新世紀エヴァンゲリオン 天才少年シンジ君(試作)   作:高橋ヒナタ

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日常回、シンジ&レイ回です。

今回一般人が1人ゲストとして登場しますが
ストーリーには特に関わるキャラではありません

これ書き始めた頃に気付いたんだけどさ
…ゼルエル君って来るのクッソ早くね?



シンジとレイの日常

「………ふわぁ…おはよう」

 

「おはよう、レイ」

 

レイの朝は早い。元々ほぼ時間通りに目が覚めるレイだが

葛城家に引っ越してきてからもそれは同じだった。

越してきてからよく一緒に寝ているシンジが朝食の準備で

かなり朝早くに起きるので、それにつられる形でレイも

一緒に目が覚めるのだ。

 

「シンジ、今日の朝ご飯は?」

 

「アメリカンブレックファストの予定だよ」

 

レイはシンジから朝食のメニューを聞いたら玄関へ行き

ポストから今日の新聞を受け取って、いつもペンペンが

座る席のところへ置いておく。

 

「おはよ~…シンジ君レイちゃん」

 

「おはようミサトさん」

「朝食はもうすぐ出来上がりますよ」

 

朝食を作り始めて少しするとミサトが起きてくる。

その時のテンションは日によってまちまちだが今日は

二日酔いがややキツいらしく若干テンション低めだ。

 

「ミサトさん、お水です」

 

「サンキューねレイちゃん」

 

ミサトが起きてきた時にこんな状態だった場合は

レイが大きめのコップに水をたっぷり注いで渡している。

今までシンジがミサトの二日酔いの対処の1つとして

やっていたのだが最近レイも分かるようになってきたため

朝食作りをしているシンジの代わりに用意している。

 

 

 

「「「いただきま~す」」」

「クワワッ!クワッ!」

 

シンジが作った朝食を3人と1匹で一緒に食べる。

二日酔いのミサトの分は炭水化物が少し多めだったり

レイはベーコンの代わりに他のメニューが多めだったり

ペンペンには魚料理を用意していたり、そのメニューには

シンジの数々の工夫が散りばめられている。

 

その後朝食を食べ終えた人から顔を洗いに洗面所へ向かい

戻ってきたら3人で朝食後の後片付けをする──

これがレイを含む葛城家のモーニングルーティーンだ。

 

 

 

「私はお仕事行ってくるわね~」

 

3・4号機関連でまだ少し本部での仕事があるミサトや

お昼頃リモート講義の予定が入っているシンジと異なり

特にレイは今日何もやる事はない。

 

よく読む本を持ってリビングで寛いでいたレイだったが

シンジが洗面所辺りで何かしている様子が気になった。

様子を見に行ってみれば、ヘアカラーのボトルを手に

髪を染める準備をしているようだった。

 

「髪の色を染める?」

 

「うん、最近また黒くなってきちゃったからさ」

 

シンジはドイツの大学にいた頃から髪を茶色に染めていて

第壱中学校へ転校してからもその髪色を維持していた。

地毛と言われてもさほど違和感のない色で留めているため

教師陣から髪の色で何か言われたことは少なかった。

 

「私もシンジと同じ色にしたい」

 

「えっ、レイも?流石に校則に引っかかるぞ…?」

 

レイは水色の髪が地毛だと学校へ説明してあるので

ここから茶髪に染めたら確実に校則違反だと指摘される。

しかしレイはどうしても茶髪にしたい理由があった。

 

「好きな人と…お揃い?にしてみたいの」

 

「…!!」

 

レイは以前ヒカリと恋愛や友情について話をしていた時に

ペアルックのことを聞いていて、服装や持ち物などを

シンジのものに似せるよう少し意識していた。

それが染めることで髪の色までお揃いに出来るとなれば

シンジと同じ色に染めるしかないとレイは思ったのだ。

 

「うーん…どうしたらいいかな」

 

「………」

 

思いのほか頭を悩ませるシンジに、それほど難しいなら

諦めるべきかと思いつつレイはシンジの回答を待つ。

 

「…1つ手があった!」

 

 

 

シンジが手に持って来たのは自分と同じ茶色のウィッグ。

ロングヘアにしたい気分の時に使っていた長髪のものだ。

 

「はい、これで完成だよ」

 

「すごい…!」

 

元々ショートボブ程度まで髪を伸ばしているシンジの

使っていたウィッグはほとんど調整せずともレイに

ピッタリと合い、雰囲気がガラリと変わる。

そして眉マスカラを使って眉毛の色を合わせると

そこに居たのはもはや綾波レイではなく碇レイだった。

 

「予想以上に僕とそっくりだね…!」

 

「そう!?嬉しい!」

 

眩しい笑顔を浮かべたレイにドキッとしたのか

シンジは少し顔を赤くしていた。

 

 

 

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──午後。

 

リモート授業の講師としての仕事を終えたシンジと共に

レイは街のスーパーマーケットへ来ていた。

夕食用の食材を買い出しに来たのである。

 

「確か…豆腐は切らしてたハズだし買っていこうか」

 

「レタス、入れておくわ」

 

シンジは今日豆腐の和風ハンバーグをメインとする

料理を作るつもりでいるようで、レイもメモを渡されて

必要な食材を探し歩いている。

 

「次は…ひじき」

 

「僕は日用品の方見てくるよ」

 

今日はボックスティッシュやトイレットペーパーなども

買いに来ているためシンジはそれを探しに行った。

レイは海鮮コーナーへ目を通して目的の品を探す。

 

「乾燥わかめは…これ」

 

乾物コーナーからも目的の品をひとつ見つける。

シンジ曰く色々使えるから沢山あっても損は無いとして

予備を買っておきたいとのことだった。

 

「色々見つけてくれたみたいだね」

 

「カゴに入れておくわ」

 

シンジの押す買い物カートには洗剤やティッシュなどの

日用品からレタスやほうれん草などの野菜類まで

様々な品物が放り込まれている。

3人と1匹で暮らしていれば生活用品も食材もどんどんと

溶けていくのだ。

 

 

「お~シンジ君じゃない!?」

 

「片山さん!片山さんも買い物ですか?」

 

「えぇそうよ、一人暮らしでも減るもんは減るし」

 

レイ達に声を掛けてきたのは同じアパートで暮らしている

片山さん。使徒襲来以降疎開が進んだ第三新東京市で

一般人ながらも暮らし続けている自称変人の女性だ。

こうしてレイ達とスーパーマーケットで顔を合わせるのも

片手では足りないくらいになっている。

 

「貴女…ひょっとしてレイちゃん!?」

 

「こんにちは片山さん」

 

片山さんは目を丸くして驚いている。何せ元々シンジと

かなり似た顔付きをしていたレイが茶髪になったことで

更にシンジとそっくりになったのだから。

 

「ほんとに姉妹じゃないの?2人は」

 

「ええ」

「そうですよ。それと片山さん僕は男ですって」

 

片山さんは分かっていると言いつつシンジのことを

ずっと女の子として扱っているのである。

2人は黒のズボンに白系のパーカーというラフな格好だが

それでもシンジも含め美少女にしか見えないとのこと。

 

「私達残留組の間では貴女達話題になってるのよ」

 

片山さん曰く、歳に合わないくらい家庭的な美少女2人が

ロボットのパイロットとして街を守ってくれていると

そう話題になっていたらしい。

 

「君たち2人を仲良し姉妹と見るか百合ップルと見るかで

揉めてたりするのよ、残留組の間では」

 

「え"っ…なんですかソレ?」

 

自分の知らない所で意味のわからない揉め方をされていた

ことにシンジは軽く引いている。

 

「私とシンジはカップルです」

 

「へぇ~!百合ップルって訳ね!」

 

レイが素直にシンジとの関係を伝えると、片山さんは

以前ミサトらもしていたニヤニヤした表情に変わった。

レイはその表情にいったい何の意味があるのか

百合ップルとは何を指すのかまでは分からなかった。

ただ、シンジはなにやら呆れたような表情をしていた。

 

「それじゃ私は私で探してる物があるから」

 

「…また会えるといいですね」

 

シンジとレイは片山さんと別れ買い物を再開した。

2人が買い物を終えて家に帰る頃には、セミの鳴き声に

ヒグラシの声が混ざり始めていた。

 

 

 

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シンジとレイ、そしてミサトも帰宅した日暮れ時の

葛城家のキッチンには楽しそうに料理を作る声が響く。

丁度いい時間にミサトが帰ってきたので3人で夕食を

作ろうかと相成ったのである。

 

「レイはそのレシピ通りにごま和えを作っておいて」

 

「ほうれん草とひじきを?…軽く茹でる」

 

シンジがハンバーグや味噌汁の準備をしている間に

レイはほうれん草とひじきのごま和えを作っていく。

ニンジンや油揚げの下準備も簡単なため

料理にまだ慣れていないレイでもサクサク作れる。

 

「ミサトさんもこれをお願いしますね」

 

「シンジ君のレシピ、勉強になるわね~」

 

ミサトが作り始めたのはレタスの和風サラダだ。

独自で作らせると壊滅的な料理が出来上がるミサトだが

今回はシンジのレシピがある。その内容はレタスを切って

醤油やサラダ油と混ぜ、かつお節と刻み海苔をかける

とても簡単なものだ。分量もしっかり書かれているので

まず失敗することは無い。

 

「シンジ君、ハム大丈夫なの?レイは」

 

「他ならぬレイからのリクエストですよ」

 

「シンジの料理は美味しいから」

 

レイは肉が苦手だったが、シンジの美味しい料理をもっと

沢山食べたいからと肉嫌いを克服しようとしていたのだ。

サラダには小さく刻んだハムが入っているし

今日のメインである豆腐ハンバーグも豆腐の割合は

7割ほどで残りは普通の肉で作られている。

 

「あ"~っ、やっぱシンジ君の手料理とお酒は最高ね!」

 

「相変わらずですねぇミサトさんは…」

 

「ハンバーグ、美味しい…!」

 

「グワーッ!クワックワッ!」

 

料理をつまみながらお酒をガンガン飲むミサトと

黙々と彼氏の手料理を味わうレイ、料理をガツガツと

食べながらビールをストローで飲むペンペン

そしてミサトに軽く呆れつつ笑顔で料理を食べるシンジ。

これがいつもの葛城家の夕食である。

 

 

 

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夕食の片付けを終えたシンジは部屋へ戻り、パソコンを

開いて第2の職場NERV技術局へと連絡を取る。

 

「時田博士、この前の装甲板の問題点を見つけましたよ!

改良版の設計書をメールに添付して送りますから」

 

『あの特殊装甲板の件かい?助かるよ!アドル君も色々と

改良してくれていたんだが進まなくてねぇ!』

 

「リツコさん、フィールドの攻撃転用って進みました?

僕の方はまだあと一歩が詰められないんです」

 

『それなら完成させておいたわ。シンジ君達のデータから

色々調整を重ねてあるから実戦でも使えるハズよ』

 

こうして毎晩NERVの技術局1課・2課と情報交換を行い

エヴァや本部の改良に大きく貢献していたのだ。

ジオフロントと第三新東京市の間にある特殊装甲板は

24層あるうちの16層が新型のものへ差し替えられており

下側8層は更に新しいものへ差し替えられる予定だ。

 

エヴァのATフィールドも偏向制御装置の改良が進められ

フィールドそのものを武器として使える程度にまで

仕上げられている。使徒の強固な守りを簡単に砕ける

必殺の刃として信頼の置ける武器となるだろう。

 

 

 

「シンジ、一緒にお風呂どう?」

 

「えっ!?…急にどうしたの?」

 

この時間はリビングで本を読んでいることの多いレイが

凄まじい爆弾発言とともに突如乱入してきたのだ。

シンジは落ち着いてレイに理由を聞きにかかる。

 

「これを使えば一緒に入っても大丈夫ってミサトさんが」

 

『ぶはっ!』

『レ、レイ!?』

 

2人の色恋沙汰によく首を突っ込んでくるミサトだったが

まさかここまでするとは、とシンジは驚く。

レイが手に持っている(0.01mm)の使い時を考えれば当然である。

通信越しの時田とリツコも驚きが隠せていない。

 

「それの使い道…分かってる?」

 

「…分からない」

 

やはりレイは手に持つ物が何なのか知らないようだ。

シンジは後でミサトに小言を言うことを決定事項とし

レイの持っているモノを回収する。

 

「何というか…すみません」

 

『あ、あぁ見なかった事にするよシンジ博士』

 

『…ミサトには私からも言っておくわ』

 

これ以上は特に報告することも無い、ということで

技術局との情報交換会はここでお開きとした。

 

 

 

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まだ10時も回っていないというのにシンジはレイと共に

ベッドに横になっていた。一緒にお風呂が無理ならと

レイはシンジに早めの添い寝を要求していたのだ。

 

「シンジの体…温かいわ」

 

レイはこうして毎晩シンジに抱きしめてもらいながら

寝ている。交際初日にしてもらった抱擁の温もりが

忘れられず毎晩抱きしめてもらっているのだ。

 

「……………」

 

シンジも無言でレイの頭を撫でている。

しかしやはりあの一件の後では悶々としてしまって

思うように寝付けなかった。女装しているからといって

女の子との恋愛に興味が無い訳ではない。

 

「すぅ………すぅ………」

 

「…これくらいはいいよね」

 

シンジは眠りに落ちたレイの唇をそっと奪った。

浅間山の旅館で初キスを交わしてから何度かしていたが

シンジからキスをしたのは何気に初めてだった。

 

 

 

──翌朝シンジの目元には深いクマが出来ていたとか。

 

 

 

                      つづく




これ以降レイがたまに茶髪で登場するかと。
本筋の方では基本的にいつものレイですが
日常回には茶髪で出すと思います。

2人が着ていたのはGUとのコラボイラストに
描かれていたもの。2018のものです。

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