夜叉の慟哭   作:大川原

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3話 忍び寄るオニ

宴会もお開きと相成り、各々が帰り支度を始めた。

ロキ・ファミリアの面々もベートを抱えて帰る者や別の店で飲み直す者もいた。

するとヘスティア・ファミリアと嶋が店を出たタイミングで、アイズがベルに話しかけてきた。

 

アイズ「ベル…ちょっといいかな?」

 

ベル「アイズさん?」

 

何かを言いたそうにモジモジするアイズ、鈍いかなそれに気が付かずに、ベルは嶋の動向を気に掛けていた。

 

アイズ「さっきの…嶋さんが言っていた好き女って…どう言う意味?」

 

ベル「はぇ…えっ、それは…その…」

 

薄らと頬を赤らめてアイズが質問を投げかけた、ベルは心の準備など一つももしていなかっため言葉に詰まった。

顔を真っ赤にし言葉に詰まるベル、しかしアイズも鈍いので言葉の意味を知る一心であって、アイズの心の中は何かこそばゆい感情しか湧いてないのである。

 

ベル「あ、あの…その意味はですね…僕が…その〜アイズさんを…」

 

アイズ「?」

 

 

遠巻きで二人の甘ったるい場面を見せられた面々は溜まったものではない、暴れる神を止める眷属や、キッチンの奥から豊穣の女主人の店員達が各々の感情を抱きつつ見守っていた。

 

ヘスティア「嶋義貞!君が変な事を言ったお陰でえええ!!」

 

ヴェルフ「へ、ヘスティア様を止めろ!」

 

リリ「リリも流石に許せません」

 

ヴェルフ「なぁにぃ?!」

 

嶋「…人とは良いものだな」

 

数千年の間任務の為にただ人を切っていた嶋にとって、若人二人は眩しく見えた、面頬から見える瞳は遥か遠くを見ているようだった。

 

ベル「…また、今度落ち着いた時に話してもいいですか?今はまだその時じゃないから…」

 

弟子であり、癒しの対象であるベルから納得な回答が得られず、幼女のように拗ねる。

 

アイズ「…むぅ、分かった…でも…嶋さんには気を付けて」

 

こっそりと耳打ちされ、ベルは思わず体が固まってしまった。

嶋義貞には気を付けろ、あの男から出されるオーラは確かに並大抵の強さではなかった。

 

ベル「…はい」

 

そうして各々のファミリアは帰路についた。

 

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ヘスティア・ファミリアのホームに帰還したベル・クラネル達は、嶋義貞の扱いを話し合っていた。

尋常ならざる強さ、ヘスティア・ファミリアに迎え入れれば間違いなく最強の戦力となる。

 

ヴェルフ「俺は反対だな、嶋は元の場所に帰りたがっている、そもそもあいつ自身がどんなやつか分かってないだろ」

 

春姫「悪い人では無いと思いますが…あの纏っているオーラは人智を超えた強さだと思います、レベル6…いやそれ以上かも知れません」

 

リリ「問題は、どこから来てどう帰れるか…流されてきたと言うのなら遠洋から漂流してきたのかも知れません」

 

命「あの甲冑、所持している武器も我が同胞と相違ありません、ですが海の向こうにそのような島があるなんて聞いた事が…」

 

議論は捗々しく進捗しなかった、今後の扱いは団長であるベル・クラネルに託される。

当の本人達は今ヘスティアの部屋で恩恵の存在を確認していた。

 

ヘスティア「…嶋義貞、本当に君は一体…」

 

嶋「申したであろう、女王卑弥呼の不死の守護者、『嵐の防人』嶋義貞と」

 

ベル「不死の…守護者…」

 

不死の戦士の証を裏付ける呪い、それは嶋の朽ちた体に裏付けられていた。

 

嶋「…皆の前で某のことも、邪馬台国のことも話そう」

 

一同がリビングに集った、嶋義貞の生い立ちと、受けた呪いの事がいま判明される。

 

嶋「邪馬台国という国を治めている女王卑弥呼は、体が老齢になれば新たな器に受け継ぎを繰り返し続けられ、成り立っている国だ」

 

ベル「器…?」

 

嶋「太陽の巫女…そう呼ばれた少女達が、器となり女王卑弥呼となるのだ、某が守護していた卑弥呼様は…何千年経つか…もう何代目となるか、某にももう分からぬ」

 

若い女性達が、力を受け継ぎ女王になるとは眉唾ものの話であった。

 

リリ「そ、その邪馬台国とやらは何処に?」

 

嶋「日ノ国から遠く遠く離れた島、そこに邪馬台国がある、一時期は外海から使節が卑弥呼様に一目逢おうと訪れていたが…ある時に外海から敵が攻めてきてな、敵の侵攻を防ぐために女王卑弥呼自らが力をお使いになられ、島は丸ごと嵐に飲み込まれたのだ」

 

邪馬台国周辺の海域を通ってしまった船舶が、難破し漂着するのもそれが理由であった。

 

春姫「…戦は終わったのでしょうか?」

 

嶋「終わった、船に乗っていた敵兵諸共海の底まで沈められたのだ、某が侍大将を務めていた頃だから千年ほど前の話であったかな」

 

命「せ、千年…しかし終わったのなら、何故まだ嵐が?」

 

嶋「…次の女王候補であった太陽の巫女ホシ様と言う方が、自ら命を絶たれたのだ、その他の巫女は器になれず、強大な力を継承した瞬間に…みな命を落としてしまった、魂は再び卑弥呼様の元に還り、嵐を止める事もなく、誰も訪れられぬ絶海の孤島となってしまったのだ。最早島出ることも叶わず、意志を持って入ることも叶わん…先代の将軍も責任を感じ自害なされた」

 

代々受け継がれる力、島をも取り囲む嵐、神でなければその様な強大な力は持てない筈である。

 

ヴェルフ「それで、改めて聞くが嶋はそこで何をしていたんだ?」

 

嶋「将軍だ、将軍の位を賜って幾百年の歳月が流れた今も、卑弥呼様の御身を守護している、先代の将軍より自分が何かあれば、某が将軍の位にと仰られてな」

 

ベル「嶋さんは将軍だったんですか…?!」

 

命「将軍…一国の軍隊の長だったのですね」

 

ヴェルフ「何千年も生きながらえる呪いか…」

 

ヘスティア「彼の背中に恩恵を刻んで見たが、一瞬で消えた、強いて言うならば、今彼は人であった何かだ」

 

リリ「人であった何か…嶋義貞の強さはもう人の強さではないという事ですか…」

 

それ程までに卑弥呼の力は強大であった、神々の恩恵をも受け付けない体、幾千の年月を重ねて武を極めた嶋義貞のレベルは…

 

ヘスティア「一瞬見えたレベルは∞、無限だよ、嶋義貞は果てしなく強く、そしてこれからも強くなれる」

 

リリ「む、無限?!!なんなんですかそれは?!」

 

ヘスティア「神の知識をも超えている、多分だけどウラノスでさえも説明できないだろうね」

 

レベル∞、冒険者如きでは到底到達できない未知の領域である。

死なない体に忠誠心が宿れば、人も神も超えた強さになれるのだ。

 

嶋「人ではない何かか、であるならば某は妖か亡霊の類なのだろうな」

 

ベル「そんなことは…」

 

リリ「現実的な話、彼は人智も神智も超えた存在です、問題はその存在が知られたらファミリアにどんな影響が出るか…」

 

ヴェルフ「現時点で豊穣の女主人にいた連中はもう嶋の存在を認知している、ロキ・ファミリアの連中でさえも恐れ慄いた存在としてな」

 

やはり噂が流れるのは光の如く、確かに嶋の存在は広まりつつあった。

あのフィン・ディムナに膝を折らせた男、些細までは知られていないが、間違いなくオラリオの中でも指折りの精強さを誇る存在を認知されたのだ。

 

ベル「嶋さんがどんな人であれ、僕たちは何の実害も受けてない筈です、僕は嶋さんを手助けをしない理由にはならないと思います」

 

嶋「ベル殿…」

 

ヘスティア「…今はまだ弱火の状態だ、今のうちに火を消すのが得策だね、ならないとは思うが例え弱火の火種でも大火事を起こす、明日から各ファミリアに探りを入れてみよう!」

 

命「賛成です、袖振り合うのも多生の縁と言います、嶋殿を故郷へ送り届けましょう」

 

皆の意見は一致した、嶋を無事に送り届ける事こそが嶋にとってもファミリアにとっても得策であった。

 

翌朝、ベルと嶋はあるファミリアを訪れていた、先日酒場にて邂逅したファミリア、ロキファミリアの所だ、嶋自身も団長に詫びをしたいとの事だった。

 

ベル「すみません、フィンさんに相談が…」

 

門番「ラビット・フットじゃないか、団長なら中にいらっしゃるが…その、隣の男は…?」

 

嶋「嶋義貞だ、フィン殿に挨拶と先日の無礼を詫びに参った」

 

門番「団長なら今ロキ様と…」

 

フィン「ベル・クラネル 、何か僕に用かな?」

 

門前で見知った顔が話し込んでいたので、フィン自ら赴いた、勿論理由はそれだけでなく隣の男の存在があるからであった。

 

ベル「フィンさん、突然すみません、少しご相談が…」

 

フィン「…いいよ、立ち話もなんだからファミリアの中で話そう」

 

ベルの言葉から何かを悟ったフィンは快く受け入れた、勿論親指の疼きは治らない。

ベルと嶋がロキファミリアに訪れたと言う事で、幹部と主力メンバーが続々と集まり出した。

 

ティオナ「アルゴノゥト君だ!何しに来たの?」

 

ベル「ティオナさん、ちょっとフィンさんに相談があって…」

 

ティオネ「ふ〜ん、あの男もいるのね…」

 

フィンに膝を折らせた男であるから、ティオネの第一印象は今のところ最悪である、そして隠しきれていないオーラも緊張感を走らせる。

 

レフィーヤ「あ、あれが…何てオーラなの…」

 

アイズ(ベル…また何か巻き込まれたのかな…)

 

異端児の一件もあり、アイズは更にベル・クラネルの動向に敏感になっていた、危ない橋を渡ってしまい、またベルが巻き込まれて仕舞えば、アイズは恐らく耐えられない。

 

嶋「フィン殿、先日の酒場での一件、誠に申し訳なく思う、総大将とは知らず膝を折らせてしまったとは」

 

フィン「いや、アレはうちの団員が原因だ、こちらとしても誠に無礼な行いをしてしまった」

 

ティオナ「ほら、ベート謝りなよ!」

 

ベート「ッチ、うるせえよ…」

 

ガレス「ワシがおらん間にのう、しかし何じゃあの強さは」

 

リヴェリア「正直言って、恐ろしいの一言だ、あの場にいた者全員が動けなかったからな」

 

アイズ(でも、ベルは違う…)

 

唯一嶋義貞を止めたベル、彼の勇気はロキファミリアの団員を救ったのだ、皆密かに気がついている事だ。

 

フィン「さて、一区切りもついた事だった、今日来たのはそれだけが理由じゃないんだろう?」

 

ベル「はい、実は折り合って相談があり…嶋さんがここに来る前にいた島の場所を調べていて」

 

フィン「ふむ…嶋義貞自身は何か覚えはあるかい?」

 

嶋「いや、島のことは分かるのだが、島の場所までが恥ずかしながら分からぬ、わかることは常に島は嵐に囲まれていると言うことだ」

 

フィン「そんな島聞いた事がないな…ロキに掛け合ってみよう、何か分かるかもしれない」

 

ベル「ありがとうございます」

 

フィンがロキに掛け合っている間、嶋は質問攻めにあっていた。

どうすれば強くなれるのか、どれほど強いのか、皆興味津々であった。

 

ベート「ッチ、ごちゃごちゃうるせぇ、あんときゃてめぇらみんな酔ってたから動けなかっただけだろ」

 

ティオナ「あ!じゃあさ、中庭で一回手合わせしてみなよ!」

 

ベル(不味い、嶋さんの強さは未知数…もし何かあれば…)

 

嶋「ふむ、よかろう、某も丁度鍛錬をしたかった」

 

ベル「嶋さん…」

 

嶋「大丈夫だ、手加減はしよう」

 

ベート「あぁ?手加減だてめぇ?てめぇが本気でぶつかって来ようとこまいと、関係なくボコボコにしてやるぜ」

 

こうして、試合がロキ・ファミリアの中庭で再戦される事となった。

ロキ・ファミリアの団員はベートの圧倒的勝利を期待して観戦していた。

 

ベート「テメェの獲物は剣だな、両方使ってもいいぜぇ」

 

嶋「無論、素手で来いと言われたらいよいよ日和ったのかと勘違いするところであった」

 

 

「あいつ、ベートさんに強気でいやがる」

「辞めた方がいいのに…」

 

嶋義貞の強気な発言に観客はざわついていた、しかしあの酒場にいた者はみなその言葉が強気なだけではない事を知っていた。

彼は確かに強い。

 

アイズ「ベル…嶋さんは何者なの?」

 

ベル「…嶋さんは…」

 

ティオナ「じゃあ!始め!!」

 

ベート「っるぁぁぁぁああ″!!!」

 

ベートの素早い蹴りが炸裂する、剛脚が体を砕くような音が聞こえた、嶋が刀を抜く前に決めたようだ、これで決した、あの蹴りを喰らって仕舞えば深層の魔物も討ち滅ぼすほどの蹴りである。

 

アイズ「…っ!?」

 

ベル「…」

 

ベートの蹴りは確かに直撃した、しかし嶋はその場から動く事なく、蹴りを喰らっていた。

 

ベート「…て、てめぇ…っ!!」

 

嶋「蚊蜻蛉が止まったような蹴りだな、凡そ某が刀を抜く前に勝敗を決そうとしたのであろうが…っ」

 

振り下ろした拳がベートの真横を貫く、拳はオリハルコンよりも硬く、落下する隕石よりも強かった、中庭の地面が割れ、木々が折れた。

 

リヴェリア「…な、何が」

 

嶋「某も一割の力で参ろう、敗北する貴様に対してせめてもの手向けだ」

 

ベート「ク、クソがぁぁあ!!」」

 

引き抜かれた二振りの刀には美しい龍の彫刻が施されており、鈍く光っていた。

誰しもがその試合の結果を的中出来たのだ、ベート・ローガは敗北する。

 

嶋「某がどれほどの信念と年月をかけ戦い抜いたと思っている小童、貴様如きの信念では到底到達できぬ」

 

ベート「ごちゃごちゃと…うるせぇんだよぉおおお!!」

 

嶋「青い…っ!!」

 

柄頭でベートの腹を殴打する、嶋義貞の一割の力は相手の戦意を喪失させるには十分な威力であった。

 

ベート「ッカハッ…」

 

その場で意識を手放し地面に倒れ込んだ、もう動くことは罷りならないだろう。

 

ティオナ「うぇっ?!しょ、勝者!嶋義貞!」

 

「べ、ベートさん!」

 

野次馬がぞろぞろと集まってきた、皆この状況を理解出来ずにいた。

 

嶋「安心しろ、手加減はした、気絶しているのであろう…あと、自らの蹴りで自らの脚を折るとは何事だ」

 

リヴェリア「…っ?!ベートの脚が折れている、レフィーヤ!ポーションをありったけ持ってこい!」

 

レフィーヤ「はい…!」

 

ベルはいま、嶋義貞の狂気じみた強さに恐怖を覚えていた、本当に助けるべき存在なのか、巻き込まれていい案件なのか…様々な考えが頭を渦巻いた。

 

嶋「ベル殿、某が怖いか?」

 

ベル「し、嶋さん…僕…」

 

嶋「ベル殿、怖くてもこれだけは信じてくれ、信念と護るべき人がいれば、ベル殿も強くなれる、よく鍛錬し、そして実戦を重ねる事だ」

 

中庭の異変に気がついたフィンがやってきた、地面にのされているベートを取り囲む治療班、そしてベルに対して説法を解いている嶋、容易に状況を理解できた。

 

フィン「…リヴェリア、ベートは一体何をしでかしたんだ」

 

リヴェリア「…手合わせの提案にベートが乗ってしまってな、このザマだ」

 

フィン「…ベル・クラネルと嶋義貞、部屋まで来てもらおう」

 

フィンの態度は先ほどとは打って変わり、警戒の困った眼差しであった。

それもそうだ、主力メンバーがのされていて、当の本人は無傷なのだから。

 

フィン「治療班はそのまま治癒を続けて、先程部屋にいた皆もくるように」

 

アイズ「フィン、ベルは悪くない…提案したのは」

 

フィン「今はそんなことは関係ない、早く来るんだ」

 

ベルは今板挟み状態であった、確かにベルは何一つ悪くない、であるがそれでもフィンのこの感情は収まらなかった。

 

フィン「ロキは今部屋で嶋義貞の島のことについて調べている、後で合流するが、その前にベル、嶋はヘスティア・ファミリアに?」

 

ベル「いえ…それが、恩恵を受け付けない体で…」

 

フィン「恩恵を…ね、嶋義貞、君のレベルを教えてくれるかい?」

 

嶋「れべる…とやらの意味は理解できぬが、昨日神ヘスティアに見てもらった際は…何であったろうか、ベル殿」

 

ベル「…レベル∞です」

 

ガレス「む、む、無限…じゃと?」

 

レベル∞、神が思考を放棄したのかと思われる程のレベルだ、今まで高レベルの冒険者は腐るほどいたが、レベルがカンストしてなおも強くなれる者など一人もいない。

 

リヴェリア「有り得ない、人の一生を何回繰り返してもそのようなレベルなど…!」

 

ベル「…嶋さんは幾千の年月を過ごしてきた、謂わば不死の戦士です」

 

アイズ「ベル…何言ってるの?」

 

ティオネ「そんなわけないでしょ、あんたふざけてるの?」

 

嶋「ベル殿、ここからは某が話そう」

 

昨日話した事を、ロキ・ファミリアの連中にも話した、邪馬台国のことも女王卑弥呼の秘密も、そして自分自身のことも。

 

フィン「…っ何千年も生き続けて、得た強さだと言うのか…!」

 

嶋「左様、島ではそこまで分からなかったが、ここオラリオと言う地に来て初めて強さを実感できた」

 

そもそもの経験値が違う、何千年もあらゆる戦を、死闘を繰り広げ、そして生き抜いた嶋義貞は、神をも、そして人の限界をも超えてしまったのだ。

 

フィン「…わかった、ベル・クラネル 、この件はロキ・ファミリアは全面的に協力しよう、そして嶋義貞を急いで島に送り届けよう」

 

ベル「ありがとうございます…」

 

嶋「ご協力感謝する」

 

この男がここにいては、もうたまったものではない、敵に回さず、早く島に送り届けなければ、オラリオどころかこの世界の均衡が崩れ去ってしまう。

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