太陽が暗闇に堕ちる時
世界は何時だって理不尽だ。
私は立花響14歳、何処にでも居る普通の女の子だったと思う……少なくともついこの前まではそう思っていた。
親友との約束で行ったツヴァイウイングのライブ、親友は急用で来れなくなり1人でライブを見る事になった、それが悪夢の始まり。
ノイズの襲撃、ライブ生存者への迫害、魔女狩りの様に広がる悪意。
信じていた両親は悪意に耐えきれず蒸発し、私だけが1人残された。
生きる意味なんて無くなってしまった私が唯一信じられる人が居た。
それは私の幼馴染みであり親友の小日向未来。
だけどある日彼女からの連絡が途絶えてしまった。
親友は、私を捨てて引っ越した
人々の悪意から逃れる為に、私の両親の様に。
学校へ行けば、酷いイジメが待っている。
熱した鉄を体中に押し付けられたり、彫刻刀で体中を抉られたり、教師からは殴る蹴るの暴行、誰も居ない家へ帰れば近所に住む者たちからの迫害が待っている。
心も体も限界だった。
家を出て、街の暗い路地裏で1人蹲る。
何故、どうして、私がこんな目に会うのか、ただでさえライブの後入院して、必死のリハビリで戻って来れたのに…
いっそ死んでしまおうか、そんな願いが届いた訳じゃないだろうけど、ある日不思議な人に会った。
「やぁ…君が立花響ちゃんかい?」
座って俯いていると声をかけられた。
顔を上げるとそこには赤いスーツを身に纏い、白い髪をした優男風の男が車椅子に座ってそこにいた。
誰なのか?なんで名前を知っているのか?頭が回らない、でも不思議と恐怖は無かった。
男は何かを差し出してきた。
黒い、腕に付ける様な…確かガントレットって言うんだっけ?それに似た機械、なんだろこれ?
「これはね、悪魔を呼び出す為の道具だよ」
差し出された物を呆然と見つめていると男は説明を始めた。
曰く、この黒いガントレットの様な物は特殊なプログラムで悪魔を召喚、契約出来る魔具である事。
曰く、この悪魔とは人を喰らう存在である事。
曰く、マガツヒと言う人の負の感情を好む存在故に怒りや憎しみ、悲しみ等のマイナスの感情を持たないと良い契約を結べないとの事。
曰く、悪魔は異界の存在故ノイズを殺せるとの事、そして最後にスティーブンと名乗る男から言われた言葉は……
「君は余りにも酷い迫害を受けた。君には魔女狩りの如く迫害して来た人々に復讐する権利があるのさ、このプログラムを使って…君を迫害して楽しんだ愚かな人々に、復讐をすると良いよ」
スティーブンはその後も続けて言った。
曰く1番最初に召喚した悪魔は基本的に殺さないと契約出来ない。例外として、話し合いや悪魔が召喚者を気に入る場合もあるとか。
曰く、召喚以外にもたくさんの機能があるとか。
スティーブンに言われるがままガントレットを起動すると、女性の上半身の様なシルエットが写った。
「ハロー?新しいマスター。私はバロウズ、これから貴女をサポートする補助AIよ、よろしくね」
柔らかな声で自己紹介するバロウズに、私も自己紹介する。
「えっと…立花響…です、よろしくお願いします…バロウズさん」
「あら、新しいマスターは随分礼儀正しくてかわいい女の子ね、私の事は呼び捨てで良いわよ?」
そう言いながら機能を色々教えてくれるバロウズ。
・契約した悪魔の詳細を見れる仲魔一覧
・自身のスキルやアビリティの設定が出来るステータス
・自身の装備品の設定が出来る装備一覧
・召喚機能を利用してガントレット内にしまいこんだ所持品を確認、使用、取り出しが出来るアイテム一覧
・邪法を用いて悪魔同士を合体させ、新たな別の悪魔を生み出す邪教の館
・過去に契約した事のある悪魔を、悪魔の通貨であるマッカを用いて再召喚して契約出来る悪魔全書
・自分を売り込んでいる悪魔達をマッカを使ってオークション形式で購入出来るデビルオークション
・今後、自分のレベルアップにより様々な便利機能が追加される補助アプリが取得出来るアプリ一覧
・アドレス登録した相手とのメール機能
これらが機能として盛り込まれているとバロウズは教えてくれた。
正直ものすごく便利だと思う。
バロウズは、さっそく悪魔と契約しようと言ってくれた。
何でも召喚される悪魔は召喚者の才能と現状の力量、マガツヒの総量から選ばれるらしい。
まずは武器になる物を探すと良いとバロウズは言う、戦って殺せば契約出来る事がほとんどらしいから当然だと思う。
私は何も無いよりずっとマシだと思って、路地裏に転がっていた先の尖った鉄パイプを拾った。
「バロウズ、武器になりそうな物拾ったよ」
「OKマスター、ならさっそく召喚するわよ?」
バロウズがそう言うと、バチバチと青白い電の様な物が弾けながら何かが形を成していく。
緑色の肌に、むきむきの筋肉、ぴっちりとした黄色い服、黒くて長めの髪に、大きな鉈の様な刃物を手に持っていた。
召喚プログラムになにやら色々表示される。
邪鬼 オーガ Lv.8
属性 物 銃 炎 氷 衝 電 破 呪
耐性 ? ? ? ? ? ? ? ?
これは…種族と名前、レベルに属性耐性…かな?
見るからに強そうなオーガを見て、足が震える。
恐怖で自然と鉄パイプを握る手が強くなる。
オーガが、こっちを見てニヤリと笑った
その瞬間、背筋に凄まじい怖気が走り慌てて横へ跳んだ。
そのすぐ後にドガンと大きな音が鳴り響き、コンクリートの破片が飛び散る。
ついさっきまで私がいた場所は、オーガの振り下ろした鉈が叩き付けられて、蜘蛛の巣状にヒビ割れていた。
「うそ……」
全身の血の気がサーっと引いていく感覚がする。
仮にあれだけの一撃を受けていたら無事なはずが無い、間違いなくぐちゃぐちゃの肉片にされて死んでしまったはずだ。
そんな事を考えている間にも、オーガは次の攻撃の準備をしている様だった。
次は何をされるのか分からない、怖い、逃げたい、でも、ここで逃げたら私はどうなる?
このまま無様に逃げ続けるのか?
オーガからも、私を迫害して来た人間からも、現実からも…?
「…やだ……いやだッ!!!!!」
逃げてたまるか…復讐するんだ…!
迫害して来た愚かな人間共に…!
私を見捨てて逃げた両親と未来に!
鉄パイプをギュッと強く握り締め、オーガを睨み付ける、オーガはそんな私を見て愉快そうにケタケタと笑っていた。
全力でオーガに向かって走る、何故かオーガは笑いながら腕を広げていた。
そんなオーガに向かって全身全霊の力を込めて鉄パイプの尖った先を心臓目掛けて突き立てる。
肉を貫く気持ち悪い感触をその手に感じながら、オーガの胸から流れ出る血液を睨み付けていた。
死ねと、死んでくれと、私の復讐の為の力になれと声にならない叫びを上げながら、深く深く突き立てる。
すると、オーガは笑いながらこう言った。
「オマエ、ツヨイ、オマエ、ヨワクナイ、オレ、オマエキニイッタ、オレ、邪鬼オーガ、コンゴトモヨロシク」
シュンっと青白い光と共にオーガが消えて、カランと音を立てて鉄パイプが落ちる。
地べたにへたり込み、オーガに勝ったと言う事実を噛み締めながら、恐怖と高揚感で自分の体を抱き締めていた。
今更になって全身が震えているのに気付いて、歯の根が鳴るほどガタガタになっている事に驚いてしまう。
その時、ポンっと誰かに肩に手を乗せられた。
バッと振り返るとそこには車椅子に乗った、真っ赤なスーツに身を包んだ白髪の男がいた。
「おめでとう、君は今…復讐への1歩を踏み出した。改めて名乗ろう、私はスティーブン…コンゴトモヨロシク…」
そう言って、スティーブンは瞬きする間に消えていた。
まるで最初からそこに居なかったかのように、突然現れた男はまた突然消えたのだ。……何なんだ一体……。
呆然と立ち尽くしていると、ガントレットからバロウズの声が聞こえてきた。
「邪鬼オーガ、仲魔契約完了よマスター。これからは召喚プログラムの機能全部が使えるわ、スティーブンからお祝いとして1万マッカ届いてるわよ」
確認してみると、確かに1万マッカ届いていた。
これで悪魔を買って戦力を整えると良いって事かな…?
初めて、悪魔とはいえ生き物に槍の様に尖った鉄パイプを突き立てる感触は、とにかく気持ち悪いものだった。
それでも私は、復讐する為の力を…仲魔を手に入れた。
これからゆっくりと力を蓄えて、私も強くなって…私を虐げた奴らを…私を見捨てて逃げた奴らを…みんなみんな…
コロシテヤル
悪魔召喚プログラムはメガテンとデビルサバイバーを掛け合わせた物となります。
まぁシンフォギア世界に悪魔居ないから仕方ないネ
なおここの闇堕ちビッキーはイジメが原因で拒食症になってガリガリに痩せ細ってます。
骨が浮きでる位には痩せてます。
ビッキーの柔らかお胸様はもちろんありません。
濃い隈が出来ててハイライトの無い瞳が特徴的です。
原作と違って顔を隠す為に目隠れロングヘアになってます。
マフラーでは無くネックウォーマーで口元隠して帽子を深々と被って街中を歩きます。
もしスティーブンが会わなかった場合、ビッキーは自殺します。
その結果、フィーネが月ぶっ壊して月の欠片がたくさん落ちてきて地球はぶっ壊れます。
(どっちに転んでも救いは)無いです
続きいる?
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続き書いて♡
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やめとけやめとけ…