ハイスクールD×D  十二星座の使徒   作:ミニチュアコンセント

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7話 トップ会談

三大勢力会談─────当日。

 

いよいよこの日がやってきた。

三大勢力のトップ達が集結する日。

 

かと言って特別な日とかでもなんでもないんだが。

俺は今まで通り依頼を達成するだけだ。

 

「そろそろ時間だな」

 

俺とミラナは家の床に展開されている魔法陣の上に乗り、見送ってくれているイングヴィルドにそう告げる。

 

「………」

 

俺は心配そうな顔をしているイングヴィルドの頭を撫でながら言う。

 

「大丈夫だ。話し合いするだけだから」

 

「……うん、わかった。気をつけてね」

 

「ああ、行ってくる」

 

「行ってきます」

 

「行ってらっしゃい」

 

そして俺たちは家から学園へと転移した。

 

 

 

 

転移した場所は会議室へと続く廊下。

俺とミラナはそのまま廊下を歩き、会議室に向かう。

 

そして、会議室に到着し扉を開ける。

 

するとそこには────

 

特別に用意したであろう豪華絢爛なテーブルを囲むように三勢力のトップ達が座っていた。

 

 

悪魔側は、サーゼクスとセラフォルーに、給仕係のグレイフィアさん、そしてその後ろの席にはソーナ会長に副会長。

 

まだ、イッセー達は来てないようだな。

 

 

天使側は、ガブリエルに……見覚えがある美青年の天使。

そして、護衛役であろう二人の天使。

 

 

堕天使側は、アザゼルとヴァーリ、それからレイナだった!

 

久しぶりに会うな!

しかも………前に会ったときよりもオーラが違う。

あの言葉通り、自分の力で強くなったようだな。

 

俺と目が合ったとき、嬉しそうに微笑む。

 

その笑顔も久しぶりに見たな。

 

 

「よお、待ってたぜ」

 

アザゼルが俺に声をかける。

 

「待たせたか?」

 

「いいや、まだ開始時間じゃないからな。お前さんの席はミカエルの前だ」

 

ミカエル?

あの美青年天使のことか?

 

俺が疑問に思ってると美青年の天使が俺のところに来る。

 

「数千年振りでございます、星王龍様。いえ、秋星晴人様とお呼びしたほうがよろしいでしょうか。私はミカエル。天使の長をしております」

 

こいつが天使の長、ミカエル。

 

ガブリエルから少し話は聞いたな。

こいつが中心になって今の天界を運営している、と。

 

「なるほど、お前が天使の長か。ガブリエルから聞いてるとは思うが、俺の名は秋星晴人だ。それとその様呼びは極力やめてくれ。名前呼びで構わない」

 

「分かりました。……本来なら前日に挨拶に伺うつもりだったのですが、今になってしまい申し訳ありません」

 

そう言うと、天使の長───ミカエルは俺に頭をさげてくる。

 

「あー、別にそのことなら気にしなくていい。俺はそこまで細かいわけじゃないからな」

 

「ありがとうございます」

 

話を終えると、俺とミカエルはテーブルの席につく。

ミラナは俺の後ろの席に座っている。

 

すると、扉からノックする音が聞こえる。

 

「失礼します」

 

リアス部長が扉を開けると、オカ研のメンバーが入ってくる。

 

そしてイッセーが入ってくると、ガブリエルの胸を見て鼻の下を伸ばす。

 

あの野郎……あとで締めてやろうかな。

まぁ、それはともかくギャスパーと小猫がいない……。

恐らく、留守番か?

 

「私の妹と、その眷属だ。先日のコカビエル襲撃では彼女達も活躍してくれた」

 

サーゼクスが他の陣営のトップたちにリアス部長たちを紹介する。

 

「ご苦労様でした。改めてお礼を申し上げます」

 

「ありがとうございます」

 

ミカエルとガブリエルがリアス部長たちに礼を言う。

 

「悪かったな、俺のとこのコカビエルが迷惑をかけた」

 

なんだ、あの態度……。

 

レイナもアザゼルの態度を見て、額に手をつきため息を吐いていた。

 

なんつーか………レイナ。

お前も苦労してんだな……。

 

イッセー達が壁側に設置されている椅子に座る。

それを確認したところで、サーゼクスが言う。

 

「この会談の前提条件として、この場にいる者たちは『神の不在』を認知している」

 

それを言われても、全員特に反応がない。

もうわかりきっていることだからな。

 

「では、それを認知しているものとして、話を進める」

 

その一言で三大勢力の会談が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「と言うように我々天使は────」

 

「そうだな、そのほうが良いのかもしれない。このままでは確実に三勢力とも滅びの道を────」

 

「ま、俺らは特に拘る理由もないけどな」

 

アザゼルの発言で偶に場が凍り付くが、アザゼルはアザゼルでそれを楽しんでるようにも見える。

 

三勢力のトップ達の言ってることは分かるが、正直言って俺には関係ない。

三勢力のトップ達がどういう判断を降し、どう行動するかはあいつら次第だ。

俺があーだこーだ言う権利はない。

それは日本神話も例外じゃない。

 

日本神話の行動方針も俺は一切口を挟まない。

 

俺は勢力の関わりは持つが、その勢力の細かい部分までは我関せずだ。

細かい部分まで関わりを持つとすごく面倒だからな。

俺が好きでやるとなると話は別だが。

 

「さて、リアス。そろそろ先日の事件について話してもらおうか」

 

「はい、ルシファー様」

 

サーゼクスに促され、リアス部長が立ち上がりコカビエル戦のことを話し始めた。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「─────以上が私、リアス・グレモリーとその眷属が関与した事件です」

 

「ご苦労、座ってくれたまえ」

 

リアス部長が報告し終えると、サーゼクスの一言で椅子に座る。

 

「さてアザゼル。この報告を受けて、堕天使総督の意見を聞きたい」

 

その言葉に皆が注目すると、アザゼルは不敵な笑みを浮かべて話す。

 

「先日の事件は我が堕天使中枢組織『神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部コカビエルが単独で起こしたものだ。やつの処理は『星王龍(ハルト)』と『白龍皇』が行った。その後、組織の軍法会議でコカビエルの刑は執行された。『地獄の最下層(コキュートス)』で永久冷凍の刑だ。もう出てこられねぇよ。その辺りの説明はこの間転送した資料に書いてあったろう? それが全部だ」

 

ミカエルが嘆息しながら言う。

 

「説明としては最低な部類ですね。しかし、あなた個人が我々と大きなことを起こしたくないという話は聞いています。それは本当なのでしょう?」

 

「ああ、俺は戦争に興味ない。コカビエルも俺のことをこきおろしていたと、そちらでも報告があったじゃないか」

 

確かに、コカビエルはかなりアザゼルの事を悪く言ってたな。

まあ、神器大好きアザゼルと戦争大好きコカビエルじゃ考えや価値観が違うだろうから合わないんだろう。

 

「アザゼル、一つ訊きたいのだが……どうしてここ数十年神器所有者をかき集めている? 最初は人間達を集め戦力増強を図り、天界か我々に戦争を仕掛けるのではないかと予想していたが……」

 

「そう、あなたはいつまで経っても戦争を仕掛けてはこなかった。『白い龍』を手に入れたと聞いたときは、強い警戒心を抱いたものです」

 

天使も悪魔もそうなるのは当然か。

敵である堕天使が理由も分からず人間達を集めまわってると聞けば、誰だって警戒するわな。

 

「神器研究のためさ。なんなら、一部の研究資料もお前らに送ろうか? って研究してたとしてもそれで戦争なんざ仕掛けねぇよ。俺は今の世界に十分満足してる。部下に『人間界の政治にまで手を出すな』と強く言い聞かせてるぐらいだぜ? 宗教に介入するつもりはねぇし、悪魔業界に影響を及ぼすつもりもねぇ。────ったく、俺の信用は三竦みの中でも最低かよ」

 

「それはそうだ」

 

「そうですね」

 

「そのとおりね☆」

 

「えっと……そうですね……」

 

サーゼクス、ミカエル、セラフォルー、ガブリエルの意見が見事に一致していた。

 

にしても………アザゼル、めっちゃ信用されてないじゃんっ(笑)。

まあ、根は悪いやつではないがすぐに仕事サボったりするから信用されないのは当然か(笑)。

 

「チッ、神や先代ルシファーよりはマシかと思ったがお前らもお前らで面倒くさい奴らだな。あー、わーったよ。────なら、和平を結ぼうぜ。元々そのつもりだったんだろう? おまえらもよ?」

 

『───っ!?』

 

アザゼルの一言で天使側も悪魔側も表情が驚きに包まれていた。

 

俺は最初から分かっていた事だからそんなに驚きはしない。

アザゼルの性格からすれば和平話を持ちかける事は不思議じゃないしな。

アザゼルの言葉を聞いて、レイナはうんうんと頷いている。

ヴァーリだけつまらなさそうにしてるが。

 

ミカエルが言う。

 

「ええ、私もグリゴリと悪魔側に和平を持ちかける予定でした。────戦争の大元である神と魔王は消滅したのですから争う必要はありません」

 

────神はいない。

 

この言葉を聞いて、アーシアとゼノヴィア、ミラナは暗い顔をする。

 

三人は教会出身だからずっと神のことを信じていたからな。

いないとわかっていても辛いんだろう。

 

サーゼクスが言う。

 

「我らも同じだ。───魔王が居なくても種は存続させる。これは未来永劫変わることはない。次の戦争をすれば悪魔は滅ぶ」

 

「そう。次の戦争をすれば三竦みは共倒れだ。そして、人間界にも大きく影響を及ぼす。俺らはもう戦争は起こせない」

 

さっきまでふざけた調子だったアザゼルが一転して真剣な面持ちとなる。

 

「神がいない世界は間違いだと思うか? 神がいない世界は衰退すると思うか? 残念ながらそうじゃなかった。俺もお前たちもこうやって元気に生きている。──────神がいなくても世界は回るのさ」

 

………なるほどねぇ。

確かに他の人達の生活も特段変わったわけでもない。

 

………まあ、俺の知る限り一人だけ大きく変わった奴がいるが。

それでもこうなる運命だったのかもしれないな。

アザゼルの言った通り、神がいなくても世界は回っている。

 

そろそろ俺も日本神話の依頼をこなさないとな。

 

「それが三大勢力の総意か」

 

俺の一言に全員の視線が俺に移る。

 

アザゼルが思い出したかのようにため息をつく。

 

「あぁ、そういえばお前さんは日本神話の代表で来たんだったな」

 

アザゼルの言葉に誰も驚きはしなかった。

 

俺、アザゼル以外にそのこと伝えてないが………なんかこいつら知ってる雰囲気だな。

 

「ミカエル達には、俺からお前さんが日本神話と通じている事は伝えさせてもらった。この場にいる全員が知ってるってわけだ」

 

「なら、話は早い。まあ俺は天照から依頼されて来たってのもあるんでな」

 

「よりによって主神直々の依頼かよ………」

 

アザゼルが頭を掻きながら呆れるように言う。

すると、ミカエルが俺に依頼内容を訊いてくる。

 

「その依頼内容とはなんでしょうか?」

 

俺は指を二本立てながら言う。

 

「依頼された内容は二つ。まず一つ、三大勢力の総意を聞くこと。次に二つ、日本神話の警告を三大勢力に伝えることだ」

 

警告。

この言葉を聞いて三大勢力のトップ達が表情を難しくする。

 

俺はそのまま話を続ける。

 

「まず、三大勢力の総意を改めて確認させてもらうが……これは全員『戦争は起こさない』ってことでいいのか?」

 

俺の問いにアザゼルが最初に答える。

 

「ああ、その通りだぜ」

 

「我々、天使側も同じ意見です」

 

「悪魔側もだ」

 

アザゼルに続きミカエル、サーゼクスが答える。

 

「そうか。なら、次は日本神話の警告だな。『日本の地で戦争行為を行おうとした場合、日本神話は武力を持って制する』とのことだ」

 

「「「─────っ」」」

 

日本神話の警告に言葉を詰まらせる三大勢力のトップ達。

 

……今更思ったがこの警告に意味あんのか?

 

三大勢力って言いかえれば『聖書の神話』だろ?

 

数だけで言えば神話のトップだったが、神や数多の天使・堕天使・悪魔を失った以上最弱の神話と言ってもいい。

他の神話には神は必ず健在しているが、神を唯一失っているのはこの神話、三大勢力のみだ。

仮に手を組んで他の神話と戦争ってなったとしても勝てる確率なんて0に等しいんじゃないか?

 

「まあ、お前らも他の神話に勝てる程思い上がってないだろ? この警告は念の為だ。お前らが故意に起こさなければ日本神話も手出ししないだろうよ」

 

俺の言葉を聞いて三大勢力のトップ達はホッと息をつく。

 

……この会談を見てて思ったが、三大勢力のトップ達は平和を望んでいる。

 

天使も悪魔も堕天使もな。

 

警告なんざ必要なかったな。

 

 

 

 

その後、話し合いが数十分程続き、一通り重要な話しが終わった。

グレイフィアさんがお茶の給仕を俺たちにしてくれるなか、ミカエルがイッセーの方に視線を向ける。

 

「さて、話し合いも良い方向へ片付きましたし、そろそろ赤龍帝殿のお話を聞いてもよろしいかな」

 

イッセーの話?

……あぁ、そういうことか。

 

イッセーは一拍空けた後、話し出す。

 

「アーシアをどうして追放したんですか?」

 

やっぱな。

仲間思いのイッセーのことだ。

アーシアを追放した教会────天界側に許せない部分があるんだな。

 

まあ、それは俺もだが。

 

「………神が消滅した後『システム』だけが残りました。加護と慈悲と奇跡を司る力と言い換えてもいいでしょう。今は私を中心にかろうじて起動させている状況です。故に、『システム』に悪影響を与えるものは遠ざける必要があったのです」

 

ミカエルが話し始めると同時に、ガブリエルが申し訳無さそうな表情をする。

 

「アーシアが悪魔や堕天使を回復できる力を持っていたからですか?」

 

「……信者の信仰は我ら天界に住まうものの源。信仰に悪影響を与える要素は極力排除しなければ『システム』の維持ができません」

 

「────だから、予期せぬ『神の不在』を知る者も排除の必要があったのですね」

 

ゼノヴィアが言うと、ミカエルは頷く。

 

「その為あなたと、アーシア・アルジェントを異端とするしかありませんでした」

 

「なら、ミラナの事についてはどうなんだ?」

 

俺の発言に全員の視線が俺に移る。

 

イッセーがアーシアのことで天界側に許せない部分があると同様に、俺も許せない部分が天界側にある。

俺はそれを天使の長であるミカエルに聞きたかった。

 

俺はミラナに視線を移し、確認をとる。

ミラナは自身の胸に手を当て、小さく頷く。

 

「ミラナはアーシアみたいに悪魔や堕天使を癒やす神器を持ってる訳でもないし、ゼノヴィアみたいに『神の不在』を知って異端とされた訳でもない。『聖剣計画』とか言うふざけた計画に関わった教会上層部の連中に勝手に異端とされ、教会を追放されたあげく、命まで狙われていた。しかも、その『聖剣計画』にはなんの罪もない複数の子供達が犠牲になったんだぞ? なぁ、おかしくないか? 天のため、教会のため、そして……人間のためにいる信徒がどうして人間を殺したり、命を狙ったりするんだぁ?」

 

俺は目を細め、怒気を込めながらミカエルに問う。

俺が怒っているからか後ろの護衛天使が冷や汗をかいている。

 

「………」

 

ミカエルは申し訳無さそうにするが、俺はまだ続ける。

 

「まあ、ミラナの事は大方『聖剣計画』が原因なんだろうが、根底を辿っていけばお前の力不足って事になるよなぁ?」

 

「はい、それに関しては私の力不足としか言えません………。信徒の管理もしっかりこなしていれば犠牲者は出ずに済んだはずです。……これは天界の過ちですから今後はこのようなことがないように徹底していきます。………アーシア・アルジェント、ゼノヴィア、ミラナ・シャタロヴァ」

 

「「「は、はい!」」」

 

ミカエルに呼ばれた三人は若干驚く。

 

「私の力不足であなた達には辛い思いをさせてしまいました。申し訳ありません」

 

「………申し訳ありませんでした」

 

ミカエルとガブリエルが三人に頭を下げた。

 

その行動に俺を除いた全員が驚愕する。

 

天使のトップ達が下級悪魔や人間に頭下げてんだから当然か。

まあ、俺はあまり怒れないんだが。

聖剣計画があったからミラナや木場と出会えたんだし、しかもミラナは十二使徒の一人だからな。

 

ゼノヴィアが首を横に振って微笑む。

 

「頭をお上げください、ミカエル様、ガブリエル様。長年、教会に育てられた身。多少の後悔はありましたが、今は悪魔としての生活に満足しております。他の信徒には申し訳ないですが………」

 

ゼノヴィアに続き、アーシアも手を組みながら言う。

 

「私も今、幸せだと感じております。大切な人達がたくさんできました」

 

「……わ、私もです。教会にいたときも幸せでしたが……今は教会にいたとき以上に幸せです」

 

ミカエルとガブリエルはアーシアとゼノヴィア、ミラナの言葉に安堵の表情を見せていた。

 

「あなた達の寛大なお心に感謝します」

 

そう言うと再び三人に一礼する。

 

 

「どうやら、天使の方は終わったみたいだな。実は俺も訊きたいことがあるんだよ。ハルト、お前さんにな」

 

ミカエルが話し終わった後、今度はアザゼルが視線を俺に向けて話してくる。

 

「訊きたいこと?」

 

「ああ、単刀直入に訊くが─────お前さん一体何者だ?」

 

 

 




ちょっと変な終わり方ですいませんm(__)m

長くなりそうなので話し合い的なやつは二話に分けます。
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