新世紀エヴァンゲリオン 天才少年シンジ君(試作) 作:高橋ヒナタ
息抜き回…もといケンスケ回です。
彼がNERVにスカウトされてから
一体何をしていたのか、明らかになります。
本編と関わるような要素はほとんど無いので
ぶっちゃけスルーしても構わないかと。
─NERV本部、技術1課研究室。
僕はサンダルフォン戦を終えたあとすぐ本部へ戻り
N2リアクターやフィールド偏向制御装置を完成させるため
リツコさん達技術1課、時田博士達技術2課と協力して
ひたすら開発を進めていた。
「ひとまずこんなとこですかね」
「だいぶ仕上がったなァ」
「一息つきましょうか」
そして、休憩するためにコーヒーを淹れて飲んでいた時
思わぬ人物からの呼び出しがかかった。
『あーあー、え~NERV広報の相田です。葛城さんから通達
パイロット3名と赤木リツコさんは至急第1資料室まで
お集まりください』
「えっ相田!?」
「あら、私まで呼ばれるのね?」
何のために呼び出されたのかは分からないが丁度休憩に
入っていたところだったのでリツコさんと2人で
呼び出された部屋へと向かうことにした。
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[第1資料室]
NERV本部が得たデータや映像などの資料を保管している
大きなスクリーンが備え付けられた部屋だ。
「やぁ碇、さっそくだけどそこへ座ってくれ」
スクリーンの前にはイスがいくつか並べられており
既にミサトさんと、なぜかトウジまで来ている。
「やぁ相田ケンスケ君、失礼するよ」
「シンジ、お前も呼ばれていたか」
「やぁ葛城、何するか教えてくれないかい?」
続いて入ってきたのはなんと父さんと副司令、それと
加持さんだ。父さんと副司令はこれから何をするのか
知っている様だが、ここまでのメンツが揃うとなれば
かなりの大事なのだろうか?
「メガネがなんで!?ここで何してんのよ?」
「綾波レイ、到着しました」
レイとアスカは何も知らされていないらしい。
特にアスカはケンスケがNERVにいることに驚いている。
「さて、皆集まったね?じゃあ始めるから座って!」
全員がイスに座ると部屋の明かり落とされプロジェクタの
電源が入れられる。どうやら何かを見るようだ。
[劇場版エヴァンゲリオン:序(仮称)]
「ぶはっ!え?え?映画!?」
画面に映し出されたのは映画のタイトルである。
ケンスケはエヴァを映画化しようとしていたらしい。
「オールCGでまだ荒削りだけどな」
UNの戦車が待ち構えるなか、巨大な水柱が立つ。
流れ的にサキエルが来るシーンだろう。
『あっ、ダメか…携帯も圏外のままだし──』
僕をイメージしたと思しき少年が映る。
そして、突然現れる黒い巨大生命体サキエルに驚く
彼のもとに破壊されたVTOL機が落ちる──
『ごめ~ん、おまたせ♪』
華麗に滑り込んできた青いアルピーヌルノーから
ミサトさんがモチーフの人が顔を出す。
「確かにミサトってこういう運転してそうよね」
そう言うアスカに、僕も確かにそうだなと思う。
あそこまで豪快な運転ではないが、ミサトさんの運転には
NERV本部へ急いでいたときに何度かお世話になっている。
『久しぶりだな、メグム』
『父さん…』
初号機の目の前で僕がモチーフの少年、緒方メグム君と
父さんモチーフの立木司令が顔を合わせる。
『こんなの乗れるわけないよっ!』
「ねえ、シンジちょっとナヨっとし過ぎじゃない?」
初号機を前にしたメグム君はその恐ろしさに竦んだのか
搭乗したくないと叫んでいる。
「あくまでも普通の少年だからこれくらいでいいのさ」
確かにあれは僕も初めて見た時驚いたのだ。
ただの14歳の少年なら竦んで動けなくなるかも知れない。
『ウ"オ"オ"オォーーーンッ!!!』
エヴァ初号機が暴走を起こしサキエルへと向かっていく。
「ユイ君が、ということか。いいアイデアじゃないか」
これは少し前父さんに聞いたことなのだが、初戦の時は
僕が戦えなくなった場合、コアに眠る母さんが目覚めて
初号機を暴走させるだろうことを予想していたらしい。
実際、画面の中の初号機も左目を貫かれており
パイロットのメグム君は今戦えない状態だろう。
『すまんなぁ転校生、ワシはお前を殴らないかん』
黒いジャージを着たトウジモチーフの少年、関トモゾウが
メグム君のことを殴り飛ばす。どうやら彼の妹は
暴走した初号機に巻き込まれ怪我をしまったようだ。
「確かにサクラが巻き込まれとったら、ワシはセンセの事
ぶん殴ってたかもしれへんな」
『メグム君、命令を聞きなさい!退却よ!』
『うわあぁぁぁッ!』
初号機がプログナイフを構えシャムシエルへ突撃する。
作中のミサトさん、三ツ石コトミさんが制止するも
メグム君はそれを無視して突撃。ギリギリのところで
シャムシエルの撃破に成功していた。
「結果としてはあれが最適解なんでしょうね~」
ミサトさんの言葉には同意である。遠距離戦闘が効かず
懐へ飛び込むしかないならさっさと決着を付けるべきだ。
ただ、メグム君は命令違反で怒られてしまっていたが。
『これで貸し借りチャラや、殴ってすまんかったな』
メグム君の戦う様を見たトモゾウ君は己の非礼を詫び
メグム君にワシを殴れと言って自分の頬を殴らせる。
彼なりのケジメの付け方ということだろう。
「殴りあって友情が芽生える、王道だね」
「ええケジメの付け方やな、映画のワシも」
さすがケンスケ、トウジの事をよく分かっているようだ。
『あ"あ"あ"ぁぁぁッ!ここから出してよッ!』
初号機がラミエルから砲撃を喰らってしまう。
「うわぁ…エっグいわね」
「危うくこうなるところだったよ」
初号機は出撃用カタパルトが溶けてしまい戻せなくなる。
爆砕ボルトを使って街ごと回収したはいいものの
メグム君は意識不明、初号機は大きく損傷してしまう。
「あの時はホンっト迂闊に出さなくて良かったわ」
映画はヤシマ作戦へと突入していく。
『あなたは死なないわ、私が守るもの』
レイモチーフの少女、森原メグミさんが月をバックにして
そうメグム君へと語りかける。
「幻想的ね…レイ、今度こういう写真撮りましょうよ」
「シンジに撮ってもらいたい」
そして覚悟を決めたメグム君もエヴァに乗り、ヤシマ作戦
がついに開始された。
『外した!?』
『まさか、このタイミングで!?』
初撃はギリギリのところで外してしまう。
ケンスケ曰く「一発目は絶対当たらないもの」らしい。
『早く…早く…!早くっ!』
ラミエルの2発目を森原さんが盾を使って必死にガードする
そして、照準が合い発射される陽電子砲。
『キュイアアアァァァーーッ!!!』
実物同様の凄まじい声を上げてラミエルは殲滅された。
初号機はライフルを放り投げ、全身から蒸気をあげる
零号機へ駆け寄るとプラグを強引に引っ張り出し
非常用ハッチのレバーを回して森原さんを救助する。
『こんな時、どんな顔をすればいいのか分からないの』
『笑えばいいと思うよ』
なぜか涙を浮かべるメグム君に困惑する森原さんだったが
笑えばいいよ、と言われ彼女はニコッと微笑んだ。
[──つづく]
映画はここで一区切り、となる。
パチパチパチパチパチパチ…!
すぐに資料室全体に拍手が鳴り響く。
「これからも作っていくから期待しててよ!」
ケンスケはこの映画をだいたい三部作くらいとして
仕上げる予定のようで、今後出てくる使徒から
3体から4体ほど選んで出演させるつもりらしい。
「あたしは次の映画からかしらね、期待してるわ」
「ああ、惣流の期待に答えられるよう頑張るよ」
さらにケンスケは自分のロマンを加えたアナザー作も
計画しているようで、エヴァの技術を使った戦艦で
巨大な使徒と戦わせてみたい、何ならエヴァ対エヴァも
やってみたい、と意気込みを語ってくれた。
「劇場版エヴァンゲリオンシリーズ」。
相田ケンスケ監督が作り出したこの作品は
実際の使徒戦をモチーフとしたフルCG映画として
爆発的なヒットを記録することになる。
実際のエヴァや使徒のおおまかな情報が載せられた
パンフレットが来場者記念プレゼントとして配られ
スーパーロボット系や特撮系のマニアもイチオシの
大ヒットシリーズとなるのであった。
つづく?
劇場版エヴァンゲリオン回は続きません。
この世界線は貞本・新世紀エヴァ──
急…もといQあたりから狂っちゃうからね。
作中の登場キャラの名前はシンジ君たちの
中の人から取ってアレンジしています。