ハイスクールD×D  十二星座の使徒   作:ミニチュアコンセント

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6話 殴り込み

リアス部長と唐揚げ野郎の婚約をかけたゲームからもう二日は経った。ゲームが終わった後、俺はイッセーの家へと転移しアクエリアスの力で治したんだが未だにイッセーは眠り続けている。

 

今、アーシアとミラナが下の階にタオルなど取りに行ってる。

俺は、今現在暇なのでイッセーが目覚めるまで小説を読んでいる。ちなみに、俺とミラナがいる事はイッセーの両親にはバレてない。都合よく二人ともいなかった。

 

ヒヤヒヤしたよ。もし両親がいたら傷だらけのイッセーのことをどう説明すればよかったか。しかし、イッセーのやつこのままずっと寝続けるつもりか?

 

俺がそんなことを思ってたその時、

 

「う、うぅ……ここは……?」

 

イッセーが起きたようだ。

 

「ようやくお目覚めのようだな、イッセー」

 

「ハルト……? 確か俺はライザーの野郎と戦ってて……そうだ! おいハルト! 勝負は!? 部長はどうなった!?」

 

ベットから上半身だけ起こして俺に聞く。イッセーの質問に口を開こうとしたとき、

 

「勝負はライザー様の勝利です。リアスお嬢様が投了(リザイン)されました」

 

突如聞こえたその声と同時に、イッセーの部屋に銀色の魔法陣が展開され声の主が出てくる。

 

声の主は銀髪のメイドさんだった。

 

メイドさんの言葉にイッセーは絶句してるようだった。

そのままメイドさんは続ける。

 

「今、冥界ではリアスお嬢様の婚約パーティーが行われています。会場にいないのは一誠様とアーシア様だけです」

 

「………アーシアは?」

 

とイッセーが聞いてきて俺が答える。

 

「今はミラナと下に替えのタオルとか取りにいってるぞ」

 

俺がそう言うと下を向く。

 

……悔しいだろうな。いや、悔しくないわけがない。そして、己の弱さを呪っているんだろう。……こうして今のイッセーを見ると過去の俺を思い出すな。

 

「……納得されてないようですね。リアスお嬢様は御家の決定に従ったのですよ?」

 

「わかってます! わかってはいるんです! それでも俺は親同士で決めた事に嫌々従うしかない部長なんて見たくない! あんな野郎に!」

 

イッセーは涙を流しながら嫉妬混じりの声音で俺達に言う。

 

「ふふふ」

 

突然、メイドさんが小さく笑った。いつもは、冷淡な感じなんだが……。

 

「あなたは本当に面白い方ですね。長年、いろいろな悪魔を見てきましたが、あなたのように思ったことを顔に出し、思った通りに駆け抜ける方は初めてです。サーゼクス様もあなたのことを『面白い』とおっしゃっていました」

 

そう言うとメイドさんは、懐から一枚の紙を取り出しイッセーに渡す。表裏に魔法陣が描かれてるな。

 

「この魔法陣から婚約パーティーの会場まで転移できます」

 

─────っ! おいおい、そんなもの渡してもいいのか? それはもう『妹を救いだせ』って言ってるようなもんだぞ?

 

「サーゼクス様からの伝言です。『妹を助けたいなら、会場に殴り込んできなさい』だそうです。その紙の裏側の魔法陣はお嬢様を奪還した際に役に立つと思います」

 

すると、今度は俺に話してくる。

 

「星王龍様、あなた様にもサーゼクス様からの伝言があります」

 

「なんだ?」

 

「『是非、妹の婚約パーティーにサプライズとして出席してほしい』とのことです」

 

イッセーに渡した紙に、俺に伝えるタイミング…。俺は不敵に笑いながらメイドさんに聞く。

 

「つまりそういうこと(・・・・・・)なんだな?」

 

俺の問いかけにメイドさんはクスッと笑う。

 

「はい、そういうことです」

 

「わかった。なら『喜んで行く』と伝えておいてくれ」

 

メイドさんは満足そうな表情をして魔法陣を起動し転移していった。

俺はイッセーに聞く。

 

「で? どうすんだ?」

 

「どうするも何も考える必要はねぇ。部長を救い出す!」

 

「……くくっ。あーっはっはっはっはっはっはっ! それでこそ兵藤一誠だ! 俺も付き合ってやろうじゃねぇか」

 

イッセーの返答に俺は大笑いする。

 

「ああ! 俺達で部長を救うんだ!」

 

「違げぇよ、ばかたれ。あの唐揚げ野郎を吹っ飛ばし、リアス部長を救うのはお前だ。イッセー」

 

「───っ。応!」

 

そう言うとイッセーはベッドの側に置いてあった新品の制服を着て、魔法陣の紙を手にした時だった。部屋の扉が開き、アーシアとミラナが入ってきた。

 

「───っ! イッセーさん!」

 

アーシアはイッセーを見るなり、水の入った洗面器を落とし、イッセーの胸に飛び込む。あーあ、床濡れちまった。ってそれはどうでもいいか。

 

「よかった。本当によかったです。ハルトさんが治療しても二日間も眠ったままで……。もう目を覚ましてくれないんじゃないかって……」

 

「イ…イッセーさん。もう動いて大丈夫なんですか……?」

 

ミラナも看病してたからな。ったく幸せもんだよお前は。

 

「また、アーシアに心配かけちまったな。ミラナちゃんもありがとう」

 

イッセーは自身の胸で泣いているアーシアの頭を撫でながら落ち着かせミラナにも礼を言う。

 

アーシアが落ち着いたとき、俺はミラナとアーシアに言う。

 

「二人とも聞いてくれ。俺とイッセーはこれからリアス部長の所へ行く」

 

「「っ!」」

 

俺の言葉にアーシアとミラナは驚いた様子だった。

ミラナが言う。

 

「……お祝いじゃないですよね?」

 

ミラナの問いにイッセーが答える。

 

「ああ、部長を取り戻しに行く」

 

「私も行きます!」

 

突然、アーシアが間髪入れずに言う。顔は真剣そのものだな…。

 

「ダメだ。アーシアはここに居てくれ」

 

「嫌です! 私だってイッセーさんやハルトさんといっしょに戦えます! 魔力だって使えるようになりました! もう守られるだけじゃ嫌です!」

 

「大丈夫。軽くライザーの野郎を殴って───」

 

「大丈夫なんかじゃありません!」

 

イッセーの言葉を遮るように言う。アーシアは再び涙を流しながら哀しそうな表情を浮かべる。

 

「……また血だらけで、ボロボロになって、グシャグシャになって、いっぱい痛い思いをするんですか……? もうそんなイッセーさんは見たくありません……」

 

「俺は死なない。絶対にだ。ほら、アーシアを助けたときには生きてただろ? だから大丈夫さ。俺は死なない」

 

アーシアは涙を拭いながら、小さく頷く。

 

「……それなら、約束してください」

 

「約束?」

 

「必ず、部長さんと帰ってきてください」

 

「もちろん!」

 

笑顔でアーシアに言うイッセー。その時、ミラナが俺に近づいて言う。

 

「……や、やっぱり行くんですね……」

 

少し不安気に言う。俺はミラナを抱き寄せる。

 

「ああ。つっても俺が戦うわけじゃないから安心してくれ。イッセーの付き添いみたいな感じだ」

 

ミラナの不安を払うように言い、ミラナの頭を撫でる。

 

「……わかりました」

 

どうやら納得してくれたようだ。

すると、イッセーがアーシアに何かを耳打ちし何かを取りに行かせた。イッセーはミラナにも言う。

 

「ミラナちゃん。ミラナちゃんもアーシアといっしょにある物を取りに行ってくれないか?」

 

「? は…はい」

 

そう言うとミラナは部屋を出てアーシアの後を追った。

この部屋に残っているのは俺とイッセーだけだ。

 

「ハルト、お前には俺の覚悟を見てもらいたい」

 

真剣な表情で俺に言ってくる。

 

「ほう、その覚悟っていうのは?」

 

イッセーは無言で頷き、自分の左手に話しかける。

 

「おい、聞こえてんだろ? お前に話がある。出てこい! 赤龍帝ドライグ!」

 

すると、イッセーの左手の甲から緑の宝玉が出てきて、その宝玉から声が聞こえる。

 

『なんだ、小僧。俺になんの話がある?』

 

「あんたと、取引したい」

 

 

 

 

[木場 side]

 

 

僕、木場祐斗は今現在、部長の婚約会場にいる。

 

さらに言うと、僕だけじゃなく黒い和服姿の朱乃さんと、ピンクのドレスを着こんだ小猫ちゃんもいる。

 

ちなみに僕は黒のスーツを着ている。

 

この会場には既に多くの貴族悪魔がお越しになっていて、楽しそうに談笑やごちそうを食べてる人がいる。

 

「この前のゲーム拝見させてもらいました」

 

声がした方向へ向くと、駒王学園の生徒会長、ソーナ・シトリー様がいた。

 

「ソーナ会長」

 

「少しだけ納得できない部分もありますが、負けは負け。それは恐らくリアスが一番わかっているでしょう。私はあのゲームを素晴らしいものだと評価します」

 

「ありがとうございます。でも、お気遣いは無用ですわ」

 

朱乃さんの言葉に僕と小猫ちゃんも続く。

 

「まだ終わってない。僕らはそう思ってますから」

 

「……終わってません」

 

そう、まだ終わってない。

 

……そうだろ? イッセー君。

 

その時、ライザー・フェニックスが炎に包まれながら派手な登場をしてきた。

 

「冥界に連なる貴族の皆様! お集まりいただき大変嬉しく思います。本日皆様にお集まりいただいたのは、この私、ライザー・フェニックスと名門グレモリー家の次期当主、リアス・グレモリーの婚約という歴史的瞬間を共有していただきたく願ったからであります。それでは、ご紹介いたします! 我が妃、リアス・グレモリー!」

 

グレモリーの魔法陣がライザー・フェニックスの隣に浮かび、ウエディングドレス姿の部長が出てくると同時に、

 

バガァァァァァァァァァン!

 

と、突然の轟音が!

 

この会場にいる全員が驚く。音のした入口の方向へ向くとそこには、

 

「部長ぉぉぉぉぉぉ!」

 

と、叫ぶイッセー君と

 

「こんにちは、悪魔の皆さん」

 

と、挨拶するハルト君の姿だった。

 

 

[木場 side out]

 

 

 

 

イッセーがメイドさんからもらった魔法陣から転移し、俺達の目の前には巨大な扉がある。扉の向こうからは話し声が多数聞こえる。

 

「どうやらこの扉の奥で間違いなさそうだな」

 

「この先に部長がいるんだな!」

 

イッセーは赤龍帝の籠手を展開し、扉を開けようとする。

 

「おい待て」

 

俺はイッセーの肩を掴み、イッセーは後ろへ振り向く。

 

「なんだよ?」

 

「お前、普通に開けるつもりか?」

 

「はあ?」

 

「これはもう婚約パーティーをぶち壊しに来てるようなもんだろ? どうせなら……」

 

イッセーを横へと移動させ、右腕に魔力を集束させる。イッセーが若干引きつった顔を見せるがそんなの無視だ!

 

「派手にやった方が良いよなぁぁぁぁぁぁっ!」

 

思いっきり扉を殴る! 殴った衝撃で爆発みたいな轟音と共に砂埃が周囲に立ち込める。

 

「ゲッホゲッホ! ハルト! お前少しやり過ぎじゃねぇか!?」

 

「今はこれぐらいがちょうどいいんだよ」

 

とは言ったものの、少しやりすぎたか…? 手で仰いでいると砂埃が徐々に晴れ、パーティーに参加してる悪魔の奴らの姿が見えるのと同時に、奥の方にウエディングドレスを着込んだリアス部長が見えイッセーに伝える。

 

「お前のお目当ての存在がいたぞ」

 

「──っ! 部長ぉぉぉぉぉぉ!」

 

「こんにちは、悪魔の皆さん」

 

とりあえず挨拶するが、ウエディングドレス姿のリアス部長って初めて見たな。辺りを見ると木場、小猫、朱乃さん、ソーナ会長の姿も見られた。ドレスやスーツ、和服を着ている。

 

「おい貴様ら、ここをどこだと────」

 

「俺は駒王学園、オカルト研究部の兵藤一誠!」

 

唐揚げ野郎の言葉を遮るようにイッセーが言う。イッセーが言うなら俺も名乗っておくか。

 

「同じく駒王学園、オカルト研究部の秋星晴人だ」

 

「部長───リアス・グレモリー様の処女は俺のもんだ!」

 

「なっ! 貴様!」

 

俺はイッセーの言葉を聞いて盛大に笑う。

 

「……くくくくくっ。あーっはっはっはっはっはっはっ! イッセー! お前は本っ当にブレないな!」

 

こんな公共の場で堂々とした発言。流石だよ!

 

「そいつらを取り押さえろ!」

 

唐揚げ野郎の命令で衛兵らしき数人の悪魔共が俺達を取り押さえようとする。俺は正面にいた悪魔の顔を殴り、ワンパンで気絶させる。

 

「なっ!? このっ!」

 

背後から襲いかかってくるが鮮やかにかわし、首筋に手刀を当てこちらも気絶させる。

 

再び正面から悪魔が来て俺の左頬を殴りつける。その衝撃で横に向く。

 

「やったか!?」

 

俺は不敵に笑い、再び正面を向く。

 

「ばぁー」

 

「何!?」

 

驚いてる隙を見て腹に左足で蹴りを入れる。もろに喰らった悪魔は唐揚げ野郎の近くまで吹っ飛び、壁に激突した。

 

俺達の乱入に周囲の悪魔達が困惑する。

 

「どういうことだ!?」

 

「リアス殿、これはいったい!?」

 

「私が用意した余興ですよ」

 

その時、さらに奥の方にいた紅髪の男性が歩み寄ってくる。

千年前となんも変わってないな。

 

「お兄さま!?」

 

「サーゼクス様、余興とはいかがなも───」

 

すると、魔王が手で制し唐揚げ野郎に言う。

 

「ライザー君、レーティングゲーム興味深く拝見させてもらった。しかしながら、ゲーム経験もない妹がフェニックス家の才児である君と戦うには少々分が悪かったかなと」

 

「……あの戦いにご不満でも?」

 

「いやいや、魔王の私があれこれ言うとレーティングゲームそのものが存在意義を失ってしまう。まして、今回は事情が事情だ。旧家の顔が立たないだろう?」

 

「ならば、サーゼクス。お前はどうしたいのだ?」

 

紅髪の中年男性が、魔王に問う。

顔つきからしてリアス部長の父親か……。

 

「父上、私は妹の婚約パーティーは派手にやりたいのですよ。ドラゴン対フェニックス。伝説の生物同士で会場を盛り上げる。最高の催しだと思いませんか? ……あなたはどう思いますか? 星王龍殿」

 

魔王の発言に、他の悪魔達が一気にざわつき始め視線が俺へと移る。

 

「……くくっ。あーっはっはっはっはっはっはっ!」

 

俺は大笑いし、スイッチを取り出しサジタリウスに変身する。会場にいる全員(一部を除く)が俺の姿に驚愕する。

 

『せ、星王龍様!?』

 

俺の登場により、悪魔達が動揺する。そんな悪魔達を他所に魔王に話しかける。

 

『久しぶりだな紅髪の悪魔。数千年ぶりといったところか?』

 

「えぇ、数千年ぶりです星王龍殿。また、あなたに会えるとは夢にも思っていませんでした。このたびは、妹の婚約パーティーに足を運んでいただきありがとうございます」

 

そう言い俺に一礼する。

 

『よく言うぜ。妹のために俺やイッセーをパーティーに招待するとは。まぁ、いろんな意味で妹のためなんだろうがな。お前、案外回りくどいな』

 

「ふふふ、褒め言葉として受け取っておきましょう」

 

『それで話を戻すが、確かに催しとしてはこれ以上ないものだろう。赤龍帝対不死鳥。是非とも見てみたいものだな』

 

俺の一言に全員が黙り込んだ。魔王はイッセーへ視線を向ける。

 

「ドラゴン使い君。お許しは出たよ。ライザー、私達にもう一度その力を見せてくれるかな?」

 

「……サーゼクス様や星王龍様に頼まれたら断れるわけもない。いいでしょう。このライザー、身を固める前の最後の炎をお見せしましょう!」

 

俺の姿を見たときはすごく驚愕してたんだが、急にやる気の表情に変わったな。

 

「ドラゴン使い君。勝利の代価は何がいい?」

 

魔王の言葉に悪魔が非難の声をあげる。

 

「サーゼクス様、下級悪魔に代価などと!」

 

「お考え直しを!」

 

「下級だろうと上級だろうと彼は悪魔だ。こちらから願い出た以上それ相応の代価を払わねばならない。何を希望する? 爵位? それとも絶世の美女かな? さあ、なんでも言ってみたまえ」

 

絶世の美女に惑わされそうだな。だが、今のイッセーではそんなものは無意味だ。

 

「部長───リアス・グレモリー様を返してください!」

 

迷いのない一言に魔王は満足したような笑みを浮かべる。つっても俺もだけど。

 

「わかった、君が勝ったらリアスを連れていけばいい」

 

魔王がそう言うと唐揚げ野郎とイッセーは戦闘用フィールドに繋がっている魔法陣に転送された。

 

 

 

不死鳥とドラゴンの最後のゲームが始まる!

 

 

 




いよいよ花粉症の季節がやってまいりました……。
くしゃみやら鼻水やら……めっちゃ辛い……(TдT)

誰か花粉症の辛さをわかってくれる同士はいませんか…(ー_ー;)

それはそうとして、とうとう明日はマリカーDXの追加コースが来ますね! いやぁ〜楽しみだなぁ〜(≧▽≦)
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