新世紀エヴァンゲリオン 天才少年シンジ君(試作)   作:高橋ヒナタ

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イスラフェル戦、2回戦目です

今回一応オリキャラが居ます。
メインキャラではありませんがね。


セカンドラウンド

 

[戦術作戦部 作戦局第一課 作戦会議室]

 

NERV本部の一角にある作戦局第一課の会議室。

そこには今、NERVの主要メンバー達が大勢集まっていた。

 

NERV副司令である冬月コウゾウ

この部屋の室長とも言える作戦部長葛城ミサト

エヴァの整備面の書類を抱えた赤木リツコ

使徒のデータを纏めた書類を抱えた伊吹マヤ

そしてシンジ、アスカ、レイのエヴァパイロット3名。

 

「──新型N2弾道弾により目標を攻撃、これにより

構成物質の約30%の焼却に成功。」

 

トドメを刺せなかった第7使徒イスラフェルに関する

情報整理と、第2回戦へ向けての作戦立案を行うために

これだけのメンバーが作戦会議室に集まったのだ。

 

「さて、第7使徒との第1回戦に対しての関係各省からの

抗議文とUNからの請求書に関しては私が一部受け持とう」

 

冬月の隣には山のように積まれた書類が見える。

今までの使徒戦後もこのように請求書やら抗議文やらが

送られてきたことはあったが、今回は使徒を殲滅できず

撤退という形に終わってしまっているのだ。

関係各省からの抗議文はいつにも増して多い。

その対応は主にミサトがやることなっていたのだが

まだミサトには第2回戦の作戦考案という仕事がある。

冬月はこれを考慮し、抗議文などの対応を

一部受け持つと言ったのだ。

 

「ありがとうございます副司令!」

 

ミサトは冬月に大いに感謝している。

 

「じゃあ始めましょうかしら。まずは使徒のデータね」

 

リツコに促され、彼女の後輩のオペレーター伊吹マヤが

使徒の詳細なデータをモニターへと写す。

 

「使徒は現在自己修復中です。自己修復の完了予想は

およそ5日後、5日後の午後には再進行が開始されると

MAGIは予想しています。」

 

さらにマヤは使徒の現状を解説していく。

現在自己修復中のイスラフェルはラミエルを上回るほどの

強力なATフィールドを展開しているため

エヴァ3機分のATフィールドで中和を行っても

修復中の奇襲は不可能であるとの予想が出ていた。

 

「ここで奇襲出来れば楽だったんだけどね~…」

 

「続けて、再生能力についてのデータです」

 

2体に分裂したイスラフェルのコアはお互いがお互いの

コアの傷を急速修復するように出来ているらしく

撃破するためには1秒ほどの一瞬の間に両方のコアを

同時に破壊しなければならないとの予想だった。

 

「え、それって物凄く難しくない?」

 

「僕とレイでもかな~りキツいね、これ。」

 

エヴァパイロット達もかなり難しい顔をしており

同時撃破の難易度が高そうなことは明白だ。

 

 

 

「お困りのようだね、シンジ博士」

 

作戦会議室に新たにやってきた人物の声が響く。

シンジにはその声に聞き覚えがあった。

 

「時田博士!?」

 

日本重化学工業共同体でジェットアローンを作っていた

時田シロウがやってきたのである。

どうやらリツコさんが時田博士の引き抜きを司令へ提案し

父さんが直接交渉に出向いていたとのこと。

 

前回戦闘でマゴロクソードがロールアウトしていたのも

時田博士が開発に加わって完成が早まったかららしい。

 

「新たな武装の完成の目処が立ったからな」

 

「どうも、最上アドルといいます。データはこちらに。」

 

時田博士の部下である緑がかった黒髪の青年が

この5日間で仕上がるという武装のデータを持ってくる。

どうやらデュアルソーとサンダースピアの2つは

既に試作型が出来上がっており、急ピッチで製造すれば

それを正式に仕上げることが出来るとのことだ。

 

「我々でも限界があるのでね、5日後までに仕上がるのは

デュアルソーとサンダースピアのどちらかのみだ」

 

「碇博士の研究データは参考になりましたよ!」

 

あまり贅沢を言える状況でもないためそれでも有難い。

ただ、今この場でおおまかな作戦が立案されなければ

それらの武器は今回使えないと思った方が良いだろう。

 

「う~ん…それでも同時攻撃に賭けるべきじゃない?」

 

ミサトさんはユニゾンアタックに賭けようかと悩んでいる

5日間みっちりアスカやレイと特訓に打ち込んだところで

1秒という短い瞬間に同時にコアを破壊できる気はしない

僕はそれとは別で気になっていたことがある。

デュアルソーの破壊力である。

 

「リツコさん、デュアルソーでコアを破壊した時の

ダメージ予想を出してもらえませんか?」

 

「ちょっと待っててね」

 

リツコさんがMAGIを使って使徒へのダメージを計算する。

出てきたその答えは、僕の中で考えついていた作戦が

実現可能であると告げている。

 

「リツコさん!デュアルソーを使いましょう!」

 

僕が思いついた作戦はそんなに難しいものでは無い。

両方の使徒を同時に倒さなければならないのなら

どちらかのコアをデュアルソーで攻撃し続けて

"死に続けている状態"にしてしまえばいい。

あとは残ったもう片方に1回トドメを刺せばいいのだ。

 

「なるほど!シンジ君いい作戦思いつくじゃない!」

 

真っ先にこの作戦の意味を理解したのはミサトさんだ。

さすがNERVの作戦部長を務めているだけある。

他の面々もミサトさんからダメージ計算の画面と合わせて

説明されると理解した様子を見せている。

 

「その作戦なら成功率も高いみたいね」

 

MAGIで作戦の成功率を算出していたリツコさんも

この作戦に同意を示してくれている。

ついに作戦は決まった。あとは実行に移すのみだ。

 

 

「──死に続けるだなんて"レクイエム"みたいですね」

 

片方をデュアルソーで惨殺し続ける残酷な作戦なのに

アドルさんがそう言ったことで、この作戦の名前が

「レクイエム作戦」という皮肉じみた名前になったのには

なんとも言えない気分になったが。

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

「碇博士、少しお時間いいですか?」

 

僕は作戦会議のあとアドルさんに声をかけられていた。

なにやら見てもらいたい資料があるとのことだ。

 

「機密情報でなければ食堂で話をしましょうよ」

 

別に機密でもなんでもないとのことだったので

昼食を兼ねてNERV本部の食堂へと向かう。

 

 

「博士にはこれを読んでもらいたくて。」

 

手渡された書類にはかなり面白い内容が書かれていた。

受けたエネルギー攻撃を熱として拡散させることで

レーザーやビームなどへの耐性を高める装甲材と

電流で相転移を起こさせ物理攻撃への強い耐性を得る

特殊な金属を用いた装甲材の計画書だった。

 

「どちらも何だかんだ行き詰まってまして…

時田博士にも相談したんですけどね。特に2枚目は酷くて

材料の用意が地球上では難しいみたいなんですよ…」

 

確かにこれは僕の持つ知識を以てしても難しそうだ。

ただ、時田博士やリツコさんと色々情報交換しあってなら

まだなんとか、最低限の性能を確保した程度のものなら

作れないことも無さそうだ。

 

「これってアイデアはアドルさんなんですか?」

 

「いいえ!僕ではありませんよ。…実は──」

 

そう言って手渡されたのはどこかのウェブサイトを

そのまま印刷したような書類。

ページ名にはアニメのタイトル名が含まれている。

以前ドイツにいた友人に教えて貰ったロボットアニメと

同じようなタイトル名がつけられている。

 

「僕はこういったアニメや漫画に出てくるような技術を

現代科学で再現することを目標にしてるんです!」

 

アニメや漫画には疎かった僕には無かった発想だ。

 

「この書類の件は分かったよ。色々掛け合ってみます。」

 

「本当ですか!?ありがとうございますっ!」

 

キラキラした笑顔でお礼を言うアドルさんは

僕より一足先に昼食を食べ終えると

「昼食代は僕がお支払いしておきますからーっ!」

と言って支払いを全て済ませて去っていってしまった。

おおかた再び自分の研究をしに戻ったのだろう。

僕も昼食を済ませ自分のやることをしに行くことにした。

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

『目標は強羅絶対防衛線を突破しました!』

『現在、第三新東京市へ向けて山間部を進行中です!』

 

ついにイスラフェル達が活動を再開した。

2体はまだ表皮にヒビが残っている状態で現れたため

MAGIが出した活動再開予想よりも3時間ほど早いようだ。

表皮のヒビ程度ならほぼ全快されたと言えるだろう。

 

『シンジ君、アスカ、レイ、準備はいいわね?』

 

「「「はい!」」」

 

『エヴァンゲリオン発進!』

 

 

 

地上へ出た僕達は近くの兵装ビルへ送られてきた武装を

それぞれ手に取る。僕はデュアルソーを、アスカは

ソニックグレイヴを、レイはパレットライフルを2丁だ。

 

「私が先行するわ」

 

レイが使徒の方へゆっくりと歩いていったのを見送り

僕とアスカは所定の位置まで先回りする。

まずやらねばならないのはイスラフェル達の分断だ。

 

今回は僕がレイと協力して片方を押さえ込み

デュアルソーをコアへねじ込む手筈なのだが

その状況へ持ち込むまで、もう片方はフリーになる。

下手にもう片方からの援護を許してしまえば

戦線が瓦解するリスクがあったため最初から2体を分断し

アスカには分断した片方の足止めとトドメを頼んだのだ。

 

「射撃開始!」

 

レイは山間部から現れた2体のイスラフェルへ

2丁のパレットライフルを乱射する。

狙いを定めることもなく弾をバラ撒いたのだ。

 

「…回避!」

 

2体のイスラフェルは当然零号機へ向かって飛びかかるが

もともと当てる気など無かったレイはヒラリと回避する。

 

「ビーム!…でもっ!」

 

イスラフェルは自己修復するついでに進化したのか

仮面からのビームも撃ってくるようになっていたが

2体とはかなり距離を開けているため回避は余裕だった。

これを何度か繰り返し、所定の位置まで誘い込むのだ。

 

 

 

「…来た」

 

僕達のもとへ2体のイスラフェルが誘導されてくる。

パラパラと撃っては逃げる零号機にイライラしているのか

初号機と2号機はまるで眼中に無いようだ。

 

「次を狙うわよシンジ」

 

「了解」

 

次イスラフェルが零号機へ飛びかかれば丁度いい辺りへ

飛び込んできてくれるだろう。最高のタイミングを

逃さないためにも視線をイスラフェル達へ集中させる。

 

 

「今よ!」

 

「はあぁぁぁーッ!」

「おりゃぁぁーッ!」

 

飛び込んできた2体のイスラフェルの腕をガッチリ掴んで

2体を引き離すようにして勢いよく投げ飛ばしてやり

かなり離れた場所へと叩きつける事に成功した。

僕達はまず作戦の第一段階を突破したのだ。

 

「そっちは頼むよアスカ!」

「任せときなさい!」

 

僕はオレンジのイスラフェルをアスカへ任せ

白いイスラフェルを拘束すべく隙を伺う。

前回戦闘でも隙を突かれて投げ飛ばされN2を貰ったせいか

白いイスラフェルは掴まれないように距離を置いている。

 

「シンジ君、惣流さん、使徒はビームを使うわ」

 

『ありがと、気をつけるわ』

 

レイが使徒がビームを会得していると教えてくれた。

アスカとも通信は開いているので返事が返ってくる。

サキエルと同じくビームの直前に仮面の瞳が

キラリと輝くようで回避は難しくないようだ。

 

『アタシが軽く遊んであげるわ。ほらほらッ!』

 

向こうも遊んでいられるくらいには順調らしい。

僕も負けてられないとばかりにギアをあげる。

 

「シンジ君、今よ!」

 

「僕が狙っているのは…これだよッ!!」

 

バゴォーンッ!!

 

白いイスラフェルを零号機とで挟んだ瞬間にヤツへ向けて

飛び蹴りを叩き込む。掴みを警戒していたようだが

逆に狙いやすくなっていたのでとても有難かった。

蹴りが仮面にクリーンヒットした白いイスラフェルは

零号機の方へ勢いよくぶっ飛ばされる。

 

「捕まえた!」

 

ぶっ飛ばされた白いイスラフェルは零号機に腕を掴まれ

地面へと押さえ付けられる。抜け出される前に初号機で

下半身の方も押さえ付け、デュアルソーを起動する。

 

ギュイーーーン!!!

 

コア同士の相互修復が途切れる瞬間を報告するよう

オペレーター陣に伝えてあるので、あとは僕はひたすら

このデュアルソーをコアへ押し付けるだけだ。

 

『トドメを刺せそうなのね?シンジに合わせるわよ!』

 

アスカにもデュアルソーが唸る音が聞こえたようで

トドメの準備が完了していると連絡が来る。

ジタバタと暴れる白いイスラフェルに苦戦しつつも

デュアルソーをコア目掛けて押しつける。

 

ギャリギャリギャリギャリギャリギャリッ!!!

 

物凄い音と共にコアが砕かれていき赤い破片が飛び散る。

ノコギリの部分の先端は白いイスラフェルの肉体深くまで

突き刺さっているようで、バタバタと暴れていた手足は

今はもはやビクビクと震えている。

 

『コア同士のエネルギーのやり取りが途切れました!』

 

「今だアスカ!」

 

オペレーターから、白い方が死に続けはじめたと聞き

すぐさまアスカへトドメを刺すよう伝える。

 

『トドメだあぁぁぁーーーッ!』

 

2号機は一気にオレンジのイスラフェルの懐へ飛び込み

ソニックグレイヴでコアを綺麗に貫いていた。

 

 

 

2体のイスラフェルは糸が切れたようにバタリと力尽き

二箇所で十字の光が上がった。

 

『パターン青、消失しました!』

 

オペレーターからもパターン青消失の報が入り

今度こそ本当にイスラフェルが殲滅されたことを

実感したのだった。

 

 

 

                       つづく

 

 

 




ユニゾンではない方法で仕留めてやりたくてな
ユニゾンを期待していた方には申し訳ない。

ここで出てきたレクイエムとは
あのスタンドさんのことです。

時田さんの部下、最上アドルさん登場。
シンジ君に色々ヒントをくれました。
名前は重巡洋艦「最上」と、
時田さんの中の人つながりで
ヤザンゲーブルの部下「アドル・ゼノ」から。
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