ハイスクールD×D 十二星座の使徒 作:ミニチュアコンセント
俺は自身の愛剣『
「吸血刀? 随分物騒な名前だね」
「『吸』じゃなくて『朽』だがな。そう言うお前の持ってる聖剣こそ、『破壊』っていう物騒な名前が付いてるじゃねぇか」
俺が言うとゼノヴィアがフッと笑う。
「確かに、言われてみればそうだな。だが、その剣。オーラからして魔剣だな」
「まぁ、魔剣といえば魔剣だな。
そう、
俺はふとあることに気づく。
「そういや、まだ俺の名を名乗っていなかったな。俺の名は秋星晴人だ」
そう、名前を名乗っていなかった。
この二人はイッセーやアーシア、ミラナ、リアス部長の名前を知ってるからな。
でも、木場の名前は知ってんのか?
聖剣計画の生き残りとは言ってたが……。
「秋星晴人……か。なら、秋星晴人。君はドラゴンなんだろう?」
ゼノヴィアの言葉に紫藤イリナが驚く。
「ちょっとゼノヴィア! どういうこと!? 彼がドラゴンって!」
俺は感心したように言う。
「ほぉ~。よく分かったな」
俺は腕の部分だけドラゴン化させ、若干青白く輝く鱗が現れる。俺の鱗を見て、紫藤イリナは驚愕するが、ゼノヴィアはそうでもなかった。
しかし、いつ気づいたんだ?
俺の表情を察したのかゼノヴィアが言う。
「君が聖剣に触れた時に、気づいたのさ。その異質なオーラや存在にね」
本能的に感じたってことか。
ミラナから聞いたことだが『聖書に記されし神』の教えではドラゴンは悪だとか。
でも、俺、三大勢力の英雄とか言われてるけど。
そこんとこどーなってんのさ。
悪なのに英雄って。
「イリナ、これは二人がかりでやる方がいい。彼は、兵藤一誠や聖剣計画の生き残りとは格が違う」
相手の実力を読めるのか。中々やるようだな。
「分かったわ」
「なら、早速やり合おうか」
俺は、朽血刀を。
ゼノヴィアと紫藤イリナは、エクスカリバーを構える。
先に動いたのは俺だ。
俺は二人にめがけて血の斬撃を飛ばす。
「「ッッ!?」」
二人は間一髪で避け、血の斬撃は後ろの木に直撃すると、「ジュゥゥゥゥゥッ」と音をたて枯れるのと同時に朽ちていった。
「あ、危なかったわ……」
「イリナ! それに当たるな! 当たるととんでもない目に合う!」
紫藤イリナはその場で尻もちをつくが、ゼノヴィアは俺の方に突貫してくる。
「ハァァァァァァッ!」
エクスカリバーを振り下ろしてくるが、朽血刀で受け止める。
互いの剣が激しくぶつかり合い火花を散らす。
「良い観察眼を持ってるな!」
「伊達に、教会の戦士をやってるわけじゃないさ!」
「そうかい!」
がら空きの胴体に蹴りを入れようとするが、朽血刀の刀身を足場にし、空中で一回転をしながら地面に着地する。
着地の瞬間、俺は足場を狙おうと接近するが紫藤イリナに妨害される。
ったく、良いコンビネーションだな!
俺は、朽血刀に血を螺旋状のように纏わせ、血は、刀身に沿って竜巻のように回る。
そのまま、血の斬撃を左斜め下から右斜め上に斬るように放つ。血の斬撃と、刀身に沿って竜巻のように回る血が混ざり込み、血の歯車のような形になりゼノヴィアに襲いかかる。
「『
ギュガガガカガガガガガッ!
血斬の歯車は、ゼノヴィアのエクスカリバーとぶつかり合いながら激しい火花を散りばめる。
「グゥゥゥゥゥウウウウッ────ハッ!!」
「ッ!」
俺は反射的にその場から避ける。あの野郎、力まかせで血斬の歯車を押し返しやがった!
木場との戦いを見て思ったが、パワータイプの剣士で間違いなさそうだ。
そんなゼノヴィアは肩で息をしている。
少しは体力を奪えたっぽいな。
「ゼノヴィア、大丈夫?」
「あぁ、思った以上に強力な技だった。次は二人同時に仕掛けよう」
「えぇ!」
そう言うと二人は同時に駆け出し、紫藤イリナは俺の後ろへと回り込む。
俺は空いている左手に魔力で剣を造り、それを背中へと回し紫藤イリナのエクスカリバーを受け止める。
前方からはゼノヴィアが斬りかかってくる。
それを、朽血刀で受け止める。
「ハァァァァァァァッ!」
ゼノヴィアが剣に力を込めると、朽血刀から「ピシッ!」と音が聞こえる。
「ッ!? 俺の愛剣にヒビをつけるとはなっ!」
「『破壊』の聖剣だからなっ! 文字通り万物全てを破壊する!」
確かに、破壊の聖剣と言われることだけはある!
だが、その時だった。
パリンッ!
「な!?」
俺の朽血刀の刀身が折れた。
このことは静観組のイッセー達も驚いている。
俺は、その場から上空へ跳びゼノヴィアの後ろに降り立つ。
「終わらせるぞ、イリナ!」
「えぇ! 覚悟なさい! アーメンよ!」
二人は後ろヘ向いている俺に、斬りかかろうとするが、そんな俺は剣を横薙ぎに一閃する。
すると、
「「!?」」
ゼノヴィアと紫藤イリナの肩や腕、脇腹に複数の傷が生まれ血が出る。
そのことにも二人は驚いているが、大半は俺の朽血刀を見て驚愕している。
「な!?」
「ど、とういうこと!?」
見ればイッセー達も驚いている。
それはそうだろうな。
なぜなら、折れたはずの刀身が──────再生しているからだ。
しかも、ただ再生したわけじゃない。
刀身が倍に伸び、更に刀身から別の刀身が三つ程生えている。
最初のときよりも禍々しくなっている。
「この剣『
「再生する!?」
俺の言葉に紫藤イリナがひどく驚いてるが、ゼノヴィアは驚く表情を一瞬見せるもすぐさま真剣な表情に切り替わる。
「つまり本体を叩けばいいということだな」
「まぁ、そのとおりだな。だが、勝負はもうついた」
「? 何を言って─────ッ!?」
ゼノヴィアと紫藤イリナが、脂汗をかき、肩で息をしながら崩れたようにその場に座りこむ。
傷口から煙が出て、その部分が青紫色に変色している。
俺はそれを見て朽血刀を元の姿に戻し、鞘にしまう。
すると、イッセー達がやってきて俺の剣について聞いてくる。
「なぁ、ハルト。一体その剣で何したんだ? 二人とも苦しがってるが……」
「この『朽血刀』の能力の一つ。この刀身から出た血に当たったり、この剣に斬られたりすると体に異常をきたす。そして当たった部分、斬られた部分から徐々に壊死し始め、最終的には朽ちたように死んでいく。治すことができるのはアクエリアスの力を持つ者(俺とミラナ)だけだ」
『ッ!?』
俺の言葉に全員が驚愕する。
そりゃそうだわな。
『死ぬ』っつーキーワードが出てんだから。
「おいおいおい! これは手合わせなんだぞ!? 死なせちゃ不味いって!」
「……ハルトさん。お二人を治してあげてください……」
イッセーとミラナが俺に言う。
ミラナの言葉で殺す気は無くなった。
元々これは非公式の手合わせだしな。
(まぁ、ミラナを『裏切り者』って言ったときは思わず殺そうとするところだったが……)
俺はポケットからアクエリアススイッチを取り出して変身する。ミラナも治せることはできるんだがな。
変身した俺を見て、紫藤イリナとゼノヴィアが驚いているが、無視して両肩の水瓶から水が出て二人にかかる。
「凄い……」
「本当に死ぬかと思ったわ……」
『ミラナ達に感謝するんだな』
俺と教会組の勝負は、俺の勝利という形で終わった。
紫藤イリナとゼノヴィアは立ち上がり、白いローブを着て俺に言う。
「今回は私達の完敗だ。だが、次はこうはいかない」
『やれるもんならな』
俺はフッと微笑みながらそう返す。
「では、先程の話をよろしく頼む。リアス・グレモリー」
リアス部長にそう言うと、イッセーに視線が移る。
「一つだけ言おう。 ────『白い龍』は既に目覚めているぞ。いずれ出会うだろうが、その調子では勝てないだろうね」
その情報に、俺を除いたオカ研メンバー全員が驚く。
まぁ、正確に言うなら数年前から目覚めていたけどな。
「では、失礼するよ」
「ちょっと待ってよ、ゼノヴィア。じゃあ、そういうことで。イッセーくん、裁いてほしかったらいつでも言ってね。アーメン♪」
胸で十字を切りながらウインクすると、教会二人組はその場を後にした。
[オリジナル要素紹介]
『朽血刀』
晴人が愛用している日本刀型の剣。刀身は赤黒く染まっており、血を吸ったり、折られて再生するたびに禍々しい姿に変貌する。
[能力紹介]
・刀身から出た血を浴びたり、斬られたりすると徐々にそ
の部分から壊死し始め、最終的には朽ちたように死んで
いく。
・斬った相手の能力を剣から使用できる。
例)天使や堕天使を斬ると、血を情報源にして光の力が
扱える。神器所有者や聖剣使いを斬っても意味はな
い(神器と聖剣は物だから)。
[秘密要素]ネタバレ注意
特別なものでもなんでもない普通の剣。ただ、晴人が元の世界で親を殺した時に用いた剣。晴人がこの世界に転生したとき、何故かこの剣もいっしょにとばされていた。この世界にとばされた影響からか魔剣に変わっている。