新世紀エヴァンゲリオン 天才少年シンジ君(試作)   作:高橋ヒナタ

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量産機+‪α戦です。




Beginning of the End

 

 

 

『国連軍戦車隊、ジオフロントへ侵入!』

 

『後続に地対空ミサイル部隊!』

 

NERVと国連軍の熾烈な争いは、舞台をジオフロントへと

移しつつあった。

 

「いい加減しつこいッ!」

 

「おとといきやがれってんでぃ!」

 

一足先にジオフロントへと出たアスカとマリが

国連軍の戦車隊らを相手に戦っていた。

 

エヴァは凄まじい戦闘能力を誇るが、汎用性や小回りなど

戦いやすさの面で言うと通常兵器よりも劣ってしまう。

 

「ありったけをつぎ込め!ミサイルも全部だッ!」

 

「何としてでも奴らのエヴァを破壊するぞ!」

 

そして何より厄介なのが、その数にものを言わせて

死をも恐れぬ特攻紛いの攻撃が次々と飛んでくる事だ。

 

彼ら国連軍は「NERVはサードインパクトを引き起こして

人類を滅亡させる事を目論む危険な組織である」と

上層部(SEELE)によって吹き込まれているため、人類滅亡を

阻止出来るのならと決死の攻撃を行うのだ。

 

 

 

『N2ミサイル第5波が来ます!』

 

切羽詰まったような青葉の声が響く。

 

ジオフロントを閉ざしている24層の特殊装甲板は

シンジの調整により初弾着弾時の予想よりも1発多く

持ち堪えてくれていたが、残りの枚数は僅か1枚。

次で確実に抜かれてしまう。

 

 

 

ズドォォォォーンッ!!!

 

 

 

轟音と共にとうとう特殊装甲板が全て破壊され

ジオフロントにとんでもない大穴が開けられた。

 

穴の縁からは芦ノ湖だったもの(大量の水)がザバザバと降り注ぎ

溜まった爆発の熱に触れて湯気となって消えていく。

 

 

「全く…派手にやるわねぇ…」

 

『VTOL機の中隊を確認!』

 

アスカが呆れたようなセリフを呟いた直後に

国連軍VTOL機の部隊がまるで羽虫の群れかのように

開けられた大穴から降りてくる。

 

 

「いっちょやりますか!姫!」

 

「マリ…遅れるんじゃないわよ?」

 

わらわらと降りてくるVTOL機目掛けて2機のエヴァが

パレットライフルを乱れ撃ちしていく。

 

「にゃにゃにゃにゃにゃにゃーーーっ!」

 

「うりゃあああァッ!」

 

2人とも敵対する相手を攻撃する事に特別躊躇いが

あるという訳でも無く、パレットライフルの弾丸は

次々とVTOL機を射抜いていった。

 

 

 

 

 

「惣流さん、真希波さん、大丈夫?」

 

「なんや、ワシの出番は無しかいな…」

 

続けて発進したトウジとヒカリが合流する頃には

ジオフロントへ展開していた国連軍も

ほとんど殲滅し終わっていた。

 

 

「よし、僕で最後だね」

 

程なくして本部施設をも派手にぶっ壊しながら

シンジがジオフロントへと表れ、全部で7機のエヴァが

SEELEの切り札(エヴァ量産機)を出迎える準備を終えた。

 

 

『エヴァ輸送機を光学で捉えました!』

 

「──来たっ!」

 

青葉の報告にシンジが空へと視線を向けると

超大型の全翼機(エヴァンゲリオン輸送機)が9機、編隊を組んで飛んできているのが

しっかりと確認出来た。

 

「エヴァに翼?なんか似合わないわね」

 

「なんちゅうか…けったいな見た目やな」

 

エヴァ輸送機から飛び立ったエヴァ量産機達は

なんと上空で生物的な形状の翼のような器官を広げ

鳥のように滑空しながら降りてきたのだ。

 

その翼のような器官にまるで吊るされるようにして

エヴァのボディがくっ付いている姿は中々にシュールで

アスカもトウジもそのデザインに苦言を呈する。

 

「SEELEの美的センスを疑うにゃ~…」

 

『なんかすっごくムカつく顔してるわねぇ』

 

量産機達がゆっくり降りてくるにつれてその顔も

ハッキリ見えてきたのだが、言うなれば目のないウナギ

白くて目のないニヤついた表情のウナギだ。

唇だけ血に染まった様に赤いのも、その不気味さを

より一層引き立てていた。

 

 

「レイ、墜とせる?」

 

「任せて!」

 

その顔にミサトらと同様少々ムカついたシンジは

レイに"必殺の一撃"を放つよう促した。

 

 

「……………っ!」

 

──ビギュオンッッッ!!!

 

 

 

ズドォォォォーンッ!!!

 

 

零号機のモノアイから、使徒達も使ってきていた

あの怪光線が独特な音と共に発射され、上空にいた

1機の量産機に直撃。その直後に周囲にいた8機をも

まとめて巻き込んだ大爆発を引き起こす。

 

 

「焼き鳥9丁あがり、だね」

 

「…コイツ美味そうやないで?センセ」

 

全身の装甲に焼け焦げた跡が付いた状態で

ボトボトと落ちてきたその姿は正に焼き鳥だった。

 

翼を焼かれ、空を飛ぶ手段を失った量産機達は墜落し

勢いよく地面へと叩きつけられた。直撃した1機に至っては

その翼だけではなく片方の腕が胸部の辺りから

ゴッソリと吹き飛んでしまっていた。

 

 

「………」

 

ゆっくりと起き上がった量産機達。

さすがにこの程度でくたばる訳ではないらしい。

 

 

 

「やろうか、みんな!」

 

シンジはビゼンオサフネ改を手に取って構えると

他のエヴァ達と共に量産機へと駆け出す──

 

「ワシらに押される様じゃまだまだやでェ!?」

 

「せいっ!」

 

飛び掛ってきた3号機に顔へとプログダガーを突き刺され

よろけた所へ4号機のマゴロクソードが直撃し

1機の量産機の上半身と下半身がサヨナラした。

 

 

「こんなのお茶の子サイサイよっ!」

 

2号機へ襲いかかろうとした量産機は、反撃を貰って

腕を持っていた諸刃の大剣ごと切り落とされ

首元と頭部を1本ずつマゴロクソードで貫かれて撃沈。

 

 

「的を~狙えば外さないヨ~ン♪」

 

片手にA.T.F.ランチャー改良型、片手にライフルを持ち

歌を歌いながらヒラヒラと戦う5号機を相手に

量産機が手も足も出せずに蜂の巣にされて行く。

 

 

「NERV本部は!落とさせないっ!」

 

ビゼンオサフネ改を手に推進器を吹かす初号機。

近くにいた別の量産機諸共その土手っ腹を貫かれ

湖へと投げ飛ばされた量産機はいとも容易く沈黙した。

 

 

「私はみんなと生きる。邪魔はさせない」

 

眼前のATフィールドへ必死になって剣を叩きつけていた

量産機が、頭部を綺麗に吹き飛ばされ地に倒れる。

覚醒した零号機は、手にしたその"(ロンギヌス)"すら使わずに

量産機を黙らせてみせた。

 

 

「シンジ君の幸せは守ってみせるよ」

 

人間で言う鳩尾辺り、その装甲の真下にコアがある箇所を

"真紅の槍(カシウス)"で綺麗に一突きされた量産機が

力無く地面へと倒れ伏した。始祖そのものと化した

Mark.06に触れられる者などいないのだ。

 

 

──交戦開始から僅か数十秒。

より素早く、より高火力になったエヴァ7機を相手に

量産機たちはあっという間に叩きのめされた。

 

「ふう…あっさりだったね」

 

 

 

──が。

 

『何これ…エヴァシリーズの反応が…!?』

 

通信先の発令所で、マヤが怯えたような声を上げる。

 

 

ググッ…グググッ…

 

「量産機が…生き返ってる!?」

 

「──S2機関!」

 

使徒が持つ無限のエネルギーを生成する永久機関(S2機関)

2号機や零号機も持つこの機関だが、決して稼働時間を

無限にするだけで終わるようなシロモノではない。

 

本来であればS2機関とは、その未知のエネルギーで

生体組織すらも再生する力を持ち、これまでの使徒達が

受けたダメージをすぐに再生していたのもまさに

このS2機関の機能によるものだった。

 

「こっちもだ!」

 

「不死身っちゅう事かいな!?」

 

まるでゾンビ映画のゾンビ達かの様な気持ちの悪い

起き上がり方で立ち上がってきた量産機。

 

 

「………ウィ…!」

 

起き上がった9機の量産機達がニヤリと哂う(わらう)

 

そして、量産機達が起き上がると同時に本部発令所に

更なる凶報が舞い込んでくる──

 

 

 

[New EVA-Unit(新型エヴァ) Activation Signal Confirmed(起動信号を確認)]

 

[Evangelion Mark.07]

[Evangelion Mark.08]

[Evangelion Mark.09]

[Evangelion Mark.10]

 

[EVA-OPFER TYPE]

 

『新型っ!?』

 

『4体も!?…まさか!』

 

何処かで未確認のエヴァが新たに起動したという反応。

しかもその数なんと4機。

 

未確認の4機という特徴に、ミサトとリツコは揃って

以前報告にあった未完成のエヴァ素体の事を思い出す。

ドイツへ4体揃って搬入され、それ以降建造状況などが

一切確認出来ていなかった謎のエヴァを。

 

 

『輸送機到着予想まであと約600秒!』

 

「…ちょっとマズイね」

 

シンジの額に冷や汗が浮かんだ。

目の前に立つ量産機達をあと10分で殲滅しなければ

増援が来て戦闘が一気に劣勢になる。

 

シンジ達7人はギアをさらに上げて量産機へ向かい───

 

 

 

『目標を光学で確認!』

 

「くそぉっ!」

 

倒しても倒しても起き上がる量産機達を殲滅する事は

結局できないまま、その増援の到着を許してしまった。

 

 

 

──ビギュオンッッッ!!!

 

 

「うわあッ!?」

 

「きゃあーーッ!」

 

上空から4発の光線が降り注ぐ。

 

降りてきた4機のエヴァはX字状の模様が刻まれた仮面と

それぞれ黄、赤、青、白の機体色を特徴とし、頭上には

Mark.06と同じ虹色の光輪を浮かべていた。

 

補完計画完遂のためSEELEが用意した保険であるエヴァ

エヴァオップファータイプだ。

 

 

 

「来るぞッ!」

 

今までも7vs9でだいぶ劣勢だったというのに

増援が4機加わったことて7vs13となり、更に劣勢になる。

 

オップファータイプ達は仮面のスリットにある目から

何度も光線を放つため、その火力は量産機の比ではない。

再生能力こそ劣るもののATフィールドと空中浮遊能力が

その欠点を補うため戦闘能力は量産機を上回る。

 

「……うぅ…っ!」

 

「もぉーっ鬱陶しいッ!」

 

「僕を消しに来たね」

 

中でも特にS2機関を持つ2号機や零号機、最後の使徒(殲滅対象)が乗る

Mark.06などはオップファータイプにも優先的に狙われ

特に劣勢に立たされる。

 

「姫っ!なんの…これしきっ!」

 

「放せっくそぉっ!レイッ!」

 

オップファーに狙われている3機を援護しようとしても

手の空いた量産機がシンジ達に殺到し、それを阻む。

 

量産機は大剣を持っていなくても動きがノロマで

トウジやヒカリでも1機撃破するのに苦戦はしないが

それが2機3機と飛び掛かってくれば、シンジやマリでさえ

援護まで注意を回せる余裕はあまり残らない。

 

「ぐあっ!」

 

『エヴァ初号機、胸部増加装甲損壊!』

 

量産機の諸刃の大剣が肩を抉るようにして突き出され

初号機の胸部に取り付けられた増加装甲が破壊される。

 

「ちぃッ!」

 

『2号機のマゴロクソードが破損!』

 

何度も諸刃の大剣と切り結んでいた影響か、2号機の

マゴロクソードが量産機の頭へ突き刺したのを最後に

1本ボキリと折れてしまう。

 

『5号機、A.T.F.ランチャー残弾ゼロです!』

 

A.T.F.ランチャーに使う特殊弾が底をついた。

マリはチャンス時などに限定して、なるべく節約しつつ

撃っていたが、それでも無くなるのは一瞬だった。

 

ただでさえ量産機戦で疲弊させられていた所へ

オップファーが加わった事で被害が一気に拡大していく。

 

 

ピーーーッ!

 

[活動限界まで 1:45:97]

 

ピピピピ……

 

突然初号機のエントリープラグ内に警報が響き渡った。

電源が外部電源から内部電源へ切り替わった時の警報だ。

 

『初号機!N2バックパック、システムダウン!』

 

「くっ…まだだッ!」

 

被弾が増えてきた事で、初号機のN2バックパックが

とうとう不調を来たし機能停止に陥ってしまったのだ。

 

フィールド推進器などの電力をバカ食いする装備を

多数身につけている今のNERVのエヴァは稼働時間が

非常に短くなっており、一気に活動限界時間が迫る。

 

『5号機バックパックにも不調!発電量が低下します!』

 

「んにゃろ〜ッ!」

 

同様のトラブルは5号機のものにも現れ始めており

こちらは機能停止こそしていないものの、派手に暴れれば

一時的にエヴァがダウンする恐れがあった。

 

 

 

──ビギュオンッッッ!!!

 

「うわあァッ!?」

 

『シンジ君っ!』

 

焦っていたシンジは、突如こちらへ振り向いたMark.09の

怪光線を避け損なった。

 

 

 

『エヴァ初号機左腕損失、沈黙ッ!』

 

『初号機、活動限界ですっ!予備も動きませんっ!』

 

NERV本部の特徴的なピラミッド状の建物に叩きつけられ

蛍光色のパーツと双眸から光が失われた初号機。

咄嗟の防御に使われた左腕は無残にも二の腕辺りから

吹き飛んでしまっている。

 

戦況をモニターしていた青葉とマヤの悲痛な叫びが

第1発令所に響いた。

 

『シンジ君…っ!』

 

仰向けに建物へ倒れ込んだボロボロの初号機の姿が

死にかけるシンジの姿に見えてしまったミサトは

胸に掛けたペンダントを握りしめ彼の無事を願った。

 

 

 

そして、3人目の覚醒の時が来る───

 

 

 

「レイは……っ…やらせないッ!!!」

 

 

 

つづく。





次回、最終回。

【エヴァ オップファータイプ】
シンエヴァではNHGの主機として使われた機体。
対NERVエヴァ用の機体にして儀式の補佐・予備機。
儀式の予備機でもあるためS2機関が搭載されているほか
使徒同様の強固なATフィールドと浮遊能力を有する。

出演エヴァの数の関係でナンバーが2つズレていますが
仮面のスリットがX字状のものだけである点以外は
デザイン・カラーリング面に原作との違いはありません

【エヴァ11号機~19号機】
みんなのトラウマ、ウナゲリオン。
番号がズレただけで原作と何ら変わりありません。
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