ハイスクールD×D  十二星座の使徒   作:ミニチュアコンセント

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6話 計画の全貌

はぐれ悪魔バイサーを始末した次の日。

 

珍しくイッセーが学園を休んでる。

昨夜の戦いでへこたれる程あいつはヤワな男じゃないはず。

ま、大丈夫だろう。

 

「おーい。ハルトー? 聞いてるかー?」

 

俺は松田の声にハッ!となる。

 

「すまない。ちょっと考え事をしてた」

 

「どうしたんだ? お前らしくもない」

 

「ああ。最近のハルトはなんか変だぞ。何かもの思いにふけっているって感じだな」

 

そう、俺はここ最近アーシアの事が気になっている。

 

よくよく考えてみたらあそこの教会は昔に潰れたはずだが……。

そこにアーシアが赴任、この町に潜む堕天使数名、レヴィが言っていた『計画』……。

 

これらは何か繋がっているんじゃないか?

最初は『堕天使が何かを企んでいる』その程度だけ認識していた。

悪魔に喧嘩を売るという目的ならこそこそ行動する必要などない。

さらに深く調べておきたいがダスタード達が未だに堕天使の居場所が見つかったという連絡がない。

 

……もしかしたらあの教会か?

バイサーのように人目のつかない所に居るんだとしたら十分にありえるな。

 

その『人目につかない所にアーシアがいる』と思うと……。

……何かとても危険な感じがするな。

 

授業が全て終わったら、至急ダスタード達にあの教会を調べさせるか。

 

 

 

▽

 

 

授業が全て終わり俺は、ミラナを連れすぐに家に帰ってきた。

俺達の目の前には複数のダスタード達が跪いている。

 

「他の所はもう調べなくていい。全員であの教会とその周辺を詳しく調べろ」

 

彼らは頷き、教会の方へと行く。

ミラナが不思議に思ったのか俺に聞いてくる。

 

「……ハルトさん。……ど、どうしてあの教会を調べるんですか?」

 

「ミラナはさ、アーシアがあの教会に赴任したことを覚えてるか?」

 

「……は、はい」

 

「この町に堕天使が数名いるという事も覚えてるか?」

 

「……はい。…………まさか!」

 

少しわかったようだな。

 

「そう。数名の堕天使がこの町に潜んでいて、既に潰れた教会にアーシアが赴任する。これが偶然だと思うか? 俺はそうは思わない。恐らくだが何らかの必然的な力が働いてると思う」

 

そう、恐らくだ。

あそこにアーシアがいるとしても、堕天使はまだ確信がつかない。

隠れたり、密かに計画を立てる場所としてはぴったりだと思う。

 

「…………」

 

俺は、何故かソワソワしてしまう。

自分でもよく分からない。

 

誰かのためにあまりソワソワなどしたことがなかったのにな。

 

「……ハルトさん。少し落ち着きましょう」

 

「あ、あぁ。そうだな」

 

ミラナに言われて少し落ち着くがまだソワソワしてしまう。

 

このままだと駄目だな。

こんな時だが違う事をやって落ち着くか。

 

「ミラナ。少しランニングに行ってくる」

 

「……はい。なにかあったら連絡しますね」

 

「ああ。頼む」

 

俺は外に出て少しの間ランニングをすることにした。

 

 

▽

 

 

ランニング中にある公園に通りかかったとき、ある声が聞こえた。

 

「アーシア! どこにいるの!」

 

公園の方を見てみると、そこにはイッセーの元彼女の天野夕麻、いや堕天使レイナーレがいた。

 

(なんであいつがここに? しかも、アーシアを探している?)

 

なぜかアーシアを探している様子だ。

表情を見る限りかなり焦っている。

 

……少し声をかけてみるか。

 

「久しぶりだな。イッセーの彼女さん」

 

俺が声をかけると彼女は一瞬ビクッ!としてこちらに振り向く。

 

「あ、貴方は……」

 

「ああ、自己紹介がまだだったな。俺の名は秋星晴人」

 

「あ、天野夕麻です……」

 

そう言うけど、もう本名バレバレだけどな。

 

「アーシアを探しているのか?」

 

「アーシアを知ってるんですか!?」

 

「まあ一度会ったからな。でも、何故アーシアを探しているんだ? 堕天使レイナーレさん?」

 

「!?」

 

俺の発言に驚いた表情をするレイナーレ。

 

まぁ、その反応が当然だな。

自分の名前を知ってるし、挙句の果てには正体が堕天使だとバレてんだからな。

 

「な、なんで私の名前と正体を……」

 

「こういうことさ」

 

俺は天秤のスイッチを取り出して、押しリブラ・ゾディアーツに変身する。

レイナーレは驚愕した表情をするが、俺は再びスイッチを押し変身を解除する。

 

「あの時はイッセーが世話になったな」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

いきなりレイナーレが俺に頭を下げてきた。

 

「なぜ謝る?」

 

「だってあの時、貴方の友達を殺そうとしたから……」

 

ああ、そのことか。

だが結果的にはこいつはイッセーを殺してはいない。

殺ったのはレヴィだからな。

 

「とりあえず頭を上げてくれ。ついでに一つ聞いてもいいか?」

 

彼女は頭を上げ頷く。

 

「はい」

 

「あの時、お前は人を殺したくはなかったんだろ?」

 

実際、「私にはできない」っと言ってたからな。

 

「はい」

 

「なのにイッセーを殺ろうとしたということはレヴィの命令か?」

 

「はい……」

 

「ならお前は悪くないさ」

 

そう、こいつは悪くない。

全てはレヴィとその堕天使を統率できてない神器オタク野郎のせいだ。

 

「でも……私のやったことは許されることではありません……」

 

暗い表情で俯きながらそう言う。

 

「とりあえず座って話そう」

 

俺達は近くにあったベンチに腰を掛ける。

 

「話を戻すが、なぜアーシアを探しているんだ?」

 

「実は、アーシアを連れてレヴィから逃げてきたんですけど途中ではぐれてしまって……。それでアーシアを探していたんです」

 

「レヴィから?」

 

「はい」

 

「なんでレヴィから逃げてきたんだ?」

 

レイナーレは暗い表情で言う。

 

「レヴィがアーシアの神器(セイクリッド・ギア)を奪おうとしてたからです」

 

「神器(セイクリッド・ギア)を?」

 

レイナーレはコクリと頷く。

 

「神器(セイクリッド・ギア)を奪われた人間は……死ぬ」

 

「っ!?」

 

レイナーレの発言に驚愕の表情をするがそれと同時に納得してしまう。

 

確か神器は魂と連携しているはずだ。

連携している物を無理矢理取ろうとするなら、取られた側は死ぬだろうな。

 

「だが、レヴィはなんの為にアーシアの神器(セイクリッド・ギア)を取るんだ?」

 

神器所有者(セイクリッド・ギア・ホルダー)なら世界中に山程いるだろうに。

なぜアーシアの物なんだ?

回復系は珍しいからか?

 

「確かこう言ってた気がします。『アーシアの神器(セイクリッド・ギア)を手に入れればアザゼル様とシェムハザ様の役に立ち愛を頂ける』と」

 

愛を頂ける……ね。

 

「それは無理だな」

 

「え?」

 

「仮にレヴィがアーシアの神器(セイクリッド・ギア)を手に入れたとしても、アザゼルの元に行ったら確実に処刑されるだろう」

 

「どうしてですか?」

 

疑問に思ったのかレイナーレは俺に聞く。

 

まぁ、俺がアザゼル達と知り合いだなんて誰も思わないもんな。

 

「俺、アザゼル達と知り合いだからな」

 

俺の言葉を聞きレイナーレは固まり、フリーズする。

 

そして急に、

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

と叫ぶ。

 

「ほ……本当なんですか!?」

 

「ああ。あいつはガチの神器(セイクリッド・ギア)オタクだからな。悪さをしている人間から奪うならいいが、何もしてない人間から奪ったらアザゼルやシェムハザは怒るぞ。いや、怒るどころじゃないな」

 

「そ、そうだったんですね……」

 

下級堕天使は総督のアザゼルと会うなんてことはほぼないからな。

せいぜい幹部クラスじゃないと会えないわ。

 

「今から出頭すればお前だけでも命は助かる」

 

「でもアーシアを見捨てるなんて私にはできません! アーシアは私の初めての友達なんです!」

 

それがレヴィの元から逃げ出した本当の理由か。

友達のために脱走したと……。

 

「なら俺らも、もう友達だな」

 

「……え?」

 

「お前はいろいろと俺に話してくれただろ? これはもう友達でいいんじゃないか?」

 

俺がそう言うとレイナーレの目から涙がポロポロとこぼれ落ちる。

レイナーレは両手で顔を覆い下を向く。

 

「す、すいません……。私、友達をたくさん持つのが夢だったので……」

 

俺はレイナーレの顔を上げ涙を手で拭う。

 

「女の子の顔に涙は似合わない。笑顔が一番綺麗な顔さ」

 

俺は笑顔でそう言うと、レイナーレは顔を赤くする。

何故に?

 

「友達なら敬語は無しだぞ。それと、俺のことはハルトと呼ぶこと」

 

「私のことはレイナって呼んでくだ……呼んで」

 

「天野夕麻じゃなくていいのか?」

 

一応偽名とは言え名前が二つあるからな。

確認としてだ。

 

「天野夕麻はレヴィが名付けたから……。私の名前の方が良いかな」

 

今のはデリカシーのない質問だったな…。

 

「そ、その……なんだ。悪かったな……」

 

「いいのよ。気にしないで」

 

笑顔でそう言う。

 

あぁ、やっぱり笑顔の方が美しいな。

 

俺がそう思ってると、噴水の方向からこの場に居てはいけないやつの声が聞こえる。

 

「今度はその男と恋人ごっこか? レイナーレ」

 

チッ、空気読めやクソカラス。

今はテメェの出る雰囲気じゃねぇだろうが。

 

俺達は噴水の方へと向くがレヴィの隣にいる存在に驚く!

 

「アーシア!?」

 

「レイナさんに……ハルトさん?」

 

そう、隣にいたのはアーシアだった!

 

「何故あんたの隣にアーシアがいるの!? レヴィ!」

 

「ほう、私を呼び捨てとは偉くなったもんだなレイナーレ。まあいい。教えやろう。アーシアは先程まで下級悪魔と居てね、少し脅したら自ら私の元へと帰って来たのよ。実にいい子だねアーシア」

 

そう言いアーシアの頬を撫でるが、アーシアの目には悲しみの涙がある。

 

あぁ、腹から怒りがこみ上げてきたな。

 

俺は庇うようにレイナの前に立つ。

レヴィの視線が俺へと移る。

 

「そこの人間。死にたくなかったらレイナーレをこちらに渡せ」

 

「それを素直に渡すバカがどこにいる? クソカラス」

 

俺の発言にやつの額に青筋が入る。

 

「その減らず口を今すぐ黙らせてやりたいが、私の計画は大詰めなのでな。渡さないと言うなら強制的にやるまでだ」

 

そう言い指を弾く。

それに反応するかのようにレイナから光が漏れ出し気づけばレイナはレヴィの隣にいた!

しかも、鎖で動きを封じられている。

 

「強制転移か!」

 

レヴィは薄く笑いながら答えた。

 

「その通りだよ。アーシアだけではなく念の為にレイナーレにやっといて正解だった」

 

やられた……!

アーシアならまだしも、まさかレイナにまでやるとは思ってなかった……!

 

「ではこれで失礼する」

 

そう言いレヴィは転移魔法陣を起動する。

 

「レイナ! アーシア!」

 

「ハルト君!」

 

俺は手を伸ばし、レイナも手を伸ばすが転移の方が速く、後一歩届かなかった。

 

「クソっ!」

 

俺はその場で悪態つくが、スマホの着信音が鳴る。

 

ミラナからか。

 

「ミラナか。一体どうした?」

 

『……ハ、ハルトさん! 堕天使の潜伏場所がわかったそうです!』

 

「ナイスタイミングだ! 場所は?」

 

『……駒王町の教会で間違いないそうです!』

 

「分かった! 一旦家に戻る。そしたらすぐに教会に行くぞ!」

 

『……は、はい!』

 

俺は電話を切る。

あの野郎に確認を取ろうとしたがもうその必要は無い……!

 

レヴィ……!

お前の好きにはさせねぇぞ。

計画の要となるアーシアにもレイナーレ(・・・・・)にもな!

 

その首洗って待っとけよ……!

 

俺はすぐさま転移魔法陣を起動し、家に転移した。

 

 

 

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