夜叉の慟哭   作:大川原

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4話 古の守護者

半ばロキ・ファミリアから追い出されるが如く施設を出た二人、団員の嶋に対する視線は恐怖と怒りが込められていた。

 

嶋「何を怒っているのだ、手合わせを願ったのはそちら側であるのに」

 

ベル「嶋さん…今度からは手合わせとかはしない方向でいきませんか…?」

 

嶋「…それがベル殿達に迷惑を被るのならば、やめよう」

 

ベル「…すみません」

 

嶋義貞は手合わせを願われた方であり、何も悪くないのはベルも承知の上である、しかしその強さは未知数で、人を容易く殺せる力だった。

するとファミリアの方からアイズが駆け寄ってきた。

 

アイズ「ベル…っ、ごめん…ベルは悪くないのにみんなが…」

 

ベル「あ、アイズさん、大丈夫ですよ!誤解もすぐ解けますから、フィンさんもそう言ってくれてますし…」

 

アイズ「でも、またベルに何かあったら…」

 

ベルとアイズの間にまた淡い空気が流れ出した、流石に嶋も居づらくなってしまった。

 

嶋「ふむ…某は先に神ヘスティアの元へ帰る、ベル殿、互いに積もる話があるのであれば、時間をかけて話し合うのだ」

 

ベル「えっ、嶋さんっ!」

 

その場の空気を読んだのかそそくさと行ってしまった嶋義貞、アイズとベルの2人きりの空間になってしまった、どうすればいいのだろうか。

 

ベル「あ〜…アイズさん、その…いつもの場所に行きませんか?」

 

アイズ「…いいよ、行こっか」

 

アイズの不安を吐露する為に、そしてその全てを聞く為に二人はいつもの鍛錬場所に脚を運んだ。

 

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18階層は今日も冒険者でごった返していた、ここの階層に入り浸ってる者達にも噂話は流れていた。

 

「聞いたか?あのロキ・ファミリアのベートがヘスティア・ファミリアの団員に負けたんだってよ」

 

「ヘスティア・ファミリアって言ったらラビット・フッドの所じゃねぇか、まさかアイツが?」

 

「いや、それが新しい仲間がのしたらしい…」

 

噂が尾を引いて広まることはオラリオでは珍しく無いことで、冒険者の出入りが激しい18階層でもすぐに広まった。

 

「しかしどんな奴なんだろうな、そんなに強かったらどこのファミリアもすぐに眷属にしたがるだろうに…」

 

「さぁな、さて、そろそろ出稼ぎにでも行ってくるぜ」

 

「お、おい!!街にいる冒険者は速やかに19階層入り口に集まれ!!ヤベェことになってんぞ!!」

 

リヴィラの街は幾度もモンスターの襲撃を受けている、今回も襲撃だろうと皆は飽き飽きしていた、しかし19階層の入り口は大きく様変わりしていた。

 

「な、なぁ…19階層って地下だよな…」

 

「当たり前だ…!普通だったら大樹の迷宮が広がってる筈だ…!一体何が起きたんだ!」

 

街の冒険者が目にしたの物は、まるで洞窟の出口に辿り着いたかのようや光景だった、左右には手を拝んだ大きな石像が無数に立っており、白骨した死体がそこ此処に縛られて建てられていた。

その先に広がる景色は地上でも迷宮でも見たことのない光景で、和風の城が険しい山々に建っており、雷鳴が轟いていた。

19階層から以下のダンジョンが丸ごと変わってしまったのだ。

 

「ギ、ギルドに報告した方がいいんじゃ…」

 

「…っへ、その前にダンジョンを漁ってみようじゃねえの!!」

 

「俺は行くぜ!!」

 

一人の冒険者の言葉で新しいダンジョンに街の冒険者が大挙してなだれ込んでいった。

嫌な予感がした者たちは自分の直感を後になって感謝する事となった。

 

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ベル(き、気まずい…!)

 

アイズ「…」

 

ところ変わって、鍛錬場所に移動した二人は何も話さない時間が流れていた、自分から誘った手前、何を話せばいたのかが分からないのだ。

 

アイズ「…私、どこかのタイミングで嶋義貞って人に剣を向ける事になる気がする」

 

ベル「え…?」

 

その言葉は、異端児の一件を彷彿とさせた。

 

アイズ「そのとき、ベルはどちら側に立ってるんだろ…」

 

あのときはベルは、憧れの人に刃を向けられ、憧れの人に刃を向けた、またそんな事になって仕舞えば、多分アイズの心は耐えられないだろう。

 

ベル「…そうならない為に、僕は嶋さんを故郷に送りたい、そして僕はどちら側にも立たないと思います…多分…」

 

アイズ「…」

 

アイズの不安はまだ残ったままではあるが、ベル自身の気持ちを聞けて少しほっとした。

 

ベル「僕は…ファミリアのみんなも、僕がお世話になった人全員も大好きです、みんなにもう迷惑を掛ける事はしたくない、それに嶋さん自身も…自分から悪い事をしに行く人じゃないと思うんです」

 

アイズ「…そっか、そうだよね…」

 

ベル「すみません、不安な気持ちにさせてしまって」

 

アイズ「話は変わるんだけど…嶋義貞が言っていた好き人って…どう言う意味なのかな…?」

 

ベル「……あ〜〜」

 

失念していた、いつか話すとあの時言った、今このタイミングがいつかになるとは思いもしなかった。

 

アイズ「あ〜って…話せないような事…なのかな?」

 

ベル「いやっ!その!嶋さんの言ってた事ってのは多分…その…」

 

アイズ「多分…?」

 

もう逃げられない、しかし何故このタイミングなのだろうか、一つも追いつけていない、強くなってから…いや、コレは自分自身の言い訳に過ぎない、想いは伝えねば、アイズ・ヴァレンシュタインに無礼だ。

 

ベル「その、好き人ってのは…僕がアイズさんを…す、す、すk

 

突如、オラリオに警鐘が鳴り響いた、ギルドの放送からは聞き慣れた声が聞こえてくる。

 

エイナ『緊急クエスト!緊急クエスト!オラリオにいる冒険者はダンジョン18階層に前進して下さい!!』

 

ベル「き、緊急クエスト?!」

 

アイズ「むぅ…またモンスターに襲われたのかな…」

 

バッドタイミングで流れた放送にアイズは不満の気持ちを表した、続けて放送が流れる、声色が先ほどと違ってきた。

 

エイナ『クエストは冒険者の救出任務に限ります!敵とは絶対に戦闘を行わないで下さい!!繰り返します!絶対に戦闘は行わないで下さい!!例えLv6であろうと!!』

 

アイズ「え…」

 

それは、遠回しにアイズ・ヴァレンシュタインも戦闘してはならないと言う御触れであった、ベルは嫌な予感がした、アイズでさえも賛同してはならない程の強い敵、心当たりしかなかった。

 

ベル「…アイズさん、次は絶対に最後まで話します!」

 

アイズ「ベルっ…」

 

そういって、ベルは駆け出した、ホームにいるであろう男の存在を確認する為に。

 

_______________________________________________________

 

少し遡り、18階層は新しいダンジョンが現れた事で活気ついていた。

19階層は今まで見たことのない風景が広がっている。

荘厳な城が山の頂上にまで建っており、その周りを取り囲む森林にも建物があった。

しかし肝心のモンスターは現れない、しかしそこ此処に人の死体が転がっている、何かに切り刻まれた死体や、祀られているかの如く打ち付けられた死体など…モンスターに出来る代物ではない。

 

「ッチ、モンスターが一匹もいやがらねぇぜ」

 

「でも可笑しい、死体はたんまりあるのに…」

 

もしかして、これは全て人の所業なのか…一瞬頭によぎった悪い予感がすぐ体を駆け巡った。

 

『グオオオオオオ‼︎‼︎‼︎』

 

モンスターのような叫び声が、城の方から聞こえた、もしかしたら誰も知らない新種のモンスターがいるかもしれない。

 

「な、なんだこの叫び声は!」

 

遠くから聞こえる筈なのに、圧力が凄まじい。

体がビリビリと震えていた。

 

「とにかく行ってみるぞ!他の冒険者に遅れをとるな!!」

 

叫び声を聞いた冒険者たちは、一斉に城に向かいだした、木造の橋を渡り、邪魔になる民家を打ち壊しながら進む、しかし民家はあるのに住人が一人も見当たらない。

そして城門にぶち当たった。

「お前ら!城門を開けるぞぉ!!」

 

「「「「「おおおおおおおおお!!!」」」」」

 

大挙して押し寄せた冒険者は城門を押し開け、広場に出てきた。

しかし何かおかしい、崩れた石柱や物見櫓のようなものが散乱している、まるで侵攻を阻む砦の如く。

 

「な、なんだ此処は…」

 

すると突然、釣鐘を鳴らす音が聞こえた、音の方向に目をみやると、錆色の甲冑に身を固めた男が釣鐘を大槌で打ち鳴らしていた。

 

「な、なんだアイツ!」

 

「ぼ、冒険者…?」

 

「お、おい!門が開くぞ!」

 

城の門が開いた、迎え入れるのか?いや違う、城の中から極東の国のような甲冑と薙刀や刀を構えた連中が押し寄せてきた、侵入者を殲滅する勢いでだ。

『グオオオッ! ッゴォオ!』

言葉は喋れないが、指揮を取っている大きな男が現れた。まるでミノタウロスのような体躯、手下を引き連れこちらに向かって来た。

 

「な、なんだこいっっぎゃぁぁああ!!」

 

遮二無二突撃してきた男に、冒険者は切り刻まれた。

 

「お、おい!!レベルの高い奴は俺と一緒にうあ

 

大きな金棒を振りかぶるのが見え手持ちの武器で即座に防ぐ、しかしダメだった、金棒は豆腐を潰すが如く容易く振り下ろされ、肉が潰れる音が辺りに響き、内容物が飛び散った。

 

「き、きゃぁぁぁぁあ!!?」

 

「れ、レベル5を簡単に…に、逃げろ!!!?」

 

 

『…シマ将軍、イズコニ…防人達ヨ、侵入者ヲ二度ト立チ寄ラセヌ様ニ恐怖ヲ与エヨ、深追イハスルナ』

 

大男が部下達に命令を下した、ある程度の範囲に立ち寄っている冒険者は殲滅せよとの事だ。

 

嵐の防人『御意のままに』

 

18階層までの道のりは遠く、そして悲惨であった、立ち向かおうとしたあるアマゾネスは腕と首を斬り捨てられ、ある男のエルフは詠唱中にただの拳骨を喰らい上半身が吹き飛んだ。

民家が立ち並ぶ道は悲惨極まりない光景だった。

 

「っはぁ…!っはぁ…!アイツら…まだ追って来やがる…」

 

「無理…もう走れにゃい…」

 

あるヒューマンと猫人は、森林まで辿り着いた、しかし18階層までは遠い。

後方から嵐の防人が押し寄せてくる、もう終わりだ。

 

「クソ…!お前だけでも…!」

 

「ダメ!一緒じゃなきゃ…!」

 

すると、嵐の防人達は走りを止めた、そして逃げ惑う冒険者連中に口上を上げた。

 

嵐の防人『我等は女王卑弥呼に使える守護者!嵐の防人である!邪馬台国への侵入者を討つためここに降り立った!遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にも見よ!敗北者共に振り下ろす刃は持ち合わせておらん!!再び侵入する勇気のある者だけが我が城に来られよ!!!』

 

 

「…な、何なんだよ…!」

 

「に、逃がしてくれる…?」

 

嵐の防人『者共!!勝鬨を上げよ!!』

 

『『『『『『『『おおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっっつ!!!!!!!』』』』』』』

 

 

生き延びた、辛くも、そして情けなくも、モンスターから逃げる冒険者はその経験を糧にまた強くなろうと努力できる、しかしこの男達の前にはもうどうしようも無いのだ、戦争をした訳ではないが、必然的にこちらは敗北者となった。

 

森林を震わす勝鬨は、バベルにあるダンジョンの入り口にまで響き渡った、その声を聞き、救出任務に向かった冒険者たちは足を止めた、そして気付いた、この迫力は有象無象の冒険者のものではないと。

 

 

_______________________________________________________

 

ベル「嶋さん!!」

 

ホームのドアを勢いよく開け、嶋の存在を確認した。

 

嶋「ベル殿、あの女性の声はどこから…」

 

ベル「そんなことより…!ここから動いて無いですよね…!?」

 

嶋「うむ、真っ直ぐ神ヘスティアの元へ戻った…顔色が優れぬな、こちらへ座りなさい」

 

他の冒険者達は救出任務に向かっていた、しかし今は行く気になれなかった。

 

ヴェルフ「おいベル、俺達も救出任務に行かなくていいのかよ」

 

リリ「確かに…ギルドの緊急クエストは受けなければ」

 

ベル「…そんな物どうだっていい…!嶋さん…!他の嵐の防人って…強いんですか?!」

 

当たり前の質問であったが、どうしても確認したかった、嶋義貞のような連中が他にもいるとなると話は変わってくる。

 

嶋「当たり前であろう、皆幾千幾百の年月を生き、常に刃を交えておる」

 

ベル「そ、そうですよね…はは、僕何聞いてるんだろ…」

 

春姫「ベル様…少しお部屋でお休みになられて下さいまし、何やら今にも…」

 

ヴェルフ「吐きそうって顔してるぞ、ホントに大丈夫か?」

 

ベル「…ごめん、ちょっと一人にさせて」

 

ベルは、この時なぜか嶋義貞に絶対的な恐怖心を植え付けられた、絶対に勝てない怨霊のような存在である嶋に、18階層の騒動は確定では無い、しかし嫌な予感は的中してしまう物なのだ。

 

ベル(…いや、ギルドへいって確かな情報を掴もう…嶋さんに関係の無い事だったら、この体の震えも治る筈…)

 

こっそりとホームを抜けだし、ギルドへ向かった、道中には負傷した冒険者達が治療を受けていた、手足のない者、背中に割創を負ったものがそこかしこにいた。

 

ベル「エイナさん…!」

 

エイナ「ベル君?ど、どうしたのそんなに顔を青くして…」

 

ベル「18階層に現れたのって、モンスターですよね…?!」

 

何かを確認するような質問にエイナは少したじろいだ、この件にベルは関わっていない、関わらない筈だ、なぜならダンジョンでの出来事だ。

 

エイナ「詳しくは分からないんだけど…」

 

19階層以降が大きく様変わりし、和風な城が立ち並んだダンジョンへと変わった事を話した、そして。

 

エイナ「極東の国の甲冑をつけた男達が現れて…侵入者を殲滅する勢いで冒険者達が斬られて行ったの、ホントとホントに悲惨な状態で…

 

ベル「…っ!!!」

 

エイナ「ベル君…だから今は絶対にダンジョンに行ったらダメ…ベル君?ベル君?!」

 

ベル「ッオエ…オエエッ!」

 

人智を超えた恐怖に、ベルは耐えられなかった、ベルはその場で嘔吐し倒れてしまった。

 

エイナ「ベル君!ミイシャ!!担架を!!」

 

ミイシャ「え?!弟君?!どうしたの?!」

 

意識が遠のいてきた、嶋を、あの男をどうしようかと回らない頭で考えては消えた、そして意識が途切れた。

 

 んでベルが… きてベル様… ベル殿…

さん、間違いなく貴方の所為です。

 

ベル(ココは…あぁそうか、僕はエイナさんに…アレ?なんで寝て…)

 

 

ヘスティア「エイナ君、まず君に神として御礼の言葉を…」

 

エイナ「いえっそんな畏れ多い…」

 

リリ「まさか19階層に邪馬台国が現れるなんて…」

 

命「19階層以降はどうなってしまったのでしょうか…」

 

19階層が消えたということは異端児達はどうなったのか、様々な不安が頭をよぎった。

 

 

ベル「み…んな…?」

 

ヘスティア「…ベル君、体調が悪いのにホームから抜け出しちゃダメだぜ?血相変えたエイナ君が飛び込んできた時は、まさかダンジョンへ潜ったのかと思ったよ」

 

ベル「すみません…みんなも…ッヒ!」

 

見舞いの言葉を掛けようとした嶋を見たベル、あからさまに恐怖に呑まれていた、邪馬台国へ行ってしまった冒険者の多くを惨殺した嵐の防人と同じ奴が、目の前にいるのだ。

 

嶋「…」

 

リリ「…ベル様自身がどう思っていても、リリはベル様に嫌われても言わせてもらいます、嶋義貞、貴方は厄介者です、どうかファミリアにこれ以上迷惑が掛からないとこへ行って下さい」

 

初めて訪れたオラリオという街で、初めてできた島外の知人達から、このように恐れられるとは、嵐の防人はいよいよ自分は人間では無いと自覚し始めた。

 

ベル「リリ…っ!嶋さんは何もしてないっ!」

 

リリ「確かに嶋義貞は何もしていません、しかしその部下達がしでかしたではありませんか、侵入者だからと言って数多の冒険者を切り捨てて…

 

ベル「リリ…っ!!黙れっ!!嶋さんは…嶋義貞は何も悪く無い!!」

 

リリ「…っ!そ、そんな怯えた声で言われても、説得力がまるでありません…今回は異端児達の件とはまったく違います…っ!ベル様にこれ以上辛いことがあれば…っ!」

 

二人の押し問答が続く、一番居た堪れないのは嶋本人だ。

 

嶋「…相分かった、ベル殿、ご迷惑をお掛けした事を詫びさせてくれ、そして…そのたんじょんの19階層とやらに行ってみよう、そうすれば邪馬台国に帰れるやもしれぬ」

 

ベル「嶋さん…っ!ごめんなさい…っ!ごめんなさい!」

 

嶋「世話になった、ベル殿、一段と強くなられよ」

 

嶋はギルドから特別に地図を受け取り、ダンジョンへ向かった。

 

ダンジョンへ向かう最中、路上で治療を施されている者達がいた、こちらを見るや否や。

 

「…何で…何で地上にいるんだよおおおおおおおお!!?!!」

 

「助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて……」

 

嵐の防人達にトラウマを植え付けられた冒険者たちは、立ち向かえずに戦意を喪失していた。

 

嶋「…」

 

地面に這いつくばり命乞いをしている冒険者達の中には高レベルで有名な者も居た、その姿を見て治療に当たっていた冒険者達や、腕に覚えのある者達も手出しできなかった。

ロキ・ファミリアのベートをのした男、それがこの男だろう、どこが匿っていた?名前はヘスティア・ファミリアしか上がらなかった。

(またヘスティアファミリア…)

(この男、ベル・クラネルと歩いていた)

(ベル・クラネルが襲撃を手引きしたのか?)

あり得ない考えまで浮かんでしまう、あの黒いミノタウロスを撤退させたベル・クラネルがまさかそんな、しかし一緒に歩いてるのは見た。

再びオラリオはベル・クラネルを中心に、混乱の中に落ちた。

 

 

_______________________________________________________

 

フィン「…とんでもないことになったね」

 

冒険者の救出活動にあたっていたロキ・ファミリア一行、19階層もとい、邪馬台国にて負傷者と、死亡した冒険者の収容にあたっていた、出来る限りではあるが。

皆一方的にやられており、かなりのトラウマを植え付けられたのだろう、負傷者は早くこの場から去りたいが如く、ロキ・ファミリアの一行を見ただけで足に縋ってきた。

 

リヴェリア「もう大丈夫だ、おい、担架を」

 

ラウル「はいっす!」

 

 

ガレス「一体どうした、ここまでやられるとは…」

 

「極東の国の甲冑を付けた連中が…そうだ、俺らは侵入者だったんだよ…城から追い出すように…うああああ!!」

 

悲惨な光景を思い出してしまったのか、頭を抱え慟哭の声をあげる、運ばれてゆく冒険者達は皆一様にトラウマを植え付けられたのだ。

 

ガレス「ふむ…あれが件の城か…」

 

リヴェリア「…嶋義貞の言っていた邪馬台国、もしかして…」

 

フィン「…あり得ないと言いたいけど、確定だろうね、嶋の格好と襲撃してきた奴らの格好…証言ではほぼ一致している」

 

『グオオオオオオ…!』

 

 

アイズ「…ダメ、リヴェリア、多分だけどあの声の主には誰も勝てない」

 

リヴェリア「アイズ…」

 

まさかあのアイズ・ヴァレンシュタインでさえも、あの嵐の防人には勝てないと発言した。

 

ベート「…ックソ!クソ!」

 

ティオネ「早く救出して戻らないと、城の外に出てこられたら…」

 

ティオナ「ティオネ、あの声…怖い…」

 

″オラリオでは″最強のもの達も、恐れをなした、もはやオラリオ中の冒険者が結集しても、神の力を持ってしても勝てない。

 

フィン「…っ?!何か来る!」

 

のしのしと歩いてきた大柄な体躯の男がこちらに歩いてきた、モンスター?しかし負傷者達は意識を手放し、又は泣き喚きだした。

あれが件の城の守護者か。

 

『貴様ラ…再戦ヲ挑ミニ来タカ?』

 

フィン「いや、僕たちは負傷者と死者の収容に来ただけだ、君達に手出しはしない」

 

『手出シ?何カ貴様ラニ出来ル事ガアルノカ??」

 

出来ない、たが弱みは今は見せることはできない、団員達も見ている。

 

『マァ良イ…探シ人ガイル、シマ将軍ヲ見テハイナイカ?』

 

フィン「嶋…まさか嶋義貞のことかい?」

 

『ソウダ、モシ再ビ会エバ伝エテ貰イタイ、サコン以下ハ将軍ノ帰還ヲ願ッテイルト』

 

フィン「…必ず伝えよう」

 

『感謝スル、アト城ニハ近ヅキ過ギルナ、城周辺ノ侵入者ハ皆死ンデイル』

 

最悪な情報を聞かされ、サコンと名乗った男は帰って行った。

嶋義貞…今回の件に関わり過ぎている男であることは明白であった。

 




新しい嵐の防人を登場させました、プレイされた方なら分かると思いますが、嵐の防人を仕切っていたあのデカいヤツです、アレが将軍職に就けるとは思えないので、臨時で嶋を将軍にしてしまいました、名前もオリジナルです、申し訳ない。

左近虎徹 『嵐の防人』Lv∞
嵐の防人を直接指揮する侍大将の役目、基本化け物じみたハウルをあげる、ドチャクソ強い。
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