新世紀エヴァンゲリオン 天才少年シンジ君(試作) 作:高橋ヒナタ
「シンジー!遊びに来たで!」
「いらっしゃい!上がってってよ!」
時は少し遡りシャムシエル戦の数日後。
シンジはトウジとケンスケ、ヒカリを自宅に招いていた。
「戦場へ乱入したことについては大丈夫だったの?」
「あぁ、厳重注意で済んだよ。こってり絞られたけどな」
トウジ達3人はシャムシエルとの戦闘時に
避難指示が出ているにも関わらずシェルターから抜け出し
戦場へ乱入したことで説教を受けていたのだ。
今回が初犯だったこと、そしてエントリープラグへの
複数人搭乗のデータが採れたことを受け
刑罰などは受けずに済んだらしい。
「でさでさ、オレNERVにスカウトされたんだよ!
お前の美人上司のミサトさんにさ!」
「何だって!?」
ケンスケ曰く民間人へエヴァや使徒の情報を開示する際に
その撮影技術で色々協力してほしいと言われたとか。
既にエヴァの機密の一端に触れてしまった者を
スカウトして取り込んでしまうのはアリだろうが…。
「ミサトさん曰くコイツの根性が気に入ったんやと」
たしかにケンスケはエヴァの事を色々知ってて
それでもなお戦場まで見に来たのだから
その根性は大したもんだ。
「綾波さん、怪我はもう治ったんだね」
「えぇ、碇くんのお陰で早く治ったわ」
あっちはあっちで色々話をしているらしい。
クラス委員長としてやはりクラスメイトの様子は
気になるのだろう。
「お菓子とか色々作っておいたから食べていってよ」
テーブルに、あらかじめ作っておいた簡単なお菓子を
ずらりと並べていく。ポテチやチョコ、飲み物なんかは
スーパーマーケットで買ってきたやつだけれど。
「これ全部碇さんが作ったの!?」
「いくつかコンビニのやつも混ざってるけどね」
「あとで作り方教えてくれないかな?」
「僕の予定がない日なら何時でもいいよ」
手作りのお菓子だということに委員長が飛びついた。
ヒカリも料理を作ることがあるため、お菓子作りにも
当然興味はあった。知り合った人物がここまで作れるなら
教えてもらうしかないと思い頼み込んだのだ。
「シンジはホンマ何でもできるんやな~、尊敬もんやで」
「基本的に必要だったから身についただけだぞ?」
「それでもや!凄いモンは凄い、誇ってええと思うで!」
トウジからここまで褒められるのは嬉しいけれど
正直言ってちょっと恥ずかしい。
「そういえばさ碇、エヴァに乗った時のあの痛み
あれは何だったんだ?」
「…せや、そいつはワシも気になるな」
フィードバックダメージのことだ。
このことはエヴァの機密情報に入りそうではあるが
ミサトさんがケンスケをスカウトしたのなら
話しても問題はないだろう。
「あれはエヴァとシンクロしてる状態で発生する
フィードバックダメージだよ。」
「え、でもあれは碇にしか動かせないんだろ?」
「うん。動かすこと自体はね。」
シンクロ率が一定以上無いとまともに動かせないが
エントリープラグに乗っている時点で
ほんのわずかだがシンクロが発生するのだろう。
「シンジはあれ以上に痛かったって言うんか!?」
「まぁそうだね」
シンジはシンクロ率が80%を優に超える。
となれば受けるフィードバックダメージも大きくなり
場合によっては直接ダメージが残る可能性もある。
「…シンジはやっぱ凄いヤツやで!お前はワシのセンセや
センセって呼ばせてもらうで!」
「お、おぅ」
ガチャっ…
「たっだいま~!」
ミサトさんが帰ってきたようだ。
「おおっ、ミサトさんのご登場やで!」
「待ってましたーっ!」
トウジとケンスケは美人上司サマの御帰宅に歓喜する。
この2人は知り合って以降よくシンジの家に遊びに来るが
それはミサトさんと会いたいからというのも大きいらしい
美人上司と同居しているのを2人は羨ましがっているが
僕が来る前のミサトさんを見てもそう言えるのだろうか?
「くぅ~ッ!仕事終わりのビールは最ッ高だわ~♪」
帰ってくるなりビールをぐびぐび飲んでいる。
ピンポーン!
「誰か来たみたいやで?」
「誰だろう?」
呼んだ友人はすでに全員集まっているし
ミサトさんも今さっき帰ってきた。
となるとNERVの関係者がミサトさんを訪ねに来たか
リツコさん辺りが僕に用があって来たかぐらいだろう。
「どちら様です…か?」
「やっほーワンコ君!遊びに来てみたにゃ♪」
まさかのマリさんだった。
何故ここに来たのかと訊ねてみると特に理由はない、
言葉通りただ遊びに来てみただけとのことだった。
「お~友達呼んでパーティーかい?楽しそうだねぇ」
迷彩柄のキャミソールトップスにショートパンツという
ラフな格好で現れたマリさんにトウジとケンスケは
思わず鼻の下を伸ばしている。
マリさんもそれには気付いているみたいだけど
そういう視線には慣れているのか
2人に何か言うことはしなかった。
「ねぇ碇くん、お菓子を作ってみたいの、いい?」
綾波と委員長がお菓子のレシピ本を持って聞いてきた。
女の子同士交流を深めてるのは良い事だと思いつつ
いま家にある材料を軽く思い浮かべる。
「…今ある材料だとクッキーくらいしか作れないけど」
「うん。作ってみる」
綾波は笑顔でキッチンの方へ向かっていった。
「ワンコ君、もしかしてあの子と付き合ってたりする?」
「あ、バレた?まぁ関係は超健全だk…「なんやと!?」
「やっぱりか碇っ!?」
トウジとケンスケが物凄い形相で迫ってきた。
これが非リア充の怒りってやつだろうか
鼻息がふんすふんすと鳴っていそうな
余りの勢いにマリさんも若干引いている。
「碇、お前あんな美人上司と同居していながら!」
「やっぱセンセは隅に置けんヤツやで全く…」
僕が二股でもかけてるとでも言いたいんだろうか
関係は健全だと言っていたのは聞こえなかったらしい。
「へぇ~あの"2人目ちゃん"が…。
あはははっ、本当にワンコ君は面白いね…!」
…面白いと言ってくれるのは嬉しいけれど
綾波が「2人目」とはどういうことなのかが気になる。
綾波はセカンドではないし姉妹がいるとも聞いていない
となれば大方父さんが1枚噛んでいるんだろう。
「そうそう、冬月副司令がワンコ君のこと呼んでたよん。
暇な時に来てくれると嬉しい~ってさ。」
ここで何故副司令の名前が出てくるのか…。
母さんは副司令には一応気をつけろと言っていたけど
呼び出しを断り続けて副司令に反感を持たれても
良い事は無いだろうし時間は作っておくことにしよう。
「シンジ君~!ちょっ~ち来て~?」
ミサトさんが書類を2枚ピラピラさせながら
僕のことを呼んでいる。
「これ、目ェ通しておいてね。もう少し先の事だけど。
1枚目の方はここにいる子達なら誘っても良いからね~♪」
1枚目はエヴァ2号機の受け渡しについての書類だ。
新横須賀へ来航する国連軍太平洋艦隊へ合流し
非常用電源ソケットを届けろという指示だった。
これにトウジ達を呼んで平気なのかは疑問だが
まぁミサトさんが良いと言ったのなら良いんだろう。
2枚目の書類は日本重化学工業共同体から来ており
その内容は作業用ロボット「ジェットアローン」の
完成披露宴兼稼働テストへ来ないか?という誘いだ。
差出人は時田シロウと書かれていた。
「2枚とも了解です。楽しみだなぁこれは…」
つづく
マリをさっそく日常枠にぶっ込んでみました。
エヴァをよく知る方であれば
あるフラグが立ったのが分かったですかね?
次は貞本版には無いジェットアローン回。
ただ、アニメ版を何時でも見られる環境ではないので
今回のように小話レベルで済ませるかと。