ハイスクールD×D  十二星座の使徒   作:ミニチュアコンセント

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お、お待たせしました………。


3話 聖剣エクスカリバー

とある日の放課後、俺達オカ研メンバーは部室に集まっていた。その理由は、今、目の前のソファに座っている二人組の教会関係者にある。

 

確か昨日だったかな。その二人組の教会関係者がソーナ会長の所に接触した。接触した二人組の目的は「この町の管理をしている悪魔との会談」らしい。で、それをソーナ会長が承諾しリアス部長にそのことを伝え、今に至ると言うわけだ。

 

二人組の姿なんだが、一人は青髪に緑のメッシュが入った少々目つきが悪い女。

もう一人は、栗毛のツインテールの女。

 

ただ、この二人聖剣を持ってるっぽいんだよな。青髪の方は布に包まれているものだとすぐにわかったが、栗毛のツインテールの方は持ってはいるんだが、どこにあるか分からない。どこかに隠してんのか? 

 

「この度、会談を受けていただき感謝する。私はゼノヴィアという者だ」

 

「紫藤イリナです」

 

ふーん、そっちの青髪はゼノヴィアで栗毛のツインテールは紫藤イリナと言うのか。確かこの紫藤イリナっていう子は、あの写真に載っていたイッセーの幼馴染みなんだよな。

 

最初は男かと思ったら実は、女の子だったようでイッセーに聞いたときは驚いたよ。昨日の夕方にイッセーの家に訪れていて、その時にイッセーも知ったらしい。

 

「私はグレモリー家の次期当主、リアス・グレモリーよ。それで、神の信徒が悪魔に会いたいなんてどういうことかしら?」

 

紫藤イリナが言う。

 

「元々、行方不明の一本を除く六本のエクスカリバーは、教会の三つの派閥が保管・管理されていましたが、そのうちの三本が堕天使の手によって奪われました」

 

『っ!?』

 

紫藤イリナの言ったことに驚く俺達。

 

確かエクスカリバーは大昔の戦争で折れたと聞く。それで、折れた刃の破片を拾い集め、錬金術で新たな剣として生まれ変わったと。

 

にしても……また堕天使かよ!? 本当にあいつは何してんだ!?

 

「私達が持っているのは残ったエクスカリバーの内の一つ、《破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)》」

 

「私が持つ、この《擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)》の二本だけ」

 

ほー、そこにあったんか。なるほど。擬態の力を使って姿を変えていたのか。案外便利そう。

 

まぁ、それはいいとして。エクスカリバーは行方不明のやつと、教会の元にあった六本のやつを足すと本当は七本あったってわけだ。

 

でも、一つは行方不明だから事実上六本。そのうちの三本が奪われたから……。半分は奪われてるじゃねぇか。教会の奴らは何してたんだよ……。

 

つーか木場。殺気ダダ漏れ。

 

「私達が、この地に来たのはエクスカリバーを奪った連中がこの地に居ると言う情報を掴んだからさ。私達はそれを奪取、もしくは破壊するためにこの地に来た」

 

「堕天使にいいように使われるくらいなら、壊したほうがマシだもの」

 

「……それで、盗んだ堕天使の名前は?」

 

リアス部長の問いに、ゼノヴィアは一拍空けて答える。

 

「《神の子を見守る者(グリゴリ)》の幹部、コカビエルだよ」

 

その情報に、全員が驚く。

 

あ、あいつかよ…。あの悪面野郎……。こりゃあ面倒な相手だな……。

 

「……それで、貴方達は私達に何を要求するのかしら?」

 

「簡単だ。私達の依頼───いや、注文とは私達と堕天使のエクスカリバー争奪の戦いに悪魔が介入してこないこと。───つまり、今回の事件に関わるなと言いに来た」

 

ゼノヴィアの物言いにリアス部長の眉が吊り上がる。

 

「随分な言い方ね。私達が堕天使と組んで聖剣をどうにかするとでも?」

 

「悪魔にとって聖剣は忌むべき物だ。堕天使と利害が一致するじゃないか」

 

その言葉で、リアス部長の瞳に冷たいものが宿る。

かなりキレてる……。まぁ、無理もない。自分たちの失態を棚に上げといてこれだもんな。

 

「もしそうなら、我々はあなたを完全に消滅させる。たとえ、魔王の妹でも」

 

「そこまで私を知ってるのなら言わせてもらうわ。私は堕天使などと手を組むことはないわ。グレモリーの名にかけて、魔王の顔に泥を塗るような真似はしない!」

 

リアス部長がそう言い切ると、ゼノヴィアはフッと笑う。

 

「それが聞けただけで十分さ。今のはあくまで上の意向を伝えただけさ。私も魔王の妹がそこまで馬鹿とは思っていない」

 

ゼノヴィアの言葉を聞き、リアス部長は表情を緩和させる。

張り詰めていた部屋の空気も少しは軽くなった。

 

会話が終わり、紫藤イリナとゼノヴィアが立ち上がる。

 

「時間を取らせて済まなかった」

 

「せっかくだからお茶でもどう?」

 

「いや、悪魔と馴れ合うわけにはいかない」

 

「ごめんなさいね」

 

ゼノヴィアはリアス部長の誘いを断り、紫藤イリナも手でゴメンをしながら謝る。すると、二人の視線がアーシアとミラナに集まる。

 

「兵藤一誠の家で出会った時、もしやと思ったが、君はアーシア・アルジェントか? そして、その灰色がかった(アッシュ)ブロンド髪、君がミラナ・シャタロヴァだな?」

 

「あ…はい」

 

「は…はい…」

 

「まさかこの地で『魔女』と『裏切り者』に出会おうとは」

 

 

………は? 何言ってんだこいつ………。

 

 

ゼノヴィアの言葉にミラナとアーシアがビクッと体を震わせた。紫藤イリナもそれに気づきアーシアを見る。

 

「あなたが元聖女さん? 堕天使や悪魔を癒やす力を持ってたために追放されたとは聞いていたけど、まさか悪魔になっていたとはね」

 

「君もだな、ミラナ・シャタロヴァ。元シスターでありながら突如教会を離れ悪魔の元に居るとはな。上から聞いたときは半信半疑だったが、なるほど。これなら『裏切り者』と言われても納得がいく」

 

言いたい放題だな、この野郎……! 

ミラナもアーシアも好きで教会から離れたわけじゃねぇんだよ!

 

「あ、あの……私は……」

 

「………」

 

二人に言い寄られ、対応に困るミラナとアーシア。

 

「安心しろ、このことは上には報告しない────だが、堕ちれば堕ちるものだな。まだ、我らの神を信じているのか?」

 

「ゼノヴィア、彼女達は教会から離れたのよ?」

 

呆れ口調で紫藤イリナは、ゼノヴィアに言う。

 

「いや、背信行為をする輩でも罪の意識を感じながら、信仰心を忘れない者がいる。彼女達からはそういったものが感じられる」

 

「そうなの? ねぇ、お二人さんは今でも主を信じているのかしら?」

 

その問いにミラナとアーシアは悲しそうな表情で答える。

 

「……捨てきれないだけです」

 

「………ず、ずっと信じていましたから」

 

それを聞きゼノヴィアは布に包まれていた聖剣を出す。

 

「そうか、なら今すぐ私達に斬られるといい。君たちが罪深くとも我らの神は救いの手を差し伸べてくれるはずだ。せめて、私達の手で断罪してやろう。神の名のもとに」

 

 

─────あぁ、もう限界。

 

 

俺は聖剣を掴み、無理矢理下に下ろし殺気を込めて言う。

 

「ふざけたこと抜かしてんじゃねぇぞ」

 

俺が聖剣に触れたことに、少し驚いているゼノヴィア。

 

「聖剣を素手で触るとは…。君、悪魔ではないな?」

 

「んなことはどうでもいい。さっきから黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって。アーシアが魔女やら、ミラナを裏切り者だとか」

 

「そうだ。少なくとも今の彼女達はそう呼ばれるだけの存在であると思うが?」

 

あ"? こいつらとことん腐ってやがるな………!

 

すると、そこにイッセーが乱入してくる。

 

「ふざけんなッ! 自分達で勝手に聖女だと祭り上げておいて、悪魔を癒やしてしまえば今度は魔女だといい、勝手に追放する。お前ら教会の奴らは勝手すぎる!」

 

「彼女達が、神に見放されたのは彼女達の信仰心が足らなかったからだろう?」

 

「だったら随分と心の狭い奴らなんだな。その神と教会の奴らは」

 

俺の一言に反応し、ゼノヴィアが片眉を吊り上げる。

 

「なんだと?」

 

「だってそうだろ。悪魔にも優しくできるアーシアを認めない。挙句の果てには、ミラナまで追放する。どーせありえもしない噂でも広まっているんだろうけどな」

 

「………今の発言は、我々教会への挑戦か?」

 

「わかりにくかったか? なら、分かりやすく言ってやる。……そんな穢れた教会も神も存在する価値ねぇだろ」

 

「ッ!」

 

俺の一言にゼノヴィアは殺気を放ち、エクスカリバーを構える。俺も特大の殺気を放ち、イッセーも自然と構える。

 

「ハルト、イッセー、お止め────」

 

リアス部長が俺達を止めようとしたとき、木場が俺達の間に入る。

 

「ちょうど良い。僕が相手になろう」

 

強い殺気を放ち、剣を携えていた。

 

「誰だ、キミは?」

 

ゼノヴィアの問いに木場は不敵に笑う。

 

「君たちの先輩だよ。 ────失敗作だったようだけどね」

 

その瞬間、部室内に無数の魔剣が出現した。

 

 

 

 

俺達は、旧校舎の前にある芝生の広場に移動した。

 

俺とゼノヴィアの口論に木場が乱入してきて、一触即発の空気になった。それを見かねたリアス部長が軽い手合わせみたいな話を持ちかけた。

 

それで誰が教会組と戦うかなんだが、三対二というわけにはいかないから話し合った結果、イッセーと木場が相手することになった。

 

だが、イッセーと木場が負けたら次は俺と教会組の戦いとなる。流石の俺でもあいつらがミラナに言ったことは許せねぇからな。

 

イッセーの前に紫藤イリナ、木場の前にゼノヴィアが対峙するように立っている。

 

辺りに人払いと戦いの騒音を消す結界を張り、静観組は結界の端に居る。

 

「では、始めようか」

 

紫藤イリナとゼノヴィアが白いローブを脱ぐと黒い戦闘服姿になった。

 

エッロ。何あれ、あれが教会の戦闘服なんか? 体の線が浮き彫りになっていてボンテージっぽくてすんごいエロいんですが。

 

それはいいとして、さっきから痛いですミラナさん。脇腹をつねらないでください! お願いします!

 

しばらくすると手を離してくれたが、俺は涙目でつねられた所を擦りながらイッセー達の方を見る。

 

ゼノヴィアのエクスカリバーは先程見たとおりちょっと縦長だな。紫藤イリナの方は擬態の力で紐の形から日本刀の形に変化した。本当何かと便利そうだな。

 

「イッセー、手合わせとはいえ、聖剣には十分気をつけなさい!」

 

「はい、部長!」

 

何かとイッセーの方は気合いが入ってるな。

そして木場は………、

 

「………笑っているのか?」

 

ゼノヴィアの言うとおり、木場は不気味に笑っていた。

 

「ああ。倒したくて、壊したくて仕方のなかったものが目の前に現れたんだからね」

 

そう言うと自身の周囲に数本の魔剣を出現させた。

 

魔剣創造(ソード・バース)か。思い出したよ。聖剣計画で処分を免れた被験者がいたと言う噂をね」

 

聖剣計画の事は知ってそうだが、ミラナの真実は何一つ分かってなさそうだな。

 

「兵藤一誠君!」

 

「な、なんだよ」

 

「再開したら懐かしの男の子が悪魔になっていただなんて…。なんて残酷で運命のイタズラ!」

 

何を言っとるんだあいつは……。現にイッセーも、

 

「はぁっ!?」

 

ほら、困惑してるよ…。

 

「聖剣の適性を認められ、はるか海外に渡り晴れてお役に立てると思ったのに。ああ、これも主の試練! でも、それを乗り越えることで私はまた一歩真の信仰に近づけるんだわ!」

 

完全に自分に酔ってるよコイツ……。

………もうどう反応したらいいかわかんねぇ! ただこれだけは言える。教会の連中はまともじゃない奴らばっかりだ! フリードといい、コイツらといい。

 

ただ、あの子だけはそうじゃないと願うばかりだ。出会ったのが今からだいたい十年くらい前だな。北欧的な顔立ちをした可愛らしい少女だったか。今はもう、立派な女性だな。

 

俺がそう思ってる最中にも話は続いていく。

 

「さぁ、イッセー君。私のこのエクスカリバーであなたの罪を裁いてあげるわ! アーメン!」

 

紫藤イリナは涙を浮かべつつ、張り切った様子で剣の切っ先をイッセーに向ける。

 

「なんだかよくわかんねぇけど、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』!」

 

『Boost‼』

 

困惑しながらも、赤龍帝の籠手を出現させる。イッセーの神器を見て紫藤イリナとゼノヴィアが驚愕する。

 

「……『神滅具(ロンギヌス)』!」

 

「それって『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』? こんな極東の地で赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)の力を宿した者に出会うなんて……」

 

「イッセー君に気を取られていると、怪我では済まなくなるよ!」

 

木場がゼノヴィアに斬りかかるが、上手く受け止めた。

 

「『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』に『魔剣創造(ソード・バース)』。さらに、アーシア・アルジェントの『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』といい、異端な人物がよくそろったものだ」

 

「僕の力は同志の恨みが生み出したものでもある。無念の中で殺されていった者たちのね!」

 

木場は再びゼノヴィアに斬りかかり、魔剣と聖剣の斬り合いが始まる。

 

「この力で持ち主と共に、エクスカリバーを叩き割る!」

 

木場とゼノヴィアが戦っている中、朱乃さんが言う。

 

「悪魔は聖剣に触れただけで大ダメージ。分が悪すぎますわ」

 

だろうな。それでも木場は止まらないだろう。

 

「こちらもいくよ、イッセー君!」

 

紫藤イリナがイッセーに斬りかかるが、上手く避ける。

 

「まだまだ!」

 

『Boost!!!』

 

これで二回目のパワーアップだな。そのままイッセーは、紫藤イリナの攻撃を何度も避け続ける。が、明らかにいやらしい顔をしている。紫藤イリナもそれに気づいたようだ。

 

「……いやらしい顔つきだわ。何を考えているのかしら?」

 

「……気をつけてください。イッセー先輩は手に触れた女性の服を消し飛ばす力を持っています」

 

「服を!?」

 

小猫の言葉に抗議するイッセー。

 

「小猫ちゃん! 何故に敵にネタバレしますか!?」

 

「……女性の敵です」

 

痛烈なツッコミをされるイッセー。

敵にまで洋服破壊をしようとするとは………。

 

「なんて最低な技なの、イッセーくん! 悪魔に堕ちただけでは飽き足らず、その心まで邪悪に染まって! ああ、主よ。この罪深き変態をお許しにならないでください!」

 

うん、これに関しては俺もお許ししないほうがいいと思うな。

 

「なるほど。性欲、欲望に忠実か。実に悪魔らしいね」

 

ほら、ゼノヴィアも軽蔑の視線を送ってるしな。

 

「ゴメン」

 

何故か、木場までも謝る始末。

この場において、イッセーが色んな意味で邪悪な存在と化しているよ。

 

「気を取り直して、燃え尽きろ! そして凍り付け! ハァァァァァァッ!」

 

木場は新たな魔剣を取り出し、ゼノヴィアに斬りかかる。片方には業火が渦巻き、もう片方は霧氷が発生した。

だが、ゼノヴィアは木場の攻撃を最小限の動きで受け流している。

 

「甘い!」

 

ゼノヴィアはエクスカリバーを横薙ぎに振るい木場の魔剣を破壊し、天にかざし地面へと振り下ろす。すると、

 

 

ドォォォォォォォォンッッ!

 

 

と轟音をたて、地響が発生し巨大なクレーターができる!

なんつー破壊力だ!

 

「《破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)》の名は伊達じゃない!」

 

流石にこれを見た木場も、頬に汗を滴らせていた。

 

「真のエクスカリバーでなくてもこの破壊力。7本全部消滅させるのは修羅の道か」

 

木場の瞳にはいまだに憎悪が映っている。

マジで全部壊す気なんだな…。

 

「もう! ゼノヴィアったら、突然地面を壊すんだもの!」

 

紫藤イリナは毒づきながら、戦闘服についた土を払い、再びイッセーにエクスカリバーを向ける。

 

「さてと、そろそろ決めちゃいましょうか」

 

『Boost!!』

 

「今だ!」

 

『Explosion!!』

 

三度目の倍加が完了すると、イッセーの全身からオーラが溢れ出る。そして、悪魔の翼を広げ────って、おいおい、その構えは…。

 

洋服破壊(ドレス・ブレイク)!」

 

ド変態な顔つきになり、紫藤イリナに襲いかかる。

 

「卑猥な!」

 

紫藤イリナは体をひねって避けるが、イッセーはまだ諦めない。

 

「まだまだ!」

 

「いつも以上にイッセーくんの動きがいいですわ」

 

「……スケベ根性が先輩の身体機能を向上させているなんて」

 

「はぁ………」

 

朱乃さんは、ニコニコフェイスで言うが、リアス部長と小猫は呆れていた。ま、俺もだが。

 

「なんなの、もう!」

 

「俺のエロを……甘く見るなぁぁぁ!」

 

イッセーはダイブするように紫藤イリナに襲いかかるが、彼女は咄嗟にしゃがみ込み、回避する。……が、イッセーは勢いが止まらずアーシアと小猫の元まで行ってしまい、二人に触れてしまう。そして、運悪く指を鳴らしてしまい、アーシアと小猫の裸体が露になる。

 

「いや!」

 

アーシアは可愛らしい声を出して、身を屈める。

ちなみに俺は、アーシア達の方は見てないからな。もし、見たらミラナに何されるかわかんねぇ。現に俺の方をじーっと見てるし…。

 

「ありがとうございます! いや、違う! これは! グフッ!」

 

無表情なまま殺気を放つ小猫に、腹を殴られ宙を舞うイッセー。

 

「……どスケベ」

 

これは完全にイッセーの自業自得だな。

 

地面に落ちたイッセーの頭を木の枝で小突く紫藤イリナ。

その仕草、まるでイッセーのことを公園に落ちてる犬のフ○扱いみたいじゃねぇか。本人は、そんな意識してないんだろうけど。

 

「あのね、これは天罰だと思うの。だから、あんな卑猥な技は封印すること。いい?」

 

「………だ」

 

「えっ?」

 

「嫌……だ。………魔力の才能を全て注ぎ込んだんだ。これでも女子の服を透過させる技とどっちにするか真剣に悩んだ上での決断だったんだぞ……。もっと女の子の服を弾け飛ばすんだ……」

 

イッセーはのろのろと力なく立ち上がる。

つーかそんなくだらねぇこと考えてたんか。しかも、それを真剣に考えるって……。そんなくだらねぇことで真剣に悩むなや……。

 

「そして、いつか見ただけで服を壊す技に昇華するまで俺は戦い続ける!」

 

「………そんなことでここまで戦えるなんて……。どうかしてるわ……」

 

本当、どうかしてると思いますよ。

 

「エロこそ力! エロこそ正義だ!」

 

イッセーは紫藤イリナにアッパーを放つが、顎すれすれで避けられ、今度は紫藤イリナが刀を横薙ぎに振るうが、イッセーはそれをバックステップで避ける。

 

その様子を紫藤イリナが驚いた表情で見ていた。

 

「……あなたを少し見くびっていたようね。いい動きだわ。……でも」

 

薄く笑うと、突然イッセーが膝をつく。

 

見ると腹部からは、小さく煙があがっている。聖剣のダメージだろうな。

 

「このくらいっ……!」

 

Reset(リセット)!!』

 

その音声が鳴ると、イッセーは地面にくずれ落ちる。

 

終わったな。これは事実上イッセーの負けだ。

 

さて、木場の方はというと、

 

「ハァァァァァァァァッ!」

 

手元に巨大な魔剣を創り出す。

 

「その聖剣の破壊力と僕の魔剣の破壊力! どちらが上か勝負だ!」

 

木場はゼノヴィアに向けてそれを振るう。

 

 

─────だが、それは木場が最もとってはいけない行動。

 

 

「残念だよ」

 

ゼノヴィアがそう呟くと、木場の腹部に聖剣の柄頭が抉り込む。

 

「ガハッ」

 

口から吐瀉物を吐き、木場はその場に崩れ落ちた。

ゼノヴィアはそんな木場を見下ろしてつまらなそうに言う。

 

「君の武器は多彩な魔剣とその俊足だ。巨大な剣を持つには力不足であり、自慢の動きを封じることになる。そんなことすら判断できないとは」

 

そう、巨大な剣は木場にとってはデメリットの剣。ゼノヴィアが言ったように自慢の動きを封じることになる。

 

でも、木場も終わったな。

 

「さて、次は君の番だ」

 

ゼノヴィアが俺にエクスカリバーを向ける。二人が負けたら次は俺と戦うことになってるからな。二対一で。

 

けど、ちょいとイッセーと木場が邪魔だな。

 

俺は二人の襟首を掴み、アーシアの元へと運ぶ。

 

「アーシア、二人の回復を頼む」

 

「はい! イッセーさん、傷を!」

 

アーシアに二人の回復を頼んだ俺は、ゼノヴィアと紫藤イリナの教会二人組と対峙する。

 

二人は、既にエクスカリバーを構えている。

 

そんな俺は、手を横に突き出して魔法陣を展開し、中から一つの剣を取り出す。

 

「今回は、付き合ってもらうぜ。俺の愛剣、

        

         朽血刀(アブソーブ・ブラッド・ソード)

 

 

 

 

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