦っているから体力と魔力が限界を迎えているんだろうな。
なにはともあれ、これはチャンスだ。
俺は無数の火炎弾を周囲に作り出し、その全てを唐揚げ野郎の女王に放つ。
「ぐぅッ!」
防御魔法陣でガードするが防ぎきれず苦悶の声を出す。
「ユーベルーナ! このっ!」
唐揚げ野郎の妹が俺に強烈な炎を放つ。
『それを待っていた!』
俺はアラディアを放たれた炎の方に向け、その先端に炎を球体になるように寄せ集めそこに俺の火炎弾もプラスされ、強大な炎の球体が作り出される。
「なっ!? 私の炎を!?」
俺はチラッと唐揚げ野郎の女王を見る。
服は爆ぜてボロボロで、おまけに傷だらけ。
もう避ける体力も残ってないだろう。
俺は唐揚げ野郎の女王の方に向き、アラディアを向ける。
『これで終わりだ』
そう言い炎の球体は唐揚げ野郎の女王に向かっていく。
唐揚げ野郎の女王は全魔力を込めた防御魔法陣でガードするが、激戦続きだったからか長続きせず「パリンッ!」と割れる音を最後に炎の球体に呑み込まれていった。
『ライザー様の『
炎の球体はそのまま地面に直撃し、大爆発を起こす。
「キャァァァッ!」
爆発の衝撃で唐揚げ野郎の妹は近くの木に激突し、そのまま気を失った。
それをいいことに俺は新校舎の屋根の方へと移動する。
────そこには傷を負っている唐揚げ野郎と、気絶しているアーシアとボロボロのイッセー。
そしてそのイッセーを膝枕している、怪我を負った状態のリアス部長がいた。
『おい! どういう状況だ!』
俺がリアス部長に聞くが、当の本人は生気が抜けたような声で俺に言う。
「……もういいの、もういいのよ。ありがとう、朱乃、祐斗、小猫、アーシア、イッセー。不甲斐ない私の為に、よく頑張ってくれたわ。……それとハルト。貴方は眷属でもないのに私に、私達に協力してくれてありがとう」
最後に俺にそう言いイッセーの頭をなでた後、唐揚げ野郎に言う。
「私の負けよ。
それは王自らリタイアを告げるものだった。
『リアス様の『
王自ら選択したのであれば何も言うまい……。
俺はスイッチを取り出し、変身を解除しイッセーの所へと行く。
近くで見ると、頬が青紫色になっている。
そして、チラッと唐揚げ野郎を見て再びイッセーを見る。
よくここまで成長したもんだ。
実戦経験なんてほぼ皆無なのにな。
「とりあえず治療が先だ」
そう言いリアス部長から離し、イッセーの左手を俺の肩にかける。
「イッセーをお願いね。ハルト」
「あぁ。……だが、リアス部長──いや、リアス・グレモリー。お前は本当にこれで良かったのか?」
俺は『星王龍』としてリアス部長に聞く。
リアス部長は一瞬ビックリしたような表情を見せるがすぐに愁い顔になり言う。
「……えぇこれでいいのよ……」
「そうか……。最後に一つ言わせてもらう。───イッセーの、兵藤一誠の意地を甘く見てんじゃねぇぞ」
俺は最後にそう言い残し、転移魔法陣を起動させイッセーの家に転移した。