新世紀エヴァンゲリオン 天才少年シンジ君(試作)   作:高橋ヒナタ

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めちゃくちゃ難産だったアスカ&マリ回
お待たせいたしました!
ガバってないか心配です…


アスカとマリの日常

 

 

 

──第三新東京市、繁華街。

 

「ホント日本のサブカルって飽きないわよね」

 

「漫画にゲームに食べ物に、色々あるからにゃ~」

 

先程コンビニで買った飲み物を片手にアスカとマリは

ある場所を目指して歩いていた。アスカは来日して以降

日本のサブカルチャーを色々と漁っていたのだ。

今日2人が向かっているのはゲームセンター。

 

「相っ変わらず視線すごいわね…」

 

「ゲーセンだともっとじゃないかにゃ?」

 

「げっ、マジ?」

 

抜群にスタイルの良い美少女が2人並んで歩いていたので

街ゆく人々からの視線が物凄く集まっている。

それに愚痴るアスカだったが、マリがそう言った通り

ゲーセンは若者が集まる場──視線に込められる思いは

より濃くなることだろう。

 

「あのクレーンゲーム、まだあるわよね…?」

 

「ゲットされてなきゃまだあると思うよん」

 

アスカは以前ゲーセンの前を通りかかった時に見かけた

ぬいぐるみをぜひ取りたいと思っているのだ。

 

 

 

「おっ…まだあるじゃない!私が取ってやるわ!」

 

「クレーンゲームは難しいから頑張ってね、姫~♪」

 

中にお目当ての景品がまだ残っていたのを見かけ

アスカは早速とばかりに100円玉を取り出して放り込む。

あるアニメのキャラクターのデフォルメぬいぐるみで

メガネと蝶ネクタイが特徴的な少年を中心に

色々なキャラクターがラインナップされている。

 

「………ぐあっ!?何よコレ、難しすぎじゃない?」

 

「クレーンゲームはこうだからね~」

 

アスカが狙っていたのは赤いスカーフを首に巻いた

グレーの子供ライオンのぬいぐるみだったが

クレーンのアームはぬいぐるみを手放してしまう。

 

「くっ…もう一回よ!」

 

アスカは負けじと再びクレーンゲームに挑戦するが

何度かやっても獲得に至ることが出来ない。

 

「ちょっと貸してみ~」

 

マリもゲームの攻略に参加し出費を重ねること千数百円

アスカのお目当てはなんとか手に入れることに成功した。

財布に沢山用意していた100円玉はまだ残っているが

両替機のお世話になっており千円札が2枚消えている。

 

「思ってた以上の出費だわ…取れたからいいけど」

 

「アレは子供の頃から変わってないんだにゃ~」

 

クレーンゲームへは下手に手を出さないと心に決めた

アスカは新たなゲームを求めてゲーセンの奥へと

足を踏み入れる。

 

 

 

アスカが目をつけたのは足踏みでリズムを刻む

音ゲーの1種。数ヶ月前に稼働し始めたばかりの新機種

DD・Evolutionである。

 

「マリ!リズムワンテンポ遅い!」

 

「姫のリズムが少し早いー!」

 

こう言い合う2人だがその足が刻むリズムは傍から見れば

ほぼ完璧としか言いようのないものである。

 

「92点…惜しいわね」

 

「もう一曲いくかにゃ~」

 

基本的に常にトップであることを追い求めるアスカは

92点という点数では満足しない。限りなく100点に近い

数字を出すことを目標としているからである。

 

「「~♪~♪♪~♪」」

 

2曲、3曲と挑戦していくなかでノリに乗ってきたのか

2人は立て続けにハイスコアを更新していく。

ゲーセン内トップどころか全国トップ記録を塗り替え

上書き不可能とも思える記録を残していった。

 

 

 

「次はこいつのスコアを塗り替えてやるわ」

 

アスカが次に選んだのはFPSシューティングゲーム。

筐体に繋がれた専用の銃を持って画面の敵を狙い

倒した敵のスコアを競うゲームだ。

 

「アタシが前衛やるから援護よろしく」

 

「仰せの通りに~♪」

 

アスカが敵をざっくりと片付け、仕留め損ねた敵はマリが

的確に射抜いていく。エヴァのパイロットとして

積んできた経験をフルに発揮した2人はそのステージを

パーフェクトでクリアしたばかりか、こちらもまた

全国記録を余裕で塗り替えるスコアをたたき出す。

 

「次は対戦モード、いくわよ」

 

「受けて立つよん姫」

 

ゲームルールを協力モードから対戦モードへと切り替え

アスカとマリでスコアを競い合うことになった。

 

「さっさと片付けるッ!」

 

アスカは並み居る敵へ素早くダメージを叩き込んで

片っ端から片付けていく。

 

「狙いは外さないよ~ん♪」

 

一方でマリはヘッドショットなどの高スコア射撃を

正確に敵へ撃ち込んでいく。

 

 

 

「ぐっ…射撃じゃアンタには敵わないわね」

 

「一本頂きだよ姫♪」

 

勝てなかったとはいってもそのスコアはかなりの僅差。

ソロ&対戦モードのトップスコアを両者共に上回っており

一位と二位に2人のユーザー名が刻まれたのだった。

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

NERV本部、シミュレータルーム。

いつもエヴァの操縦訓練などで使っている部屋だ。

午後から訓練の予定が入っていたアスカとマリは

ゲームセンターから2人一緒にここへ来ていた。

 

「ぐあっ!」

 

「やっぱキツいにゃ!」

 

2号機と5号機の前に立ち塞がるのは青い正八面体。

自分たちが戦ったことの無い使徒を相手してみよう、と

サキエルやシャムシエルを相手に戦闘訓練をしていた。

 

「大破判定………正攻法じゃムリってこと?」

 

「だにゃ…ヤシマ作戦しか無いみたいね」

 

2人がやっていたのはラミエルとの真っ向勝負。

使徒を複数体倒した今ならばヤシマ作戦に頼らずとも

ラミエルに勝てるのではないかと挑んだのだ。

 

しかし強すぎるATフィールドと加粒子砲に阻まれ

ロクなダメージを与えられていなかった。

最もダメージを叩き込んだのは至近距離でフィールドを

目一杯中和してポジトロンライフルを撃ち込んだ時だ。

 

「…ちょっと気分転換したいわね」

 

『エヴァと戦ってみるっていうのはどう?』

 

「あー、13番目意識ってことか」

 

リツコが2人に提案したのは機体の稼働データを元にした

各エヴァとの対戦。

 

「順番通り零号機からいきましょ」

 

 

 

リツコが操作するとホログラムが零号機の姿を取った。

手にはパレットライフル、腰アーマーにはハンドガンが

2丁、肩のラックにはスナイパーライフルを装備している。

 

「あたしから行くわ!」

 

「援護するにゃ!」

 

駆け出した2号機に対して零号機はすぐさまライフルで

射撃を開始する。アスカは器用に避けていくがその精度は

一瞬でも判断が遅れれば直撃しかねないものだ。

 

「恐ろしいっ!精密射撃ねッ!」

 

使徒に侵食された状態を想定しているため能力が高く

ライフルの弾数も無限になっている。

 

「突っ込むわ!マリ、援護!」

 

「あいよ~!」

 

撃たれ続けて消耗する訳にはいかないとアスカは

零号機の懐へ飛び込むことを選択する。

 

「姫っ!」

 

「これでプラグをッ!」

 

マリが零号機のライフルを射抜き、武器を切り替える

一瞬のスキをついて2号機がプラグを引き抜く。

 

『零号機ダミー、沈黙』

 

 

 

続いて仮想空間に現れたのはシンジの操縦データが

組み込まれている初号機。

 

「…ちょっと、この動きって」

 

「有利ポジション取りに来てるね~」

 

マップに映っている初号機の反応は素早く移動しており

2号機や5号機を奇襲出来るような位置へ向かっている。

 

「陽動掛けてみるわ」

 

「慎重にね~♪」

 

アスカは細かい判断をマリに任せ、とりあえず初号機と

接触し陽動を仕掛けてみることにしたのだ。

 

しかし初号機は思うようにアスカの陽動にかからない。

2号機が奇襲出来そうな時に5号機の援護がまるで通らず

5号機の射程に入っている時に2号機が来れないのだ。

 

「…シンジに読まれてる?」

 

「地形把握も完璧みたいだにゃ…」

 

初号機はこのビル街マップの地形を全て把握しているかの

ように上手く動いている。

 

「初号機が動いたよ姫!」

 

ついに初号機が動き出した。2号機を狙っているようで

ビル街を縫うようにして走っている。

 

「………待って…狙いマリじゃない?」

 

「…ヤバそうだにゃ」

 

初号機の動きは2号機を狙っているように見えたが

突然コース取りを少し変え、5号機へ向かって走り出す。

5号機は今高いビルの上に居るがその位置からでは

他のビルが邪魔で初号機を撃てないのだ。

 

「おわ~っ!?」

 

「マリ!」

 

足元のビルが初号機によって崩され、5号機が地に落ちる。

 

「姫!」

 

「…分かってる!」

 

5号機は初号機を可能な限り足止めし2号機を待つ。

マリは近接戦闘もこなせるが武装のチョイスが遠距離で

やや初号機に押され気味である。

 

「やるじゃないシンジ!でも…こいつでッ!」

 

「ぐぇ…ナイス姫」

 

5号機と取っ組み合いを繰り広げる初号機を背後から

奇襲しエントリープラグを引っこ抜いたアスカ。

5号機はギリギリ撃破判定を喰らわなかったものの

だいぶダメージ判定を貰ってしまっていた。

 

 

 

「さぁ~て…日頃の鬱憤、晴らさせてもらうわよ」

 

「姫だからって…手抜きはしてやらないにゃん♪」

 

少し休憩を挟み、ついに2号機対5号機の対決が始まる。

マゴロクソードとパレットライフル、プログナイフに

ハンドガンと2人とも同じ武装を持っている。

 

「大人しくやられなさいよッ!」

 

「さっさとくたばるにゃッ!」

 

近距離戦ではアスカにやや分があるが、遠距離戦になると

戦況はややマリの方へ傾く。

マリが引き撃ちを始めるとアスカは射撃の癖を読んで

懐へ一気に飛び込む。

お互いに癖を知っていたり考えが読めたりするので

それぞれ一歩も引かない熾烈な戦いになっているのだ。

 

 

 

「ぜぇ…ぜぇ…ここらで切り上げない?」

 

「はぁ…はぁ…賛成だにゃぁ」

 

結果は両者ともに体力切れで引き分けだった。

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

──アスカ&マリ宅。

2人は宅配ピザのチラシを広げ、食べるピザを選んでいた。

 

「マリ、なんか良いのあった?」

 

部屋着に着替えたアスカがリビングへ戻ってくる。

模擬戦が白熱したせいで想像以上に体力を消耗したし

夕食は豪華にいこうとアスカがピザを提案したのだ。

 

「クォーターでも食べる~?」

 

「あ、良さそうね」

 

2人でそれぞれピンと来るクォーターピザを探していく。

 

「姫はどれにする~?」

 

「う〜ん…これかしら」

 

2人はそれぞれ異なるクォーターピザを選び、ピザ屋に

注文の電話を入れる。到着までは10分ほどかかるとの

ことだったのでその間に他の準備を進めていく。

 

 

 

「あ、そういや姫。これ渡しとくよん」

 

「何コレ…2号機の仕様書?」

 

取り皿やコップを並べ終えたマリがアスカに手渡したのは

極秘と書かれたエヴァ2号機の仕様書だった。

自分の持っている仕様書と何が違うのかざっと目を通す。

 

「こんな機能があたしの2号機に…」

 

細かいバージョンアップの情報も纏められていたが

何よりアスカの目に留まったのは新しいシステムの情報。

エヴァの攻撃能力を格段に引き上げるためのシステムが

2号機に試験的に搭載されていると載っていたのだ。

 

「随分危なっかしいモンよね、これ」

 

「ハイリスク、ハイリターンだね」

 

仕様書によればそのシステムは精神汚染のリスクも高く

非常に危険なものだがそれに見合う攻撃力と機動力を

手に入れることが出来るとのことだった。

建造当時から組み込まれていたようで、この改良型が

4号機にも搭載される予定だったらしい。

 

ピンポーン!

 

注文の品の到着を告げる音がリビングに響いた。

 

「ピザも来たし、パーッとやるわよ!」

 

「使徒も強くなるだろうからにゃ~」

 

2人は宅配員から受け取ったピザをテーブルへと広げ

全ての味を1切れずつ自分の皿に取り分けていく。

クォーターピザを2種類頼んだので8種類の味をちょうど

1切れずつ味わえるという寸法だ。

 

「手軽でいいもんね、宅配ピザって」

 

手軽で美味しい宅配ピザを堪能するアスカ。

シンジの作る料理には及ばないが、電話で注文するだけで

自宅まで届けに来てくれるのはとても便利である。

 

「私らだけじゃ、モグモグ…作れないもんね~」

 

ピザを頬張りながらマリがそう呟く。

レイやヒカリ、マヤなどと一緒に料理を教えてもらって

いる2人だがピザを作るのはとても骨が折れるのだ。

 

 

「そういえばさ、姫は彼氏とか作らないの~?」

 

「なっ、なによ急に!?」

 

不意に飛んできた質問にアスカは思わず顔を赤くする。

 

「ゼーレの少年はともかく、モグ…恋人持ちじゃないの

私らだけだな~と…モグモグ…思ってさ」

 

シンジとレイは言うまでもないが、トウジとヒカリも

恋人同士でしか出せない雰囲気を纏う時があるのだ。

 

「シンジっていう手も無くはなかったんだけど…

あのレイからシンジは奪えないわよ」

 

初対面の頃のレイは基本的にずっと無表情だったが

シンジと居る時だけは人が変わったように眩しい笑顔を

浮かべているのを何度か見かけていたのだ。

それがどれほど彼女にとって至福の時なのかは

アスカにも分かっていた。

 

「ま、恋人はしばらくはいいわ。1人の良さもあるし」

 

「ワンコ君も時々振り回されてるもんね~」

 

自分のペースで活動したいアスカとしては、下手に恋人を

作って中途半端な男に振り回されるぐらいなら

使徒との戦いが片付いた後じっくり探せばいいだろう、と

結論づけていたのだ。

 

 

「あ姫、その味貰っていい?」

 

突然の要求にアスカは渋い顔になる。その味をあげるのは

構わないが自分の食べる分が減るのは困るのだ。

 

「………それと交換ならいい」

 

アスカはマリの取り皿に残っていたピザから自分の好きな

味を見つけ、それと交換だと告げる。

 

「う~…仕方ないにゃ!」

 

マリはかなり悩んだが渋々その要求を呑むことにした。

しれっとアスカからピザを1枚頂くという目論見は

失敗に終わってしまったのだった。

 

 

 

──つかの間の平穏を楽しむ少女2人の小さな宴は

この後も夜遅くまで続いたとか。

 

 

 

                       つづく




次回からいよいよゼルエル編となります


うつ症状が少し悪い方へ傾いてましてね
書き溜めも無いので次回も遅くなるかと…
気長にお待ちくださいm(_ _)m
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