新世紀エヴァンゲリオン 天才少年シンジ君(試作)   作:高橋ヒナタ

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イスラフェル君の登場です!
前後編の2つになってしまいましたので
第2戦は次回!

難産気味で少しだけ短いです。


トライアタック

「惣流・アスカ・ラングレーです♪」

 

「「えぇーッ!?」」

 

転校生として入ってきたアスカにトウジとケンスケは

イスから転げ落ちそうになるほど驚いていた。

 

「あたしもここに通うことになったのよ」

 

「惣流は大学卒業しとるんやろ?」

 

「ミサトに言われたのよ。行ってきなさい、って。」

 

アスカは僕と同じように大卒だがこれまた僕と同じように

ミサトさんにこの中学へ通うよう言われていたのだ。

エヴァパイロットを全員ここへ放り込む気だろうか?

 

面倒くさい、とモロに顔に出ているアスカだったが

ここ第壱中学校2-Aに来た以上、面倒事は避けられない。

エヴァパイロットらしき人物が新たに転校してきたのだ

しかもその人物がレイやシンジとならぶ美少女とくれば

クラスじゅうが大騒ぎをし始めるのは必然と言えた。

 

「ねぇねぇ、惣流さんもエヴァのパイロットなの!?」

「シンジ君とはどういう関係!?」

「惣流さんのエヴァってどんな機体なのか教えてくれ!」

 

アスカとおまけに僕までクラスメイトに囲まれ

次から次へと質問が飛ばされる。

今まで強気な性格を崩すことは無かったアスカだが

さすがにこれにはタジタジ、表情に困惑の色が浮かぶ。

 

「だぁ~っ!答えてやるから順番に聞きなさいよ!」

 

エヴァパイロットへのある種の洗礼のようなものだ。

僕があれこれ言ったところで収まることも無いだろうし

アスカには乗り切ってもらうしかないだろう。

 

 

 

「ねぇ…シンジも転入初日はああだったの?」

 

「うん。隠そうと思ったけど無駄だったよね」

 

質問の嵐から屋上へ逃げ出してきた僕たちは

お昼ご飯を食べながら話をする。

いつものようにレイも一緒だ。

 

「なんというか…程度低いわね、授業内容込みで」

 

「あはは、授業がつまらないのは僕も同意かな」

 

なにせ既に知っている内容の再履修なのだ

同じ大卒の身としては分かるような話だった。

 

「セカンドインパクトの件も政府の話鵜呑みだし」

 

「そう言うしかないんだよ、教師ってのは」

 

──セカンドインパクト。

15年前、南極で発見された使徒アダムの調査中に起こった

原因不明の大爆発である。

政府はこれを巨大隕石の衝突と発表していたのだ。

 

「加持さん、セカンドインパクトのこと追ってたんなら

あたしに聞いてくれりゃ安全だったでしょうに」

 

「ごめんねアスカ、加持さんに銃向けさせるようなこと

指示しちゃって。」

 

アスカに、加持さんへ銃を向けさせたのは僕だ。

何かおかしな行動をしたら撃ってでも止めろと

指示を出していたのだ。それは謝っておく。

 

「ま、加持さんも相当ヤバいことに首突っ込んでた訳だし

それを少しでも辞めさせられたのは良かったわよ」

 

加持さんはセカンドインパクトの真相を知り

NERVの新たな目的を聞いて、ゼーレと内務省調査部の

スパイとしての活動から身を引くことにしていた。

 

 

「アンタ、ファーストとはどういう関係なの?」

 

同じパイロットとしてファースト、レイとの関係は

やはり気になるんだろう。

どうせだということでここで色々話し合う事になった。

 

「レイとは恋人どうしだよ。」

「私はシンジ君が好き、なの。」

 

「え"っ!?」

 

アスカはこの発言に驚いたような表情を浮かべた。

どうやらアスカは、ファーストはNERV本部司令ゲンドウの

依怙贔屓で選ばれたのではという噂を聞いていたらしい。

 

「いや、あれを依怙贔屓とは言えないよな」

「うん。酷かった。」

 

レイがコンクリ打ちっぱなしのボロマンションに住んでて

食事は全てサプリメントや薬、それの大半が司令の指示で

用意されていたと聞くとアスカはドン引きだった。

 

「なんと言うか…まさにマダオ…?よね」

 

万事屋の天パが出てくるコメディー漫画のアイツか。

まるでダメなオッサンを略したものだったし

確かに父さんはマダオと言われてもおかしくは…ない。

 

「あのマダオにはたっぷり働いて貰わなくちゃね!」

 

アスカの言う通り父さんには色々やってもらう事がある

特にゼーレとのやり取りに関しては流石の僕でも

介入出来そうにないので。

 

「そういえばアスカ、マリさんとはどんな関係なの?」

 

「…あ~、アイツとはねぇ…親戚みたいなものね」

 

アスカ曰くマリさんは幼い頃からずっと傍にいた人で

なぜかやたらと自分に構ってくれる人らしい。

最近はそれがめんどくさい方向へ向かいつつあるが

何だかんだ加持さんと同じくらい親しい、とのこと。

 

 

 

「ねぇシンジ。レイと付き合ってるんならさ、ふたりは

どれぐらいまで進んでるのよ?」

 

アスカがニヤニヤしながら聞いてくる。

 

「進んでる、って何?」

 

アスカはレイの発言に一瞬驚いたような顔になると

ふたたびニヤニヤ顔で今度はレイへ声をかけた。

 

「シンジともっとラブラブになる方法を教えてあげるから

あとであたしの家に来なさい!ココに住んでるから」

 

「ありがとう…!あとで行くわ」

 

アスカは自分の住所をレイへ教えている。

そこでレイに何を教える気なのかは分からないが

あの顔からして僕にとっては「大変だけど嬉しい」

そんな状況へたたき落としてくれそうだ。

レイほどの純粋さは時に強力な"武器"になるからだ。

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

『巡洋艦はるなより入電、紀伊半島沖合にて使徒と思しき

巨大生命体を確認!データを送ります!』

 

「…分析パターン青、使徒です!」

 

第5使徒ラミエルが第三新東京市に残した傷跡も

まだ癒えていない中、第7の使徒が襲来した。

 

幸いにも沖合で潜航移動しているところを発見出来たため

ミサトは海岸線にエヴァを出撃させ、使徒が上陸する所を

奇襲し一気に叩く作戦を提案した。

 

「シンジ君、今どこにいるの!?」

 

すぐさまエヴァパイロットへ連絡を取る。

 

『アスカとレイも一緒に、今向かってる!』

 

パイロットがこちらへ向かっていることを確認すると

電源ケーブルの運搬や攻撃車両の手配などを済ませる。

 

「零号機もまだ改装作業に入ってないからだせるわよ?」

 

「それは好都合だわ!零号機の準備も進めて!」

 

零号機には今まさに量産化改造を開始する予定だったが

使徒が来たことで作業が中断させられていたのだ。

これを好機と見たミサトは改装作業を後回しにさせ

零号機の出撃準備も進めさせる。

 

「出撃ルートはR26リニアラインでいいわ!」

 

『エヴァの各武装、搭載開始』

 

エヴァの武装がエヴァ輸送トレインに載せられていく。

初号機と零号機のトレインにはパレットライフルが

2号機のトレインには新武装のコンテナが載せられ

エヴァの発進準備が全て整った。

 

『エヴァパイロット、到着しました』

 

シンジたちがエヴァへと飛び乗ったのを確認すると

ミサトはエヴァへ通信を繋ぎ作戦を伝達する。

 

「今回は2号機が前衛、初号機と零号機が後衛よ。

連携はぶっつけ本番になるけどいいわね?」

 

『『『はい!』』』

 

全ての準備が整いミサトは発進指示を出した。

 

 

「エヴァンゲリオン、発進!」

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

「アスカ、お手並みを拝見させてもらうよ」

 

「あっと言わせてやるから見てなさい!」

 

シンジ達はリニアラインで海岸線までたどり着くと

すぐにケーブルを接続し各々武器を構える。

初号機と零号機はパレットライフルを手に取った。

 

「これが日本刀…良い武器じゃない!」

 

2号機の手に握られているのはこの戦闘の直前に完成した

「マゴロク・E(エクスターミネート)・ソード」だ。

プログレッシブナイフの技術を使用した振動剣で

物体を分子レベルで切り裂く強力な刀である。

 

ザザザザザザーッ!!

 

海の方へ目をやると白波を立てながら使徒がこちらへ

泳いで来ているのが目に見える。

 

ザバァーーーッ!!

 

ついに使徒がその姿を現す。

サキエルと同様首らしいものは無く、黒いボディの上下に

灰色の三日月を2つ手足として付けたような見た目だ。

ボディには赤と青の太極図のような仮面が付いている。

「第7使徒イスラフェル」だ。

 

『攻撃開始!』

 

ミサトの号令でシンジとレイが射撃を開始する。

使徒がATフィールドでそれを防いでいるうちに

アスカは廃ビルを踏み台にして一気に使徒へ詰め寄る。

 

(コアらしい球体は…ッ!?な、何で2つあるんだ!?)

 

シンジは使徒の弱点のコアを真っ先に探した。

それらしいものは使徒の仮面の下に付いていたので

すぐに見つかった。しかし、そのコアらしき赤い球体は

仮面の下に並ぶようにして"2つ"付いているのだ。

 

「行けるっ!」

 

防御に集中している使徒を見てアスカが叫ぶ。

ビルを蹴って使徒の真上へと飛び上がった2号機は

マゴロクソードを大上段に構えた。

 

「だあぁぁぁーーッ!!」

 

ズバァッ!!!

 

マゴロクソードの刃はスパッと使徒の体を切り裂き

イスラフェルは綺麗すぎるくらいに真っ二つになった。

もちろん、2つあったコアも諸共真っ二つだ。

そして切られたイスラフェルはバシャリと海へ倒れた。

 

「お見事!」

 

使徒を一撃で真っ二つにしてみせたアスカに

シンジは拍手とともに賞賛を送った。

 

 

 

『…パターン青健在ですッ!』

 

「「えっ!?」」

 

オペレーターから告げられたのは信じられない報告。

確かにコアは2つとも真っ二つにされたハズである。

 

「シンジ君、惣流さん、使徒が動いてる!」

 

そんなレイの声にイスラフェルの方へ視線を向けると

2つに別れたイスラフェルの体がそれぞれビクビクと

動き始めていたのだ。

 

「アスカ、離れてっ!」

 

アスカが飛び退いたのを確認したシンジはすぐさま

パレットライフルをイスラフェルへ向けて撃つ。

しかしATフィールドで阻まれ爆煙だけが上がった。

 

 

 

『ぬぁ~んてインチキ!!』

 

煙が晴れたそこに立っていたのは"2体"の使徒。

仮面は3つの穴が空いた白いものへ変わっており

手足の色はそれぞれオレンジと白へ変わっている。

新たな使徒が2体追加で現れたのかとも思ったが

続くオペレーターの報告によってそれが否定される。

 

『パターン青が2つに増えていますっ!』

 

『固有パターンはどちらも依然第7使徒のものです!』

 

──分裂。

 

イスラフェルは恐らく合体と分離ができる使徒で

合体して現れることでこちらの油断を誘ったようだ。

アスカが切り裂いたコアも偽物だったのだろう。

 

「復活したってもう一度やっつけてやるまでよ!」

 

2体のイスラフェルは腕の先のカギヅメを振り回して

3人に襲いかかってきたが、シンジとレイはライフルで

アスカはマゴロクソードで反撃する。

 

「僕達もやろう、レイ!」

「うん!」

 

アスカは白いイスラフェルへと斬りかかり

シンジとレイはオレンジのイスラフェルを撃ちまくる。

 

「たあぁぁぁッ!」

 

アスカはマゴロクソードを器用に使いながら

白いイスラフェルの全身を切り裂いていく。

腕を、足を、胴体を。

しかしイスラフェルは何度その体を切り裂かれても

わずか1秒ほどでその傷を完全再生してしまったのだ。

 

「なんなのよ~これ~ッ!?」

 

腕や足が切り飛ばされた程度なら一瞬で再生され

たとえ上半身と下半身がさよならしたとしても

コアが残った方から数秒で新しい半身が生えてくる。

 

「くそぉッ!」

「だめ、再生されてる!」

 

シンジとレイもオレンジのイスラフェルを撃ちまくり

ボロ雑巾のように身体中を穴だらけにしてやるが

それも一瞬のうちに再生されてしまう。

 

『コアを狙うのよ!』

 

「だめ~ッ!コアも再生されてるわ!」

 

アスカは下手な攻撃では意味が無いと分かると

すぐにコアを狙ってマゴロクソードで攻撃していたが

なんと弱点であるはずのコアでさえ、切ろうが貫こうが

瞬時に再生されてしまっていたのだ。

 

「こっちもダメだッ再生されてる!」

 

シンジとレイはコアを狙えと指示された瞬間から

その射撃をひたすらコアへと撃ち込んでいたが

弾丸によって抉られたコアの傷が次の着弾までには

ほとんど治ってしまっているらしく、いつまでたっても

コアを砕ききれずにいた。

 

『一体どうしたら…』

 

この事態にはエヴァパイロット達も発令所の面々も

有効打がまるで見いだせなかった。

しかし、突然ゲンドウが口を開いたのだ。

 

『…国連軍へN2弾道弾を要請しろ!強力な足止めになる。

エヴァパイロット3名は目標をなるべく1箇所に集めながら

爆発の範囲から退避!…出来るな?』

 

ゲンドウが指示を出したのはイスラフェルを足止めして

その間に作戦を練り直そうというものだった。

 

「分かった父さん、やってみるよ!」

 

「「了解!」」

 

シンジは父からの作戦を聞くと速やかに行動に入った。

アスカへ、今からオレンジの方を海へ投げ飛ばすから

白いの方をそこへ投げつけてくれ!と指示をする。

そしてシンジ本人はレイに牽制射撃を続けさせ

オレンジのイスラフェルの隙を伺った。

 

「…ここだァ!うおぉーッ!」

 

使徒が大きく怯んだタイミングで懐へと飛び込み

オレンジのイスラフェルを腕を掴むと

一本背負いの要領で勢いよく投げ飛ばした。

 

「今だアスカッ!」

 

「でやぁぁぁーーッ!」

 

アスカは張り倒した白いイスラフェルの両足を掴み

ジャイアントスイングを使って投げ飛ばす。

勢いよく投げ飛ばされた白いイスラフェルは

ドゴッ!とオレンジのイスラフェルに激突して

2体とも海へと倒れ込む。

 

『N2、今だ!』

 

「退避ーっ!」

 

ゲンドウの指示でN2弾道弾が発射されたのを見て

3人は爆発範囲から全力ダッシュで退避した。

 

 

 

ドォォォォーーーンッ!!!

 

 

 

新型のN2弾道弾が直撃し大爆発が巻き起こった。

これによって使徒イスラフェルは体を構成する物質を

およそ3割ほど焼却され、一時的に活動を休止。

イスラフェルが自己再生を終えるまでの間、時間にして

およそ5日ほどの猶予をNERVは手に入れたのだった。

 

 

 

                      つづく




アスカにマダオ呼ばわりされたゲンドウ君。
今回は良い指示を出してくれました。

アスカに持たせたのはソニックグレイヴではなく
マゴロクソード。イスラフェルを真っ二つにするには
刃の長さが足りないような気がしたんでね。
誰がこれを作ったのかは次回。
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