黎明の軌跡 Break the Nightmare 作:テッチー
「物語中に順次明かされる《ロア=ヘルヘイム》のルールがまとめてあります。先に読んでしまうとネタバレになりますので、初見の方はご注意くださいね」
幻夢の手記
①ヴァン・アークライドが《ロア=ヘルヘイム》の謎に触れる度に、この手記は自ら更新されていく。
②《ロア=ヘルヘイム》とは《バルドルの箱》の力を介して、多数の人間の思念で形成された夢の世界である。
③《バルドルの箱》とは“見たい夢を見る機械”が転じて、“人と人との夢を繋ぐ機械”となったものである。
④《バルドルの箱》の中枢機能である“人と人の夢を繋ぐ”力は、《ARCUS》のリンク機能の特性を受けて確立されたものである。
⑤故に《ロア=ヘルヘイム》に囚われている者は、かつて《ARCUS》のリンク機能を用い、縁で繋がれていた者たちである。
⑥《ARCUS》を介した縁に繋がれていないヴァン・アークライドとその仲間たちは、《ロア=ヘルヘイム》に囚われることなく行動できる。
⑦“夢に囚われる”とは、そこが夢の中であることに疑問を持たない状態である。会話も思考もできるが、自身の主観による認識が世界の全てとなる。
⑧《ロア=ヘルヘイム》に囚われし者たちの姿と記憶は、各々が広範囲に、かつ同時に縁を繋いだ時期――クロスベル再事変の年代(七耀暦1207年)に固定される。
⑨《ARCUS》を使用していないヴァン・アークライドとその仲間たちは、現実世界の時間軸(七耀暦1208年)の姿と記憶が反映される。
⑩ヴァン・アークライドとその仲間たちは、新たな仲間と合流する度、記憶が段階的に拡張されていく。
⑪ヴァン・アークライドの仲間と認知されるものは、現実世界でヴァン・アークライドと雇用関係を結んだ者である。
⑫記憶の拡張域は、ヴァン・アークライドに《ロア=ヘルヘイム》で合流した者が、“現実世界でアークライド事務所に雇用された時点まで”となる。
⑬ヴァン・アークライドと雇用関係になくとも、現実世界の縁で繋がれた者であれば《ロア=ヘルヘイム》に召喚されることがある。ただしその場合は仲間ではなく同行者と認知され、記憶の拡張には至らない。
⑭《ロア=ヘルヘイム》は過去、現在、未来が圧縮されて存在すると同時に、時間の概念が存在しない世界である。
⑮時間、及び次元圧縮された空間であるが故に、ヴァン・アークライドとその仲間たちが召喚される際は、個々が呼び込まれる時期に差異が発生する。
⑯召喚されるヴァン・アークライドの仲間及び同行者は、同一時間軸上から選定される。
⑰《ロア=ヘルヘイム》における時間の流れは、現実世界のそれと連動していない。
⑱《ロア=ヘルヘイム》は複数のエリアで構成されており、エリア毎に強い影響を持つ“夢の主格者”が存在する。
⑲夢の主格者が持つ一番強い望みを満たすとそのエリアは解放され、エリア内に囚われていた全ての人間はそこが夢の世界であることを自覚できるようになる。
⑳夢であることを自覚しても現実世界に戻ることはできないが、エリア間の移動は可能となる。
㉑一つのエリアを解放すると、その主格者から次のエリアに繋がるキーアイテムが手に入る。
㉒各エリアへの移動、及び転移はアークライド事務所エリアから繋がる
㉓アークライド事務所からの転移は、各エリアに点在する象徴的な地点にのみ行ける。逆に各エリアからアークライド事務所への転移は、どの地点からでも可能である。
㉔現在《ロア=ヘルヘイム》には、七つのエリアが存在している。
㉕“囚われている者たち”を除き、《ロア=ヘルヘイム》内の街や施設に存在している群衆は、夢の主格者たちが見る幻影であり、実体のない存在である。
㉖エリアの主格者の権限として、自らのエリアに囚われている人間、及びイメージで作り出した人間に対し、自身の望む役割を付与できる。
㉗エリアが解放された場合、そのエリア内に囚われていた人間の夢は覚める。
しかし何らかの望みを強く持っている人間は、稀に固有の疑似エリアを自身で生成し、囚われたままになってしまうケースがある。
㉘疑似エリアの解放条件も主格者の望みを叶えることであるが、正規の主格者ではない為、何かが手に入ることはない。故に別に放置していてもよい。でも放置し過ぎると新しいエリアができるかもしれないから、少しは気にしておいた方がいいのではないか。
㉙エリアの主格者以外に、《ロア=ヘルヘイム》そのものを生み出した統括主格者が存在する。
㉚統括主格者は《ロア=ヘルヘイム》の王であり、《バルドルの箱》の所有権を有している。
㉛その者が当たり前に所有しているという認識があれば、それは《ロア=ヘルヘイム》に実体として呼び出すことができる他、すでに《ロア=ヘルヘイム》内に存在しているものを手元に移動することもできる。
㉜《ロア=ヘルヘイム》はドーナツ型の大陸で、外円部には各主格者のエリア、そして中央部には煮えたぎる湖《フヴェルゲルミル》が存在する。
㉝《フヴェルゲルミル》のさらに中央部には、黎明樹《ユグドラシル》が天に向かってそびえ立っている。
㉞《ユグドラシル》とは歯車で構成された機械の大樹であり、《バルドルの箱》の能力を“霧”を用いて拡散させるものである。
㉟“霧”は《ユグドラシル》がフヴェルゲルミル湖を吸い上げて精製しているもので、霧の及ぶ範囲がそのまま《バルドルの箱》の能力の及ぶ範囲である。
㊱
㊲
㊳アークライド事務所エリアは《ロア=ヘルヘイム》と現実世界を繋ぐ唯一の特異点であり、《夢の綻び》である。
㊴《ARCUS》の機構を元に作られた《バルドルの箱》はリンク機能を有しており、黎明樹《ユグドラシル》の拡散機能を利用して、《ARCUS》を持つ者を夢の世界に絡めとる。
㊵フヴェルゲルミル湖には《ユグドラシル》の根を住処とする黒き幻竜《ニーズヘッグ》が存在する。
㊶囚われた人物たちから吸い取った思念は《バルドルの箱》に送られ、新たな夢のエリアを構築するエネルギー源となる。外敵から自身を守護するために、そのエネルギーを分け与えて生み出されたのが幻竜《ニーズヘッグ》である。
㊷《ロア=ヘルヘイム》内で命を落とした場合、現実世界に帰還することなく精神は消滅し、実質的な死を迎える。
㊸《バルドルの箱》が失われた場合、《ロア=ヘルヘイム》も消滅する。そこに囚われていた全ての人間は夢から解放され、現実世界における各々の時間軸へと帰還する。
㊹現実世界へ帰還する過程で、《ロア=ヘルヘイム》で得た記憶は完全に忘却される。
――あとがき――