新世紀エヴァンゲリオン 天才少年シンジ君(試作) 作:高橋ヒナタ
名前は「シャルギエル」。
雪の天使だそうです。
ちなみに少しだけ強化しました。
UA1万突破!本当にありがとうございます!
「今戻った」
ゲンドウは南極から槍を回収し、NERV本部へ帰ってきた。
南極にいた間に襲来した第10使徒サハクィエルの
被害報告などにひと通り目を通していく。
エヴァは2号機と初号機の腕に少し損傷を負った程度で
パイロットも3人とも無事であることに安心する。
「司令、レイが呼んでいますが…」
「分かった。向かおう」
司令室へ向かう途中にレイから呼ばれているとリツコから
教えられる。ゲンドウは何で呼ばれたのか思い当たる節は
あった。零号機やレイ本人のことだろう、と。
レイは今発令所にいるということなので折り返して向かう
「碇司令、零号機の中には誰がいるんですか?」
レイから問われたのはゲンドウの想定した通りのものだ。
しかしこれの答えを話そうと思ったら、零号機だけでなく
レイの正体についても話さねばならない。
それを聞く覚悟があるか、とレイに問いかける。
「──それでも聞く覚悟があるか?レイ」
「…はい。シンジはきっと受け入れてくれる」
「うん。レイが何者でもレイはレイだから」
レイとシンジが良い雰囲気なことに父親としてやや複雑な
気分になりながらも、全てをレイに打ち明ける。
「まず零号機だが、コアには誰もいない」
「いない?しかしエヴァは…!」
そう、リツコの指摘通りエヴァはコアにいる人の魂を
通してシンクロするものである。コアが空のエヴァに
乗ると、ユイのように魂を取り込まれてしまうのだ。
「レイは…魂が第2使徒リリスのものなのだ」
「私が…リリス…!」
エヴァの元となった使徒、第2使徒リリスの魂があるから
コアが空のエヴァでもレイが取り込まれることは無い。
「その点について、レイにやってもらいたい事がある」
ゲンドウは、回収してきた槍を地下で眠るリリスへ
刺してくるよう指示する。リリスが目覚めるにつれて
レイの意識はリリスのものへ塗り替えられ、リリスが
覚醒してしまう危険性があるからとのことだった。
使徒を殲滅し終わるまでにレイの魂を確固たるものとし
リリスの方をレイの支配下に置ければ理想的だと
ゲンドウは語った。
「課題は使徒殲滅だけじゃない、か…」
ブツっ………………
突然、NERV本部が暗闇に包まれた。
「停電、だと!?…にしても長いな」
ゲンドウも突然の停電には驚いた。停電が長いのだ。
「生きているのは2567番からの9回線のみです!」
NERV本部の電源系統は正・副・予備の3系統あり
数分間停電することさえ万に1つもない。
しかし、今もまだ停電が続いているのだ。
「となると、ブレーカーは故意に落とされた訳ね」
「赤木博士、MAGIへダミープログラムを」
この停電の下手人の目的は、本部の構造を復旧ルートから
探ることだろうと判断したゲンドウはすぐに手を打たせる
本部の中枢を担うMAGIにダミープログラムを走らせ
少しでも本部構造の解析を妨害させる。
ゴウゥー………ン
「非常灯が!?」
空調が回り出す音と共に非常灯が灯ったのだ。
それと同時にザザッ…とノイズ混じりではあるが
通信も入ってくる。
『あー、…ー。時…です。新型N2を起……ました』
開発中だった新型N2リアクターを時田が起動させたようで
徐々に本部の機能が復旧していく。
エレベーターや自動ドアも復旧したようで加持とミサトも
発令所へと戻ってくる。
「時田博士、助かったわ」
『いやぁ、起動して良かったですよホントに』
加持はゲンドウや冬月と、下手人の正体について話し合い
ゼーレか日本政府の諜報員の仕業だろうと結論付ける。
『こちら第3管区航空自衛隊!NERV本部聞こえますか?』
突然、自衛隊からの連絡が入る。彼らから齎されたのは
使徒接近の報だった。
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
「こちらでもパターン青を観測、第11の使徒です!」
復旧した主モニターにも使徒の姿が映し出される。
無数の黒い棒で出来た水飲み鳥のような姿をした使徒
「第11使徒シャルギエル」だ。
頂点には、サキエルと同じような仮面がついており
赤い針とともに時計のように回っている。
「こりゃまた随分と背が高いわね~」
ミサトの言うようにシャルギエルの全高はラミエルの
倍近い大きさがある。しかも、コアと思しき球体は
頂点にある仮面のすぐ下についているため
簡単に攻撃できるとは思えない。
「ポジトロンライフルは出せると思いますよ?」
最上アドルがポジトロンライフルの設計書を手に
発令所へとやって来た。N2リアクター内蔵バックパックも
あとは取り付け調整のみとのことで、それを使えば
臨機応変にコアを狙撃出来そうである。
「零号機にライフル共々装備させろ。初号機と2号機は
先行してデータの収集にかかれ。」
「了解!」
「OK、先行ってるよレイ」
初号機と2号機が出撃していく。
「N2リアクターは強度を高めて作っていますが直撃は
なるべく貰わないようにしてくださいね」
レイはアドルと時田からポジトロンライフルや
N2リアクター内蔵バックパックの取り扱いについて
ひとつひとつ聞いていく。
リアクターのバックパック型はまだ試作段階のため、
炉の部分の保護が完全ではなかったのだ。
「零号機、発進します」
リアクターとライフルの取り付けが終わり
2機に遅れること数分、零号機が出撃した。
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ギギィー…カンッ!ギギィー…カンッ!
シャルギエルは相模湾をその足で凍りつかせながら
ゆっくりと進行していた。
ただ、その巨体ゆえに進行速度そのものはかなり早い。
「ダメだっ、僕達の射撃じゃ…」
シンジは必死にシャルギエルを追いかけながら
パレットライフルを乱れ撃ちする。
「このライフルじゃだめね、レイの合流を待ちましょ」
アスカも2号機にシャルギエルを追わせつつ
ライフルで射撃を続けているがパレットライフルでは
地上からコアまでかなり遠いうえに、そのコアも巨体の
割にとても小さいため2人では撃ち抜けずにいた。
ゴッゴッゴッ…ギュォンッ!!!
「うわっ!また使徒の触手が来るよっ!」
「近づきすぎたわね…くッ!」
使徒の仮面が急にぐるりと回ると、仮面から黒い触手が
無数に放たれ襲ってくる。シャルギエルに近づくと
これを使ってくるのか、先程から何度か使われている。
「うわっ!…着弾点が凍るのが厄介すぎるッ!」
初号機が凍結した地面に足を取られてスリップする。
なんとか回避には成功したが、先程まで立っていた場所は
真っ白に凍りついてしまっている。
シャルギエルの触手攻撃は地面やビルに着弾すると
周囲を凍りつかせるため、下手に撃たせると
回りの足場が物凄く戦いづらくなるのだ。
『シンジ君!アスカ!レイをそっちへ送ったわ!』
待ちに待った報がミサトによってもたらされる。
ポジトロンライフルを持った零号機が出撃したのだ。
「発射!」
バシュゥーッ!!!
ポジトロンライフルの弾はシャルギエルのコアを
一撃で貫き、ガラガラと音を立てて使徒が崩れていく。
「流石レイ、コアを一撃で…えっ!?」
「ちょっと…!元に戻っていくわよ!?」
「撃ち抜いたのはダミー…!」
ガラガラと崩れかけていたシャルギエルの体は
逆再生が始まったかのように元へ戻っていく。
レイの予想通りさっき撃ち抜いたコアはダミーだった。
水飲み鳥の体に当たる部分が逆さまになっていき
重りだと思われていた下側の赤黒い球体が持ち上がる。
『上空へ上がった方がコアみたいよ!』
ミサトもそう言ったように上空へ高々と上がった方の
赤い球体は、先程まで赤黒い色をしていたのだが
コアと同じような綺麗な真紅色へ変化していた。
間違いなくあちらが本当のコアだろう。
「だめ!出力が足りない!」
『何ですって!?』
レイはポジトロンライフルをもう一発撃った。
間違いなくコアへ吸い込まれるだろうと思われた射撃は
ATフィールドで阻まれてしまったのだ。
「偽物はワザと撃ち抜かせたってことか!」
偽物のコアを撃ち抜いた時、シャルギエルはフィールドを
ほとんど展開していなかったのだ。自分を撃ってくるのは
人間達のチマチマした射撃だけ、コアにもダミーがある。
ただの様子見に全力を出す必要は無かったわけだ。
「まだよ」
本来の出力で展開されたシャルギエルのATフィールドは
ポジトロンライフルの射撃を跳ね返していく。
リアクターが未完成状態だったこともあり、これ以上は
出力を上げることが出来ない。
「また触手が来るぞっ」
より熾烈になって放たれる触手攻撃を回避しながら
レイ達がどうすべきか頭を悩ませていた時だった。
『上空にエヴァ輸送機!ユーロNERV所属ですっ!』
「ィやっほーッ!おまたせーっ!」
『エヴァ5号機っ!?』
上空から空中挺進用S型装備を纏ったピンク色のエヴァが
降下してくる。マリが駆るエヴァ5号機だ。
「トドメはアレで決めてやるにゃッ!!!」
5号機は片足を下へ突き出し、ポーズを決めながら
シャルギエルの赤い球体へと飛び蹴りを放つ。
発令所ではそれを見たゲンドウと冬月が笑っている。
「ライダーーーっ、キッーク!」
ガキィィィーン!
下から撃ってくる3機に気を取られていたシャルギエルは
咄嗟にATフィールドを張り5号機をギリギリのところで
受け止める。
「まだまだァ!」
5号機はS型装備のスラスターを思いっきりふかした。
シャルギエルのATフィールドをぶち抜いた5号機は
赤い球体の中へとめり込んだ。
ズボォッ!!
「コアが!」
シャルギエルの赤い球体を突き破って出てきた5号機は
その足でしっかりとコアを捉えていた。
赤い球体の内部にあったらしい小さなコアは
5号機の足の裏でバキッと砕け散った。
ドォーーーンッッッ!
『パターン青消失、使徒殲滅を確認!』
スラスターをふかし、華麗な着地を決める5号機の後ろで
綺麗な十字の光があがった。
「真希波マリ!エヴァンゲリオン5号機で参戦だにゃ!」
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「あらためてヨロシク、ゲンドウ君♪」
「…あ、あぁ」
マリがNERV本部司令室で正式な着任のための書類を
ゲンドウへと手渡した。これでエヴァ5号機も正式に
NERV本部所属のエヴァとなるだろう。
しかし。この司令室には大きな問題が1つ起こっていた。
「改めて宜しく、"お父さん"」
「………」
ゲンドウをお父さんと呼ぶ、銀髪赤目の少年のことだ。
彼は人類補完委員会から送られてきた監視員とのこと。
「僕はカヲル、渚カヲルだ」
パッと見はマリと同じようにフライングで来日した
エヴァパイロットのように見える。がしかし、渚カヲルは
綾波レイと同じ赤色の瞳をしているのだ。
「渚カヲル君、君は一体何者だ?」
いくらアルビノでもそこまで綺麗な赤になる訳では無い。
レイが母ユイのクローンであることを知っていたシンジは
目の前の少年に、一体何者なのと問い詰める。
「僕かい?僕はシンジ君の協力者さ」
「どういうこと?君にとっては初対面じゃないの?」
「そう、僕は君と会ったことがあるのさ」
シンジには彼と会った記憶は無い。
幼い頃に会っていたかもしれないが彼も同世代のようだ。
自分が覚えていなければ彼もまず覚えていないだろう。
ますます混乱に陥るシンジ。
「2人だけで話をしないかい?」
「………ジオフロントの庭園で話をしよう」
シンジは意を決して彼と話をしてみることにした。
ゲンドウに頼み周囲を封鎖させておく。
「…君になら話してもいいかもしれない。………僕はね
フォースが起こった世界からやってきたんだ」
「フォース?サードじゃなくて?」
使徒がアダムやリリスと接触すればサードインパクトが
起き、あらゆる生命がLCLに還ることは僕も知っていた。
だがカヲル君は"フォース"と言ったのだ。
「サードで壊滅した世界を作り替えるためにね。」
ロンギヌスの槍とカシウスの槍、覚醒した特別なエヴァ
これらを揃えたうえでフォースインパクトを起こせば
地球の再創造を行うことが可能だったらしい。
「でもそれは失敗してしまった……」
向こうの僕とカヲル君で起動させたフォースは
向こうの父さんの介入で失敗してしまったうえ
望まぬフォース発動を阻止するためカヲル君は自らを
犠牲にするしか無かったとのこと。
「僕はあのシンジ君を傷つけてしまっただろう…」
カヲル君に依存していた向こうの僕は、カヲル君が
死ななければならないと知った時酷く悲しんでいたと
そうカヲル君は話してくれた。
「君をこんどこそ幸せにしたいんだ、僕は」
カヲル君はそう言って自らの首に"黒い首輪"を付けると
僕に小さなコントローラーみたいな物を手渡した。
「これは僕が君へ尽くすことの証さ」
その首輪が何なのかを聞いた僕は、彼を信じてみる
ことにした。
「…カヲル君はそれに手を貸してくれるんだね?
ぜひ頼むよ。僕はこの世界で生きていたいからね」
「うん、喜んで力を貸すよ。シンジ君!」
僕はカヲル君と握手を交わしたあと、父さんへ話を通す。
そして、僕は父さんや母さん、カヲル君達と協力して
新たな計画を始動させる。
「──希望の槍と絶望の槍は揃った」
「…世界再生計画、頑張らなくちゃね」
つづく
エヴァ5号機、参戦。
次の使徒は影が本体のアイツなので
活躍が見られるのは少し先。
最後のシ者、参戦。
彼の存在ゆえに転生タグを付けました。
公式でもループしてるみたいですし。
世界再生計画については次回以降で。
※シンジ君視点カヲル君がめっちゃ怪しいとの
意見を頂いたので少し修正しました。