ハイスクールD×D 十二星座の使徒 作:ミニチュアコンセント
コカビエルの情報を集めるため、鳶雄達が働いてるバーに行ったその翌日。
オカ研メンバーは部室に集まっていた。
「木場との連絡が取れない……か」
「あぁ、フリードとバルパーを追っかけてそれっきりだ……」
イッセーが答える。
俺がミラナと鳶雄達が働いてるバーに行ってる間、イッセー達も同時進行でエクスカリバー破壊に動いていた。
エクスカリバーを探している最中にフリードに襲撃されたそうだ。
そこは大したことではなかった。問題はその後だ。
フリードに襲撃されて、戦っているときに一人の神父服を着た初老の男が乱入してくる。
その男は『聖剣計画』の首謀者であり、木場の仇敵『バルパー・ガリレイ』だった。
そして、そのまま戦いを続けようとしたところに教会二人組が現れ、分が悪いと判断したフリードとバルパーはその場から撤退した。
その二人を追いかけに行った教会二人組と木場だが、追いかけに行ったまま木場と連絡が取れなくなったそうだ。
で、エクスカリバー破壊のことがリアス部長とソーナ会長にバレ、勝手な行動をしたイッセーと匙がお仕置きを喰らったそうだ。
この情報は全部イッセーの影にいたレオ・ダスタードが見ていた。
そして、俺がレオ・ダスタードを回収したときにその時の光景を見せてもらった。
今更だけど、本当便利なもんだよ。
戦闘員としても役に立つし、情報を集めることに関しても役に立つ。
「けど、俺たちもただ連絡を待ってるわけにはいかないだろ?」
俺が言うと、朱乃さんが答える。
「ええ。ですので今現在、使い魔を放って町中を探索中ですわ」
流石、朱乃さん。
手際が早い。
けど、朱乃さん達に任せるのも悪いよな。
俺がダスタードを呼ぼうとしたとき、朱乃さんの手元に使い魔の小鬼が現れ、何かを報告している。
報告し終わった小鬼はポンッと消える。
「どうやら町はずれの山で何かを発見したようですわ」
「そう、ならその山に全員で行きましょう。朱乃、一応ソーナにも連絡を入れてくれるかしら?」
「はい、部長」
リアス部長から言われるなり、朱乃さんはソーナ会長に連絡を入れる。
連絡が入れ終わったあと、俺達は転移魔法陣でその山に向かった。
▽
魔法陣の光が止み、無事例の山に到着した俺達だが信じがたいものを目にし全員が驚愕する。
そこには、傷だらけの紫藤イリナが倒れていた。
「イリナ!?」
イッセーが紫藤イリナに駆け寄り、呼びかけるが本人は苦しそうに呻くだけだ。
「アーシア!」
「だ、誰がこんなことを……」
アーシアは紫藤イリナに駆け寄り、治療を始める。
アーシアの両手から緑色の光が発せられ、紫藤イリナの体を包み込んだ。
次第に、紫藤イリナの表情も緩和していき呼吸も穏やかになっていった。
「イリナ、何があった! 木場とゼノヴィアは!?」
「………二人は逃げた………でも、私だけ逃げ遅れて………」
紫藤イリナがそこまで言った時、俺はあることに気付く。
(あいつ、エクスカリバー持ってないぞ。無くした…というミスはしないだろう。となると、奪われたと見るのが妥当か)
紫藤イリナは続ける。
「………あいつの力………半端じゃない………」
あいつ………。
フリードのことか?
「……気を………つけ……て……」
「イリナ!」
紫藤イリナはそこまで言うと気絶してしまった。
すると、後方から別の魔法陣が現れソーナ会長、匙、生徒会副会長の真羅椿姫が出てきた。
前に一回だけ顔合わせしたな。
「来てくれたのね、ソーナ」
リアス部長が言う。
「連絡を貰って来ないわけにはいかないでしょう。……ダメージが大きそうですね」
ソーナ会長の言葉にアーシアが頷き、言う。
「は、はい。『
「……私の家なら治療設備があります。椿姫」
「はい」
ソーナ会長は副会長を呼び、紫藤イリナをお姫様抱っこすると、
「頼みましたよ」
「はい」
転移魔法陣でその場から転移した。
にしてもさっき紫藤イリナが言っていた『あいつ』……。
やっぱフリードじゃない気がするな。
もし、三人がフリードとバルパーに追いついて戦ったとしてもあんな傷だらけになるか?
更に言うなら、逃げる必要もないと思うが……。
三人がかりなら余裕で勝てるだろ。
となると、コカビエルに遭遇したんだろう。
遭遇したなら逃げるのも頷ける。
俺がそう考えていたとき、突如殺気を感じた。
それは、俺だけでなく全員が感じ取り殺気のする方向へ向く。
「やぁやぁやぁ、餌を嗅ぎつけて集まって来ましたねぇ。ご機嫌麗しゅう。クソ悪魔……ど………も………」
殺気のした方向からフリードが出てきて、俺の顔を見るなり驚愕した表情に変わっていく。
それはそうだ。
俺とお前は数年前に会ってるからな。
フリードの表情にイッセー達も警戒しながら不思議に思っている。
「よう。数年振りだな。フリード」
『!?』
俺の言葉に全員が驚き、一斉に俺の方へ向く。
対してフリードは指を震わせながら俺を差し、口をパクパクしながら、
「な、なななななな何であんたがーーーーーっ!?」
と叫ぶ。
「よくそこまで成長したもんだ。ただ、その性格と口調は相変わらずだな」
「ハ、ハルト! フリードと顔見知りだったのか!? しかも数年前って!」
イッセーが驚愕しながらも俺に聞いてくる。
「ああ。フリードとは数年前に戦ったことがある。その時は、まだ教会のれっきとしたエクソシストだったがな。で、この場に出てきたということは素直に殺られに来たということかな?」
俺が魔法陣を展開して朽血刀を取り出したとき、フリードが慌てふためくかのように首と両手を左右に振り、俺に言う。
「ちょちょちょ! ちょい待ちちょい待ち! 今は戦いに来たんじゃねぇって!」
すると、フリードはリアス部長に視線を移す。
「そっちの赤毛のお嬢さんにお話があるんだって!」
「話?」
リアス部長が訊くと、フリードは表情を一変させ醜悪な笑みを浮かべながら言う。
「あぁ、うちのボスがさぁ!」
すると、上空から強烈なオーラを感じ全員が上空へ視線を向ける。
そこには、ウェーブのかかった黒髪で黒いローブを着ており背中に黒い翼が十枚ある堕天使がいた。
「初めましてかな? グレモリー家の娘。我が名はコカビエル」
コカビエルは俺たちを観察するかのように見下ろしている。
俺はミラナを守るようにして前に立つ。
リアス部長が一歩前に出て、大胆不敵に言う。
「ごきげんよう、堕ちた天使の幹部さん。私の名前はリアス・グレモリー。どうぞお見知りおきを」
「紅髪が麗しいものだな。紅髪の魔王サーゼクス、お前の兄にそっくりだ。忌々しくて反吐が出そうだよ」
コカビエルはそう言葉を吐き捨てるように言う。
すると、イッセーが俺に訊いてくる。
「お、おいハルト! コ、コカビエルってマジなのか!?」
「ああ、聖書にも記されている堕天使だ。つーかお前だってオーラや翼の枚数ぐらいで分かるだろ」
「………あ、あれが堕天使の幹部……」
ミラナは俺の袖をギュッと掴む。
コカビエルは、アーシアの神器を抜こうとしたレヴィや、配下の堕天使たちとは格が違う。
「それで、私との接触は何が目的なのかしら?」
リアス部長の問いにコカビエルは喜々として告げる。
「お前の根城である駒王学園を中心にこの町で暴れさせてもらおうと思ってな」
コカビエルの言葉に全員が驚愕する。
「私達の学園を!?」
「そうすれば嫌でもサーゼクスは出てくるだろうからな」
「……そんなことをすれば神、堕天使、悪魔との戦争が再び勃発するわよ?」
リアス部長の言葉にコカビエルは「フフフッ」と笑う。
「それは願ったり叶ったりだ。エクスカリバーでも奪えばミカエルが仕掛けてくるかと思ったのだが……寄越したのは雑魚のエクソシスト共と聖剣使いがたったの二匹だ。つまらん。あまりにもつまらん!」
なるほど。
エクスカリバーを奪った目的がそれか。
戦争をしたいがためにこんなことを起こした……と言うわけか。
ソーナ会長が言う。
「では目的は最初から……」
「戦争を起こすことだと!?」
「そうだ。そうだとも! 俺は三つ巴の戦争が終わってから退屈で退屈で仕方がなかった! アザゼルもシェムハザも次の戦争には消極的でな。それどころか
アザゼル。
聖書に記されし存在であり、堕天使組織の総督を務める男だ。
シェムハザも同様に副総督を務める男。
「お前らは、聖剣だけでなく神器もご所望なのかよ?」
イッセーがコカビエルに問うと、コカビエルの視線がイッセーの方に移る。
「貴様が持つ
まぁ、俺もあいつのコレクター趣味は異常だと思ってる。
「どちらにせよ、俺は戦争をするためにお前の根城で暴れさせてもらうぞ! ルシファーの妹、リアス・グレモリー。レヴィアタンの妹、ソーナ・シトリー。それらが通う学び舎なら、さぞや魔力の波動が立ち込め混沌が楽しめるだろう! 戦場としては申し分ない!」
戦闘狂……いや、戦争狂と言ったほうがいいのかもな。
ま、どっちみち同じか。
「ひゃははははは! うちのボス、このイカレ具合が素敵で最高でしょう! 俺もついつい張り切っちゃうわけさ。こんなご褒美までいただいちゃうしさ!」
フリードが取り出したのは────エクスカリバーだった!
腰に二本帯剣しており、片手に一本持っている。
腕に紐状のやつが巻かれている。
あれは、紫藤イリナが持っていたエクスカリバーだな。
なるほど、奪った他のエクスカリバーもフリードに持たせた訳か。
「無論勿論全部使えるハイパー状態なんざます! 俺って最強! ひゃはははははっ! あ、そうそう。ついでにこの《
すると、コカビエルが翼を羽ばたかせ学園の方へと体を向ける。
「戦争をしよう。魔王サーゼクス・ルシファーの妹! リアス・グレモリーよ!」
フリードが懐から、閃光弾を取り出し俺たちに放つ!
本っ当あいつ、閃光弾好きだな!
閃光弾から放たれた光で視力を奪われた俺たちだが、回復するとそこにはフリードもコカビエルの姿もなかった。
「学園に向かったか……」
「あいつ、マジで学園を目茶苦茶にする気か!」
「……いえ、学園を中心にと言ってましたからそれだけでは済まないでしょう」
確かに学園を中心にって言ってたな。
「……じゃ、じゃあこの町に被害が及ぶんですか……!?」
ミラナの言葉に俺は頷く。
「あぁ、堕天使の幹部クラスなら町一つ滅ぼすことは容易だな」
俺の言葉にイッセーが怒りで拳を震わせていた。
「ふざけるな……。ふざけるなよ、クソ堕天使! てめぇの好き勝手にさせてたまるか!」
「イッセー、学園へ向かうわよ!」
「はい!」
イッセー達が踵を返し、学園に向おうとしたときに俺もミラナに言う。
「俺たちも学園に急ぐぞ」
「は…はい!」
俺たちは、学園へと足を進めた。