新世紀エヴァンゲリオン 天才少年シンジ君(試作)   作:高橋ヒナタ

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トウジ君が頑張る回やで。

遅くなってしまってすみません…
上手い文章構成が思いつかなかったのと
ミワs…アルセウスが楽しすぎるんだ。
まぁ更新は続けていくつもりなので
気長に待っててください。



目覚めし漆黒

『大腿部第1装甲板の撤去、開始します』

 

『肩部ウェポンラックの取り外し終了』

 

NERV本部の実験棟で漆黒のエヴァが解体されていく。

 

『人工筋肉など生体パーツへの検査は追って行います』

 

米国政府や米国NERVからの妨害工作を考慮し

全身の隅から隅まで可能な限り分解しての精密検査が

エヴァ3号機に行われていたのだ。

 

『3号機内部にエネルギー反応はありません。

コア周辺も4号機のデータを元に精査させていますが

やはりS2機関の搭載は行われていないようです』

 

実際に消滅事故を起こしたのは4号機だが、念の為にと

3号機の方にもS2機関が存在するかチェックさせたが

こちらには搭載された形跡は確認されなかった。

 

『胸部装甲板、取り外し完了です』

 

『ケーブルコネクター、撤去を開始』

 

3号機の外装が着々と取り外されていく。

外された装甲板などは別の実験室へと運ばれ、製造段階で

意図的に欠陥が残されていないか等を調べられている。

 

『全外装、取り外し完了です』

 

「了解。生体パーツのチェックへ入ってちょうだい」

 

リツコの指示で、3号機本体の方は生体パーツの検査が

開始される。

 

『脚部装甲板、全チェック終了。異常ありません』

 

『エントリープラグの検査も一応開始させました』

 

装甲板のチェック終了報告も着々と上がってくる。

エントリープラグに関してはどうしても気になるのなら

新しいプラグへ交換してしまえるが、廃棄するにしても

何かあってからでは遅いので一応検査を行わせた。

 

『赤木技術課長、少し宜しいですか?』

 

「何か見つかったの?」

 

『はい。画像をそちらへ送っておきます』

 

プラグの検査を行っていた整備員から送られてきたのは

内壁の隙間に青いカビの様なものが生えている画像だ。

その画像にリツコは少し違和感を覚えた。

金属などに生える青カビにしてはやけに鮮やかなのだ。

 

「除去は出来そう?」

 

『いえ…それが──』

 

異様に硬いのかブラシやヘラでこそぎ落とそうとしても

まるで効果が無いとのことだ。それならば、とリツコは

確実な対応策を手配する。

 

「火炎放射器を送らせるわ、焼却処理しておいて」

 

『了解です』

 

エントリープラグの処置を決定した辺りで装甲板などを

チェックしている班から連絡が入り、全てのチェックが

完了したという報告が行われる。

 

「3号機は何ともないみたいね」

 

特に異常の無さそうな3号機にホッと一息ついた時だ。

 

 

ビーッ!ビーッ!ビッ………

 

 

「何!?何が…起こったの?」

 

突如警報が鳴ったと思ったら一瞬でそれが鳴り止み

直後に2つの報告がリツコの元へと入ってきたのだ。

 

『こちら第一発令所!実験棟でパターン青を検知!』

 

発令所から突然届けられた使徒出現の報。

しかも場所がリツコと3号機の居るこの棟だという。

 

『…技術課長、異物の焼却処理は完了しました』

 

もう1つは先程指示した、3号機エントリープラグ内の

青いカビ状の異物の焼却処理の完了報告だ。

 

「…まさか?」

 

まさかとは思ったリツコだったが、焼却処理に関わった

整備班から作業中の映像を受け取り発令所へと急いだ。

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

「パターン青は一瞬だけ確認されました」

 

「時刻は焼却処理の開始時刻と一致してますね…」

 

リツコは日向に異物の焼却処理時の映像データを渡し

主モニターへと映し出させる。そこに映っていた映像は

青い粘菌状の物体が炎を放射され、小さな白い十字の光を

無数に放ちながら焼却されていく様子だった。

 

「これって…使徒、ですよね?」

 

「ああ、第13の使徒だろう」

 

「3号機の中で眠ってたんだろうね」

 

ゲンドウもこの粘菌が使徒だろうと認識している。

使徒の寄生がゼーレの仕業かどうかはともかくとして

輸送中か何処かで3号機のプラグへ侵入・寄生した使徒は

当の3号機がまだ起動状態ではなかったために一時的な

休眠状態に入り、3号機起動に合わせて活動を再開して

機体を乗っ取るつもりだったのだろう。

 

「普通に起動させてたらと思うとゾッとしますね」

 

上手くいけばエヴァ3号機とパイロットを乗っ取れていた

「第13使徒バルディエル」だったが、火炎放射器という

使徒から見ればあまりに貧弱過ぎるハズの武器によって

綺麗に殲滅されてしまったのだ。使徒としてはあまりにも

呆気ない最後である。

 

 

 

「…3号機の処置はどうしましょう?」

 

使徒を殲滅したはいいものの3号機をこれからどう扱うか

かなり悩ましいものであった。いわく付きの機体である。

トウジも一度は乗ることを決意していたし戦力として

加わるのはとても頼もしいことだが、もし第13使徒が

残っていたらと考えると決断は難しかった。

 

「…最終的な判断は3号機パイロットに一任する。」

 

「そうだね…。トウジなら乗るって言いそうだけど」

 

トウジがやっぱり乗らないと言ったら3号機は解体し

装甲板などを他機体の修理に回すことで決定した。

 

「そういえば父さん、擬似プラグは届いたんだよね?」

 

「ああ、届いている。…再起動実験はそっちでか」

 

シンジの意図を読み取ったゲンドウは再起動実験に

擬似エントリーシステム内蔵のプラグを使うことを決定し

各所へ予定変更の指示を出していく。

 

「──生体パーツの方の検査は特に念入りにね」

 

使徒が寄生していたことを受け、3号機のパーツの検査を

再度行うよう指示するリツコ。特にプラグ挿入部周りや

生体パーツの検査を重点的に行うよう付け加えて。

 

そして後日、検査に異常が無かったという報告を受けて

ゲンドウが第13使徒は殲滅されたと発表したのだ。

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

──松代。

 

「ほえ~…やっぱ近くで見ると違うモンやな!」

 

数日前4号機が目覚めた仮設ケイジには今、漆黒のエヴァ

エヴァンゲリオン正規実用型3号機が佇んでいる。

トウジは自分が乗る予定のエヴァの前に立ってみて

改めてその大きさに驚く。

 

「トウジはいいの?3号機は…」

 

3号機に使徒が一度寄生していたという事実はトウジにも

伝わっているハズだがやけに気合いの入っている友人に

シンジはそう問いかけた。

 

「いいも何も…委員長だって乗る言うとったんや。

友達と過ごす時間だけでも守れるなら…やったかな?

ここでワシだけ逃げる気はあらへんで…!」

 

そう言うトウジは視線を真っ直ぐ3号機へ向けている。

その顔はすでに覚悟が決まった漢の顔をしていた。

 

「そういやなんでトウジは3号機にしたんだ?」

 

「そりゃセンセ、似合っとるからに決まっとるやろ」

 

どうやらトウジ曰くその顔付きと機体のカラーリングが

どこか自分に似ている気がして選んだとのこと。

確かにトウジのよく着ているジャージのカラーは

黒がベースで赤と白の差し色だ。3号機のカラーリングと

とてもよく似ている。

 

「そろそろ起動実験の時間だ。僕はエヴァへ行くよ」

 

「せやな。ワシは管制室や」

 

 

 

「擬似エントリースタート」

 

オペレーターによる管制の元、3号機の再起動が始まる。

実験場のすぐ近くでは初号機と零号機が待機しており

2号機と5号機もいつでも発進準備が行えるよう、マリと

アスカが本部内で待機している。

 

「擬似エントリーシステム、起動しました」

 

今回使うこのシステムは第9使徒リウェトの制御に

使おうとしたものをエヴァ用に再調整したものだ。

激しい戦闘にはとても耐えられないものの

起動させるだけならばこれで構わないのだ。

 

「送信用・受信用の両回線、開きます」

 

「データリンク正常」

 

行動制御用システムがエヴァの双方向回線やA10神経と

接続されていき、起動準備が整っていく。

 

「シンクロ率、ハーモニクスは基準値を維持」

 

擬似エントリーシステムのシンクロは機械が行うため

シンクロ率などの数値は大きく変動することはまずない。

今回の数値も変動はほぼ無いので、ここまでのプロセスは

順調に進んでいると言っていいだろう。

 

「間もなく絶対境界線を突破します!」

 

 

緊張の一瞬である。

 

 

「3…2…1………エヴァ3号機、起動しました!」

 

全員が固唾を呑んで見守る中、ついに3号機が起動する。

その瞳に宿っているのはエヴァとして正常な白い光。

 

「エネルギー反応正常」

 

「暴走および使徒の反応、ありません」

 

システムの動作や機体の稼働データをチェックしている

オペレーター達からも異常が無いことが報告され

3号機は正式に本部所属機体として登録されることになる。

 

「んじゃ、次はワシが動かす番やな!」

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

「電源入れるまでは何も無いんやな、コックピットは」

 

トウジはエントリープラグの内装を見渡してみて

思わずそう呟く。前回シンジの初号機に同乗した時には

色々映し出されていたのに、と。

 

『LCL電荷』

 

「おわっ!?…景色が映りよった!」

 

コックピットの奥から光が溢れてきたと思ったら

外の景色が映ったことにトウジは驚く。

見たことがあるとはいえ2回目、新鮮なのに変わりはない。

 

『シンクロ率40.4%、ハーモニクス正常』

 

トウジもまた初起動としては十分な数値を叩き出す。

リツコがシンジの協力を得て改良を続けているとはいえ

その数値は初号機を初起動させた時のシンジの31.1%に

十分追い迫るほどのものなのだ。

 

『絶対境界線、突破』

 

「いよ~し、エヴァ3号機起動やッ!」

 

パイロットがシンクロしている状態でも無事起動した。

ここからは仮想空間内へ場所を移しての操縦訓練。

エヴァの基本操作を徹底的に叩き込んでいくのだ。

 

『では鈴原君、説明通りに歩いてみてくれ』

 

「そんじゃ行くで!…確かセンセはこうやるって…」

 

トウジはオペレーターからの指示を受け、頭の中に

自分が歩いている様を思い浮かべる。すると3号機は

ゆっくりと歩き出し、トウジが脳内で立ち止まることを

イメージするまで歩みを進めた。

 

「面白い操縦方法やな~。次は少し走ってみるか!」

 

トウジが己の走る姿をイメージすれば、3号機も同様に

走り出す。徐々にスピードアップさせながら慣らしたため

無様にすっ転ぶようなことはしなかった。

 

その後も3号機を動かし、パンチやキックをしてみたり

回避の練習として前転やバックステップを試したりする。

トウジは運動神経は悪くない方なので、慣れてくるのには

それほど時間はかからなかった。

 

『仮想敵を配置しました。規定数撃破してください』

 

「おっ、ついに来よったか!やったるで!」

 

マップ内を歩き回って発見したのは最初に現れた使徒

サキエルをモデルにした人型のダミーターゲットだ。

戦闘能力はレベルごとに強くなっていくシステムであり

今いるターゲットは初心者用ということでレベル1だ。

トウジは腰に装備してあったプログダガーを手に取り

弱点であると説明されたコアへ攻撃する。

 

「でやァーッ!」

 

マップ内に居るターゲットは3体。攻撃はして来ないので

落ち着いて探して撃破する。

 

「よ~し、倒したで!」

 

『次の仮想敵は攻撃をしてきます。ご注意を』

 

マップ内に配置された敵は1体だけだが、その反応は

ゆっくりとこちらへ近寄ってきている。

トウジはビルの影から何度か敵の様子を伺う。

 

ビシュイーンッ!

 

「のわっ!?イテテ…意外と痛ぇモンなんやな」

 

ビルからはみ出しすぎて敵からビームを受けてしまう。

フィードバックダメージについてはシンジから聞いていて

メイン操縦者ではないものの喰らったこともあったが

改めてその痛みが結構なものであることを痛感する。

 

「敵を有利ポジから叩くのは鉄則や、ってケンスケも

言うてたしな。じっくり狙わせてもらうで!」

 

気を引き締めなおしたトウジはインターフェースに

表示されている敵アイコンをしっかりと見ながら

奇襲のチャンスを伺う。

 

「そこの角やな…これでも喰らえやーッ!」

 

『お見事です!では次へいきましょう』

 

続いてマップに現れたのは遠距離主体のターゲットで

第9使徒リウェトがモデルになっているものだ。

こちらも先程のターゲットと同じくレベルは1である。

マップ内に数箇所ある兵装ビルにはパレットライフルや

ハンドガンが配置された。

 

「ケンスケが喜びそうやな。使うなら…コイツか?」

 

マップ上のアイコンに注意しつつライフルを手に取る。

敵はこちらへ寄ってはくるものの一定の距離を取っていて

こっそり近づいたとしてもバレてしまうと逃げられる。

 

「ちょこまか逃げよって…突っ込んだるで!」

 

 

ピシュイーンッ!

ピシュイーンッ!

 

「イテテっ!イデっ!アカン、無策はアカンかった!」

 

とりあえずビルの影に逃げ込んだはいいものの

3号機はかなりダメージ判定を食らってしまっていた。

 

「………避けろ、っちゅうことか。厄介やなぁ…」

 

トウジはまずビルの影からライフルを適当に撃ちまくり

敵からの反撃を誘う。ターゲットの懐へ飛び込むため

敵の攻撃がどういうものか知りたかったからだ。

何度かやってみて分かったのはターゲットの顔が光ると

ビームが飛んでくる、ということだ。

 

「…行くで。…勝負やッ!」

 

ビルの影から飛び出し、ターゲットの撃ってくるビームを

右へ左へ躱しながら走る。そしてビームのインターバルを

上手く突いてプログダガーをコアへと突き刺す。

 

「コイツで終いやーーーッ!」

 

 

 

『お疲れ様です。基礎訓練プログラムは以上で終了です』

 

「ふう~っ!使徒と戦うのって大変なんやな…」

 

基礎訓練だというのに中々苦戦させられたトウジは

実際に使徒と戦っていたシンジがどれ程大変だったかを

改めて認識する。

 

「ワシも頑張るで~!ワシとしてもセンセ達といる毎日は

楽しいモンやからな!」

 

そう言ってトウジは改めて覚悟を決め直す。

頭の中で、昨日委員長からもらった手作り弁当の味を

思い出しながら。

 

 

 

──その後トウジ達はしばらく平穏な日常を謳歌する。

第三新東京市を最強の拒絶が襲うその日まで。

 

 

 

                      つづく




はい、バルディエル君は焼却処理されました。
あるゲームじゃデッキブラシで洗われて
殲滅されたらしいし…仕方ないね。

次は最強の拒絶タイプことゼルエル君ですが
その前に少し日常回を挟みたいと思います。
次回は多分レイちゃん関連。

…エヴァ6機でも過剰戦力とは言えそうにない
新劇ゼルエル君…ハンパじゃないよね。
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