元、馬の怪人。現、怪ウマ娘。(副題:グリーンスズカがチームの皆にツッコみきれなくなったらしいので、悪堕ちさせてみたった) 作:K氏
今回の話はとりあえずアニメうまよんの第8話『ヒーロー劇場・ウマソルジャーV!!』を見てると分かりやすいと思います。皆も円盤を買おう!(提案)
――暗黒秘密教団『アポカリプス』。それが、我が敬愛する教主が創りたもうた、所謂悪の組織の名である。
いや、我的には悪とは全然思っていないが、ここでは便宜上そう呼ぶだけである。
アポカリプスは、この世界に生きる選ばれし人間を超越者へと昇華させ、来たる『終末』に備えるべく、日夜活動し続けているのだ。
そして我は、そんな組織において幹部を勤めている。それもタダの幹部ではない。『黙示録の四騎士』と呼ばれる四大幹部の一人として……何? 凄さが分かりづらい? ……まぁ他にもインパクト強い幹部いるから分かりづらいのは否めないけどさぁ……マザーハーロットとか。
まぁそれはともかくとして、我ら組織は世界的に活躍し、いよいよ壮大なる
だがしかし! そんな我らの組織も、今や風前の灯。何故なら、覇道を往く我らの前に、脅威……否、厄災が出現したからだ。
人々により『ヒーロー』と呼ばれた其奴は、我らの送り込む物理的訓戒説法用改造人間兵士、略称『
そして、遂に教主は我ら四騎士に、ヒーローへの死の宣告をするよう言い渡された。
……だが。
「もっと……戦いを……!!!」
「組織に勝利あれぇぇぇ!!!」
「終末万歳ッ!!!」
我以外の三人は、あっけなく爆発四散させられた。他ならぬヒーローによって。
我は……崖から落ちたり、吹っ飛ばされたり、海に落ちたりして偶然助かり続けた。
こうして奇跡的に生き残った我であるが、そんな我も今、地に伏していた。憎きヒーローに倒されて。
――嗚呼、最早これまでか……。
我が敬愛する教主に申し訳ない気持ちで胸が一杯である。我はこのまま死ぬのか。無念だ。
せめて最期くらいは、我の教えを受けた飢えたる者達の為に何か遺したいものであるが……それも、もう叶わぬか。
そう思っていると、足音が近付いてきているのが聞き取れた。
視線を向ければ、そこにはあの、憎きヒーローが立っていた。
聖なる獣と称される一角持ちの
だが――それでもまだ、我らは及ばなかった。
何故だ? 数でも、力でも勝る筈の我らが、何故負ける!?何故、貴様のような存在が生まれてしまったのだ!! 悔しさに歯噛みしながら、ヒーローを見上げる。
するとヒーローは――何を思ったか、手にした純白の槍を下げた。
「……どうした。さっさとトドメを刺さぬか」
そう吐き捨てた我に、ヒーローは首を振って答えた。
――お前はまだ、飢えている。
そう口にしながら。
……そう。そうだ。そうだとも!
「お……オオオオオオ!!!!」
我は、我はまだ、朽ちておらぬ! 朽ちぬという事は、飢えられるという事! 飢え、飢餓! それこそ我の象徴!
「いいだろう、ヒーローよ! 刮目せよ! 我こそはアポカリプスの戒人にして、黙示録の四騎士が一人、飢饉を司りし者――ブラックライダー!」
我は、こみ上げてくる飢えに流されるままに、その身を戒人としての姿に変じさせる。ユニコーンと対を為す、不浄なる
そして、我は戦いへの飢えを力に変え、ヒーローに挑んだ……。
だが……そうだ。結局、我は負けた。負けたのだ。
「ま……だ……満ち足り、ぬ……ぞ……」
そう、未練がましく散った、筈だった。
******
「……ぬ?」
気が付くと、我は青い空を見上げていた。
そして同時に、身体から痛みが一切ない事にも気付く。
我は思った。嗚呼、我は遂に、楽園へ招かれたのであるな、と。
……だが、どうも様子が違った。
人の悲鳴が聞こえたのだ。まるで、我が
それを不思議に思い身体を起こすと、我はどうもアスファルトの上に寝ていたらしかった。
楽園にしては随分堅い地面だなとは思っていたが……。
「むぅ……?」
おかしい。ここは何処なのだ? 周りを見ると、そこは街中のようであった。
おかしい。確か我は、どこぞの採石場にいた筈なのに。
おかしい。身体に妙な違和感がある。まるで……我の身体じゃないような。
身体を見える限り見てみると、我の戒人形態の時のような装飾はそのままで、何やら妙に視線が低く感じる。
それに……なんだこの、太股は?
まるで女子のような――
我が自分の肉体に困惑している、その時だった。
遠くから爆発音が聞こえたのは。
「……行ってみる、か」
どうせ此処にいたって、何かが分かる訳ではない、というのは我の経験則であるが。
ともかく、一つでも多く情報が欲しい為に、我はその爆発音に向かって行ったのであった……。
******
悲鳴と爆音の震源地と思しき場所に辿り着いた我は――唖然とした。
そこにいた連中が、あまりにも珍妙だったからだ。
まず、赤いオーラを纏った黒服の女。いや、あの……普通の人間にしか見えないんですが。いや待て、よく見たら頭に何か……
それに相対する連中も連中だ。五人の女がいる。赤が一人。青が一人。緑が一人にピンクが二人……二人? 二人だと? しかも全員、マスクというかヘルムのようなもの一つ着けてない。それらしいぴちぴちのスーツは着ているのだが。しかもこっちも全員
で、名乗りを上げると後ろで爆発が……それはまぁいいか。よくある事だ。
何かがおかしいその空間で、緑の女子が黒服の女を止めて……あ、違った。あとなんか屋上にも一人いたわ、白衣着てる奴。なんだ、こやつまで
まぁそれはともかくとして、緑の女子が仲間と思しき四人に向き合う。
「あの……二人、色被ってるよね?」
……! 良くぞツッコんだァ!
あの女子、ちゃんとまともな感性を持っておるではないか! そうだ! おかしいではないか! こういうチームって普通色が被らぬものだろうに、何故ピンクが二人もおるのだ!
「だってさぁ」
「名前的にこの色しかないじゃないですかぁ~!」
ないじゃないですかぁ、じゃないわこのど阿呆! セオリーを守らんかセオリーを! 我、チームのヒーローとか相手にした記憶無いけど!
叫びそうになるのをグッッッッとこらえ、我は事の成り行き(と緑の娘の活躍)を見守る事にしたのである。
「細かい事を気にしないのも正義!」
あ~~~~~~もぉ~~~~~~リーダーっぽい赤色のまでそんな事言い出すぅ~~~~~!!!!
ほれ見ろ、緑のが「嘘でしょ!?」って言っとるではないか! そらそう言うわ! 正しき義と書いて正義と読むんだぞ!? 正義舐めんな小娘が!!!
そんなこんなあって、どうやら両者は敵対しているらしく、遂に戦う事に――
『待ちなアンタ達!』
――なる、筈だったのだが。
「ヒシアマ長官!」
通信機越しでも聞こえるデカい声に、赤いのが反応する。
長官と言う事は、何かしら大きな組織に属しているのか、この娘共は。
こういう長官はやはり頼りになる――
『正義の味方なら、正々堂々タイマンで勝負しな!』
「チームの意味は!?」
「なるほどラジャー!」
「嘘でしょ!?」
と思ってたらこれだよ。
まぁ、うん。たまにそういうタイマン、あるらしいね。リーダーが敵とタイマン張ったりとか、ブラックが敵とタイマン張ったりとか。又聞きで申し訳ないけど。
「そういうわけだ! 頼んだぞピンク!」
あ、我、嫌な予感する。
「「ラジャー!」」
「タイマンは!?」
ほらぁ~~~案の定ピンクが被ってるから二人行っちゃったぁ~~~!!!!
しかも一人ビームで返り討ちにあってるぅ~~~!!!!
「これで実質タイマンだな!」
あ、この赤いの意外と非情だな? アポカリプスの幹部級……というかマザーハーロットとかレッドライダーとどっこいどっこいだな。色も似てるし。
「ツッコミが追い付かない……! ブルー、お願い!」
あ、おい馬鹿、そっちは――
「ZZZ……」
「寝てるーーー!?」
ほら見ろ、さっきから戦闘中なのに欠伸してたから怪しいと思っていたのである。
そんなこんなで、五人組は一気に勝負を決めにかかるらしい。いや、端折り過ぎではと思うんだけど、ホントにこんな感じで端折ってるんだって。信じろよ。
何やら機械的な人参のようなものを掲げると、彼女らの前に人参型の大砲が現出した。……なんで人参? いやホントになんで? いやあの、おいしいけどね? 我も意外と人参好きだし。甘いし。カレーにも合うし。……あ? カレーに人参はない? 表出ろやオラ。
「説明しよう! ウマソルジャーバズーカとは正義の力を無限大なエネルギーに変換して射出する、ウマソルジャーの必殺武器なのだ!」
……って、敵っぽい白衣のが説明しおったがな。なんでだよ。
「貴方が解説するの!?」
うん、つくつぐ気が合うなお主。
「エネルギー、ゲートイン! ファイヤーッ!!!」
そうして放たれた青い極太レーザーにより、黒いのは爆発した。まぁ、戒人と違って四散はしなかったが。なんでだろう、この世界ではそういうのはタブーな気がする……。
「撃ったのはアタシだし、タイマンだよね!」
「……どうかな」
ちょっと諦めな感じを出すんじゃない! 諦めるな緑のォォォ!!!
そんな風に見守っていると、今度は白衣を着た奴が何やら紅茶を手に……何? 巨大化!? 何その技術!? どこぞの宇宙暴走族に対する芋ようかんみたいなの作れるの!? ウチに来ないキミ!?
「……紅茶は、いや……」
……
…………
………………
「おのれウマソルジャー
「「なんで―――!?!?!?」」
あ、いけね。つい叫んじゃった。……あれ? 我、こんな声高かったか? もっとこう、渋めな声だったと思うんだが。
「これが正義の力だ!」
「エェ――――!?」
もうね、我、笑う事しかできない。笑えよ。
「もうツッコみきれません!!!!!」
あ、緑の! 諦めるな! 戻って……あれはもう駄目だ。だって泣いてたぞあやつ。
しかし……これは使えるかもしれん。
我はあの緑の……確か名前は、グリーンスズカとか言ったか。そやつに何か可能性を感じ、追う事にした。
……それがまさか、あんな事になるなんてなぁ(未来予知)
あれ、我今何か言った?
次回、ブラックライダー、自分の状況に気付く!