ハイスクールD×D 十二星座の使徒 作:ミニチュアコンセント
「─────お前さん、一体何者だ?」
………こりゃあ、直球だな。
俺の正体を確かめにきてるのか。
「アザゼル、何を言ってるのですか。彼は『星王龍』ですよ?」
ミカエルが呆れたように言うが、アザゼルは肯定しながら言う。
「そりゃそうだけどよ。だが、よくよく考えればおかしくないか? 二天龍を倒す程の実力がありながら名が知られてない。普通なら文献や伝承に載っていてもおかしくない筈だ。なのに白銀の龍のことが何も載ってない。つーか、『星王龍』は俺たちが勝手につけた名だぜ? 名も知られてない龍が二天龍を倒すなんて普通はありえんだろ」
「………確かに」
「言われてみればそうですね………」
アザゼルの言い分にサーゼクス、ミカエルも頷く。
…………なんだよこの空気は。
少し重くなった気がするぞ……。
イッセー達やヴァーリ、レイナも俺を見てるしよ……。
「それにもう一つ。ヴァーリから聞いたが、コカビエルとの戦いのとき、二天龍を倒した時の姿が変わったようだな?」
「それは私もガブリエルから話は聞いています。あれはいったい……」
サジタリウス・ノヴァのことか。
確かに、二天龍を倒したときは超新星前の姿だったな。
俺はそのことをガブリエルにしか話してないからなぁ。
まあ、ミラナたちは知ってるけど。
アザゼルが言う。
「悪いが、俺はお前さんのことをずっと調べていた。だが、いくら調べても出てこない。星座関連から見てギリシャ神話かと思ったがどうも違う。どの文献・書物にも載ってない謎の存在。だから、この場を借りて訊かせてもらうぜ。──────お前さんは、何者なんだ?」
まあ、確かに星座で有名なのはギリシャ神話だな。
……………しゃーない、答えてやるか。
「………俺は、とある神によって生み出された龍だ」
『っ!?』
俺の一言にミラナを除いた全員が驚く。
って、お前らから訊いて来たくせになんで驚いてんだよ。
「そんなに驚くことか? 書物とか見れば神によって生み出された龍なんて他にもいるだろ」
「あ、あぁ、まぁな。で、その神は誰なんだ?」
「………俺にもよく分からん」
「……………はっ?」
一瞬の静寂。
すると───────
「はぁぁぁぁぁああああっ!?」
うるせーよ!
鼓膜が破れるだろーが!
ほれ、イッセー達も耳塞いでるじゃねーかよ!
「お前、知らないってどーいうことだよ!? そこは重要な情報源だぞ!?」
「アザゼル、少し落ち着いてください……」
ミカエルがアザゼルを落ち着かせる。
「しかし、アザゼルの言い分も最もだ。ハルトくん、知らないとはどういう事なんだい?」
「言葉の通りだ。俺はその神のことをよく知らない。ただ、女の神ってことだけは分かっているが……」
知らないって言うのは本当なんだがな。
あいつは自分の事を神としか言ってなかったし……元々俺はこの世界とは違う世界で生きていた人間だったしな。
それを伝えた所で信じてもらえるかってんだ。
なら俺を龍に変えた神は、俺がいた世界の神かと問われると難しい所だ。
もしかしたらこの世界の神なのかもしれないし、俺がいた世界の神なのかもしれない。
一言で言ったら情報が少なすぎて判断がつかない。
「まぁ、とりあえずお前さんは神によって生み出されたって事でいいんだな?」
アザゼルの問いに俺は頷く。
「次にだ。あの姿は一体何なんだ?」
「あれは……俺自身の力の一部だな」
「……どういう事だ?」
俺が言ったことを理解できなかったのか全員(ミラナ除く)が若干困惑した表情を見せる。
「俺が生み出された際、神は俺から力だけを抜き出し十二に分割して、それを
俺は魔法陣を展開し、
「これが俺の力そのもの。コカビエル戦で見せたのはサジタリウスの超新星だ」
「「「超新星?」」」
三大勢力のトップ達の声がハモる。
俺は
「十二星座の使徒のみが使える究極の力───────『超新星』。神器には『
『っ!!』
まあ、そりゃ全員驚くわな。
………ヴァーリだけ好戦的な笑みを浮かべてるが。
ミカエルが言う。
「で、では二天龍の戦いもコカビエルの戦いも本気ではなかったと……?」
「う〜ん、まあ、分かりやすく言えば……そうだな。でも、二天龍の時は運が良かっただけさ。二天龍が油断してたからこそ俺は勝てた。本来ならあれは超新星で倒せる相手だ」
『……………』
うん、俺の発言でみーんな黙っちまったわ。
一人だけ例外がいるがな。
やっぱり言わない方が良かったのかねぇ?
いや、それでもどこかしらで言うだろうな。
この部屋に微妙な空気が漂うが、アザゼルが空気の流れをリセットする。
「まぁ、俺から訊いといてあれなんだが……この際ハルトの力や正体は分かったってことにしておこう。………とりあえず話を戻してだ。そろそろ俺たち以外に世界に影響を及ぼしそうな奴らへの意見を聞かせてもらおうか。まずはヴァーリ、お前は世界をどうしたい?」
「俺は強い奴と戦えればいいさ」
アザゼルの問いに即答するヴァーリ。
相変わらず戦闘好きだな。
ま、俺も戦いは好きなんだが。
アザゼルの視線がイッセーに移る。
「じゃあ、赤龍帝、お前はどうだ?」
「え!? え〜っと、いきなりそんな小難しい事を振られても……」
「では、恐ろしいほど噛み砕いて説明してやろう。兵藤一誠、俺らが戦争してたらリアス・グレモリーは抱けないぞ?」
………んん?
「だが、和平を結べばその後大事になるのは種の繁栄と存続だ」
「種の………繁栄!?」
「おうよ、毎日リアス・グレモリーと子作りに励むことができるかもしれん。和平なら毎日子作り。戦争なら子作りなし。どうだ? わかりやすいだろう?」
あー、こんなん訊かれたらイッセーの答えは一つしかないわ。
しかも、アザゼルのやつ、イッセーとリアス部長をからかって楽しんでやがるな。
現にリアス部長顔真っ赤だし。
「和平でお願いします! ええ! 平和が一番です! 部長とエッチしたいです!」
はい、やっぱりな。
予想通りの反応。
「イッセーくん、サーゼクス様がおられるんだよ?」
木場が苦笑しながら言う。
よくもまあ、
サーゼクスもサーゼクスで小さく笑ってるし。
イッセーが咳払いしてから言う。
「と、とにかく俺の力はリアス様や仲間たちの為にしか使いません! これは絶対です!」
イッセーが答えると、アザゼルの視線が俺へと移る。
「そんじゃ、最後は二天龍を倒した張本人に訊いてみるか。ハルト、お前は世界をどうしたい?」
アザゼルの一言で全員の視線が俺に移る。
ふむ、世界をどうしたい………か。
俺はただ
だが、彼女の為に世界を変えようと行動を起こしているのは確かだ。
そのために十二使徒が必要なんだが………。
とりあえず少し嘘ついても言っとくべきか。
「
「黄道十二星座のことか。確かレイナーレとそこの嬢ちゃんがそうなんだろう?」
アザゼルはミラナに視線を向ける。
レイナから聞いたのか?
俺がレイナに視線を向けると、苦笑していた。
………なるほど、言っちまったってわけか。
「ああ。ミラナは水瓶座、レイナは魚座だ」
「既に二人見つかっていると言うことですか……。ですが、あと十人も残っているのですよね?」
ミカエルの問いに頷く。
「だが、その十人の使徒は未だ見つかってない。俺が数千年掛けて捜しているのに、見つかったのはたったの二人だ。……分かるか? 使徒はホイホイ見つかる存在じゃない。出会える確率は人間界の人口だと何億万分の十二だ。しかもレイナ─────堕天使が使徒になると言うことは悪魔や天使、他の生物ですら使徒になる可能性が高い。俺は今まで十二使徒は人間だけがなれる存在だと思っていたからな。そうなると、より広い範囲で捜し出す必要がある。それほどまでに十二星座の使徒─────『ホロスコープス』は貴重で、重要で、大切な存在なんだ」
俺の説明に全員が沈黙する。
お前らにとっちゃどうでもいい奴らかもしれねぇけど、俺にとっちゃこれから重要になってくる存在だ。
「まあ、十二星座の使徒がどれほど大切かってのは分かった。……けどよ、十人って言っておきながらお前さん射手座になれるじゃねぇか」
「私もリアスから聞いている。スコーピオン────蠍座と、リブラ────天秤座にもなれている、と。だから、実質七人なのでは?」
良いとこに気づくな。
確かに十二使徒は揃っているが、それは俺自身の力………趣味だ。
子供なら誰もが一度はなりたいと思うだろ?
ヒーローや悪役にさ。
「あれは俺自身の力であり、使徒であって使徒ではない。ただ能力や姿を真似ているだけだ。………とにかくだ。俺は世界どうこうよりも使徒捜しに専念しているだけだ」
ここで区切りつけとくか。
なんかこのまま行くと更に訊かれそうだし。
俺が話し終わった後、再び三勢力のトップが話し合うが………突如、妙な感覚に襲われる。
この感じは………ギャスパーの神器?
───────その瞬間全ての時が停止した。
誰もが一度は怪人になりたいと思っているはずッ!
多分!
きっと!
絶対!
いや、間違いない!