新世紀エヴァンゲリオン 天才少年シンジ君(試作)   作:高橋ヒナタ

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レリエル回です。

その前にカヲル君関連について少し。

…文字数がやや少ないです今回。
精彩を欠いてる気もしますね。
ちょっと休息期間設けますか…


希望は闇には呑まれない

 

「世界再生計画ぅ?」

 

ミサトは仰々しい計画の名前に思わず聞き返した。

ミサトやリツコ、マヤなどNERVの主要メンバーを集め

ゲンドウとシンジから発表された計画である。

 

「発案者はシンジだ。…そしてこれが計画の概要だ。」

 

計画の概要というにはやけに多い書類が積まれている。

しかしミサトもリツコも目を通していくにつれて

納得の表情へ変わっていく。

 

「これが…世界再生計画!」

 

エヴァの技術を転用した建築技術や機器開発を軸に

旧東京の緑地化および再開発計画など、文字通り世界を

再生するためのプランが載せられていたのである。

セカンドインパクトで人類文明が受けたダメージを

徹底的に癒すための計画だ。

 

「ノアの方舟計画?まだあるっていうの!?」

 

強固な装甲板と使徒封印用呪詛柱によって保護された

世界中のあらゆる生物を保存するための施設を建て

仮にサードインパクトが起きたとしても

次世代へ生命を繋ぐための計画がノアの方舟計画だ。

 

 

 

「彼のことも紹介しておこう」

 

銀髪の少年渚カヲルがシンジと共に司令室へ入ってくる。

 

「改めて自己紹介といこうか。僕は渚カヲルさ」

 

カヲルは自身がゼーレの監視員として送られてきたこと

NERVのパイロットに何かあれば自分もパイロットとして

使徒と戦う予定であることを告げる。

そして最後に、最も重要な事を口にする──

 

「──第17使徒タブリス、僕のもう1つの名前だ」

 

「使徒!?」

 

さすがのミサト達もこれには驚愕を隠せなかった。

自分達とまったく変わらない人間の姿をしたこの少年が

自ら使徒を名乗ったのである。しかも17番目という

まだ少し先の番号で、だ。

 

「…シンジ君、どういうつもりなの?」

 

「彼を倒すべき立場なのよ!貴方は!」

 

しかしシンジは余裕の表情を一切崩さない。

それどころかカヲルの元へと歩いていって、ポケットから

リモコンらしきものを取り出して彼の首元へ向ける。

 

「…渚君、その首輪はいったい?」

 

「これはDSSチョーカー。僕が一足先にここへ来るために

ゼーレから着けられた首輪さ。裏切り防止のためにね。

当然ながら僕には外せないように出来ている」

 

カヲルはシンジが自分へ向けているリモコンの機能と

この首輪の機能を説明する。このDSSチョーカーは

シンジの持つリモコンのスイッチを押すことでのみ起動し

装着者の首を爆破して殺害するのだ。

 

続けてシンジが、なぜリモコンを自分が持っているのか

なぜ彼に信頼を置いたのかを説明していく。

 

リモコンはゼーレの元にもあるのだが、カヲルがここへ

来る際に精巧なニセモノとすり替えたため今この首輪を

起爆出来るのはシンジだけだ。自らの命を差し出してまで

自分の幸せを想う彼の意思を無碍には扱えない──

シンジはそう答えた。

 

「あなた方も起爆出来るようにしておきましょうか」

 

そう言われてミサトとリツコはリモコンにデータを登録し

渚カヲルを受け入れることにした。

 

 

 

「ねぇ渚君、あなたが使徒ってホントなの?」

 

カヲルがここにいる理由が分かれば、気になることは

やはり彼が使徒と名乗った理由である。

 

「渚、使徒の探知機は切ってあるぞ」

 

「それじゃあお見せしましょうか」

 

カヲルはミサトを指名し、自分を攻撃するように言う。

しかも、手加減は一切不要だとまで言ったため

ミサトは少し戸惑ってしまう。ミサトは戦闘訓練を

トップスコアで突破するほど白兵戦が得意なのだ。

お互いに何も武器を持っていない状況でも

14歳の少年など本気で戦わずとも叩きのめせてしまう。

 

「さあ、いつでもどうぞ」

 

「………いくわよ」

 

恐ろしく自信に満ちた態度でそう言うカヲルに対し

彼は使徒だ、と自らの使徒への復讐心を煽ったミサトは

カヲルへ向けて攻撃を繰り出した。

 

カキィーーーン……

 

「AT…フィールド…!」

 

カヲルの目の前に八角形の光の壁が展開され

ミサトの攻撃を弾く。その光景にミサトは納得の表情を

リツコは好奇心がそそられたような表情をしたのだった。

 

 

 

ピーッ、ピーッ

 

ゲンドウのデスクにある通信機が鳴った。

 

「私だ。……総員、第2種警戒態勢!」

 

ゲンドウが受けた通信によると、第三新東京市上空に突如

使徒と思しき存在が現れたとのことだった。

全員は急いで発令所へと向かった。

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

「これは…第10使徒!?」

 

主モニターへ映し出されていたのは第10使徒と同じような

黒い球体。違うのは表面に白い模様が入っていることと

地面へ落ちていこうとしないこと。

 

「パターンはオレンジです。使徒だとは思いますが…」

 

オペレーター日向マコトからの報告によれば

使徒特有のパターン青は検知されていなかった。

先程使徒の探知機を一度切ったが、今現在その探知機は

フル稼働で動かしている。検知漏れは有り得なかった。

 

「富士の電波観測所は?」

 

「検知していないそうです。突然ここへ」

 

第三新東京市周辺の様々な観測施設へ問い合わせても

それらしい物体は確認されていないとのことだった。

つまり、黒い球体はここへいきなり現れたのだろう。

 

「迎撃設備は?」

 

「先程撃たせてみました。ですが…」

 

映像には、黒い球体へ襲いかかる無数の弾丸が全て

反対側へとすり抜けてしまっている様子が映っている。

 

「まるでそこに存在していないみたいですね」

 

ラミエルやサハクィエルとは別の意味で手の打ちようが

無い存在に発令所の面々は困り果ててしまう。

 

「あれはデコイってこと?」

 

「だとしたらシンジ君、本体は…影になるわよ?」

 

直前にデコイのコアを使う使徒と戦っていたシンジは

あの球体がデコイである可能性を指摘する。

そうなってくるとあの球体の本体がどこになるのかだが

ミサトの言うように影くらいしか残っていない。

 

「……撃ってみましょうか、影を」

 

ミサトの指示で迎撃設備が黒い球体の影へ攻撃する。

影へ向かった弾丸は、地面へと着弾して爆煙を上げる──

そんな結末に終わるだろうと誰もが思っていたが…

 

 

 

『……………!』

 

黒い球体がついに反応を見せた。白い縞模様が一瞬消え

球体の影が真っ黒なものへ変わったのだ。

放たれた弾丸も地面ではなくその闇へと消えていった。

ついでにそこにあった兵装ビルも全て闇の中だ。

 

「ディラックの海か。使徒の本体もあの中だろうね」

 

黒い球体を見たカヲルはそう結論付けた。

そしてその予想が真実であると言うかのように球体を分析

していた日向によってあの言葉が告げられる。

 

「僅かですがパターン青を検知しました!」

 

NERVはこれを受け、黒い球体を「第12使徒レリエル」と

認定。使徒殲滅のため動き出す。

 

『巡航ミサイル発射…効果無し』

 

『対地攻撃システム、効果ありません』

 

色々な攻撃手段を試してみたが、レリエルは一瞬だけ

模様が消えるだけで大きな反応を見せなかった。

 

「仕方ない…アレを使おう。僕達謹製のやつを」

 

 

 

シンジが指示したのは攻撃用に作った新型N2爆弾を

ありったけ撃ち込むという作戦だった。

シンジと時田の持つエネルギー理論を組み込むことで

そのN2はサキエルへ使った時より火力が激増している。

 

『第一次投下、開始!』

 

まずは様子見のために1個投下する。落ちていったN2は

レリエルの影へと吸い込まれていき、その内部で

時限信管が作動し爆発する。

 

『………!!??』

 

上空に浮かぶレリエルのダミー体が大きく歪む。

確実にダメージが入っているらしい。

第一次投下からある程度時間を開け第二次投下が始まる。

 

『第二次投下、開始!!』

 

残る39個のN2が一斉に投下された。その総火力は従来の

N2の1000個分にもおよぶ程であり、そのまま投下すれば

NERV本部は消し炭になってしまっていただろう。

しかしそれは全てレリエルの影へ吸い込まれていく。

 

 

 

バシャーーーッ!!!

 

レリエルは突然ダミー体から赤い体液を吹き出して

消し飛んだ。どうやら内部でN2が炸裂したことで

コアを破壊できたらしい。

 

『パターン青消失。使徒殲滅、確認しました』

 

レリエルがいた場所は兵装ビルが飲み込まれて

更地になってしまったが、それ以外に大した被害も無い。

人の科学の力が使徒に牙を剥いた瞬間だった。

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

「消失!?本当に第2支部は消失なんだな!?」

 

『はい。消失で間違いありません』

 

司令室へと戻ってきたゲンドウと冬月は信じられない報に

思わず耳を疑った。NERVの北米第2支部が消失した──

倒壊したでも、爆発したでもなく、"消し飛んだ"のだ。

 

「原因は4号機か…」

 

エヴァンゲリオン4号機。米国が製造権を主張して作った

正規実用型のエヴァンゲリオンで、新型のエネルギー機関

使徒も持つS2機関の搭載実験を行っていた機体だ。

 

「ディラックの海に落ちたんだろう」

 

カヲルが言うには4号機と支部を消滅させたエネルギーは

S2機関から解放されたもので、4号機はその余波によって

ディラックの海へ消えたのだろう、とのことだった。

S2機関を下手に起動させようとして失敗したのだろう。

 

「委員会の差し金だろうな」

 

第2支部はかなり強引な研究開発を続けていた支部で

その間接的な制裁が、委員会もといゼーレによって

下されたのだろうとゲンドウは予想した。

 

「3号機はどうすると?」

 

「こちらへ寄越すそうだ。きな臭いな」

 

いくら4号機の消滅事故があったとはいえ3号機を手放せば

米国は全てのエヴァを手放すことになる。

それでも米国政府が3号機を押し付けてきたことに

ゲンドウも冬月もきな臭さを感じた。

 

「シンジにも話を通そう。いい判断基準だ」

 

「4号機のサルベージは出来ますよ、お父さん」

 

カヲルがゲンドウにそう告げる。先程レリエルを見て

ディラックの海への接続が自分にも可能だと判断した

カヲルは4号機の引き揚げを提案したのだ。

 

「………そうだな、頼む」

 

「碇っ!?」

 

ゲンドウは4号機の引き揚げをカヲルに指示した。

 

「渚、相模湾沖合にでも落としておいてくれ。こちらで

引き上げておく。」

 

「委員会にはどう報告するんだ?」

 

「事故後の調査で見つかったとでも言えばいい。

どうせ大した口出しなど出来んよ」

 

4号機消滅が仕組まれていようとそうで無かろうと

ゲンドウ達が4号機を回収することに対して、ゼーレは

ハッキリと言及など出来ないのである。

故意でないなら回収してくれてありがとう、となるし

仕組んでいた場合は、自ら自分達が仕込みましたと

明言するようなものである。

 

「じゃあ、僕は行ってきますよ」

 

 

 

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「これが4号機、かぁ…」

 

「銀色でカッコイイわね」

 

シンジ達の前には白銀のエヴァが立っている。

初号機と似たような鋭いツインアイにグレーの仮面

手足などには差し色として赤が使われている。

 

「まだ正規パイロットは決まってないのよね?」

 

「ええ」

 

カヲルにも自分のエヴァが用意される予定とのことで

エヴァ4号機には正規パイロットがまだ居なかった。

 

「3号機も来るんでしょ?どうなの、怪しくない?」

 

「正直僕もきな臭いったらありゃしないと思ってるよ」

 

4号機の消滅事故と3号機譲渡の詳細を聞いたシンジは

やはり父親らと同じくきな臭さを感じ取っていた。

シンジもエヴァが国へ齎す権力の絶大さは分かっていたし

それをアメリカが手放すと言ったことに驚いたのだ。

 

「ま、要警戒かな」

 

「そうね」

 

3号機をどう扱うかはこれから決めるにしても

カヲルを除いてもあと4体使徒を倒す必要があるのだ

警戒しておくに越したことはないと気を引き締めた3人。

 

──黄昏は希望に染まることとなる。

 

 

 

                      つづく




シンジ君の計画はこれだけじゃありません。
でもそれ書いちゃうとネタバレになるので…

ここのDSSチョーカーはエヴァ覚醒による
発動はしません。それしちゃうとカヲル君が
ゼーレの目的通り動いたとしても
サード前に首チョンパだからね。

レリエル君は…瞬殺されました。
ヤツをエヴァ暴走以外で倒す方法なんて
ほとんど思いつかんかったんや…
暴走でも良かったかもしれへんな
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