ハイスクールD×D  十二星座の使徒   作:ミニチュアコンセント

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11話 二天龍、激突!

カテレアをダークネビュラへと送った後、残す問題はヴァーリだけとなった。

魔法使い共もほぼ片付いてるし。

 

すると、サーゼクスが話しかけてくる。

 

「ハルト君、カテレアは一体どこへ……? それにあれは……」

 

『あれはダークネビュラ。あれに吸い込まれたものは宇宙の果て………ほぼ無の空間に追放される。追放された者は例外なく死ぬ。だから、カテレアはほぼ死んだだろうさ』

 

『!?』

 

俺の言葉に驚くサーゼクス達。

 

そう、宇宙の果てはほぼ無だ。

そこに追放されたら弱者であろうと強者であろうと死ぬ。

 

ただ、強者であればあるほどまだ存命できるだろうけど、戻る術がない以上結局は死が待っているがな。

 

「前々から思ってたけどよ………お前結構えげつないな。……つーか、俺の出番取んなよ!」

 

アザゼルがそう言う。

 

『仕方ないだろ。あいつが逃げようとしたからとっさに手が出ちまったんだよ。それに逃がしたら逃がしたでどんな問題が起こるかわかったもんじゃないからな』

 

まあ、適当な事言ったけどイングヴィルドの為だけどな。

自分の大切な存在を殺そうとするやつを、分かっていながら見逃す奴なんていないだろ。

 

「フフフ。やはり凄まじいな、晴人は」

 

ヴァーリが俺にお世辞を送る。

 

『さーて、魔法使い共も片付いてるし残るはお前だけだ。どうする? 私と殺り合うか?』

 

俺は、ロディアの杖をヴァーリに向けながら言う。

 

「確かに、晴人とやった方が楽しそうだな。……だがしかし、運命というのは残酷だと思わないか? 兵藤一誠?」

 

ヴァーリはイッセーにそう問いかけるが、そのまま続ける。

 

「俺は魔王の血を引きながらドラゴンの力を得た最強の存在。なのに君はただの人間。悪魔に転生するまではあまりに普通の高校生。つまり、赤龍帝の籠手以外何もない。つまらん。あまりにつまらなすぎて笑いが出たよ。ライバル同士の神器とはいえ俺たちの間には天と地以上の差がある。いや、ありすぎる」

 

「……だから、どうした……?」

 

「そうだ、こういう設定はどうだろうか?」

 

ヴァーリの言葉に訝しげな表情になるイッセー。

 

設定……?

ヴァーリの奴何企んでる?

 

「君は復讐者になるんだ。俺が君の両親を殺そう」

 

ッ!?

………冗談なのか知らねぇけど、あいつ本気(マジ)で言ってんのか?

 

「親を俺のような貴重な存在に殺されれば、多少は重厚な運命に見を委ねられると思わないか? 君の両親だって老いて普通死んでいくつまらない人生よりもよっぽど劇的だ」

 

ヴァーリの言葉を聞いたイッセーは、怒りで拳を震わせていた。

 

「殺すぞ、この野郎」

 

ドスの効いた声でヴァーリに言う。

 

「なんで俺の父さんと母さんが……てめぇの都合に合わせて殺されなくちゃならねぇんだよォォォォッ!」

 

『Welsh Dragon Over Booster!!!!』

 

イッセーがそう叫ぶと、それに呼応するように籠手の宝玉と腕に装着していたリングから光が溢れ出る!

瞬時に鎧が装着されてイッセーは禁手状態になった!

 

「てめぇなんぞに親を殺されてたまるかよォォォォォォォッ!!」

 

なるほど、イッセーがギャスパーを助けに行くときアザゼルから何かもらっていたが……あのリングがそうだったのか。

 

確か………唐揚げ君の頃だったか?

 

イッセーが禁手になった時、左腕を代償として力を得ていたが……今回はノーリスクで禁手になったっつーことはあのリングがその代わりをしているのか?

 

「見ろ、アルビオン! 兵藤一誠の力が桁違いに上がったぞ!」

 

『神器は強い想いを力の糧とする。純粋な怒りがお前に向けられているのさ。────それこそドラゴンの力を引き出せる真理の一つ』

 

嬉しそうだな、ヴァーリのやつ。

つーか、わざとそういう風にしたのか?

自分が戦いたいがために、イッセーをわざと怒らせて試したと?

それが本当だったらとんでもねぇ弟子だな。

 

ま、俺も似たようなもんか。

 

「そういう意味では俺よりも彼の方がドラゴンと相性がいいわけだ」

 

「わけ分かんねぇ事言ってんじゃねぇ! アスカロン!」

 

Blade(ブレード)!!!!!』

 

イッセーが籠手からアスカロンを出し、ヴァーリに突貫する!

が、ヴァーリはそれを易々と避ける。

 

って、アスカロン!?

龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の能力を持っている有名な聖剣じゃねぇか!

 

悪魔でドラゴンであるイッセーが、龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の能力を持っている聖剣を所持するなんてシャレてるっちゃシャレてるけど……イカれてんな。

 

『あいつあんな物いつ手に入れたんだよ………』

 

俺がボソリと呟くとガブリエルが俺に言ってくる。

 

「ミカエル様がこの会談を好機とみなして、前日に悪魔さんや堕天使さん達に贈り物をしたそうなんです。あれは悪魔さん達に送った贈り物の一つだそうですよ」

 

なるほど、じゃあ天使側も悪魔や堕天使達に何かを貰ったってこだよな。

 

でも………

 

『いやいやいや、悪魔に聖剣を贈るって……』

 

「あのアスカロンは特殊儀礼を施しているので、赤龍帝さんでも問題なく扱えるそうです」

 

『そ、そうか……。ならいいんだが……』

 

まあ、問題なく扱えるならそれでいっか……。

 

 

龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)か。一太刀でも浴びたらダメージは否めないぞ』

 

「要は当たらなければいい話だろう?」

 

ヴァーリとイッセーが何度も激しくぶつかり合う!

 

イッセーはアスカロンで攻撃を繰り返すが、ヴァーリはそれを何度も上手く避け、攻撃を繰り出す。

 

ヴァーリの拳がイッセーの顎や背中にクリーンヒットするが、イッセーは諦めずにアスカロンを当てようとする!

 

だが、ヴァーリが一瞬の隙をついてイッセーの腹に重い拳を打ち込む!

 

「ガハッ!」

 

イッセーが口から血を吐くと同時に、地面へと叩き落される。

 

「これが俺のライバルか! ハハハハハッ! 困ったな! 弱すぎるよ!」

 

Divide(ディバイド)!!!』

 

ヴァーリの鎧の宝玉から音声が聞こえると、イッセーの力が半減する。

 

あれ普通に厄介なんだよな。

 

ヴァーリに触れられると相手の力が『半減』するし、おまけに『半減』した力は自分の糧になるっつー反則技。

半減させられるとその対処法も限られてくるしな。

 

じゃあ、当たらなければいいと言うと、それも戦い慣れてるやつじゃなきゃ無理だ。

あいつは魔王ルシファーの血縁者、基礎力が半端じゃない。

 

………本っ当、こいつは過去現在未来において最強の白龍皇だな。

 

 

『Boost!!!』

 

イッセーは力が一気に消失したことに困惑しているが、倍加で半減させられた力を取り戻す。

 

「イッセー、気をつけろよ。ヴァーリは相手の力を『半減』し、その『半減』した力を自身の糧にすることができる」

 

イッセーは俺の言葉に驚く。

 

「じゃ、じゃあ俺はマイナスから戻っても、あいつはプラスになってくのか!?」

 

「そういうことだ」

 

『だが、どんなに宿主が凄くても限界はある。キャパシティを超える力は背中の翼から吐き出すことで、奴は常に上限を維持できるわけだ』

 

俺に続いてドライグもそう助言する。

 

 

「ほらほらほら!」

 

ヴァーリは遊ぶように魔力弾をいくつもイッセーに飛ばす。

 

あいつの攻撃は魔力弾だけでも強力だからな。

一発一発の威力が半端ない。

 

イッセーはなんとか耐え忍いでいるが、受け続けるのは得策じゃない。

 

すると、イッセーは何か思いついたのか背中の噴出口から魔力を一気に噴かせ、ヴァーリに近づく!

ヴァーリの魔力弾が被弾して、装甲が少しずつ破壊されていく。

 

「ドライグ! アスカロンに力の譲渡だ!」

 

『承知ッ!』

 

『Transfer!!』

 

「でやぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

ドゴンッッ!!

 

 

イッセーは左腕の籠手に収納してあるアスカロンに力を譲渡し、その左腕でヴァーリの魔力弾をかき消し顔面にクリーンヒットする!

 

ハハッ!

あいつ、ヴァーリに一撃入れやがった!

 

イッセーのパンチを受けたせいか、ヴァーリのマスクの一部が崩れ落ちる。

その部分からヴァーリの顔の一部を覗かせていた。

 

「ここだ!」

 

『Transfer!!!』

 

イッセーはヴァーリが体勢を崩したその一瞬の内に、光翼を掴み自身の力を譲渡する!

 

「てめぇの吸い取る力と吐き出す力を一気に高めてやるッ! この翼が処理しきれなくなるほどになぁッ!」

 

なるほど、ヴァーリの吸い取る力と吐き出す力を、イッセーの『譲渡』によって一気に高める!

そうすれば自然に機能がオーバードライブすると。

 

考えたな、あいつ!

 

「くっ!」

 

『機能がオーバードライブする。一度体勢を立て直せ!』

 

アルビオンがそう警告を発するが、そうはさせまいとイッセーが拳を放つ!

 

龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の力、喰らいやがれ!」

 

イッセーの拳がヴァーリの腹部に突き刺さり、ヴァーリの鎧が壊れていく!

 

ヴァーリとイッセーは地面に降り立つと、ヴァーリの口元から鮮血が飛び出す。

 

 

あれ龍殺しダメージだよな。

 

……俺も龍殺しを喰らったら、あんな風にダメージ入るのかな?

うーん、極力喰らいたくはないな。

俺もドラゴンだし。

 

 

「……ハハハ、スゴイな! 俺の神器を吹っ飛ばした。やればできるじゃないか! それでこそ俺のライバル────」

 

ヴァーリがダウンしたかと思いきや、再び鎧が元の状態に戻る。

 

「マジかよッ」

 

『所有者を戦闘不能にするまでは終わらんさ。それが俺たちの戦い方だ。それと、そろそろ腕輪の効力が切れる』

 

「また俺の実力不足ってことかよ」

 

『制限時間付きでは話にならん。逃げないと死ぬぞ?』

 

 

すると、イッセーが足元に転がっていた球体を拾う。

 

あれは白龍皇の宝玉だが……イッセーの奴何考えている?

 

「ドライグ、神器は想いに応えて進化するんだよな?」

 

『おもしろい! だが、死ぬ覚悟はあるのか? 相棒?」

 

「死ぬのは勘弁だ。俺はまだ部長の処女を貰ってない。───でも、痛ぇのなら我慢してやる!」

 

『フハハハハハハハッッ! いい覚悟だ! ならば俺も覚悟を決めよう! 我は力の塊と称された赤き龍の帝王! お互い生きて超えてみせるぞ相棒! 否ッ! 兵藤一誠!』

 

「応ッ!」

 

おいおい、あいつら何するつもりだ?

 

「『白い龍(バニシング・ドラゴン)』! アルビオン! ヴァーリ! もらうぜ、お前の力!」

 

すると、イッセーは白龍皇の宝玉を自身の右手の甲にぶち当てた!

 

イッセー野郎、ヴァーリの力を取り込む気か!?

なんて無謀なことを……ッ!

 

 

「うがあああああああああああああッッ!!」

 

「ッ! 俺の力を取り込む気か?」

 

イッセーのやろうとしていることに気づき、ヴァーリが驚く。

 

いや、誰だって驚くわな!

相手が自分の力を取り込もうとすればよ!

 

『無謀なことを。我らは相反する存在。それは自殺行為だ』

 

アルビオンが淡々と話すが、ドライグは笑いを含める。

 

『アルビオンよ、俺はこの宿主と出会って一つ学んだことがある。─────バカを貫き通せば不可能を可能にする、とな!』

 

「バカで結構! どうせ才能で勝てないならバカを貫き通してやるさ! 俺の想いに応えやがれぇぇぇぇぇぇッッ!」

 

すると、イッセーの右腕が白い光に包まれる!

 

 

 

Vanishing(バニシング) Dragon(ドラゴン) Power(パワー) is(イズ) taken(テイクン)!!!!!』

 

 

 

その音声と共にイッセーの右腕には白い籠手が出現していた!

 

「へへへ、『白龍皇の籠手(ディバイディング・ギア)』って所か!」

 

うぉぉぉぉぉぉっ!?

あ、あいつやりやがった!

ヴァーリの力を取り込みやがったよ!

 

『ありえん! こんなことはありえない!』

 

いや、ホントにそうだよ!

まさか、ガチで取り込むとは!

 

『確実に寿命を縮ませたぞ。いくら悪魔が永遠に近い時間を生きるとしても────』

 

「そんなに生きるつもりはねぇ。やりたいことはあるけどな」

 

そうか、ノーリスクってわけにはいかないもんな。

白龍皇の力を得た代償として、寿命を支払ったか。

 

 

「ハハハハハハッ! おもしろい! なら、俺も本気を出そう!」

 

ヴァーリは再び空中に上がり、腕を大きく広げる。

 

って、おいおいアイツ!

 

 

 

Half(ハーフ) Dimension(ディメンション)!!!』

 

 

 

宝玉の音声と共にヴァーリが、新校舎の方へと手を向ける。

 

 

ギュウゥゥゥゥゥゥゥンッ!

 

 

新校舎の大きさ徐々に縮小していく!

 

あんにゃろ!

周囲の物を半分にしてやがる!

 

「次元を歪ませています! 非常に危険です!」

 

ミカエルの言葉に驚愕するミラナ達。

 

「まともじゃないわ!」

 

「まともじゃねぇのさ。一部のドラゴンやドラゴンを宿すような奴はな」

 

と言いつつ一瞬、俺の方をチラッと見たアザゼル。

 

おい、その言い方だと俺もまともじゃねぇみたいな言い方だなぁ?

 

「ものは試しだ。もう一方のまともじゃねぇ奴をついてみるか。おい、赤龍帝! 兵藤一誠!」

 

「なんだよ?」

 

「お前にも分かりやすく説明してやろう。あの能力は周囲の物を半分にしていく。つまりだ、リアス・グレモリーのバストも半分になっちまうぞ?」

 

…………………あかん。

 

それを言ったら…………………

 

「ふざけんなァァァァァァァアアアアアアアアアッッ!!」

 

ほら!

イッセー(変態)がブチギレたよ!

 

「俺の部長のおっぱいを半分にするだとォォォッ! 許さないッッ! てめぇだけは許さない! ヴァーリィィィィィィイイイイイイイッッ!!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!!!!』

 

イッセーの立っている所が大きく抉れクレーターと化し、旧校舎の建物を吹き飛ばしていった!

 

って、はぁぁぁぁぁぁああああああッ!?

胸が小さくなるって理由だけでここまで力が跳ね上がるのかよぉぉぉぉぉッッ!?

 

そんなパワーアップの仕方見たことねぇよッ!

 

「アッハッハッハッ! なんだそれ! マジかよ! 主様の胸が小さくなるって理由で力が跳ね上がりやがった!」

 

アザゼルが笑ってるが、笑い事じゃねぇからな!?

こっちまで被害及ぶっつの!

 

『笑ってる場合かぁぁぁ! お前も結界張れぇぇぇぇぇッ!』

 

俺は魔法陣を展開し、結界を張る!

 

 

「今日は驚くことばかりだ。しかし、おもしろい!」

 

「リアス・グレモリーに手を出してみろッ! てめぇ、二度と転生できないくらい徹底的に破壊してやるッッ! ヴァーリィィィィッ!」

 

イッセーは光速で動き回るヴァーリを難なく掴まえる!

 

速いッ!

今のあいつの速さ、ヴァーリ以上だ!

 

「てめぇを野放しにしといたら部長どころか、皆のおっぱいまで半分になっちまう! これは部長のおっぱいの分!」

 

イッセーはヴァーリの腹部に拳を突き刺す!

 

『Divide!!!』

 

同時に移植した白龍皇の力が発動し、ヴァーリのオーラが激減する!

 

「グハッ!」

 

吐瀉物を吐き出すヴァーリだが、イッセーはそんなのお構いなしに攻撃を続ける。

 

 

「これは朱乃さんのおっぱいの分!」

 

ヴァーリに頭突きすると、両者の兜が割れ顔が顕になる!

 

 

「これは成長中のアーシアのおっぱいの分!」

 

ヴァーリの横腹に鋭い蹴りを放つ!

 

「ゴホッ!」

 

 

「これはゼノヴィアのおっぱいの分!」

 

ヴァーリの顔面を殴る!

 

「グアッ!」

 

 

「そしてこれは! 半分にされたら丸っきり無くなっちまう小猫ちゃんのロリおっぱいの分だぁぁぁぁぁあああああッッ!!」

 

そして、思いっきりヴァーリにタックルする!

 

「ゴハァァァァッ!」

 

ヴァーリは地面に叩きつけられる。

だが、荒い息づかいをしながらも嬉々とした笑みを浮かべて立ち上がる。

 

「……ハァ……ハァ。おもしろい……! おもしろいすぎるッ! 彼になら『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』を見せるだけの価値はありそうだな!」

 

ッッ!?

あいつここで『覇龍』を使う気かっ!?

 

『自重しろ、ヴァーリ。この場でそれは良い選択ではない』

 

「俺はもっとこの戦いを楽しみたいんだ、アルビオン。『我、目覚めるは、覇の理に─────』」

 

流石にここからは止めたほうがいいな。

『覇龍』を使うとコカビエル以上の被害が出る。

日本なんか余裕で滅びるわ。

 

俺が結界の外に出て、ヴァーリに重力弾を放とうとしたとき、ヴァーリの横に一人の男が舞い降りた。

 

「美猴か。何しに来た」

 

「それは酷いんだぜぃ? 相方がピンチだっつーからここまで来たのによぅ? 本部の奴らが北のアース神族と一戦交えるから帰ってこいってよ」

 

「……そうか、もう時間か」

 

美猴?

西遊記で有名な孫悟空じゃねぇか!

 

「なんだお前! 急に出て来やがって!」

 

俺はイッセーに近づきつつ言う。

 

『そいつは恐らく、闘戦勝仏の末裔だろうな』

 

「とーせんしょーぶつ?」

 

『ま、こう言った方が分かりやすいか。西遊記で有名な孫悟空だ』

 

俺がそう言うと、イッセーは度肝を抜かす。

 

まあ、お前も本とかで読んだことあるだろ。

有名な伝記だな、西遊記は。

 

 

「なるほどな。まさかお前まで『禍の団』入りとは世も末だな。いや、『白い龍』に孫悟空。お似合いでもあるか」

 

アザゼルの言葉に美猴はケタケタと笑う。

 

「カッカッカッ! 俺っちは初代と違って自由気ままに生きるんだぜぃ。よろしくな、赤龍帝、星王龍」

 

フレンドリーだな、こいつ。

しかも自分に事を俺っちって呼ぶんかい。

 

美猴は棍を手元に出現させると、くるくると器用に回し地面に突き立てる。

 

すると、あいつらの足元に闇が広がり、ずぶずぶと沈んでいく。

 

「次に会うときはもっと激しくやろう。もっと強く────」

 

「待て! 逃がすか!」

 

イッセーはヴァーリ達を逃すまいとするが、鎧が消えてリングも崩れ去った。

 

『まあ、あれだけの力を一気に発散させれば体力は空になってもおかしくはない。今のお前じゃそれで限界だ』

 

俺はそう言いながらスイッチを押し、変身を解除する。

 

すると、リアス部長が駆け寄ってくる。

 

「イッセー! 大丈夫?」

 

「ぶ、部長……。部長のおっぱい守りました……」

 

それを聞いた俺は心中でやれやれと呟きながら、首を横に振った。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから一時間後。

 

 

到着した三大勢力の軍勢が事後処理を行っていた。

 

それと、魔法使い共と戦っていたリンクスとペルセウスは変身を解除させ、戻しておいた。

 

校庭の中央ではサーゼクス、セラフォルー、ミカエル、ガブリエル、アザゼルのトップ達が部下に指示を出していたり、話し合っている。

 

まあ、俺は話し合わないけどな。

だって疲れたし(嘘)。

 

「さ〜て、日本神話の連中に今日の事を伝えて、報酬を貰えば依頼は完了だな」

 

俺は背伸びしながら言うと、レイナがこっちに駆け寄ってくる。

 

「久しぶり、晴人君! ミラナさん!」

 

「ああ、久しぶりだな。レイナ」

 

「……お久しぶりです。レイナさん……!」

 

本当に久しぶり会うな!

ミラナもレイナに会えて喜んでるし。

 

「うん! 本当に久しぶりだよぉ! まさか今日出会えるとは思ってなかった!」

 

「それは俺たちもさ。それはそうとレイナ。お前、この前よりもオーラの量増してるよな」

 

「あ、気づいた? 実はあの後、アザゼル総督に頼み込んで鍛えてもらったの。おかげでほら!」

 

レイナが翼を展開すると、二対四枚に増えていた!

 

「「おおっ!」」

 

俺とミラナは揃って感嘆な声を出す。

 

まさか、中級堕天使にまでレベルアップしてくるとは!

 

「……す、凄いです! レイナさん……っ!」

 

「ありがとう。でも今、シェムハザ様にアザゼル総督の秘書的なことを任されているの」

 

………………うん?

今、ちょー不安になる単語が出てきたんだが………。

 

「アザゼルの秘書的なことを任されている……?」

 

「………うん」

 

「……………辛いだろ?」

 

「……………うん」

 

………お、重てぇ。

強くなったってのは嬉しい情報だけど………こ、こんな重たい空気になるとは。

 

「……けど、なんでレイナさんが……アザゼルさんの秘書的なことを……?」

 

ミラナが空気の流れを変えてくれた。

 

ナイスだ、ミラナ!

 

「実はあの後、グリゴリに戻ったのはいいのだけど罰せられたの。レヴィの計画に加担していたからね。それでその罰がシェムハザ様から言い渡されたアザゼル総督の秘書的なものを務めることだったの」

 

まあ、罰せられたのは仕方ないな。

 

レイナは話を続ける。

 

「最初は、『それって罰になるのかな?』って思ってたけど……いざやってみると………これがすごく大変で……。あの人すぐ仕事サボって神器の研究したり、どっか行ったりするのよ……。今思えば幹部の方たちが顔を引きつらせた理由がよ〜く分かったわ…………」

 

あいつはすぐにサボることで有名だからな。

この前もサボってたし。

もしかしたらあの時、レイナも探してたのかもしれないな。

 

「もしかしたら………いや、その罰絶対どの罰よりも重いだろ……。全く、シェムハザの奴は何考えてんだか……もう少し軽い罰にしてやれよ……」

 

俺は嘆息しながら言う。

 

「まあ……なんだ……。俺に協力できることがあるなら言ってくれ」

 

「……わ、私もお手伝いします……!」

 

ずーっとアザゼルの秘書を続けてたら過労死しちまう。

流石にそれは阻止しなくては!

 

俺の言葉を聞いたレイナは嬉しそうに言う。

 

「うん! ありがとう、二人共! その時は遠慮なく頼らせてもらうね♪」

 

「ああ。……それはそうとしていいのか? あいつ帰ろうとしてるけど」

 

俺はこの場から去ろうとするアザゼルに親指を向けた。

 

「はぁ……また勝手に。……それじゃあ私も帰ろうかな。あ、そうそう。総督と私、暫くこの町に滞在することになったからよろしくね!」

 

ん?

今なんと?

 

俺はそのことを聞こうとしたがレイナは「じゃあまたね!」と言ってアザゼルの後を追っていった。

 

ミラナが俺に訊いてくる。

 

「……レ、レイナさん、本当にこの町に滞在するつもりなんでしょうか……?」

 

「……本当かどうかは分からんが……まあ、その時はその時だな。そろそろ俺たちも帰るとするか」

 

「……そうですね」

 

 

俺たちが帰ろうとすると、さっきまでイッセーと話してたミカエルとガブリエルが近づいてくる。

 

堕天使に続き、天使まで俺になんかあんのか?

 

「ハルトさん、少しよろしいでしょうか?」

 

ガブリエルが俺に話しかけてくる。

 

「ああ、なんだ?」

 

「えっと……その………///」

 

なんかガブリエルがもじもじしてるんですけど!?

一体何なんですか!?

 

「あ、あの……しばらくの間………私もハルトさんの家にいさせてもらえないでしょうか……?」

 

「…………………は?」

 

………え?

ちょ、どういうこと?

 

あまりに唐突すぎて理解が追いつかない俺とミラナ。

 

すると、ミカエルがいまだ困惑している俺とミラナに言う。

 

「私が命令したのです。──────『しばらくの間、ハルト殿に奉仕せよ』と」

 

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!?

 

俺に奉仕しろだぁ!?

俺のどこを奉仕しろってんだ!?

そこの要素が分からんわ!

 

俺はミカエルに言う。

 

「いやいや、ガブリエルは四大セラフだろ? そのセラフが天界から離れちゃまずいだろう」

 

「……そ、そうですよミカエル様。そ、それは色々とまずいんじゃ……」

 

俺に続きミラナもミカエルに言うが、当のミカエルは柔和な笑みを浮かべる。

 

「その件についてはご心配ありません。彼女がどうしても必要のときは天界に戻ってもらいますから。────それに、これはガブリエル自身のためでもあり、天界のためでもありますから」

 

なんだよ、天界のためって!

ミカエルよぉ、お前の脳内にはどんな未来の天界が映ってんだ?

 

俺はちらっとガブリエルを見る。

 

ガブリエルもガブリエルで頬を赤く染めながらチラッチラッと俺を見てんだが……。

 

「あー、分かったよ」

 

俺がそう言うとガブリエルはパァッと表情を明るくする。

 

すごい嬉しそうだな。

まあ、その嬉しそうな顔も可愛いとは思うけどよ。

 

………痛い痛い痛い、ミラナさん脇腹抓らないで。

 

「感謝致します。では、ガブリエル。後は頼みましたよ?」

 

「分かりました」

 

ガブリエルの返事を聞いたミカエルは、満足そうにしてこの場を後にした。

 

「ハルトさん、ミラナさん、これからよろしくお願いします」

 

「ああ」

 

「……は、はいっ」

 

ガブリエルが俺に頭を下げると毎度のこと胸が揺れる。

 

もう既に何回かこの光景を見てるよな。

 

………そろそろ離してくれませんか、ミラナさん?

 

というより力を強めないで!

 

 

 

 

 

 

三大勢力が和平を結んだその数日後。

 

 

「そういうわけで、今日から俺がこのオカルト研究部の顧問となった」

 

「私もこの学園に入学することになりました!」

 

スーツ姿のアザゼルと駒王学園の制服姿のレイナがオカ研の部室にいた。

 

「……どうして、あなた達がここに?」

 

リアス部長が額に手を当て、困惑していながらも二人に尋ねる。

 

「いや何、セラフォルーの妹に頼んだらこの役職になってな」

 

俺たちは一斉にソーナ会長の方へ向く。

 

「でないと、姉を代わりに連れてくると脅され…………せがまれまして………」

 

今、脅されたって言いかけたよな?

つーか、絶対脅されたろ!

でないと、姉を代わり連れてくるってはっきり言ってたぞ!

 

「要するにオカ研を売ったわけね」

 

リアス部長が苦笑いしながら言う。

 

「じゃあレイナもこの学園に入ったってことは、そういうことなんだな?」

 

「うん、そういうこと」

 

言われてみりゃそうか。

レイナはアザゼルの秘書っぽいのをやってるし、学園に入ることは当然か。

 

……いや、シェムハザが監視の命を出したのかもな。

こいつ、絶対何かしらやらかすだろうからな。

 

「おい、なんだよハルト。そんな目で俺を見やがって」

 

………うん、こいつ絶対やらかすわ!

監視する奴がいなかったら、すぐこの学園地獄になるって!

 

 

「まあ、俺らもろともよろしく頼むわ。リアス・グレモリー」

 

アザゼルの言葉を受けて、リアス部長は表情を若干嫌そうにする。

 

俺はアザゼルに言う。

 

「だが、ただでここに居させるってわけでもないんだろ? 何かしらの条件とかついたんじゃねぇか?」

 

「ああ、その通りだ。俺がこの学園に滞在するのに条件を課せられた。それが、お前たちの未成熟な神器を正しく成長させること。クククッ、未知の進化を秘めた赤龍帝の籠手、聖魔剣、停止世界の邪眼。俺の研究成果を叩き込んで独自の進化を模索してやる」

 

うわー、こりゃあ早速問題起こりそうだな。

 

「いいな、これから俺を『アザゼル先生』と呼べ」

 

アザゼル先生ねぇ……。

俺はアザゼルって呼んだ方がしっくりくる。

 

すると、アザゼルが思い出すかのように言った。

 

「あー、そうだ。サーゼクスから伝言を頼まれてるんだった」

 

「お兄様から?」

 

アザゼルが頷く。

 

「以前、赤龍帝の家に泊まった時に眷属のスキンシップの重要性を感じたんだと。『魔王サーゼクス・ルシファーの名において命ず。オカルト研究部、グレモリー眷属の女子部員は兵藤一誠と生活をともにすること』、だとさ」

 

「はあああああああああああッ!?」

 

サーゼクスの伝言を受けて、イッセーは困惑気味に叫ぶ。

 

まあ、少し困惑気味になんのは分かる。

急にそんなの言われたらなぁ。

 

 

「白は力、赤は女。どちらも驚くほど純粋で単純だな。────神が居なくても世界は回るのさ」

 

窓から外の風景を見ているアザゼルが、独り言のように小さな声で呟くが俺には聞こえた。

 

白は力(・・・)で、赤は女………か。

 

 

確かに、神がいなくても世界は回る(・・・・・・・・・・・・)………な。

 

 

 




いや〜、いつの間にかお気に入り登録が500を突破してました〜!ヽ(`▽´)/

まさか書いてる自分でも500を突破するとは思ってませんでした!
最初の頃は「せいぜい100ぐらいあればいいな〜」と思ってましたが、その5倍は行っちゃいましたね!

びっくりであると同時に嬉しいです!

お気に入り登録してくださった御方、そして高評価をつけてくれた御方、本当にありがとうございます!(_ _)

これからも少しずつ続けていきますので、駄作ですがよろしくお願いします!m(_ _)m

次は第五章!…………と言いたいところですが番外編になります。
流石に……お分かりですよね(о´∀`о) 
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